焼き芋は、昔から腸の調子を整える食べ物として広く知られています。詳しいことはわからなくとも、昔から女性に大人気の焼き芋。なぜ、焼き芋は腸や美容にいいとされているのでしょうか。ますます焼き芋がおいしくなる季節、美容と美腸にも嬉しい焼き芋のヒミツについてご紹介します。
なぜ焼き芋で腸活ができるのか?
焼き芋で美腸になれる理由は、3つの相乗効果にあります。
- 食物繊維の相乗効果
- ヤラピンの相乗効果
- レジスタントスターチの相乗効果
食物繊維の相乗効果
食物繊維は、胃や小腸で消化されず大腸まで届き、善玉菌のエサとなることで、腸内細菌のバランスを整える働きがあります。焼き芋に含まれる食物繊維は、摂取量の約3.5%になり、160gの焼き芋で5.6gになります。これは白米160gに含まれる食物繊維の、じつに11.7倍の量です。さらに焼き芋には、水溶性と不溶性のどちらも含まれているため、それぞれの相乗効果により、整腸作用や便秘解消の効果を得て美腸になれると考えられます。
水溶性食物繊維
- 便を軟らかくし、腸の蠕動運動を助ける
- 余った糖質、脂質をキャッチ
不溶性食物繊維
- 水分を蓄え便のかさ増しをする
- 腸を刺激してスムーズな排便をサポート
- 余った糖質、脂質を排出
ヤラピンの相乗効果
さつまいもを切ったときに、断面からにじみ出る乳白色の液体がヤラピンです。皮の近くに多く含まれるため、焼き芋を皮ごと食べると、より多くのヤラピンを摂取できます。さつまいもにしか含まれない成分で、デトックスや整腸作用があるとされ、昔は薬として重宝されていました。食物繊維と一緒に摂取することで相乗効果を得られ、美腸効果が期待できます。
レジスタントスターチの相乗効果
レジスタントスターチとは、でんぷんを加熱することで変化した、人間の消化酵素では分解できない難消化デンプンのことです。食物繊維に似た働きがあり、小腸では消化されず大腸内で善玉菌のエサとなり、悪玉菌の増殖を押さえる働きをします。さつまいもはデンプン食品の中でも、最もレジスタントスターチが生成され、生の芋に比べて30%も増加するといわれています。レジスタントスターチが食物繊維に似た働きをすることにより、さらに相乗効果を期待できます。
焼き芋の美容に期待できる栄養素
焼き芋に含まれる美容に期待ができる栄養素は、以下のとおりです。
ビタミンC
ビタミンCの1日の推定平均必要量は、85mgとされています。どちらかといえば、果物に多く含まれていると思われがちかもしれません。しかし、りんご100gあたりに含まれるビタミンCが4mgなのに対し、生のさつまいもには、なんとりんごの7倍の29mgも含まれています。また、ビタミンCは水に弱いと言われていますが、焼き芋に含まれるビタミンCは熱に強いのが特徴です。焼き芋にしても、23mgのビタミンCはそのまま摂取できます。ほうれん草などの野菜を茹でた場合、ビタミンCは半減してしまうのに比べ、さつまいもは79%も残っているのです。
これはさつまいもに含まれるでんぷんが、加熱により糊化しビタミンCを包んで守る役割を果たしているから。そのため他の野菜や果物に比べて、ビタミンCをたっぷり摂取できます。
クロロゲン酸
クロロゲン酸とは、コーヒーやワインに多く含まれるポリフェノールの一種です。クロロゲン酸には胃酸の生成を助ける作用があり、胃腸の消化活動を活発にすることで、腸内環境の改善を期待できます。また抗酸化作用があり、シミ予防やメラニンの生成を抑制する効果も期待できます。クロロゲン酸はさつまいもにも含まれており、切ってしばらくすると断面が黒っぽく変色するのは、クロロゲン酸が空気に触れて変色するからです。
カリウム
カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあり、デトックス作用が期待できます。カリウムの食事摂取基準の目安量は、男性1日2500mg、女性2000mgです。焼き芋100gには540mgほどのカリウムが含まれており、これは1日の3分の1のカリウムの量に匹敵します。焼き芋でカリウムを摂ることで、余分なむくみを撃退する効果が期待できます。
焼き芋の美容効果をあげたいなら皮ごと冷やして焼き芋でさらに美腸になる効果を感じたいなら、皮ごと冷やして食べるのがおすすめです。整腸効果が期待できるヤラピンや、抗酸化作用のあるクロロゲン酸は、皮の近くに多く含まれているからです。また焼き芋を一度冷やすと、レジスタントスターチが増加し、善玉菌のエサになることでさらに美腸を作る手助けをしてくれます。
自分で作るおいしい焼き芋の作り方
美腸になり、美容効果も期待できる焼き芋は、自宅でも簡単においしく作ることができます。
- さつまいもを洗う
- 200~220℃に予熱したオーブンで40~50分焼く
特にアルミホイルなど巻く必要もありません。たったこれだけで、黄金色のおいしい焼き芋が出来上がります。スーパーでさつまいもを買って自分で焼けば、毎日食べたとしても経済的です。
焼き芋を美味しく食べて美腸を目指しましょう
今回は焼き芋が美腸をつくり、美容にも効果的な理由について紹介しました。知らずに食べるのがもったいないほど、焼き芋には美腸と美容に嬉しい効果が盛りだくさんです。ぜひ生活の中に上手に焼き芋を取り入れて、美腸を目指してみてくださいね。