肌寒くなる10月頃から冬にかけて、さつまいもは旬の時期を迎えます。しかし、寒くなると、何かと体調を崩しがちになる季節でもあります。
本記事では「さつまいもと健康」をテーマに、
- 免疫力を上げる栄養素
- 人体に与える健康効果
- さつまいもとオナラの関係
以上の内容を中心に解説します。
甘くておいしいさつまいもを食べて、健康面にも役立つかもしれないなんて、ちょっと気になりませんか?ぜひ最後までお付き合いください!
さつまいもで免疫力UP!?
免疫力UPが期待できる栄養素は、ズバリ、「ビタミンC」です。
ビタミンCは、ウイルスと闘う免疫細胞「白血球」「リンパ球」に多く含まれており、摂取することで体の免疫機能が高まります。免疫力UPに欠かせないビタミンCですが、体内で作れない栄養素のため食事で摂る必要があります。
ちなみに、成人1日あたりのビタミンC推奨量は、100mg(2020年版食事摂取基準)で、さつまいもは100gあたり、ビタミンCが29mg含まれています。これは、リンゴの約10倍に相当する含有量です。
さらに、さつまいものビタミンCは、デンプンに保護されるため、熱を加えても壊れにくく、効率的に摂取ができます。また、さつまいもに多く含まれている、強い抗酸化作用を持つビタミンEも、ビタミンCと一緒にとることで、抗酸化作用をより強くしてくれます。
空気中には色々な細菌やウイルスなどの病原体が存在しており、常に体には一定の病原体が取り込まれています。しかし、免疫細胞が活動して、体内に入った病原体を撃退してくれるおかげで、私たちはすぐに病気になることなく過ごすことができるのです。また、一度感染した病気に対して、免疫細胞が病原体を記憶し、病気にかかりにくくなります。これらの免疫細胞の働きのことを免疫力と呼びます。免疫力は、過度なストレスや不規則な生活リズム、栄養の偏り、活性酸素の増加など、様々な要因で崩れてしまいがち。生活習慣全般を見直し、意識的に免疫力を高める必要があります。
免疫力をあげるための食事はビタミン、食物繊維が重要
免疫力をあげるためには、適度に運動すること、しっかり睡眠をとり休養すること、栄養バランスの取れた食事をとることが、特に重要と言われています。その中でも、食事面で意識的にとりたい栄養素について解説します。
ビタミンACE
活性酸素の増加は免疫力低下につながります。活性酸素から体を守ってくれる作用(抗酸化作用)のあるビタミンを総称してビタミンACE(エース)と呼び、免疫力UPのために積極的にとるべき栄養素です。具体的な効果は以下の通りです。
ビタミンA | 抗酸化作用に加え、鼻や喉などの粘膜を正常に保ち、病原体の侵入を防ぐ。 |
ビタミンC | 抗酸化作用が強く、免疫細胞の働きを助ける。 |
ビタミンE | 抗酸化作用が非常に強く、ビタミンA、Cと一緒にとることで、より抗酸化力が高まる。 |
食物繊維
腸は食べ物と一緒に取り込まれる病原体と接する機会も多いため、免疫細胞の60〜70%が腸に集まっており、外敵から身を守っています。この腸の環境を整えることは免疫力アップに直結します。そのため、腸内細菌の餌となる食物繊維をしっかりと取り入れることが効果的です。
さつまいもに期待できる!?効果まとめ
血圧対策/むくみ解消
不規則で偏った食生活と、ストレスは高血圧の原因になります。そして高血圧は、様々な病気を引き起こします。血圧気になる方にぜひ試していただきたいのが、さつまいもを摂り入れた食生活です。
さつまいもにはカリウムが豊富に含まれており、カリウムには、血圧を低下させる効果が報告されています。さらにカリウムには、むくみの原因となるナトリウムを排出する働きもあり、むくみ解消にも効果的です。
さつまいもに含まれているカリウムは、100gあたり約470mgといわれており、むくみ解消に良いとされるバナナ(100gあたり360mg)よりも多く含まれています。揚げ物やしょっぱいものが好きな方、お酒をよく飲む方にも、さつまいもはおススメです!
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アンチエイジング
さつまいもには、体内でビタミンAとして働く、βカロテンという抗酸化物質が多く含まれています。抗酸化物質はその名の通り、「体の酸化を防ぐ」ので、アンチエンジングにも期待ができます。さらに、ビタミンAには抗炎症作用があり、皮膚や目の健康維持にも効果的といわれています。
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ダイエット効果/安眠
さつまいもに多く含まれる栄養素の1つが、「マグネシウム」です。マグネシウムには、炭水化物の代謝を活性化する働きがあります。逆にマグネシウムが不足すると、ヒトは甘いものが食べたくなります。食欲を安定させ、間食を抑えられるマグネシウムには、ダイエット効果も期待できるでしょう。
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さらに、マグネシウムを補うことによって、「セロトニン」という幸せホルモンが分泌され、ストレス緩和、精神安定、安眠にも効果があるといわれています。
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便秘改善
さつまいもは、食物繊維が豊富に含まれていることで有名です。では「ヤラピン」という、さつまいも特有の栄養素をご存知でしょうか?ヤラピンとは、さつまいもを切った時ににじみ出る、白い液体のことです。このヤラピンには、便を柔らかくする働きがあり、食物繊維との相乗効果で、整腸作用を促す作用があります。
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【豆知識】さつまいもを食べるとオナラが出やすくなる?
さつまいもを食べるとオナラが出ると、昔からよくいいますよね?
「確かにそうだ!」と思う方もいらっしゃるでしょうが、「そうかな?」とピンとこない方も多いのではないでしょうか。実は、さつまいもとオナラの関係は、医学的に根拠がある現象で、「食物繊維」が深く関係しています。さつまいもは食物繊維が豊富な作物です。食物繊維は、人間の消化酵素では分解ができないため、そのまま大腸まで運ばれます。食物繊維が便秘解消に効果的といわれるのは、上記の理由からです。大腸に運ばれた食物繊維は、腸内細菌の栄養となり、腸内発酵の過程で気体を発生させます。
この気体こそが「オナラ」の元です。
つまり、さつまいもを食べるとオナラが出やすくなるというのは事実で、食物繊維の腸内発酵によるものというわけです。ちなみに、オナラの臭いの原因は、タンパク質を分解した際に発生する「硫化水素」です。さつまいもの食物繊維によって発生する気体は、ほとんどが二酸化炭素のため臭いはありません。
さつまいもを食べた時に、おならが出にくい方法としてよく聞くのが「皮ごと食べる」というもの。これは、さつまいもの皮に多く含まれる「ヤラピン」という成分がおならを防いでくれると、間違った認識している方が多いことが理由。ヤラピンがおならを防ぐことはありません。実際のヤラピンは、便を軟らかくして、お通じを良くするという効果があるのみです。寧ろ、皮ごと食べるほどおならが出やすいのです。しかし、皮まで食べることでヤラピンや食物繊維を多く摂取でき、便秘改善効果などを期待できます。お通じを良くしたい場合は蒸かし芋など、皮ごと食べられる調理方法で食べてみましょう。
【おならを防ぐ方法2選】さつまいもの食べ方がポイント
食べるとおならが出やすくなるさつまいもですが、おならを防ぐ方法もあります。おならを防ぐためには、さつまいもの食べ方がポイント。具体的には下記のような方法が挙げられます。
・よく噛んでゆっくり食べる
・食べ過ぎない
一つずつ詳しく見ていきましょう。
まとめ
さつまいもの健康要素を中心にお伝えしてきました。記事の要点をまとめると以下の通りです。
- さつまいもはビタミンCが豊富で、なんとリンゴの10倍!
- 免疫機能を高めるビタミンCは食べ物からしか摂れない。
- さつまいものビタミンCは熱に強く、ビタミンEの抗酸化作用も強める。
- 栄養価が高く、様々な健康効果や美容効果も期待できる。
- 腸内が活発になりオナラも出やすくなるが臭いはない。
この冬は、「手洗い・うがい・さつまいも」をお忘れなく。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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