さつまいもは太る?管理栄養士が徹底解説!太らない食べ方と驚きの健康効果とは?

「さつまいもは好きだけど太るのが心配…」そんなあなたへ。この記事では、管理栄養士がさつまいものカロリーや糖質を徹底比較し、太ると言われる理由から太らない食べ方のコツまで詳しく解説します。実はさつまいもは食物繊維やビタミンも豊富。正しい知識で、美味しく健康に役立てましょう。

さつまいもは本当に太るの?気になるカロリーと糖質

秋の味覚として有名なさつまいも。しかし、最近では1年を通してスーパーで販売されていますよね。「甘くて美味しいけれど、太りやすいのでは?」と心配する声もよく聞かれます。食物繊維が豊富で体に良いイメージもある一方で、その甘さや芋類であることから「太る」という印象を持たれがちなさつまいも。実際のところはどうなのでしょうか?さつまいものカロリーや糖質を他の芋類や主食と比較しながら、太ると言われる理由について詳しく見ていきましょう。

さつまいものカロリーと糖質を他の芋類と比較

さつまいものカロリーと糖質を他の芋類と比較

まず、さつまいものカロリーと糖質を、日常的によく食べられる他の芋類と比較してみましょう。ここでは、一般的な調理法である「蒸し」または「ゆで」の状態(100gあたり)で比較します。

芋の種類 カロリー(kcal) 糖質量(g) 食物繊維量(g)
さつまいも(蒸し) 約132 約29.7 約2.8
じゃがいも(ゆで) 約73 約16.1 約1.6
里芋(ゆで) 約57 約10.9 約2.3
長芋(生) 約64 約12.9 約2.0

上の表を見ると、さつまいもは他の芋類と比較してカロリーと糖質量がやや高めであることがわかります。特にじゃがいもと比較すると、カロリーは約1.8倍、糖質量は約1.8倍です。しかし、これはあくまで100gあたりの比較であり、食べる量や調理法によって大きく変わってきます。また、食物繊維量も芋類の中では比較的多く含まれている点も注目です。

ご飯やパンなど主食との比較から見るさつまいも

ご飯やパンなど主食との比較から見るさつまいも

次に、さつまいもを主食であるご飯やパンと比較してみましょう。さつまいもを主食の置き換えとして考える方もいるため、この比較は重要です。ここでは、一般的な1食あたりの量で比較してみます。

食品(1食目安) カロリー(kcal) 糖質量(g) 食物繊維量(g)
さつまいも(中1本 約200g・蒸し) 約264 約59.4 約5.6
白米ごはん(1膳 約150g) 約234 約53.4 約2.3
食パン(6枚切り1枚 約60g) 約150 約26.6 約2.5
うどん(ゆで1玉 約200g) 約190 約39.6 約1.6

1食分の目安で比較すると、さつまいも(中1本)は白米ごはん1膳よりもカロリー・糖質量ともにやや高くなります。しかし、食物繊維量は白米ごはんの2倍以上と非常に豊富です。食パン1枚と比較するとカロリー・糖質は高くなりますが、満足感や栄養価を考慮すると単純比較は難しいでしょう。うどん1玉と比較しても、カロリー・糖質は高めですが、食物繊維の差は大きいです。このことから、さつまいもは主食と比較してカロリーや糖質が極端に高いわけではなく、むしろ食物繊維が豊富であるというメリットが見えてきます。

さつまいもが太ると言われるのはなぜ?

さつまいもが太ると言われるのはなぜ?

では、なぜさつまいもは「太る」というイメージを持たれやすいのでしょうか。いくつかの理由が考えられます。

一つ目は、その「甘さ」からくる糖質の多さへの懸念です。実際にさつまいもには麦芽糖などの糖分が含まれており、これが甘さの元となっています。糖質の摂りすぎが体重増加につながることは広く知られているため、甘いさつまいもも同様に考えられがちです。

二つ目は、「芋類=炭水化物=太りやすい」という一般的な認識です。炭水化物は糖質と食物繊維から構成されており、確かにエネルギー源となる一方で、過剰摂取は体脂肪の蓄積につながります。さつまいもも炭水化物を多く含む食品の一つであるため、このイメージが先行している可能性があります。

三つ目は、調理法による影響です。例えば、大学芋やスイートポテトのように砂糖やバターをたっぷり使った調理法では、当然ながらカロリーや脂質、糖質量が大幅に増加します。こうした加工品のイメージが、さつまいも自体のイメージと結びついていることも考えられます。

そして最後に、美味しさゆえの「食べ過ぎ」です。さつまいもは自然な甘みとホクホクとした食感で、ついつい手が伸びてしまう美味しさがあります。どんなに体に良い食材でも、適量を超えて食べ過ぎてしまえばカロリーオーバーとなり、体重増加の原因になり得ます。これらの要因が複合的に絡み合い、「さつまいもは太る」というイメージが形成されているのかもしれません。

管理栄養士が解説!さつまいもで太らない食べ方のポイント

さつまいもは栄養価が高く、甘くて美味しい人気の食材ですが、「太りやすいのでは?」と心配される方も少なくありません。しかし、食べる量やタイミング、調理法を工夫すれば、ダイエット中でも安心して楽しむことができるのです。管理栄養士がさつまいもで太らないための具体的な食べ方のポイントを詳しく解説します。

太りにくいさつまいもの適量とは

太りにくいさつまいもの適量とは

さつまいもを食べる際に最も重要なのが「適量」を守ることです。いくら栄養価が高くても、食べ過ぎてしまってはカロリーオーバーとなり、太る原因になりかねません。

間食として食べる場合、1食あたりの適量はこぶし1個分、約100g~150g(中サイズ1/2本程度)を目安にしましょう。これは約130kcal~200kcalに相当します。食事の一部として取り入れる場合は、ご飯やパンなどの他の主食の量を調整するように心がけてください。例えば、普段ご飯を150g食べているなら、さつまいもを100g食べる日はご飯を50g減らすなど、全体の糖質量やカロリーを意識することが大切です。

ご自身の活動量や他の食事内容とのバランスを考え、調整するようにしましょう。

さつまいもを食べるタイミングはいつが良い?

さつまいもを食べるタイミングはいつが良い?

さつまいもを食べる「タイミング」も、太りにくさに関わる重要なポイントです。エネルギーとして消費されやすい日中に食べるのがおすすめです。

具体的には、以下のようなタイミングが良いでしょう。

  • 朝食や昼食に:活動を始める朝や、日中のエネルギー源として摂取することで、効率よく消費されやすくなります。
  • 運動の1~2時間前に:さつまいもの糖質は緩やかに吸収されるため、運動時のエネルギー源として持続的なパワーを供給してくれます。

逆に、夜遅い時間に食べるのはなるべく避けましょう。夜は活動量が減り、エネルギー消費も少なくなるため、余ったエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。また、消化にも時間がかかるため、胃腸への負担も考慮したい点です。

調理法で変わる?太りにくいさつまいもの食べ方

さつまいもは調理法によってカロリーやGI値(食後血糖値の上昇度合いを示す指標)が変化し、太りやすさにも影響します。賢い調理法を選びましょう。

おすすめの調理法 蒸す・焼く

おすすめの調理法 蒸す・焼く

最もおすすめなのは「蒸す」または「焼く」というシンプルな調理法です。これらの方法は油を使わないため、余分なカロリーを抑えることができます。また、さつまいも本来の甘みや風味を活かすことができ、満足感も得られやすいです。

特に、蒸したさつまいもや焼き芋を冷やして食べるのも効果的です。冷やすことで、さつまいものでんぷんの一部が「レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)」に変化します。レジスタントスターチは食物繊維と似た働きをし、血糖値の急上昇を抑えたり、腸内環境を整えたりする効果が期待できます。

注意したい調理法 揚げる・砂糖を多く使うもの

注意したい調理法 揚げる・砂糖を多く使うもの

一方で、注意が必要なのは「揚げる」調理法や、砂糖を大量に使うレシピです。

例えば、大学芋さつまいもの天ぷらは、さつまいもが油を吸収することでカロリーが大幅にアップします。また、スイートポテト甘露煮のように砂糖やバターを多く使うお菓子や料理も、糖質や脂質の摂りすぎにつながり、太る原因となります。

調理法による特徴を以下の表にまとめました。

調理法 特徴 太りにくさのポイント
蒸す・茹でる 油を使わずヘルシー。素材本来の甘みを活かせる。 カロリーを抑えられ、GI値も比較的穏やか。冷やすとレジスタントスターチが増加。
焼く 油を使わず、香ばしさや甘みが増す。 カロリーを抑えられ、GI値も比較的穏やか。皮ごと食べることで食物繊維も摂取可能。冷やすと◎。
揚げる(天ぷら、大学芋など) 油を多く吸収し、カロリーが大幅に増加。 高カロリー・高脂質になりやすいため、頻度や量に注意が必要。
砂糖やバターを多く使う加工品(スイートポテト、菓子類など) 糖質や脂質が多く、高カロリーになりやすい。 糖質の過剰摂取につながりやすいため、少量を楽しむ程度に。

さつまいもと相性の良い食べ合わせで太るのを防ぐ

さつまいもと相性の良い食べ合わせで太るのを防ぐ

さつまいもを食べる際に、他の食材との「食べ合わせ」を意識することで、より太りにくく、栄養バランスも向上させることができます。

以下のような食材との組み合わせがおすすめです。

  • 食物繊維が豊富な野菜やきのこ類、海藻類:これらに含まれる食物繊維は、糖の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑える効果があります。また、カサ増しにもなり満足感を高めてくれます。例:さつまいもとキノコのソテー、さつまいもとわかめの味噌汁など。
  • 良質なタンパク質(鶏むね肉、魚、大豆製品、卵など):タンパク質は消化に時間がかかり腹持ちを良くするため、食べ過ぎを防ぎます。また、筋肉の材料となり、基礎代謝の維持にも役立ちます。例:さつまいもと鶏むね肉のサラダ、さつまいもと豆腐の煮物など。
  • 乳製品(ヨーグルト、牛乳など):さつまいもに含まれる食物繊維と乳酸菌を一緒に摂ることで、腸内環境の改善効果が期待できます。無糖のヨーグルトと組み合わせるのがおすすめです。

これらの食材と組み合わせることで、栄養バランスが整い、さつまいもの持つ健康効果をより引き出すことができます。

組み合わせる食材カテゴリ 具体例 期待できる相乗効果
食物繊維が豊富な野菜・きのこ類・海藻類 ブロッコリー、ほうれん草、しめじ、えのき、わかめ、ひじき 血糖値の急上昇を抑制、便通改善、満腹感アップ
良質なタンパク質 鶏むね肉、ささみ、鮭、青魚、卵、豆腐、納豆 腹持ち向上、筋肉維持・増強サポート、代謝アップ
乳製品(無糖・低脂肪が望ましい) プレーンヨーグルト、牛乳 腸内環境改善(食物繊維との相乗効果)、カルシウム補給
ナッツ類・種実類(少量) アーモンド、くるみ、ごま 良質な脂質、ビタミンE補給、食感のアクセント

これらのポイントを押さえて、美味しく賢くさつまいもを食生活に取り入れていきましょう。

ダイエット中にも嬉しい!さつまいもの驚きの健康効果

さつまいもは「甘いから太るのでは?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、実はダイエット中の方にとっても非常に魅力的な食材です。その理由は、さつまいもが持つ数々の素晴らしい健康効果にあります。ここでは、管理栄養士の視点から、さつまいもがダイエット美容、健康維持にどのように貢献するのか、その驚きのパワーを詳しく解説していきます。これらの効果を知ることで、さつまいもを上手に食生活に取り入れ、健康的な体づくりに役立てることができるでしょう。

食物繊維が豊富で便秘解消に効果的なさつまいも

食物繊維が豊富で便秘解消に効果的なさつまいも

さつまいもは、食物繊維が非常に豊富な食材として知られています。特に、皮付きの蒸しさつまいも100gあたりには約3.5g、焼き芋では約3.8gもの食物繊維が含まれており、これは他の芋類と比較しても多い量です。さつまいもに含まれる食物繊維には、主に「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類があります。

不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のカサを増やし、腸壁を刺激することで腸の蠕動(ぜんどう)運動を活発にします。これにより、便通が促進され、便秘の予防・改善に繋がります。一方、水溶性食物繊維は、腸内で善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果があります。また、糖質の吸収を緩やかにし、食後の血糖値の急上昇を抑える働きも期待できます。

これらの食物繊維の働きにより、便秘が解消されると、ぽっこりお腹の改善だけでなく、体内に溜まった老廃物や有害物質の排出がスムーズになり、デトックス効果も期待できます。腸内環境が整うことは、免疫力の向上や肌荒れの改善、さらには代謝アップにも繋がり、ダイエットをサポートします。

さつまいも特有の成分ヤラピンとは

さつまいも特有の成分ヤラピンとは

さつまいもを切ったとき、断面からにじみ出る白い乳液状の液体、これが「ヤラピン」という成分です。ヤラピンはさつまいも特有の成分で、樹脂の一種です。このヤラピンは、さつまいもの皮のすぐ下の部分に特に多く含まれています。

ヤラピンの主な働きは、腸の蠕動運動を促進し、便を柔らかくして排出しやすくする効果です。食物繊維との相乗効果で、よりスムーズなお通じをサポートしてくれるため、便秘に悩む方にとっては非常に心強い成分と言えるでしょう。ヤラピンは加熱してもその効果が失われにくいため、調理したさつまいもからも効率よく摂取することができます。便秘解消効果を最大限に引き出すためには、皮ごと調理して食べるのがおすすめです。

美肌効果も期待できるさつまいものビタミンC

さつまいもには、美容に欠かせない栄養素であるビタミンCも豊富に含まれています。一般的にビタミンCは熱に弱い性質がありますが、さつまいものビタミンCはデンプン質に守られているため、加熱調理後も比較的多く残るという大きなメリットがあります。中くらいのさつまいも1本(約200g)を食べると、1日に推奨されるビタミンC摂取量のかなりの部分を補給できるほどです。

ビタミンCには、以下のような美肌効果が期待できます。

  • コラーゲンの生成促進:肌のハリや弾力を保つコラーゲンの生成を助け、シワやたるみの予防に繋がります。
  • メラニン色素の生成抑制:シミやそばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑え、透明感のある肌を保ちます。
  • 抗酸化作用:体内の活性酸素を除去し、細胞の酸化(老化)を防ぐことで、若々しい肌の維持に貢献します。

さらに、さつまいもには抗酸化作用を持つビタミンEも含まれており、ビタミンCと一緒に摂ることで相乗効果が生まれ、より強力な抗酸化力を発揮します。美味しく食べながら美肌ケアもできるのは、さつまいもの大きな魅力の一つです。

低GI食品としてのさつまいもと太るリスク

低GI食品としてのさつまいもと太るリスク

GI(グリセミック・インデックス)値とは、食品を摂取した後の血糖値の上昇度合いを示す指標です。GI値が高い食品ほど食後の血糖値が急上昇しやすく、インスリンが多く分泌されます。インスリンには血糖値を下げる働きのほかに、余った糖を脂肪として体に蓄える働きもあるため、過剰な分泌は肥満のリスクを高めます。

さつまいものGI値は、調理法によって変動しますが、一般的に蒸したさつまいもは約50前後と低GIに分類されます。これは、白米(GI値約88)や食パン(GI値約95)といった主食と比較しても低い数値です。ただし、焼き芋にすると水分が抜けて糖度が凝縮されるため、GI値は80~85程度まで上昇し、中~高GIの範囲に入ります。

食品(100gあたり) GI値(目安) 分類
蒸しさつまいも 約50 低GI
焼き芋 約80-85 中~高GI
じゃがいも(ゆで) 約70 中GI
白米(精白米) 約88 高GI
食パン 約95 高GI

低GI食品である蒸しさつまいもなどを選ぶことで、食後の血糖値の急上昇を抑え、インスリンの過剰な分泌を防ぎ、結果として脂肪の蓄積リスクを低減させることが期待できます。ダイエット中にさつまいもを食べる際は、調理法を意識することが大切です。

むくみ予防に役立つカリウムもさつまいもには豊富

さつまいもは、体内の水分バランスを整える上で重要なミネラルであるカリウムも豊富に含んでいます。蒸したさつまいも100gあたりには約470mgものカリウムが含まれており、これは芋類の中でもトップクラスの含有量です。

カリウムの主な働きは、体内の余分なナトリウム(塩分)を尿として体外へ排出することです。ナトリウムを摂りすぎると、体は塩分濃度を薄めようとして水分を溜め込みやすくなり、これがむくみの原因となります。カリウムは、このナトリウムとのバランスを調整し、むくみの予防・改善に役立ちます。

特に外食や加工食品などで塩分を摂りすぎる傾向にある現代人にとって、カリウムは積極的に摂取したい栄養素です。むくみが解消されると、体がスッキリと軽くなるだけでなく、血行が促進されて冷え性の改善や代謝アップにも繋がる可能性があります。ダイエット中は体重だけでなく、見た目の変化も気になるもの。さつまいもを食生活に取り入れることで、むくみ知らずのすっきりとしたボディラインを目指しましょう。

食べ過ぎは注意!さつまいもで太るケースとは

さつまいもは栄養豊富で、食物繊維も多く含まれているため、ダイエットや健康維持の強い味方とされています。しかし、どんなに体に良い食材でも、食べ方や量によっては太る原因となることがあります。この章では、さつまいもで太ってしまう具体的なケースについて詳しく解説します。

やはり食べ過ぎはさつまいもでも太る原因に

さつまいもが持つ健康効果を期待していても、食べ過ぎはカロリーオーバーに直結します。さつまいもは100gあたり約130kcal、糖質は約30g(蒸した場合)と、芋類の中では比較的カロリーも糖質も高めです。ご飯やパンなどの主食と比較すると低く感じるかもしれませんが、おやつや間食として無意識に量を重ねてしまうと、1日の総摂取カロリーや糖質量が想定以上に増えてしまうことがあります。

例えば、中くらいサイズのさつまいも(約200g)を1本食べると、それだけで約260kcal、糖質約60gを摂取することになります。これを食事にプラスして、あるいは間食として頻繁に食べていれば、体重増加のリスクは当然高まります。「ヘルシーだからいくら食べても大丈夫」という思い込みは禁物です。1日の食事全体のバランスを考え、さつまいもを食べる量も適切にコントロールすることが重要です。

特に、食事の置き換えとしてさつまいもを利用する場合でも、他の食事でカロリーを調整しなければ、総カロリーが増えてしまう可能性があります。「さつまいもを食べているから他は気にしなくても良い」というわけではないことを理解しておきましょう。

甘い加工品や調理法はさつまいもが太るもとに

甘い加工品や調理法はさつまいもが太るもとに

さつまいも自体は自然な甘みがあり美味しいですが、調理法や加工品になると、砂糖や油分が大量に加えられ、高カロリー・高糖質・高脂質になりやすいため注意が必要です。これらはさつまいもが太る大きな原因の一つと言えるでしょう。

以下に、注意したいさつまいもの加工品や調理法の例と、その理由を示します。

食品名・調理法 カロリー(目安/100g) 糖質(目安/100g) 脂質(目安/100g) 太りやすい理由・注意点
ふかし芋 約130kcal 約30g 約0.2g 素材本来の栄養。調理法としては最もヘルシー。
大学芋 約250~350kcal 約50~60g 約5~15g 砂糖を絡め、油で揚げているため高カロリー・高糖質。少量でも満足感がある反面、食べ過ぎやすい。
スイートポテト 約250~300kcal 約30~40g 約10~15g バター、生クリーム、砂糖を多く使用するため高カロリー・高脂質。デザートとして楽しむ際は量に注意。
さつまいもの天ぷら 約200~250kcal 約25~35g 約10~15g 衣が油を吸うため、カロリーと脂質が大幅にアップ。食物繊維は摂れるが、頻繁に食べるのは避けたい。
芋けんぴ 約450~500kcal 約60~70g 約20~30g 油で揚げた上に砂糖がたっぷりコーティングされており、非常に高カロリー・高糖質・高脂質。少量で抑えるのが賢明。
干し芋(砂糖不使用) 約300kcal 約70g 約0.6g 水分が抜けて栄養が凝縮。食物繊維は豊富だが、カロリーと糖質は生の状態より高い。食べ過ぎに注意。

※上記の数値はあくまで目安であり、製品やレシピによって異なります。

これらの加工品や調理法は、さつまいも本来の食物繊維やビタミンCといったメリットを享受しつつも、過剰な糖分や脂質を摂取してしまうリスクが伴います。特に市販のものは保存性を高めるためや風味を良くするために、家庭で作るよりも多くの砂糖や油が使われていることがあります。美味しいからとつい手が伸びてしまうこれらの食品は、食べる頻度や量を意識することが、さつまいもで太らないためには非常に大切です。

管理栄養士おすすめ!太らないさつまいもレシピ

さつまいもはその甘さから敬遠されがちですが、調理法や組み合わせを工夫すれば、ダイエット中でも美味しく楽しめる食材です。ここでは、管理栄養士がおすすめする、太りにくく、さつまいもの栄養をしっかり摂れるレシピをご紹介します。日々の食事に上手に取り入れて、健康的な食生活を送りましょう。

シンプルな焼き芋・蒸しさつまいも

シンプルな焼き芋・蒸しさつまいも

さつまいもの自然な甘みと栄養を最もダイレクトに味わえるのが、焼き芋や蒸しさつまいもです。余計な油や調味料を使わないため、カロリーを抑えつつ、さつまいも本来の美味しさを楽しむことができます。

調理のポイントは、皮ごとじっくりと加熱すること。皮の近くにも食物繊維やポリフェノールなどの栄養素が豊富に含まれています。また、低温で長時間加熱することで、さつまいものでんぷんが糖に変わり、甘みが増します。電子レンジでも手軽に作れますが、オーブンや蒸し器を使うと、よりしっとり、ほっくりとした仕上がりになります。

食べ方のコツとしては、熱々を食べるのも美味しいですが、少し冷ましてから食べると、レジスタントスターチという難消化性でんぷんが増え、血糖値の上昇を緩やかにする効果が期待できます。よく噛んで食べることで満腹感も得やすくなります。

調理法 ポイント
焼き芋 オーブンやトースターでじっくり焼く。アルミホイルで包むと水分が保たれ、しっとり仕上がる。
蒸しさつまいも 蒸し器や電子レンジで加熱。皮ごと蒸すことで栄養を逃しにくい。

シンプルながらも奥深い味わいの焼き芋や蒸しさつまいもは、おやつや軽食にも最適です。

さっぱり美味しい さつまいものレモン煮

さっぱり美味しい さつまいものレモン煮

甘いさつまいもをさっぱりと楽しみたい方には、レモン煮がおすすめです。レモンの酸味がさつまいもの甘さを引き立て、飽きのこない爽やかな味わいになります。ビタミンCも豊富に摂れるため、美容や風邪予防にも嬉しい一品です。

材料(2人分目安):

材料 分量
さつまいも 中1本(約200g)
レモン(スライス) 1/2個
200ml
はちみつ または メープルシロップ 大さじ1(お好みで調整)
ひとつまみ

作り方:

  1. さつまいもは皮をむき(または皮付きのままよく洗い)、1cm厚さの輪切りにし、水にさらしてアクを抜きます。
  2. 鍋にさつまいも、水、はちみつ(またはメープルシロップ)、塩を入れ、中火にかけます。
  3. 煮立ったら弱火にし、さつまいもが柔らかくなるまで10~15分ほど煮ます。
  4. さつまいもが柔らかくなったらレモンスライスを加え、さらに2~3分煮て火を止めます。
  5. 粗熱を取り、冷蔵庫で冷やすとより一層美味しくいただけます。

太りにくくするポイントは、砂糖の使用量を控え、はちみつやメープルシロップなどの自然な甘味料を少量使うことです。レモンの皮も薄くスライスして一緒に煮ると、香りが良くなり、ポリフェノールも摂取できます。甘味料なしでも、さつまいも本来の甘みとレモンの酸味で十分美味しく仕上がります。

満足感アップ さつまいもと鶏むね肉のヘルシーサラダ

満足感アップ さつまいもと鶏むね肉のヘルシーサラダ

さつまいもを食事のメインとして取り入れたい場合は、タンパク質と組み合わせたサラダがおすすめです。鶏むね肉は高タンパク・低脂質で、さつまいもの食物繊維と合わせることで、満腹感が持続しやすく、栄養バランスも整います。彩りも豊かで、見た目にも楽しい一品です。

材料(2人分目安):

材料 分量
さつまいも 中1/2本(約100g)
鶏むね肉(皮なし) 100g
ミックスリーフやレタスなど 適量
ミニトマト 4~5個
くるみやアーモンドなどのナッツ類(無塩) 少々(お好みで)
<ドレッシング>
オリーブオイル 大さじ1
レモン汁 または 酢 大さじ1/2
塩、こしょう 各少々
(お好みで)粒マスタード 小さじ1/2

作り方:

  1. さつまいもは皮付きのままよく洗い、1.5cm角に切って水にさらします。耐熱皿に並べ、ラップをして電子レンジで柔らかくなるまで加熱(600Wで3~4分目安)し、冷まします。
  2. 鶏むね肉は塩こしょう少々(分量外)を振り、耐熱皿に入れて酒小さじ1(分量外)をかけ、ラップをして電子レンジで火が通るまで加熱(600Wで3~4分目安)します。粗熱が取れたら手で食べやすい大きさに割きます。
  3. ミックスリーフは洗い、水気を切ります。ミニトマトは半分に切ります。ナッツ類は粗く刻みます。
  4. ボウルにドレッシングの材料を混ぜ合わせます。
  5. 器にミックスリーフ、さつまいも、鶏むね肉、ミニトマトを盛り付け、ナッツを散らし、ドレッシングをかけて完成です。

ヘルシーに仕上げるコツは、鶏むね肉の皮を取り除くこと、ドレッシングは市販のものではなく、オリーブオイルやレモン汁、酢を使った手作りのものを選ぶことです。マヨネーズベースのドレッシングはカロリーが高くなりがちなので注意しましょう。ヨーグルトベースのドレッシングもさっぱりとしておすすめです。また、ナッツ類を加えることで、食感のアクセントと良質な脂質、ビタミンEを補給できます。

まとめ

さつまいもは太る?管理栄養士が徹底解説!まとめ

さつまいもは「太る」というイメージがあるかもしれませんが、それは食べ方次第です。確かにカロリーや糖質は含まれますが、食物繊維が豊富で、血糖値の上昇が緩やかな低GI食品でもあります。蒸したり焼いたりといったシンプルな調理法で適量を守れば、太る心配は少なく、むしろ便秘解消美肌効果など、嬉しい健康効果も期待できます。さつまいもの特性を理解し、上手に食生活に取り入れていきましょう。