
しっかりとした甘さが魅力のさつまいも。なかでも、紅はるかと紅あずまは、ひと口食べると虜になるほどの美味しさを持ち、多くの人に親しまれています。焼き芋やスイーツにしても絶品のこの2つの品種ですが、それぞれの味や糖度に違いがあるため、どちらを選べばよいか迷うこともあるでしょう。紅はるかは、しっとりとなめらかな食感が特徴で、糖度が高く、加熱すると蜜があふれるような甘さが際立ちます。一方、紅あずまはホクホクとした食感が魅力で、程よい甘さと食べ応えがあり、天ぷらや焼き芋など、さまざまな料理に適しています。それぞれの品種が持つ特徴や旬の時期を知ることで、自分の好みに合ったさつまいもを選びやすくなります。
この記事では、紅はるかと紅あずまの違いを詳しく解説し、どのような料理に向いているかも紹介します。迷ったときの参考にして、より美味しくさつまいもを楽しんでみてください。
紅はるかと紅あずまの違いは?
名前のよく似た紅はるかと紅あずまには、味と食感に大きな違いがあります。紅はるかは、強い甘みに加えてねっとりとした食感が特徴。一方の紅あずまは、しっかりとした甘さとホクホク食感を楽しめます。
どちらも甘さを楽しめる品種ですが、自分好みの味わいを探すためには違いを確認しておくのがおすすめです。紅はるかと紅あずま、それぞれの特徴をくわしく見ていきましょう。
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濃厚な甘さ!紅はるかとは?
焼き芋ブームを牽引するほどの甘さを誇る、紅はるか。ここでは、紅はるかの特徴についてご紹介します。
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紅はるかの特徴
名前 | 紅はるか(べにはるか) |
旬の時期 | 11〜1月ごろ |
生産地 | 主に九州地方、茨城県 |
食感 | ねっとり系 |
紅はるかは「九州121号」と「春こがね」という品種を交配させて生まれた、優れた品種です。見た目の美しさと味を兼ね備えた紅はるかは、各地でブランド品種も展開されています。例えば、大分の甘太くん・茨城の紅天使・宮崎の葵はるかなどが有名です。紅はるかの収穫時期は、九州など暖かい地域では10月ごろからはじまります。収穫後に1カ月ほど熟成するため、11月下旬から1月ごろがおいしい食べごろです。非常に甘く濃厚な味わいに加えて、なめらかでクリーミーな口あたりが魅力。強い甘みでありながら上品さも感じられる紅はるかは一度食べるとファンになる人も多く、加熱することでスイーツのような甘みを堪能できます。
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紅はるかの糖度
紅はるかの甘さは安納芋と比較されることも多く、ほかの品種と比べてもトップクラスの甘みが特徴的です。その糖度は非常に高く、生の状態でも30〜40度ほど、さらにじっくり加熱した焼き芋の糖度は50度ほどともいわれています。紅はるかの主な甘み成分は、すっきりした甘さの麦芽糖のため、まるで上質なスイーツを食べているかのような味わいを楽しめます。ただし、収穫後すぐの紅はるかは甘みが少なく、おいしさを感じられません。適切な環境のもとで熟成すると糖化が進み、なんとも言えない甘みになります。
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独特の食感!紅あずまとは?
紅あずまは、ほどよい甘さが魅力の品種です。ここからは、紅あずまの特徴についてご紹介します。
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紅あずまの特徴
名前 | 紅あずま(べにあずま) |
旬の時期 | 12月頃〜 |
生産地 | 主に茨城県・千葉県など |
食感 | ホクホク系 |
紅あずまは、「関東85号」と「コガネセンガン」という品種を交配してできたさつまいも。全国的に出回る人気の品種で、濃い赤紫色の見た目と淡い黄色の果肉が特徴です。10〜11月ごろ収穫時期を迎え、1〜2カ月ほど貯蔵した12月ごろからがおいしい時期。甘みとしっとり感を増した状態で出荷されます。繊維が少ないので、粉質の舌触りを楽しめるホクホク食感が魅力です。
栗のようなやさしい甘みと食べ応えのある食感を味わえる紅あずまは、昔ながらのさつまいもを求める人にもおすすめの品種。甘みと食感のバランスがよく、懐かしい味わいを満喫できます。
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紅あずまの糖度
紅あずまの糖度は、14度前後と一般的なさつまいもと比べて高め。さらに、加熱すると30度ほどまで糖度は高くなります。紅はるかよりも糖度は低めですが、昔懐かしい風味でほどよい甘さが美味。幅広い世代に好まれる紅あずまは、甘さ控えめのさつまいもが欲しい人にもぴったりです。
焼き芋にするのはもちろん、甘みと食感が絶妙にマッチする天ぷらにするのもおすすめ。ホクホク、サクサクの食感に加えて、ほどよく上品な甘みを楽しめます。
紅はるかと紅あずま、どちらがおいしい?
紅はるかと紅あずまは、それぞれ甘さや食感の特徴が異なる品種でありながら、どちらも一般的なさつまいもより糖度が高く、十分な甘みを堪能できるのが魅力です。味わいや食感の違いを理解すると、用途や好みに合わせて選びやすくなります。
紅はるかは、濃くしっかりとした甘さが特徴で、ねっとりと濃厚な口あたりが楽しめます。加熱すると糖度がさらに引き立ち、焼き芋にすると蜜があふれるほどの甘さになるため、スイーツ感覚で味わいたい人に最適です。一方、紅あずまは、ホクホクしつつもしっとりとした食感があり、上品でほどよい甘さを持つのが特徴。昔ながらの素朴な風味があり、甘さが控えめなものを好む人や料理の食材として使いたい人に向いています。食感や甘さの好みに合わせて選ぶのも良いですが、それぞれの味わいをじっくり比べてみるのもおすすめです。焼き芋や蒸し芋、スイーツなど、さまざまな調理法で味の違いを楽しみながら、自分にぴったりのさつまいもを見つけてみてはいかがでしょうか。
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紅はるかと紅あずまの違いまとめ
紅はるかと紅あずまは、どちらも味と食感の良さを兼ね備えた魅力的な品種で、多くの人に親しまれています。名前がよく似ているため違いがわかりにくいですが、それぞれの特徴を知ると、用途や好みに合わせて選びやすくなります。紅はるかは、糖度が非常に高く、加熱するとしっとりとしたなめらかな食感になり、焼き芋にすると蜜があふれるほどの甘さが際立ちます。スイーツのような濃厚な味わいが特徴で、甘さを存分に楽しみたい人にぴったりです。一方、紅あずまは、ホクホクとした食感が魅力で、ほどよい甘さと素朴な風味が楽しめるため、天ぷらや煮物、焼き芋など幅広い料理に適しています。
糖度の高さや食感の好みによって選ぶことで、より満足度の高い味わいを楽しめるでしょう。しっとりと甘みの強い紅はるか、ホクホク食感で親しみやすい紅あずま、それぞれの個性を活かした食べ方を試して、自分にぴったりのさつまいもを見つけてみてください。
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