スーパーで買える人気さつまいも5品種を徹底比較!旬・価格・味の違いが一目でわかります

さつまいもは、子どもからお年寄りまで幅広く親しまれている人気の食材です。焼いたり蒸したりするだけでも十分おいしく、天ぷらや大学芋といったおかずとしても楽しめますし、スイートポテト・タルト・アイスなどのスイーツにも大活躍します。手軽にスーパーで買える身近な存在ですが、「紅あずま」「シルクスイート」など名前は知っていても、実際にどんな味わいなのか、いつがおいしい旬なのかは意外と知られていないかもしれません。

そこで今回は、スーパーでよく見かけるさつまいもの品種ごとの特徴や、旬の時期、さらに価格の違いなどをわかりやすくまとめていきます。品種を知ると選ぶ楽しみがぐっと広がり、料理やおやつの時間がもっと豊かになるはずです。

さつまいもがスーパーで買える時期

さつまいもがスーパーで買える時期

さつまいもといえば秋のイメージがありますが、実はスーパーでは一年を通して購入できます。ただ、甘さがしっかり引き立ち、もっともおいしい“旬”といわれる時期は 10月〜1月。この時期のさつまいもは香りや甘みがぐっと深まり、思わず手が伸びるおいしさになります。

収穫自体は8月〜11月にかけて行われますが、掘りたてをすぐに食べるよりも、2〜3か月ほど貯蔵して余分な水分が抜けた頃が食べ頃です。保存中にでんぷんがゆっくりと糖に変わり、ほくほくとした食感や豊かな甘みがいっそう引き立つため、このタイミングがおいしさのピークになるのです。

また、さつまいもの価格は年間で変動があり、旬の10月〜1月は市場に多く出回る分、価格が最も落ち着きます。味も価格も魅力がそろう季節なので、この時期は積極的に食卓に取り入れたくなりますね。

スーパーで人気の5種類のさつまいも。旬の時期と価格を徹底比較

スーパーで人気の5種類のさつまいも。旬の時期と価格を徹底比較

近ごろは、さつまいもの食感を「ねっとり系」「ほくほく系」といった形で分類する表現が一般的になり、好みのタイプを選びやすくなりましたよね。市場にも多くの品種が並ぶようになり、食感や甘さの違いを楽しむ人が増えています。

ここでは、全国のスーパーで比較的手に入りやすい人気の5品種について、旬の時期や、1本あたりのおおよその価格をわかりやすく整理してみます。なお、掲載する価格は地域や季節、天候による収穫量などによって変動しますので、あくまで目安としてお読みいただければと思います。

品種ごとの特徴を知ることで、料理に合わせた選び方もぐっと楽しくなります。

紅あずま

スーパーで買える!紅あずま

紅あずまは、ほくほく系を代表するさつまいもで、どこか懐かしさを感じる素朴な甘さが魅力の定番品種です。千葉県や茨城県など関東地方で多く栽培されており、昔から家庭の食卓で親しまれてきました。ほどよくしっとり感を残しつつも、ほくほくとした軽い食感が心地よく、甘みもしっかり。繊維が少ないため調理しやすく、焼き芋はもちろん、天ぷら・煮物・サラダなど幅広い料理に使える万能タイプです。

スーパーでは10月ごろから見かけるようになりますが、収穫直後は甘みが控えめで、貯蔵によって味がぐんと深まります。特に12月〜2月頃になると糖度が上がり、まさに食べ頃の状態に。価格は1本あたり148円前後と手に取りやすく、日常使いしやすい点も嬉しいポイントです。ただし、貯蔵性があまり高くないため、旬を過ぎると店頭での取り扱いが少なくなる傾向があります。ほくほくとした焼き芋を楽しみたい方や、料理に幅広く使いたいときにぴったりの一品です。

鳴門金時

スーパーで買える!鳴門金時

鳴門金時は、西日本で多く栽培されている高系14号の系統に属するさつまいもで、徳島県が誇るオリジナル品種です。しっとりとした食感と力強い甘さ、そして繊維の少なさから生まれるなめらかな口あたりが特徴で、一口食べると上品な甘みがふわりと広がります。焼き芋にすると濃厚な甘さが引き立ちますが、そのやわらかな質感を生かしてペーストにすればスープやポタージュにもよく合います。また、強い甘みを生かしてスイートポテトやケーキ、タルトなどのお菓子作りにも最適で、料理・スイーツのどちらにも使いやすい万能さがあります。

鳴門金時は採れたての状態でも甘みがしっかりしているため、市場に出る時期が比較的早く、スーパーでは他の品種に先がけて並び始めます。旬はおおよそ8月〜2月頃と長めで、年間を通して比較的手に入りやすいのも特徴です。価格は1本あたり240円前後とやや高めではありますが、上質な甘みと食感を考えると納得の価値を感じられる品種です。

しっとり系の中でも特に甘みと香りが際立つ鳴門金時は、料理の幅を広げたいときにも心地よく寄り添ってくれる一品です。

紅はるか

スーパーで買える!紅はるか

紅はるかは、2010年に品種登録された比較的新しいさつまいもで、まず目を引くのが美しい外観です。蒸したときに糖度がぐっと高くなるのが大きな特徴で、糖質の中でも麦芽糖の割合が多いため、しっかりとした甘さがありながら後味はすっきり。重たさを感じにくい上品な甘みが楽しめます。

食感はしっとり〜ねっとり系で、採れたての頃はほくほく感があり、時間をかけて貯蔵するほど水分や甘みが深まり、とろんとした質感へと変わっていきます。料理に使ってもおいしい品種ですが、紅はるか本来の濃厚な甘さを存分に味わうなら、焼き芋やふかし芋でシンプルに楽しむのがおすすめです。

スーパーでの出回りは11月〜2月頃ですが、いちばんおいしさが際立つのは12月〜1月の短い期間。価格は1本あたり200円前後で、人気の高さも納得の味わいです。ねっとり甘い焼き芋が好きな方には、特に心に残る一品になります。

シルクスイート

スーパーで買える!シルクスイート

シルクスイートは、2012年に登場した比較的新しい品種で、その名のとおり“シルクのようななめらかさ”が最大の特徴です。食感はしっとり〜ねっとり系に分類され、繊維が非常に少ないため、口に入れるととろりと溶けるようなやさしい舌触りが楽しめます。スプーンですくって食べられる焼き芋として人気が高く、一度味わうと印象に残る人も多い品種です。

焼き芋だけでなく、つぶしてスイートポテトや栗きんとんにするのも相性抜群で、ポタージュにするととても滑らかな仕上がりになります。甘さは紅はるかや安納芋ほど濃厚ではなく、すっきりとした上品な甘みが特徴なので、「甘すぎるさつまいもは少し苦手」という方にも向いています。

旬は11月〜2月で、価格は1本あたり200円前後。手に取りやすく、料理にもおやつにも使える万能タイプです。やさしい甘さとなめらかな口どけを楽しみたいときに、特におすすめの一品です。

安納芋

スーパーで買える!安納芋

安納芋は、ねっとり系さつまいもの代表格として知られ、鹿児島県・種子島の特産としても有名です。強い甘みととろけるようなねっとり食感が特徴で、その濃厚さから「蜜芋」と呼ばれることもあります。生の状態でも糖度は16度前後と高めですが、じっくり時間をかけて焼くと糖度は40度近くまで上がり、思わず驚くほどの甘さが引き立ちます。

果肉は鮮やかなオレンジ色で、焼き芋として楽しむのはもちろん、料理やスイーツに加えると見た目の彩りも華やかになります。特にペーストやスイートポテト、アイスなどにもよく合い、魅力を存分に生かせる品種です。

収穫は9月〜12月にかけて行われますが、掘りたてよりも2〜3週間ほど貯蔵した頃がもっとも甘みがのる食べ頃です。旬のピークは10月中ごろ〜1月頃で、定温管理されたものなら一年を通して市場に出回ります。価格は1本あたり240円前後とやや高めですが、その豊かな甘さと香りを考えると、その価値を十分に感じられるはずです。

とろける甘さを存分に味わいたい方に、一度はぜひ試していただきたい品種です。

まとめ

身近なさつまいもといっても、品種ごとに食感や甘さ、旬の時期、価格帯などに個性があり、改めて見てみると本当に表情豊かな食材だと感じられます。同じ「焼き芋」にしても、ほくほく・しっとり・ねっとりと、それぞれの良さがあり、産地によっても味わいが違うため、選ぶ楽しみがぐっと広がります。

普段なんとなく手に取っている方も、次回は“どんな料理に使いたいか”を思い浮かべながら品種を選んでみると、さつまいもの魅力がさらに引き立ちます。ほくほく系はおかずに、ねっとり系はスイーツに、といった使い分けも楽しくなりますよ。

そして、旬の10月〜1月は味わいも深まり、価格も落ち着く絶好のシーズン。ぜひこの時期にいろいろな品種を食べ比べて、自分好みのさつまいもを見つけてみてください。