さつまいもには、ほくほくと軽やかな食感の紅あずまや、とろける甘さが魅力の安納芋など、表情豊かな品種がたくさんあります。今回はその中でも特に人気のある5つを取り上げ、それぞれの味わいや食感の違いをわかりやすくまとめました。ひとつひとつ比べていくと、同じ“さつまいも”でも印象が大きく変わることに驚かされます。さらに、甘くておいしいだけではなく、栄養やカロリーも気になるところですよね。どんな成分が含まれているのか、日々の食事にどんなメリットが期待できるのかについても丁寧に解説しました。
読み終える頃には、「今日はどの品種を選ぼうかな」と自然と気持ちが動き出すはず。さつまいもを楽しむ際の小さな手がかりとして、ぜひ活用してみてください。
品種ごとのおいしさを紹介!
さつまいもは、国内だけでも60種類以上が育てられていると言われる、とてもバリエーション豊かな食材です。見た目や甘さ、食感の違いを知るほどに奥深さがあり、同じサツマイモでも品種が変わるだけで味わいがまるで違って感じられます。ここでは、その中でも特に人気のある品種を中心に、特徴やおいしさをわかりやすくまとめました。ほくほくと軽やかなタイプから、スイーツのようにねっとり濃厚なものまで、それぞれに個性が光るラインナップです。「次はどのサツマイモを楽しもうかな」と選ぶ時間が少し楽しくなるような、そんな手がかりとして役立ててみてください。
安納芋

安納芋は、ねっとりとなめらかな口あたりと、思わずうっとりするような濃厚な甘さが魅力のさつまいもです。近年広まった“ねっとり系ブーム”の中心にいた存在ともいわれ、全国的に人気が高まりました。サイズはほかのさつまいもより少し小ぶりですが、そのぶん甘みがぎゅっと閉じ込められており、生の状態でもおよそ20度ほどの高い糖度を誇ります。火を通すと甘さがさらに深まり、焼きいもにすると糖度が40度前後にまで高まると言われています。包丁を入れた瞬間、黄色みを帯びたオレンジ色の美しい果肉があらわれ、とろりと流れ出しそうな蜜が期待を高めてくれるはずです。
ひと口食べれば、濃密でとろけるような甘みがゆっくり広がり、まるでスイーツを味わっているような満足感が生まれます。小さな見た目からは想像できないほどの豊かな甘さがつまった、特別感のあるさつまいもです。
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紅あずま

昔から親しまれてきた、ほくほくと軽やかな食感が心地よいタイプのさつまいもです。
東日本を中心に多く栽培され、スーパーでもよく見かける定番の一本として長く愛されています。手に取ったときの素朴な雰囲気や、調理したときにふわっと立ちのぼる香りは、どこか懐かしさを感じさせてくれます。果肉は明るい黄色で、口に入れるとやさしい甘さがふんわり広がり、どんな料理にも合わせやすいのがうれしいところ。生の状態では糖度が約14度ほどですが、火を通すことで甘みがぐっと深まり、加熱後はおよそ30度前後のほどよい甘さに仕上がります。天ぷらや焼きいも、煮物など幅広い料理と相性が良く、昔から家庭で大活躍してきた理由もうなずけます。控えめながらもやさしい甘さと、ほくほくした食感をじっくり味わいたい時にぴったりのさつまいもです。
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紅あずまはさつまいもに含まれる水分量が少ないことから、ホクホクとした粉っぽい食感となります。焼き芋をはじめ、天ぷらやふかし芋などさまざまな料理に使いやすい品種です。
紅はるか

ひと口で驚くほどの濃厚な甘みと、クリーミーでとろけるような食感が魅力のさつまいもです。生の状態でも糖度はおよそ30度あり、じっくり焼き上げると 60度近くまで甘さが高まることもあります。口に入れた瞬間の濃密さは、さつまいもというよりスイーツに近い満足感があります。
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この品種が栽培され始めたのは2010年と比較的新しいにもかかわらず、そのおいしさがあっという間に広まり、全国で人気が高まっていきました。甘みの主成分は麦芽糖で、強い甘さがありながらも後味が重くならず、やさしく広がるのが特徴です。食感はしっとりとなめらかで、舌の上でするりと溶けるような印象があります。濃厚でリッチな甘さを楽しみたい時、まるでデザートのような特別感を味わえるさつまいもです。
鳴門金時

徳島県を中心に西日本で親しまれている人気のさつまいもが「鳴門金時(なると金時)」です。ほくほくと軽やかな口あたりの中に、しっとりとした質感もほんのり感じられ、ひと口で二つの良さが楽しめるような、絶妙なバランスの食感が魅力です。一般的な紅あずまと比べても、果肉の黄色がより鮮やかで、皮の紅色もひときわ美しく、並べただけで目を引く存在感があります。
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金時豆のような深い紅色をしていることから、その名が付けられたともいわれており、名前の通りの華やかな見た目は料理の仕上がりをぐっと上品にしてくれます。糖度はおよそ13度で、自然な甘さがすっと広がり、飽きのこない味わいです。焼き芋にすると甘みがふくらみ、ほくほく感がいっそう引き立つのも嬉しいポイント。やさしい甘さと美しい色合いを両方楽しみたい時に手に取りたくなる、魅力たっぷりのさつまいもです。
シルクスイート

名前の通り、まるでシルクのようななめらかさが魅力の「シルクスイート」。
一般的なほくほく系のさつまいもとはまったく違った印象で、水分を多く含んでいるため、ひと口食べるとしっとりとしていて、舌の上をすべるような上品な口あたりが広がります。優しい食感を好む方にはとても人気のある品種です。
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糖度はおよそ8度と、濃厚な甘さを持つ品種に比べると控えめですが、そのぶん自然で穏やかな甘みが感じられます。重たさがなく食べやすいので、日常の食卓にも取り入れやすいのが嬉しいところです。なめらかな質感を生かして、スイートポテトやプリンなどのスイーツ作りにもぴったり。もちろん、焼き芋やふかし芋にしても十分においしく、しっとり感がふんわり残る仕上がりが楽しめます。口あたりのよさと繊細な甘さを味わいたい時に選びたい、やさしい印象のさつまいもです。
さつまいもの栄養価を紹介

おいしさについ夢中になってしまうさつまいもですが、気になるのがやはり栄養やカロリー。食卓に並べるうえで、「体にも嬉しい食材なのかどうか」を知っておくと、選ぶ楽しさがさらに広がります。ここからは、さつまいもに含まれる成分や、その魅力をそっと支えている栄養についてわかりやすくまとめていきます。読み進めるうちに、日々の食事に取り入れたくなるようなヒントが見つかるはずです。
さつまいもは栄養豊富な食材

さつまいもには、体にうれしい栄養がぎゅっと詰まっています。
食物繊維やビタミンC、カリウムなど、普段の食事でしっかり摂りたい成分がたっぷり含まれており、昔から親しまれてきた理由にも納得できるほどです。ひとつひとつ見ていくと、日常の食卓で活用したくなる魅力がよりはっきり感じられます。
まず、さつまいもと聞いて思い浮かぶのが食物繊維。腸の動きをおだやかに整える働きがあるため、すっきりしたい方にとって心強い存在です。さらに、さつまいもにはヤラピンという独自の成分も含まれています。このヤラピンは腸の働きを助けるとされており、食物繊維と一緒にとれることで、より良い流れが期待できます。
次に注目したいのがビタミンC。コラーゲンの生成に関わる栄養として知られており、美肌を目指す方には欠かせない成分です。一般的にビタミンCは熱に弱いといわれますが、さつまいもの場合はでんぷんによって守られているため、焼いても蒸しても壊れにくいのが特徴です。普段の調理で無理なく摂れるのは、とても嬉しいポイントですね。
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さらに、豆類やいも類に多いカリウムも豊富です。カリウムはナトリウムの排出をサポートするとされており、塩分のとりすぎが気になる時や、むくみをすっきりさせたい時に心強い成分です。日常で自然に取り入れやすいのも魅力のひとつ。
そして気になるカロリーですが、100gあたり約130kcalほど。ご飯と同じ100gが約150kcalなので、さつまいものほうがやや控えめです。ただし、量を食べすぎるとカロリーオーバーにつながるため、適量を心がけながら楽しむと安心です。
栄養のバランスが良く、満足感もしっかり得られるさつまいもは、上手に取り入れれば心も体も嬉しい食材。
食べたい時に無理なく続けられる点も大きな魅力といえるでしょう。
さつまいも品種による栄養に違いは?

甘みの強い安納芋や紅はるかは、ほかの品種に比べてカロリーや糖質がやや高めと言われています。
強い甘さが感じられるということは、その分糖質がしっかり含まれている証でもあります。ただし、それだけで一概に決まるわけではなく、どの調理法を選ぶかによってもカロリーは大きく変わります。焼き芋・蒸し芋・干し芋など、仕上がりの水分量が変わるだけでエネルギー量に差が出るため、目的に合わせて使い分けると安心です。
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品種ごとの“色”を形づくっている成分にも特徴があります。
たとえば安納芋にはβカロテンが含まれています。これは活性酸素の働きを抑えるとされる栄養素で、健康維持に役立つと注目されています。安納芋の果肉がオレンジ色を帯びて見えるのは、このβカロテンが豊富だからこそです。
また、アヤムラサキやパープルスイートのような紫系のさつまいもには、ブルーベリーでおなじみのアントシアニンが含まれています。紫色の色素として知られ、目のケアに役立つとされている成分で、鮮やかな色にも影響しています。
甘みや色の違いには、こうした成分が関わっています。選ぶ品種によって栄養の内容も少しずつ変わるため、自分の好みや目的に合わせて取り入れる楽しさが広がります。
店頭に並んでいるさつまいもの形、大きさ、尻尾、そして1番大切なのは皮。プロが作る焼き芋の味に!
まとめ

これまで、さつまいもの品種が持つおいしさや栄養の魅力をたっぷりとお届けしてきました。
ひとつの食材なのに、ほくほくと素朴な甘さを感じるものから、蜜があふれるような濃厚でねっとりとしたタイプまで幅が広く、どの品種にも思わず手を伸ばしたくなる良さがあります。しかも、満足感がしっかり得られるうえに栄養もしっかり取れるため、ダイエットを意識している人にとっても頼もしい存在です。店頭には紅あずまのように軽やかな甘さをもつ品種や、安納芋・紅はるかのようなスイーツのような甘さを持つ品種などが並び、地域によって出会える味わいも少しずつ違います。同じ“さつまいも”でも、食感も香りも甘さも変わるため、選ぶ時間そのものが楽しくなってくるはずです。
まずは気になる一本を手に取ってみるのも良いですし、いくつかそろえて食べ比べをしてみるのもおすすめ。ほくほく派、ねっとり派、しっとり派…そんなふうに自分の好みが少しずつ見えてくると、さつまいもがもっと身近で楽しい存在になります。季節の移ろいを感じながら、自分にぴったりの一本をゆっくり探してみてください。ふだんの食卓が、そっと明るくなるようなうれしい発見がきっとあります。
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