鮮やかな紫色が目を惹く紫芋。タルトやパンケーキなどのスイーツとして目にすることが多く、スーパーの売り場などで実際に手に取ることは少ないかもしれません。しかし最近では、抜群に甘い品種が登場したこともあり、さつまいも界では注目が高まっています。今回は、そんな紫芋を家庭でおいしく食べる方法をご紹介します。
紫芋とは
さつまいもの仲間
紫芋は実はさつまいもの一種です。つまりは、「安納いも」や「紅あずま」といった、中身の色がオレンジ色や黄色のさつまいもと同じ仲間なのです。紫芋は国内では主に九州・沖縄地方で栽培されています。
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炭水化物と食物繊維
主な栄養素は炭水化物、食物繊維です。紫芋には、じゃがいもの約2倍の量の食物繊維が含まれています。腸の運動を促し、不要なものや有害なものを体の外へ排出するので、腸内環境を整えるのに必要不可欠な栄養素です。
アントシアニン
特徴的な紫色は、アントシアニンという色素によるもの。アントシアニンは自然界に存在する色素で、紫外線などから身を守るために蓄えられます。健康効果という点でも様々な研究が行われていて、注目の成分の一つです。目の疲労回復、肥満予防、体の老化を抑えるなどの効果が期待されています。
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ビタミン類
他にも、β-カロテン、ビタミンCやビタミンEなど、抗酸化力を持つ栄養素も含みます。ビタミンが不足すると肌トラブルや疲れやすさにつながるので、意識して取っておきたい栄養素です。
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紫芋は家庭でもおいしく食べられる!
一般的な品種の紫芋は、黄色いさつまいもに比べると甘さが控えめな場合が多く、スイーツなどの加工食品の食材としてのイメージが強いのではないでしょうか。しかし、産地である九州・沖縄地方では、紫芋を日常的に食してきた地域もあり、家庭でも楽しめる食材なのです。また、冒頭でお伝えしたように、近年ではさつまいもの中でトップクラスに甘い品種も出てきましたので、見つけたらぜひ手に取ってみて、そのおいしさを味わってみてください。
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紫芋をおいしく食べるコツ
甘さを引き出す温度
紫芋を食べるのなら、本来持つ甘さを存分に引き出していきましょう。そのためには、加熱する温度がとても重要です。紫芋(さつまいも)の甘さを引き出すには、65℃〜75℃の加熱が適しています。これには、紫芋に含まれるアミラーゼという酵素が関係しています。この温度にすることで、アミラーゼがさつまいもの中のでんぷんに作用し、甘い成分を作り出します。65℃以下だとアミラーゼが働かずでんぷんが残り甘味が生成されません。また75℃以上になるとアミラーゼが壊れてしまい、甘さを引き出すことが難しくなります。石焼き芋を食べて、その甘さに感動したことはないでしょうか。石焼き芋の甘さは、まさにこのメカニズムによるものです。熱した石から発生する遠赤外線が、低温で、じっくりとさつまいもを焼くため、アミラーゼがしっかりと働き、甘さが引き出されるのです。
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水分を活かす
次に、紫芋のおいしさにおいて大事なのは食感です。紫芋の半分以上は水分です。その水分を最大限に生かすことで、ねっとりしっとりとした食感を楽しむことができます。
紫芋のおいしい食べ方
おすすめは蒸し芋
上述の通り、アミラーゼが働くよう65℃〜75℃で長く加熱すること、水分を生かすことがポイントです。つまりは、どんな調理法だとしても70℃前後の温度を保つことができれば、甘い紫芋料理が出来上がります。では実際どうやって、その温度ができるのか。家庭で石焼き芋は難しいですよね。
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そこで、家庭でも再現できる方法として「蒸し芋」がおすすめです。蒸し器を使った蒸し芋ならば、火加減や蓋の置き方で温度調整ができ、オーブンに比べて短時間で甘く仕上げることができます。また水分もしっかりと残すので、ねっとりしっとりとした食感もしっかりと味わうことができるのです。
作り方
紫芋のおいしい蒸し芋の作り方をご紹介します。蒸し器がなくても作れる方法もご紹介するので、ぜひ試してみてください。
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(用意するもの)
蒸し器
(作り方)
- 紫芋を皮がついたまま輪切りにし、水を入れた蒸し器に立てて並べ、蓋をして中火にかける。
- 沸騰したら弱火にし、蓋をずらし1cm程度隙間を作りそのまま15分〜30分加熱する。
- 竹串をさし、すっと通ったら完成。
(蒸し器がない場合)
鍋と耐熱皿、金属製か竹製のざるで代用できます。方法:鍋の底に耐熱皿を逆さにして入れ、ざるを重ね置く。ざるにつかない水位まで水を入れ、沸騰させると蒸し器として使えます。
紫芋のまとめ
今回は、紫芋をおいしく食べる方法として蒸し芋をご紹介しましたが、いかがでしたか。蒸し芋は、基本中の基本のレシピ。そのまま食べておいしいですし、サラダのトッピングにしたり、お菓子の材料にしたりと色々な食べ方を楽しむことができます。食卓を華やかにし、存在感もばっちりですし、栄養もたっぷりな魅力的な食材ですね。紫芋が手に入ったら、ぜひ試してみてくださいね。
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