さつまいもの人気品種の食べ比べをしてみた!安納芋、紅あずま、紅はるか(紅優甘)、なると金時、シルクスイート、パープルスイートロードを焼き芋とふかし芋で食べてみた

暑かった夏。これ、毎年毎年、言ってるけど、どんどん夏が暑くなってきている。そして、暑い期間が、どんどん長くなってきているのも事実。日本は、春、夏、秋、冬と四季がはっきりしていて外国の友人には、うやましがられることもあったけど、最近、春と秋、どんどん短くなってきてません?か?これが、温暖化の影響と何かの雑誌で読んだような、、、1番、過ごしやすく、気持ちの良い季節なのに。10年、20年後には、四季の歌は変わっちゃうのかな??。そんなどんどん期間が短くなってきている春と秋。

さつまいもの季節がやってきた

今回は、テーマは、収穫の秋。秋と言えば、やはり、さつまいもではないだろうか?スーパーマーケットの野菜売場の棚も、一足早く「秋」に変わってきた。夏野菜と言われるような野菜から秋の根菜野菜が棚を独占しはじめ…。そういえば、急に気温が下がった日に、キノコ類、白菜の価格が底値なので、「鍋」にするには最高!とのことだった。味も良く、価格も良くという感じで。そんな中、出始めということでさつまいもの価格の高いこと、高価なこと、ちょっと驚く金額だったのは言うまでもなく…

さつまいもは、歴史の後ろ舞台にも登場する?その品種の量とは?

さつまいも。約60種類も品種があるらしい。もちろん、全てを食べるのは難しい。特に有名な品種は、なんとなく聞いたことがあるけど、一言でさつまいもと言っても「干し芋」や「スイートポテト」のように、洋菓子等に使用する、加工品にすれば美味しいもの。そして、そのまま蒸したり焼いたりした「蒸し芋」「焼き芋」にすると糖度が上がり、更に美味しくなるさつまいも。更に、お酒、そう!焼酎にするために作られた品種まで様々なさつまいもの品種。江戸の町を飢饉から救ったり、戦争を経験したおじいちゃん、おばあちゃんに聞くと「さつまいもは、もう食べたくない」と言うくらい歴史の後ろ舞台には、頻繁に登場すると言われている野菜。

今回は、今、スーパーマーケットや最近ではコンビニエンスストアでも購入できるさつまいもを食べ比べてみた。秋の入口、10月初旬に、実際にスーパーマーケットや百貨店に出回っているさつまいもを購入して、蒸したり、焼いたりしてみた。さつまいもを選ぶ参考になればと…。品種が沢山(約60種類)あるさつまいもの中で、お!これは!と思うものがあれば良いのだが…。

近所で手軽に入手できる!さつまいもを食べ比べてみた!美味しいさつまいもはズバリこれ!

さつまいもの品種は約60種類。秋の入口、10月初旬に、スーパーマーケットや百貨店で購入できる(購入できた)さつまいもはコレ!蒸したり焼いたりして食べてみた。

パープルスイートロード

視力や視覚機能の改善や眼精疲労の予防に良いとされているアントシアンが豊富に含まれていると言われるフルーツは「ブルーベリー」。これは有名なのだが…実は、紫芋にも、かなりの量のアントシアニンが含まれている。見た目は、食欲をそそる?とは言い難い「紫色」カラーのさつまいも。その紫芋の「パープルスイートロード」を茹でてみた。

食感は…パサパサに近いホクホク感。ジャガイモに近い感じなのかもしれない。甘さは控えめ。香りは、どちらかというと弱い。しかし、色は茹でたほうが、はっきりとした紫色になるので、物凄く美しい。茹で方かもしれないが、パープルスイートロードの果皮に近い部分は、はっきりとした紫色で中心に行くほど白っぽくなる。どちらかというと蒸し芋やふかし芋、そして焼き芋には向かず、料理向き、加工向きのさつまいもではないだろうか?

この紫芋。パープルスイートロードの色は鮮やかな紫の為、料理で使用したらSNS映えするような料理が、誰でも作れてしまう。食感に話を戻すと、ホクホク感が、かなり強めの為、飲み物無しでは難しいかもしれない。実際に、茹でたのだが、さつまいも自体に、水分が少ないので。ジャガイモみたいなさつまいも。そしてSNS映えするような色彩。さつまいもらしいホクホク感が好きな人向きのさつまいもなのだ。

  • 甘さ ☆☆☆☆
  • ホクホク感 ★★★★☆
  • ねっとり感 ☆☆☆☆
  • しっとり感 ★☆☆☆☆

紅あずま

ザ・さつまいも。メジャー級のサツマイモ品種ではないだろうか?さつまいもならこれ!と思う人も多いのでは?ホクホク感のあるさつまいもの代表格。甘さは控えめ。というか?さつまいもと言えばこんな感じの甘さと思うくらいのほんのりとした自然の甘さ。

食感は、栗に近い感じで、ホクホク感がどこまでも続く。ホクホク感が強いので、のどに詰まる感じ。これがまた、さつまいもを食べているという醍醐味かもしれない。さつまいもブームになり、品種が多種多様になり、色々な種類のさつまいもが出てくる以前は、これが私の中ではさつまいもだったのかもしれない。

石焼き芋なんかで販売されているさつまいもは、ほとんどこのさつまいもだったように思えます。なんとなくノスタルジックな感じな昔のさつまいも感さえある。この紅あずまもホクホク感が強いので飲み物無しで食べるのは、躊躇してしまう。昔ながらの美味しさは変わらず、さつまいもと言えば紅あずま。焼き芋と言えば紅あずま。さつまいもらしい甘さとホクホク感が好きという方には、ぴったりの品種のさつまいもなのだ。

  • 甘さ ★★☆☆☆
  • ホクホク感 ★★★★★
  • ねっとり感 ☆☆☆☆
  • しっとり感 ☆☆☆☆

紅はるか(紅優甘)

紅優甘?「べにゆうか」と読むらしい。あまり見慣れない品種?名称?のさつまいもなので、店員に「これなんて読むんですか?」と聞いてしまうレベル。試食する前、ふかし芋にする前に、少しだけ調べてみると「紅はるか」を茨城県JAなめがた「甘藷(さつまいも)部会」で生産したものを、商標登録したのが「紅優甘」とのこと。

さつまいもの巨大産地の一つ「茨城県」やることが違う。となると「紅はるか」=「紅優甘」となる。食感は、ねっとりとした食感の中に、ホクホク感が残る感じ。ねっとりとホクホク感の中間のような感じで「紅あずま」より水分がたっぷりと感じられ、食べやすいが…特徴が無いといえば特徴がないような…。

甘さは、かなり濃厚になっているので、焼けば最高な「焼き芋」向きのサツマイモ。紅優甘、紅はるかということなので「干し芋」や「焼き芋」にするとさつまいものパワーが半端じゃないのではないだろうか?「蒸し芋」、「ふかし芋」でも十分に甘さを感じられる「今」のさつまいもなのだ。

  • 甘さ ★★★★☆
  • ホクホク感 ★★☆☆☆
  • ねっとり感 ★★★★
  • しっとり感 ★★★☆☆

なると金時

ブランドさつまいも。ご当地さつまいもと言えば…「鳴門金時」ではないだろうか?1979年に高知県で誕生したさつまいも。塩分濃度が高い土壌で根菜類や野菜の栽培は難しい中、その難しい土壌を活かして栽培されたさつまいも。うーーん。なんとなく塩トマトに似た誕生秘話。蒸かした鳴門金時にスプーンを入れた時から他のさつまいもとは違う!!ねっとりとホクホクの粉質のベストバランスとも言える食感。そして甘さ。

ブランドさつまいも。高級さつまいもに入るだけのことはある鳴門金時。栗のような…さつまいものような感じで、どこかで…食べたような香りと味というか??さつまいもの自然の甘さが濃厚で強く感じることが出来る…

あ!これ、高級芋羊羹で使用されているさつまいもではないだろうか?この香りが似ているのだ。鳴門金時、さすがというか?美味しいと心底思えるさつまいもなのかもしれない。焼き芋にも良いかしれないが、出来れば「蒸し芋」、「ふかし芋」で食べて欲しい。私は、この中では1番好きかもしれない。食感と甘さのベストバランスのさつまいもだった。

  • 甘さ ★★★★☆
  • ホクホク感 ★★★☆☆
  • ねっとり感 ★★★★
  • しっとり感 ★★☆☆☆

シルクスイート

冒頭にも書いたとおり、さつまいもの品種は、約60種類。これを多いと感じるか?市場規模の割に少ないと感じるか?は別として、昔から存在する…俗にいう「定番」と言われる品種と新しく生まれてきた「新品種」というものが混在している。シルクスイートは、どちらかというと新品種。2012年に誕生したさつまいも。

食感は、ねっとりとした感じとホクホク感を足したような感じだが、紅あずまのような強いホクホク感ではなく、鳴門金時のように栗ぽい感じのねっとりした感じでもない…あ…紅優甘が一番、近いような…そんな感じのさつまいもなのだ。少し、調べてみるとシルクシートと紅はるかは、同じ「紅こがね」が親のひとつにあるとのこと。

食感は、しっとりとした感じ?こんな感じのさつまいもなのかもしれない。甘さは、紅優甘、同様に強い甘さがあり、こちらも「今」のさつまいもなのかもしれない。スイートポテトやスイーツの原材料にしたら、この香りと滑らかさ(しっとり)が加わり、美味しいさつまいもスイーツになるはず。

  • 甘さ ★★★★☆
  • ホクホク感 ★★☆☆☆
  • ねっとり感 ★★★★
  • しっとり感 ★★★★★

安納芋

さつまいもの王様。畑のスイーツ。と色々な言われ方、呼ばれ方を持つさつまいも。この安納芋もどちかというと新しい品種で、平成元年に育成が開始され、安納芋と名付けられたのが平成10年。種子島の土壌に合ったさつまいもで、最初、この安納芋を見た時の驚きは、今も忘れません。今までのサツマイモの色とは異なり、黄金色?オレンジ色?そんな色のさつまいもってあるんだと思ったくらい。

食感は、糖度が物凄く高いこともあり、ねっとりクリーミーなさつまいも。ホクホク感とかねっとり感とかと少し違った別のものと言うべき感じの食感なのだ。安納芋は、そのままの素材を活かした「焼き芋」や「ふかし芋」「蒸し芋」が間違いなく美味しい。加工しないでそのまま焼いたり、蒸かしたりする食べ方が間違いない。安納芋にスプーンを入れると…もう、これも別物。さつまいもの感じではないのだ。

一つだけ注意点があるとすれば、子供には食べさせていけないということ。以前に、フルーツトマトを食べさせたら普通のトマトを全く食べなくなってしまった…この現象と同じで、安納芋を食べさせたら、さつまいも=安納芋になってしまい、安納芋しか食べなくなる。これは注意して欲しいのだ。それくらいさつまいもの美味しさを変えるさつまいもなのだ。しかし、この安納芋。今もさほど栽培、生産量が多いわけではないが、もしかすると近い将来…いや、ここ数年、希少価値の高いさつまいもになってしまう可能性もある。種子島で2020年から猛威をふるっている根菜類に多く、特効薬が無いと言われている「基腐病」。これにより生産量が多少なり減っているとのこと。早く元通りの畑に戻って欲しいと切に願うのだった。

  • 甘さ ★★★★☆
  • ホクホク感 ★☆☆☆☆
  • ねっとり感 ★★★★★
  • しっとり感 ★★★★☆

秋の入口。10月初旬に、スーパーマーケットや百貨店で購入できるサツマイモを全て購入してきて食べ比べをしてみた。さつまいもの品種は約60品種と言われる中、そのうちの「今」「昔」のさつまいもを同じ時間、同じ環境で茹でたり、蒸したり、焼いたりしてみた。個体差は多少あるが、さつまいもを選ぶときの材料にしていただければと思っています。でも、なんだかんだ言ってもさつまいもは、今も昔も秋の味覚。美味しいさつまいもを秋に食べられるのは、嬉しい事であり、美味しいことなのだ。

ご馳走様でした。