ねっとり系焼き芋の代表格!頂上決戦!安納芋と紅はるかの違いとは?安納芋、紅はるか?どちらが美味しい?料理に使用した場合の美味しさや栄養成分から見える違いも解説します

安納芋と紅はるかは、どちらもねっとりした食感と、強い甘みが魅力のさつまいもです。しかし、この2つのいもの違い、気になりませんか?実は、2つのいもの誕生にはそれぞれ違うルーツがあります。この記事では、安納芋と紅はるかの違いについてご紹介します。見た目や形、品種として誕生した経緯の違い、栄養成分や好まれる料理の違いなどをご紹介しますので、参考にしてみてください。

安納芋と紅はるかの違いは?

ここでは、安納芋と紅はるかの見分け方についてご紹介します。また、品種の違いについても注目してみてください。

色の違い

【安納芋】

皮の色は品種により違い、安納紅(あんのうべに)は赤紫色、安納こがねは淡い黄色をしています。果肉はどちらもオレンジ色です。

【紅はるか】

皮は赤むらさきの鮮やかな色をしています。果肉は白身のかかった黄色です。

形の違い

【安納芋】

丸みのあるコロコロした形が特徴です。大きめ、小さめ、長めなど比較的個性があります。

安納芋はどんな見た目?他のさつまいもとの違いは?

安納芋はじゃがいものような、ころんとした丸い形が特徴的です。他のさつまいもより丸みを帯びているため、見た目ですぐに安納芋とわかるのではないでしょうか。安納芋は、種子島の安納地区で栽培されていたため、地区の名前をとり、安納芋と名付けられました。収穫の時期は9〜12月ですが、甘みがのってくるのは収穫から2〜3週間後、と言われています。そのため、出荷は10月中旬から1月に行われるのが一般的です。

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【紅はるか】

紡錘形(ぼうすいけい)と呼ばれる、中ほどが膨らんでいて端に行くほど細長い形をしています。形状や大きさにばらつきが少なく、そろいが美しいのが特徴です。

品種の違い

【安納芋】

「安納芋」は、第二次世界大戦後にスマトラ島北部から持ち込まれて、種子島で栽培された品種の総称です。「安納」は種子島北部にある地名であり、そこで栽培されたことに由来します。実は農林水産省の品種登録には、「安納芋」では登録されていません。登録されている品種は、「安納紅」と「安納こがね」の2種類です。また、ねっとり食感と甘さに優れた「灯籠蜜いも(とろみついも)」や、最近では「種子島安納芋」など、ブランド化された高級な安納芋も出ています。

安納芋はどんなさつまいも?

安納芋は、種子島の特産として知られています。安納芋栽培の起源は、第二次大戦後、スマトラ島北部のセルダンという地域から帰還した兵士が持ち帰った、1個の芋だと言われています。種子島は、海底が隆起して出来た島です。平坦な地形に吹く、西からの海風の影響もあり、土の中にはミネラルが豊富に含まれています。通気性、排水性も良好で、年間の平均気温は19度と温暖な気候です。この栽培環境が、安納芋のおいしさをつくり出している秘訣と考えられています。

安納芋はどんな見た目?

一般的に、さつまいもは細長い形状のものが多いですが、安納芋は小ぶりで、丸みを帯びたものが多いのが特徴です。安納芋の中でも種類があるので、いくつか紹介していきます。

安納紅

一般的に安納芋と言えば、この安納紅のことを指します。皮の色は他のさつまいもと比べて茶色く、中身は濃いカボチャのようなオレンジ色をしています。

安納こがね

皮の色が淡い黄色をしているのが特徴です。中身は安納紅と同じオレンジ色です。登録品種名は「安納こがね」ですが、JA種子屋久の商標「安納もみじ」という名称で流通することもあります。

フルーツこがね

フルーツこがねは、見た目は安納紅とほぼ変わりません。安納芋のなかで最も甘味のある系統を選抜し、育成した品種です。その糖度は19.87度にもなると言われています。

灯籠蜜(とろみつ)いも

種子島産の安納芋をもとに、熊本県山鹿で改良された品種です。安納紅に近い見た目ですが、縦の起伏はあまりなく、断面がほぼ円形です。果肉の色は安納紅と同様にオレンジ色です。その名の通り、種子島産の安納芋に勝るとも劣らない、とろりとした甘みが特徴です。

安納紫

「種子島ゴールド」とも呼ばれている紫芋です。皮色は白く、中身は鮮やかな紫色をしています。果肉は粉質で、ホクホク感があります。甘みが強く、お菓子や焼酎の原材料にも使われる安納芋です。

安納芋ってどんなさつまいも?安納芋の種類は?

【紅はるか】

2010年に登録された品種です。形や実の色が美しいしっとり系の「九州121号」と、甘みと味の良さで人気の「春こがね」を掛け合わせて作られました。紅はるかの名前の由来は、これまでのさつまいもよりはるかに優れている、という意味を持ちます。名前の通り、病害虫への抵抗性や見た目の美しさ、甘みや食感にも優れている品種です。

安納芋と紅はるかの栄養成分の違いは?

さつまいもには、ビタミンCやカリウムが豊富に含まれています。また、カルシウム・リン・食物繊維も豊富です。ここではさらに細かく、安納芋と紅はるかの栄養成分の違いをご紹介します。

紅はるかの方が安納芋より甘みが強い

安納芋も紅はるかも、どちらもとても甘いですが、安納芋は焼き芋や蒸し芋にすると糖度が40度ほどに上がり、紅はるかは50度ほどにまで上がるといわれています。紅はるかはでんぷん含有量が中程度で、βアミラーゼの活性が非常に強いので、熱を加えるととても甘くなるのです。しかも、貯蔵すると甘みが増す性質もあります。紅はるかは水あめのような自然な甘さが特徴です。安納芋は紅はるかより多少糖度は低めですが、他のさつまいもの中では甘い部類で、濃厚な味わいをもちます。

安納芋の栄養と効能を徹底分析

ここでは、安納芋に含まれている栄養素とその効能を徹底分析します。

ビタミンC

安納芋には、ビタミンCが多く含まれています。風邪の予防や疲労回復に、効果が期待できます。さらにビタミンCには、メラニンによる色素沈着を防ぐ働きや、しみやしわなどを防ぐ働きがあるため、肌荒れを起こりにくくしてくれます。

食物繊維

安納芋には、水溶性食物繊維と、不溶性食物繊維の両方が含まれています。水溶性食物繊維には、食後に血糖値の上昇を防いだり、コレステロール値を低下させたりといった働きがあり、不溶性食物繊維には、便のかさを増やし、大腸を刺激することで排便を促す働きがあります。

ビタミンE

安納芋には、ビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEは、ビタミンCと同様に、抗酸化作用があるので、風邪の予防に効果が期待できます。また疲労回復にも効果が期待できるのです。

β-カロテン(ベータカロテン)

安納芋には、β-カロテンが多く含まれています。β-カロテンには、免疫力を上げる効果が期待できます。

カリウム

安納芋には、カリウムが多く含まれています。カリウムは、腎臓でのナトリウムの再吸収を促し、体外に排出する働きがあるため、高血圧の予防に効果があると言われています。

安納芋の栄養価や成分、期待できる効果とは?

安納芋より紅はるかのほうがねっとり

どちらもねっとり系ですが、安納芋よりも紅はるかの方が特に粘質系です。じっくりと熱を加えると、ベタっとするほどねっとりとした食感になります。これは、でんぷん量やでんぷんの溶けやすさ、βアミラーゼの活性の強さなどの影響によるものです。

紅はるかは便秘解消に役立つヤラピンが多い

紅はるかには、切り口からにじみ出る乳白色の液体であるヤラピンが多く含まれています。乾くと黒くなるので扱いには注意が必要ですが、ヤラピンは便秘の解消に役立つ嬉しい成分です。

安納芋のオレンジ色はカロテン

安納芋の果肉はオレンジ色ですが、オレンジ色にはビタミンAのもとになる「カロテン」が含まれています。カロテンには動脈硬化を予防する効果があるといわれています。

安納芋と紅はるかの人気の料理方法の違いは?

安納芋も紅はるかも、ねっとりした食感と際立つ甘さを活かして、焼き芋やスイーツ、てんぷらや干し芋にされることが多いです。どちらもさまざまな料理方法があります。しかし、農林総合研究センター消費者モニターを対象としたアンケートでは、安納芋と紅はるかの料理方法のイメージに違いがありました。アンケート結果がまとめられた、平成27年の千葉県農林水産技術会議の資料によると、安納芋は、焼き芋として食べられる比率が紅はるかに比べてとても高いそうです。安納芋は、シンプルな食べ方に特に人気があります。

安納芋の美味しい食べ方

安納芋の美味しい食べ方を紹介します。安納芋は、ねっとりとした食感が特徴ですが、お好みに合わせられるように、「ねっとり」「しっとり」「ほくほく」の食感別で調理法を紹介します。どの方法も、安納芋を水洗いしたあと、皮つきのまま調理します。一度にたくさん作って食べきれない場合は、小分けにして冷凍保存するのがおすすめです。

安納芋のねっとり焼き芋

安納芋の、ねっとりとしたクリーミーな食感が好きな方は、下記方法で調理するのがおすすめです。低温でじっくり加熱して、安納芋の甘さを最大限に引き出しましょう。

  • オーブン:安納芋をアルミホイルで包んで160℃で90分焼く
  • トースター:安納芋を濡れた新聞紙で包み、更にアルミホイルで包む。「200℃で10分焼く→スイッチを切って10分休める」×3セット(計60分)
  • 魚焼きグリル:アルミホイルで包んで中火で20分、裏返して10~20分焼く

魚焼きグリルで焼く場合は、小さめの安納芋を選んでください。

しっとり蒸かし安納芋

焼き芋は時間や手間がかかる、という方には、ふかし芋がおすすめです。ゆっくり低温調理するため、安納芋の特徴である、クリーミーさと甘さを引き出すことができます。

  • 炊飯器:安納芋を釜に入れ、水を3合目まで入れたら玄米モードで炊飯
  • 圧力鍋:圧がかかって10分加熱したら火を止め、圧が抜けるまで自然冷却する

安納芋のほくほく焼き芋

安納芋をほくほくした食感で食べたい方は、下記方法で焼き芋を作りましょう。料理にも使いやすいので、形を残した状態で冷凍ストックを作りたい方にもおすすめです。

  • オーブン:天板に安納芋をそのまま置いて、160℃で90分焼く
  • トースター:洗った安納芋をセットして、「200℃で10分焼く→スイッチを切って10分休める」×3セット(計60分)
  • 炊飯器:安納芋を釜に入れ、水を1カップ入れたら普通モードで炊飯

トースターで焦げが心配な場合は、安納芋の上にアルミホイルを被せてください。

安納芋の美味しさを最大限に引き出す食べ方は?調理法は?レシピは?

紅はるかは安納芋に比べると、お菓子・天ぷら・大学芋など各種調理系メニューの比率が高い結果が出ています。紅はるかの方が、形がよくボリュームがあるので、安納芋に比べると料理には使いやすいからです。また、後味がすっきりしている点でも料理に向く特徴を持っています。人気の度合いは違いますが、どちらも、焼き芋から和菓子・洋菓子・スープやサラダなど、幅広い食べ方が楽しめる品種です。

まとめ

同じねっとり系と言っても、見た目が大きく違う二つの芋。調理法の人気が違うことも分かりました。ここに違いをまとめておきます。

  • 安納芋は丸みがありコロコロしている。紅はるかは紡錘形で外観が良い。
  • 安納芋は第二次大戦後に持ち込まれて、安納地方で栽培されたいもの総称。紅はるかは「九州121号」「春こがね」を掛け合わせて作られた品種。
  • 安納芋より紅はるかの方が糖度が高い。
  • 栄養成分で見ると安納芋はカロテンが含まれ、紅はるかはヤラピンが多い。
  • 安納芋は焼き芋がダントツ人気で、比較的シンプルな料理方法が好まれる。
  • 紅はるかは安納芋より料理に使いやすいイメージがある。

味わいの違う安納芋と紅はるか、ぜひ食べ比べてみてはいかがでしょうか。

参考:サツマイモの高品質生産技術・販売促進活動の手引き