お子様向けの焼き芋の焼き方とは？炊飯器、オーブン、トースターで実際にやってみた

秋が深まるにつれて、店頭にはさまざまな種類のさつまいもがずらりと並び始めます。紅はるかや安納芋など、見るだけでほっこりする季節の味覚ですよね。また、この時期は芋ほりイベントやご近所からのおすそ分けなどで、思いがけずたくさんのさつまいもを手にする機会も増えます。せっかくなら、自宅でも手軽に美味しい焼き芋を作ってみたいもの。オーブンやトースター、フライパンなど、特別な道具がなくても、ちょっとした工夫でお店のように甘くてしっとりした焼き芋を楽しむことができます。

この記事では、家庭にある調理器具を使って簡単に作れる焼き芋のレシピや、上手に焼き上げるためのコツをご紹介します。寒い日にほくほくの焼き芋を頬ばれば、心までぽかぽかと温まりますよ。

【手軽に焼き芋】オーブントースターで作る

食パンを焼くのと同じ感覚で楽しめる、トースターを使った焼き芋づくりは、自宅でできるもっとも手軽な方法のひとつです。難しい工程がなく、スイッチひとつで香ばしい焼き芋の香りが広がるのが魅力です。アルミホイルを使わずにそのまま焼くこともできますが、表面が乾きやすくなってしまうことも。しっとりとした食感を楽しみたい場合は、軽く濡らしたアルミホイルで包んでから焼くのがおすすめです。こうすることで、さつまいもの水分が適度に保たれ、甘みがぐっと引き立ちます。

焼き上がる頃には、部屋いっぱいに広がる香ばしい匂いが食欲をそそります。トースターさえあれば誰でも簡単にできるので、忙しい日やおやつタイムにもぴったりの焼き方です。

オーブントースターでの美味しい焼き芋の作り方

トースターで作る焼き芋は、シンプルながらもコツを押さえると驚くほど美味しく仕上がります。

まず、さつまいもは皮ごとよく洗い、泥をきれいに落としてから水気を拭き取ります。そのあと、アルミホイルでぴったりと包みましょう。ホイルをしっかり密着させることで、蒸し焼きのようになり、しっとりとした甘みの強い焼き芋になります。

準備ができたら、トースターに並べて15分ほど加熱。焼き目がついたら、芋を回して反対側をさらに15分焼きます。竹串を刺してスッと通れば、ちょうどよい焼き加減です。もし固い場合は、様子を見ながら5分ずつ追加で加熱してみてください。

美味しく仕上げるポイントは、火が通りやすい小ぶりのさつまいもを選ぶこと。大きな芋だと中まで熱が届きにくく、時間がかかってしまいます。また、アルミホイルは水分を逃さないようにぴったり包むのがコツです。こうすることで、外は香ばしく中はホクホク、とろけるような焼き芋を自宅でも楽しめます。

オーブントースターで作った焼き芋

アルミホイルを使わずに焼くと、皮がこんがりと香ばしく焼け、外側はパリッとした仕上がりになります。水分が抜けやすいため、少しパサッとした食感になりますが、そのぶん香ばしい風味が際立ち、まるで石焼き芋のような味わいを楽しめます。焼き芋特有の“焦げ目の香り”が好きな方には、この焼き方がおすすめです。

一方で、アルミホイルに包んで焼くと、蒸し焼きのようになって水分がほどよく残り、しっとりホクホクとしたやさしい口当たりに。甘みもより引き立ち、ねっとりとした焼き芋が好みの方にはこちらの方法がぴったりです。

焼きたての芋に、バターを少しのせると、香りがふわっと広がり、濃厚なコクが加わって絶品の味わいに。トースターで作ったとは思えないほどの満足感が得られます。気分や好みに合わせて、焼き方を変えてみるのも楽しいですよ。

【じっくり加熱】オーブンレンジで作る

さつまいもが甘くなる秘密は、「アミラーゼ」という酵素にあります。この酵素は、加熱によってさつまいものでんぷんを麦芽糖に変える働きを持ち、60〜70℃ほどの温度でじっくり加熱すると、その作用が最大限に引き出されます。つまり、ゆっくりと時間をかけて火を通すほど、甘みがぐっと増して美味しくなるのです。

オーブン調理は、この“ゆっくり加熱”に最も適した方法。時間は少しかかりますが、一度オーブンに入れてボタンを押せば、あとは焼き上がりを待つだけ。火加減の心配もなく、誰でも失敗なく作れるのが魅力です。

焼き上がったさつまいもは、ほくほくというより、ねっとりとした濃厚な甘さに。口の中で自然な甘みが広がり、まるでスイーツのような味わいです。甘くてしっとりとした焼き芋を楽しみたい方は、ぜひオーブンでの“ゆっくり焼き”を試してみてください。

オーブンレンジでの美味しい焼き芋の作り方

オーブンで作る焼き芋は、まるで専門店のように甘くて香ばしい仕上がりになるのが魅力です。手順はとてもシンプルですが、ポイントを押さえることで格段に美味しさが変わります。

まず、さつまいもは皮ごとよく洗い、泥を落としてから水気をしっかり拭き取ります。そのあと、アルミホイルを隙間ができないようにぴったりと巻きましょう。こうすることで水分が逃げず、蒸し焼きのようなしっとり感が生まれます。鉄板に並べたら、オーブンを余熱せずに180℃で約60分じっくり加熱。焼き終わったらすぐに取り出さず、しばらくそのまま余熱で温めておくと、甘みがより引き立ちます。

焼き芋を美味しく仕上げるコツは「じっくり火を通す」こと。急いで高温で焼くよりも、時間をかけてゆっくり加熱することで、さつまいもの中の酵素が働き、自然な甘さがぐんと増します。もし中まで火が通りにくい場合は、温度を170℃ほどに下げて時間を延ばすのもおすすめです。ホイルを開けた瞬間に広がる甘い香りと、しっとりねっとりとした食感をぜひ楽しんでください。

オーブンレンジで作った焼き芋

オーブンで焼いたさつまいもは、水分と甘みのバランスが絶妙で、まるで専門店の焼き芋のような味わいになります。外はほんのり香ばしく、中はしっとりとしていて、冷めても硬くなりにくいのが特徴です。時間が経っても美味しさが続くので、お弁当やおやつにもぴったりです。

また、使うさつまいもの種類によって、仕上がりの食感が変わるのもオーブン焼きの楽しみのひとつ。紅あずまや鳴門金時などはほくほくとした昔ながらの味わいに、紅はるかや安納芋はねっとり濃厚な甘さに仕上がります。品種ごとの個性を比べてみるのもおすすめです。

オーブン調理は手間がかからず、ボタンひとつでじっくり火が通るので、家庭でも簡単にプロのような焼き芋が楽しめます。温かいままはもちろん、冷めても甘みが増して美味しいので、ぜひいろいろな品種で試してみてください。

【たまらないねっとり感】炊飯器で作る

炊飯器で作る焼き芋は、見た目こそ「焼く」というより「ふかす」に近いですが、驚くほど甘くてしっとりとした仕上がりになる人気の方法です。ゆっくりと時間をかけて加熱することで、さつまいもに含まれる糖分がじわじわと引き出され、まるで蜜がしみ出すような濃厚な味わいに。

特に、安納芋やシルクスイートのようなねっとり系の品種との相性が抜群です。加熱中に自然と糖化が進むため、お店で食べるようなとろける甘さを自宅でも手軽に再現できます。

火加減の調整も不要で、炊飯ボタンを押すだけという手軽さも魅力。炊き上がったふっくら芋の香りがキッチンいっぱいに広がれば、もう幸せな時間の始まりです。しっとり甘い焼き芋が好きな方には、ぜひ一度試してほしい調理法です。

炊飯器での美味しい焼き芋の作り方

炊飯器で作る焼き芋（ふかし芋風）は、とても簡単で失敗が少ないのが魅力です。じっくり熱を通すことで甘みが増し、蜜があふれるようなねっとり食感に仕上がります。

まず、さつまいもは皮ごとよく洗い、炊飯器の内釜に入れます。水はさつまいもの半分が浸かるくらいの深さまで注ぎましょう。中くらいの大きさの芋なら、目安はおよそ200mlほどです。準備ができたら、炊飯器の「玄米モード」で炊飯スタート。およそ75分で、しっとりと甘い焼き芋風のさつまいもが出来上がります。

炊き上がった直後に食べても十分おいしいですが、さらに甘みを引き出したい場合は、保温モードで半日ほど置いておくのがおすすめ。時間をかけてゆっくり糖化が進み、より濃厚な甘さになります。

美味しく作るコツは、炊飯器にすっぽり収まるサイズのさつまいもを選ぶこと。大きすぎると火の通りにムラができやすくなります。また、ほくほく食感に仕上げたいときは、水の量をやや少なめに調整してみましょう。炊飯器ひとつで、まるでスイーツのような甘い焼き芋が楽しめます。

炊飯器で作った焼き芋

炊飯器で作った焼き芋は、まるでスイートポテトのようにしっとり、ねっとりとした食感が魅力です。水分がほどよく残るのでパサつかず、小さなお子さんでも食べやすい優しい仕上がりになります。自然の甘さがしっかり感じられ、砂糖を使わなくても十分に満足感のある味わいです。

焼き上がってすぐに食べてももちろん美味しいのですが、保温モードのまましばらく置いておくと、さらに甘みがぐっと引き立ちます。時間が経つにつれて、さつまいもに含まれるでんぷんが糖化し、蜜のような濃厚な甘さに変化していくのです。

十分に熱が通ったさつまいもは、皮がするっとむけるほど柔らかくなり、口に入れた瞬間にとろけるようなクリーミーな食感に。炊飯器ひとつで、ここまで濃厚で贅沢な味わいが楽しめるのは驚きです。おやつにも、朝食の一品にもぴったりの一品です。

自宅でも作れる！美味しい焼き芋

今回は、自宅で手軽に楽しめる焼き芋の作り方をいくつかご紹介しました。それぞれの方法には特徴があり、時間や仕上がりの違いを知っておくと、気分や好みに合わせて楽しめます。

トースターを使う方法は、手順がとても簡単で、短時間で焼き上がるのが魅力。30分ほどで完成するので、思い立ったときにすぐ作れる気軽さがあります。外は香ばしく、中はほくほくとした食感に仕上がります。

オーブンで作る場合は、少し時間はかかりますが、じっくりと火を通すことで甘みがぐっと引き出され、しっとりとした口あたりに。冷めても硬くなりにくく、翌日でも美味しくいただけます。

炊飯器を使う方法は、75分ほどとさらに時間は必要ですが、ねっとり濃厚な甘さが楽しめるのが特徴。特に安納芋やシルクスイートなど、蜜たっぷりの品種を使うと極上の味わいになります。

それぞれの調理法には違った魅力があるので、シーンに合わせて試してみてください。手軽に作れる焼き芋は、おやつにも朝ごはんにもぴったり。おうちでほっこりと、秋の味覚をゆっくり味わってみましょう。