さつまいもは、子どもからお年寄りまで幅広く親しまれている人気の食材です。焼いたり蒸したりするだけでも十分おいしく、天ぷらや大学芋といったおかずとしても楽しめますし、スイートポテト・タルト・アイスなどのスイーツにも大活躍します。手軽にスーパーで買える身近な存在ですが、「紅あずま」「シルクスイート」など名前は知っていても、実際にどんな味わいなのか、いつがおいしい旬なのかは意外と知られていないかもしれません。
そこで今回は、スーパーでよく見かけるさつまいもの品種ごとの特徴や、旬の時期、さらに価格の違いなどをわかりやすくまとめていきます。品種を知ると選ぶ楽しみがぐっと広がり、料理やおやつの時間がもっと豊かになるはずです。
さつまいもの生産量と生産地毎の主要品種の特徴を調べてみた!産地毎に異なる品種を知れば旬の時期やさつまいもの品種別の美味しさが分かります!
さつまいもがスーパーで買える時期

さつまいもといえば秋のイメージがありますが、実はスーパーでは一年を通して購入できます。ただ、甘さがしっかり引き立ち、もっともおいしい“旬”といわれる時期は 10月〜1月。この時期のさつまいもは香りや甘みがぐっと深まり、思わず手が伸びるおいしさになります。
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収穫自体は8月〜11月にかけて行われますが、掘りたてをすぐに食べるよりも、2〜3か月ほど貯蔵して余分な水分が抜けた頃が食べ頃です。保存中にでんぷんがゆっくりと糖に変わり、ほくほくとした食感や豊かな甘みがいっそう引き立つため、このタイミングがおいしさのピークになるのです。
また、さつまいもの価格は年間で変動があり、旬の10月〜1月は市場に多く出回る分、価格が最も落ち着きます。味も価格も魅力がそろう季節なので、この時期は積極的に食卓に取り入れたくなりますね。
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近ごろは、さつまいもの食感を「ねっとり系」「ほくほく系」といった形で分類する表現が一般的になり、好みのタイプを選びやすくなりましたよね。市場にも多くの品種が並ぶようになり、食感や甘さの違いを楽しむ人が増えています。
ここでは、全国のスーパーで比較的手に入りやすい人気の5品種について、旬の時期や、1本あたりのおおよその価格をわかりやすく整理してみます。なお、掲載する価格は地域や季節、天候による収穫量などによって変動しますので、あくまで目安としてお読みいただければと思います。
品種ごとの特徴を知ることで、料理に合わせた選び方もぐっと楽しくなります。
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紅あずま

紅あずまは、ほくほく系を代表するさつまいもで、どこか懐かしさを感じる素朴な甘さが魅力の定番品種です。千葉県や茨城県など関東地方で多く栽培されており、昔から家庭の食卓で親しまれてきました。ほどよくしっとり感を残しつつも、ほくほくとした軽い食感が心地よく、甘みもしっかり。繊維が少ないため調理しやすく、焼き芋はもちろん、天ぷら・煮物・サラダなど幅広い料理に使える万能タイプです。
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スーパーでは10月ごろから見かけるようになりますが、収穫直後は甘みが控えめで、貯蔵によって味がぐんと深まります。特に12月〜2月頃になると糖度が上がり、まさに食べ頃の状態に。価格は1本あたり148円前後と手に取りやすく、日常使いしやすい点も嬉しいポイントです。ただし、貯蔵性があまり高くないため、旬を過ぎると店頭での取り扱いが少なくなる傾向があります。ほくほくとした焼き芋を楽しみたい方や、料理に幅広く使いたいときにぴったりの一品です。
鳴門金時

鳴門金時は、西日本で多く栽培されている高系14号の系統に属するさつまいもで、徳島県が誇るオリジナル品種です。しっとりとした食感と力強い甘さ、そして繊維の少なさから生まれるなめらかな口あたりが特徴で、一口食べると上品な甘みがふわりと広がります。焼き芋にすると濃厚な甘さが引き立ちますが、そのやわらかな質感を生かしてペーストにすればスープやポタージュにもよく合います。また、強い甘みを生かしてスイートポテトやケーキ、タルトなどのお菓子作りにも最適で、料理・スイーツのどちらにも使いやすい万能さがあります。
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鳴門金時は採れたての状態でも甘みがしっかりしているため、市場に出る時期が比較的早く、スーパーでは他の品種に先がけて並び始めます。旬はおおよそ8月〜2月頃と長めで、年間を通して比較的手に入りやすいのも特徴です。価格は1本あたり240円前後とやや高めではありますが、上質な甘みと食感を考えると納得の価値を感じられる品種です。
しっとり系の中でも特に甘みと香りが際立つ鳴門金時は、料理の幅を広げたいときにも心地よく寄り添ってくれる一品です。
紅はるか

紅はるかは、2010年に品種登録された比較的新しいさつまいもで、まず目を引くのが美しい外観です。蒸したときに糖度がぐっと高くなるのが大きな特徴で、糖質の中でも麦芽糖の割合が多いため、しっかりとした甘さがありながら後味はすっきり。重たさを感じにくい上品な甘みが楽しめます。
食感はしっとり〜ねっとり系で、採れたての頃はほくほく感があり、時間をかけて貯蔵するほど水分や甘みが深まり、とろんとした質感へと変わっていきます。料理に使ってもおいしい品種ですが、紅はるか本来の濃厚な甘さを存分に味わうなら、焼き芋やふかし芋でシンプルに楽しむのがおすすめです。
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スーパーでの出回りは11月〜2月頃ですが、いちばんおいしさが際立つのは12月〜1月の短い期間。価格は1本あたり200円前後で、人気の高さも納得の味わいです。ねっとり甘い焼き芋が好きな方には、特に心に残る一品になります。
シルクスイート

シルクスイートは、2012年に登場した比較的新しい品種で、その名のとおり“シルクのようななめらかさ”が最大の特徴です。食感はしっとり〜ねっとり系に分類され、繊維が非常に少ないため、口に入れるととろりと溶けるようなやさしい舌触りが楽しめます。スプーンですくって食べられる焼き芋として人気が高く、一度味わうと印象に残る人も多い品種です。
焼き芋だけでなく、つぶしてスイートポテトや栗きんとんにするのも相性抜群で、ポタージュにするととても滑らかな仕上がりになります。甘さは紅はるかや安納芋ほど濃厚ではなく、すっきりとした上品な甘みが特徴なので、「甘すぎるさつまいもは少し苦手」という方にも向いています。
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旬は11月〜2月で、価格は1本あたり200円前後。手に取りやすく、料理にもおやつにも使える万能タイプです。やさしい甘さとなめらかな口どけを楽しみたいときに、特におすすめの一品です。
安納芋

安納芋は、ねっとり系さつまいもの代表格として知られ、鹿児島県・種子島の特産としても有名です。強い甘みととろけるようなねっとり食感が特徴で、その濃厚さから「蜜芋」と呼ばれることもあります。生の状態でも糖度は16度前後と高めですが、じっくり時間をかけて焼くと糖度は40度近くまで上がり、思わず驚くほどの甘さが引き立ちます。
果肉は鮮やかなオレンジ色で、焼き芋として楽しむのはもちろん、料理やスイーツに加えると見た目の彩りも華やかになります。特にペーストやスイートポテト、アイスなどにもよく合い、魅力を存分に生かせる品種です。
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収穫は9月〜12月にかけて行われますが、掘りたてよりも2〜3週間ほど貯蔵した頃がもっとも甘みがのる食べ頃です。旬のピークは10月中ごろ〜1月頃で、定温管理されたものなら一年を通して市場に出回ります。価格は1本あたり240円前後とやや高めですが、その豊かな甘さと香りを考えると、その価値を十分に感じられるはずです。
とろける甘さを存分に味わいたい方に、一度はぜひ試していただきたい品種です。
まとめ
身近なさつまいもといっても、品種ごとに食感や甘さ、旬の時期、価格帯などに個性があり、改めて見てみると本当に表情豊かな食材だと感じられます。同じ「焼き芋」にしても、ほくほく・しっとり・ねっとりと、それぞれの良さがあり、産地によっても味わいが違うため、選ぶ楽しみがぐっと広がります。
普段なんとなく手に取っている方も、次回は“どんな料理に使いたいか”を思い浮かべながら品種を選んでみると、さつまいもの魅力がさらに引き立ちます。ほくほく系はおかずに、ねっとり系はスイーツに、といった使い分けも楽しくなりますよ。
そして、旬の10月〜1月は味わいも深まり、価格も落ち着く絶好のシーズン。ぜひこの時期にいろいろな品種を食べ比べて、自分好みのさつまいもを見つけてみてください。
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