夏でもさつまいもが買えるのはなぜ?旬の時期は秋から冬なのに夏でもさつまいもがスーパーで買える理由を解説

さつまいもの旬は秋から冬にかけてですが、夏でもスーパーに並んでいるのを見かけることがあります。不思議に思ったことがある方も多いのではないでしょうか。実は、さつまいもは収穫後すぐに食べるよりも、一定期間保存することで甘みが増し、美味しさが引き出される野菜です。そのため、適切な環境で貯蔵されたものが、一年中出回っています。この記事では、夏でもさつまいもが手に入る理由や、気になる味の変化について詳しく解説します。また、暑い季節でも美味しさを損なわずに保存するコツや、夏ならではの食べ方もご紹介。さつまいもを一年中楽しむためのヒントが満載です!

夏でもさつまいもが買える理由

秋から冬にかけてが旬のさつまいもですが、夏でもスーパーなどで買えるのはなぜでしょうか?旬を過ぎた夏に、さつまいもが買える3つの理由を紹介します。

さつまいもは長期保存に適しているから

夏でもさつまいもが買えるのはなぜ?-さつまいもは長期保存向き

夏になってもさつまいもが店頭に並んでいるのは、長期保存に適した食材だからです。一般的に、さつまいもの収穫期は8〜10月頃ですが、すぐに出荷せず、長いものでは数か月間じっくり寝かせた後、市場に流通します。「長期保存」と聞くと、鮮度が落ちて風味が損なわれるのではないかと思うかもしれません。しかし、さつまいもは適切な環境で保存することで、水分が程よく抜け、でんぷんが糖に変わり、甘みが増していきます。貯蔵期間を経たさつまいもは、収穫直後よりも濃厚な味わいになり、より美味しくなるのが特徴です。そのため、旬を過ぎた夏でも、甘くしっとりとしたさつまいもが手に入り、さまざまな料理に活用できます。

冷蔵技術が進歩したから

夏でもさつまいもが買えるのはなぜ?-冷蔵技術の進歩

夏になってもさつまいもが手に入るのは、農産物の冷蔵技術が大きく進歩したおかげです。収穫の最盛期である秋から冬に掘り出されたさつまいもは、適切な温度と湿度のもとで丁寧に管理され、鮮度が保たれたまま貯蔵されています。これにより、時間が経っても美味しさを損なわず、しっとりとした食感や甘みが維持された状態で流通することが可能になりました。

従来、農作物は収穫後すぐに出荷しなければ鮮度が落ちると考えられていましたが、現在では技術の進化によって、長期保存しながらも品質を維持できるようになっています。その結果、旬の時期を過ぎた夏場でも、甘くて美味しいさつまいもが手に入り、一年を通して楽しめるようになりました。

夏のさつまいも大調査!夏でもさつまいもは売っています

夏に収穫される品種があるから

夏でもさつまいもが買えるのはなぜ?-夏に収穫される品種がある

夏になってもさつまいもが店頭に並ぶ理由のひとつは、夏に収穫される品種が存在するからです。一般的に、多くのさつまいもは収穫後すぐに出荷されるわけではなく、一定期間貯蔵しながら熟成させることで甘みを引き出してから市場に出回ります。そのため、秋から冬にかけて多くのスーパーや市場で見かけることが多いでしょう。

しかし、すべての品種が長期熟成を必要とするわけではありません。数は限られるものの、夏に収穫され、熟成期間を置かずにそのまま食べられる品種もあります。たとえば、「あまはづき」は糖度が非常に高く、8月に収穫された直後でも十分な甘みが感じられる品種です。このような品種が存在することで、夏場でも新鮮なさつまいもが市場に流通し、旬の季節を待たずに楽しめるようになっています。

夏のさつまいもは美味しい!?その理由とは

旬から外れているはずの夏のさつまいもですが、実はとても美味しいです。その美味しさの秘密をご紹介します。

夏のさつまいもが美味しい理由

夏に出回るさつまいもが美味しい理由は、長期間熟成されているからです。一般的に、さつまいもは収穫してすぐよりも、一定期間寝かせることで甘みが増し、より美味しくなると言われています。秋から冬にかけて収穫されたものは、貯蔵されることででんぷんが糖へと変化し、しっとりとした食感と濃厚な甘さが引き出されます。

特に夏に出回るさつまいもは、収穫から数か月が経過し、最も長く熟成された状態になっています。そのため、甘さが凝縮され、焼き芋にしても、そのまま蒸しても濃厚な味わいを楽しめるのが特徴です。貯蔵環境の管理がしっかりとされているため、鮮度を保ったまま、じっくりと熟成された極上のさつまいもが夏に味わえるのです。

夏のさつまいもは美味しくないと言われる理由とは?

夏のさつまいもは美味しい?不味い?どっち?

夏のさつまいもが「美味しくない」「甘くない」と言われることがありますが、その理由として考えられるのは、主に以下の3つです。

  • 旬ではないから
  • 適切に保存されていなかったから
  • しっかり追熟されていなかったから

野菜やフルーツは、一般的に旬の時期が最も美味しいとされています。さつまいもも例外ではなく、秋から冬にかけて収穫されたものが最も甘くなると考えられがちです。さつまいもの貯蔵技術や熟成の仕組みを知らなければ、「夏のさつまいもは旬を過ぎているから美味しくない」と思ってしまうこともあるでしょう。

また、さつまいもは収穫後の管理が非常に重要です。適切な温度と湿度のもとで保存しないと、水分が抜けすぎたり、傷んだりして、風味が損なわれることがあります。特に夏は気温が高く、家庭での保存が難しいため、せっかく購入したさつまいもも、味が落ちてしまい「美味しくない」と感じてしまうことがあるかもしれません。更に、収穫したばかりのさつまいもは、でんぷんが糖に変わる前の状態なので、甘みが十分に引き出されていません。収穫体験などで掘りたてのさつまいもをその日のうちに食べて、「甘くない」と感じた経験がある方もいるのではないでしょうか。

本来、夏に出回るさつまいもでも、しっかり熟成されていれば甘くて美味しいものはたくさんあります。しかし、こうした要因が重なり、夏のさつまいもは美味しくないと思われがちなのかもしれません。

夏には夏の楽しみ方がある

さつまいもの夏の楽しみ方

冬に熱々の焼き芋を頬張るのも至福のひとときですが、さつまいもは夏でもさまざまな方法で美味しく楽しめます。暑い季節ならではのアレンジで、ひんやりとした食感や甘みを引き出し、違った魅力を味わえるのが特徴です。

  • 冷蔵庫で冷やして、しっとり甘みを楽しむ
  • 冷凍してシャーベットのような食感にし、焼き芋アイスとして味わう
  • 熱々の焼き芋にバニラアイスをトッピングし、温冷のコントラストを楽しむ
  • 潰してミルクと混ぜ、濃厚な甘さのシェイクにする

さつまいもは季節を問わず楽しめる食材として注目され、夏にも各地で「さつまいも博」などのイベントが開催されるほど人気があります。秋冬に収穫され、長期間熟成されたことで甘みが増したさつまいもを、冷たいデザートやドリンクにアレンジすれば、夏でも美味しく味わえます。暑い日こそ、さつまいもの新しい楽しみ方を試してみてはいかがでしょうか。

夏のさつまいもを保存するコツ

夏の暑い時期のさつまいもは、冬場と違う方法で保存することが大切です。夏のさつまいもを美味しく保つコツを紹介します。

野菜室で保存する

夏のさつまいもの保管方法

さつまいもは気温が20℃を超えると発芽しやすくなるため、夏場の常温保存には適していません。とはいえ、冷やしすぎるのも逆効果で、低温障害を起こして風味や食感が損なわれてしまうことがあります。そのため、夏の保存には適度な温度と湿度を保てる環境が必要です。

夏場の最適な保存場所としておすすめなのが、冷蔵庫の野菜室です。本来、冷蔵庫の野菜室は、さつまいもの保存・保管にはオススメしていませんが、夏場に限り有効ではないかと思います。野菜室は冷蔵室よりも温度が高く、適度な湿度が保たれるため、さつまいもが乾燥しすぎず、傷みにくい環境を作ることができます。とはいえ、冬の常温保存(直射日光を避けた冷暗所)と比べると、どうしても鮮度を維持できる期間は大幅に短くなります。しかし、新聞紙で包んでからビニール袋に入れるなど、保存のコツをしっかり押さえれば、夏場でも2~3週間ほど美味しさを保つことが可能です。暑い時期こそ、適切な保存方法を心がけてください。

さつまいもは1本づつ新聞紙で包む

夏でもさつまいもは新聞紙で1本1本包む

先程も触れましたが、さつまいもの保管・保存に、冷蔵庫の野菜室は、あまりオススメ出来ませんが、夏場に限り有効ではないかと思います。その為、夏にさつまいもを野菜室で保存する際は、冷気と乾燥から守る工夫が必要です。野菜室は冷蔵室より温度が高めに設定されていますが、それでもさつまいもにとっては低温すぎる環境になりがちです。適切に保存しないと、低温障害を起こして甘みが損なわれたり、乾燥によって皮がしなびてしまうことがあります。冷気から守るためには、新聞紙や紙袋でしっかり包むのが効果的です。こうすることで、急激な温度変化を防ぎ、適度な温度を保ちやすくなります。さらに、乾燥を防ぐためにポリ袋に入れ、口を軽く閉じると、湿度が一定に保たれ、さつまいもが傷みにくくなります。直接冷気に触れることを避け、適度な湿度を維持すれば、夏場でも比較的長く美味しさをキープできます。

カットしたさつまいもは水に浸して保存する

一度、水に浸したり、洗ってしまったさつまいもは本来、その日のうちに使い切るのがベストですが、残ってしまったさつまいもは、そのまま放置すると乾燥や酸化が進み、風味や色が損なわれてしまいます。できるだけ新鮮な状態を保つために、水に浸して野菜室で保存する方法が夏場に限り、おすすめです。この方法なら、乾燥を防ぎながら、変色を遅らせることができ、美味しさをキープしやすくなります。まず、カットしたさつまいもを数分ほど水にさらし、アクを抜きます。その後、保存容器に入れ、さつまいも全体がしっかり浸るように水を加えて野菜室に入れましょう。水は毎日入れ替えることで、鮮度を維持しやすくなり、2〜3日ほど保存が可能です。

もし、すぐに使い切るのが難しい場合は、加熱してから冷凍保存すると、さらに長持ちさせることができます。蒸したり、茹でたりして火を通してから冷凍すれば、解凍後も美味しく活用できます。

まとめ

夏でもさつまいもが買えるのはなぜ?-まとめ

今回は、夏でもさつまいもが手に入る理由と、暑い時期に適した保存方法を紹介しました。夏に出回るさつまいもの多くは、収穫後に長期間じっくり熟成されているため、甘みが増し、しっとりとした美味しさが引き出されています。適切に保存すれば、夏場でも美味しさを保ちながら楽しめるのが魅力です。スーパーや市場でさつまいもを見かけたら、ぜひ手に取って、夏ならではの食べ方にも挑戦してみてください。冷やして食べたり、シェイクやアイスにアレンジしたりと、暑い季節にぴったりの楽しみ方がたくさんあります。長期熟成された甘いさつまいもを活用して、季節を問わず美味しさを堪能しましょう。