さつまいもで人気の食べ方と言ったら焼き芋♪焼き芋ってそもそも何?焼き芋はいつから始まった?焼き芋は誰が作ったの?石焼き芋以外に焼き芋を手軽に焼ける方法とは?

「焼き芋」は、さつまいもを焼いたものです。秋から冬に、好んで食べられる食べ物の代名詞のようになっている「焼き芋」ですが、最近では春夏秋冬問わず、「焼き芋」はスイーツの一種として、女性を中心に、好んで食べられるようになりました。原料のサツマイモを品種改良した成果により、焼いたり蒸かしたりするだけで、まるでスイーツのように甘く、しっとりとクリーミーに焼きあがるさつまいもが市場に出回り、手に入りやすくなりました。今回は、300年もの長きにわたって人気のある「焼き芋」の、誕生ヒストリーを探ってみました。読み終わる頃には、「焼き芋」が食べたくなること請け合いです!どうぞ最後までお読みください。

焼き芋ってそもそも何?焼くってどんな風に?

さつまいもをアルミホイルに包む、または濡らした新聞紙に包んで、焚火の中に直接入れてサツマイモを焼く、などの経験をお持ちの方もおられると思います。また、最近では、子どもたちの芋ほり体験などで、焼き芋づくりを行う行事も見受けられます。ちょっと前までは、冬が近づくと石焼き芋を売り歩く車を、見かけたこともあるのではないでしょうか。焼けた石の中でこんがりほくほくと焼けた焼き芋は、格別に美味しいものです。さつまいもの食べ方として、シンプルで最高に美味しい食べ方、と言っても過言ではありません。

石で焼く以外にも焼き方はある?

焼き芋と言うと、石焼き芋がポピュラーになっていますが、他の焼き方もあります。他の焼き方でよく知られているのは、つぼ焼きです。そもそも、日本で焼き芋が食べられるようになった初めの頃は、壺焼き形式で売られていたのです。

焼き芋はいつからあるの?

日本で焼き芋が食べられるようになったのは、江戸時代からと言われています。飢饉の対応食として、比較的栽培が天候に左右されにくいさつまいもが、重宝されたのです。砂糖が貴重品だった時代の、庶民にとって数少ない甘い食べ物として大変に好まれ、価格も低く手に入れやすかったことから、大ブームとなったのです。

焼き芋の発祥地はどこ?

焼き芋の発祥地は中国です。中国では、大きな腰の高さほどもある壺の内側に、針金に刺したさつまいもをふちに引っ掛けて下げ、焼いていました。壺の底で、木炭のようなものを燃やして、直接火に当たらず壺の中の空気を高温にして、蒸し焼きのようにしていました。日本でも、1719年に京都で、焼き芋売りの露天商があった、との文献があります。来日した朝鮮通信の人の日記に、中国と同じように壺を利用した蒸し焼きの「焼き芋」が売られていた、と書かれていました。

日本では誰が最初にさつまいもを焼くことを考えた?作ったのは誰?

さつまいもが蒸し焼きではなく、「焼き芋」として扱われるようになったのは、明治時代で、鉄の平釜の上で焼かれるようになりました。第二次世界大戦後の昭和26年(1951年)に、『三野輪万蔵』が、釜で熱した石で焼くことを考案し、芋を焼くための屋台を、車やリヤカーなどで引いて売り歩く「引き売り屋台」での行商を、東京で始め人気を得ることとなりました。

『三野輪万蔵』は、現代に続く石焼き芋の祖と語り継がれています。

さつまいもはいつから日本にあるの?人気が衰えないのは何故?

1600年頃に中国を経由して、中南米原産の“かんしょ”(現 さつまいも)が、琉球(沖縄)へと伝来しました。日本に入ってからすぐにはあまり注目されなかったのですが、後に蘭学者の『青木昆陽』によって、広められることとなりました。教科書などでも紹介されている、「甘藷(かんしょ)先生」として有名ですね。「焼き芋」さつまいもの人気が続く理由は、手軽で、添加物の無い安全で自然な甘さの、健康食品として注目され続けているからなのです。

江戸時代からある焼き芋が若い人にも愛され続けてる?

栄養が豊富で、ビタミンCもあり、腹持ちも良いことから、ダイエットにも期待できるとして人気を得ているのです。甘味料を使わず、自然な甘みで満足感も得られ、健康にも良いとなれば人気があるのもうなずけます。しかも最近では、焼き芋専用の焼き機がスーパーなどにも設置されていて、買い求めやすいのも愛され続けている秘訣に、一役買っています。

まとめ

焼き芋が一般に食べられるようになって300年もの時を経て、現在も人気に衰えがないのは、昔からの栽培方法や品種も守りながら、さつまいもの食感や甘みを追求し、新しい品種を作り続けた、生産者の努力のたまものです。品種改良により生み出された、『安納芋』や『紅さやか』など、しっとり、ねっとりした焼き芋を作ることに成功し、「焼くだけスイーツ」の焼き芋がブームになったのです。夏は冷やして、アイス焼き芋で食べ、ホカホカの焼き芋で冬の日に暖まる食べ物として、これからも「焼き芋」人気は増々続いていくことでしょう。