干し芋の産地ランキング!茨城県が全国生産量No.1の理由

干し芋の産地は茨城県が全国トップで、生産量は全国の約9割を占めています。もともとの発祥地は静岡県ですが、明治後期以降、茨城県で生産が拡大し、現在は「干し芋王国」と呼ばれるほどの一大産地になりました。この記事では、干し芋の産地ランキングと、茨城県が日本一の産地になった理由、産地ごとの特徴を解説します。

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干し芋の産地ランキング

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順位 産地 特徴
1位 茨城県 全国生産量の約9割、年間約3万2,000トン
2位 静岡県 干し芋発祥の地。現在は生産量が縮小
その他 鹿児島県・宮崎県・千葉県など さつまいもの産地として干し芋も一部生産

茨城県は、ひたちなか市・東海村・那珂市を中心産地として発展し、サービスエリアや専門店、スーパーなど、県内の至るところで購入できます。一方、鹿児島県や宮崎県はさつまいもそのものの生産量が多い地域ですが、干し芋の加工・流通は茨城県ほど盛んではなく、青果用や焼酎の原料としての消費が中心です。

干し芋とは

干し芋とは?

干し芋とは、蒸したさつまいもをスライスして乾燥させた和スイーツです。正式名称は「甘薯蒸切干(かんしょむしきりぼし)」で、カリウムやビタミンB1、食物繊維などが豊富な自然食品として知られています。腹持ちの良さと低GIという特徴から、ダイエットや筋トレをしている方からも注目されている食品です。干し芋は水分が抜けることで栄養素が凝縮されるため、生のさつまいもよりも効率よく栄養を摂取できる点も魅力です。

干し芋は保存性が高く、常温でも一定期間保存できることから、非常食や登山・アウトドア用の携行食としても選ばれています。近年ではふるさと納税の返礼品としても人気が高く、茨城県内の多くの自治体が干し芋を返礼品に採用しています。

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干し芋の産地はなぜ茨城県に集中しているのか

干し芋の産地が茨城県に集中している理由は、土壌・気候・品種という3つの条件がそろっていることにあります。

土壌がさつまいも栽培に適している

干し芋の主な産地であるひたちなか市・東海村・那珂市の土壌は、火山灰から生成される「黒ボク土」です。黒ボク土は保水性・透水性・通気性のバランスが良く、旨みのあるさつまいもが育ちます。さらにこれらの地域は太平洋に面しているため、ミネラルを含んだ潮風が土壌に栄養を与え、干し芋を乾燥させる工程にも適した環境をつくっています。土壌と海風という2つの自然条件が重なったことが、茨城県が干し芋の産地として選ばれた大きな要因です。

冬季に晴天が続きやすい気候

干し芋作りには、収穫後の冬季に長く続く晴天が欠かせません。茨城県は全国的にみても晴天率が高く、乾いた北西の季節風によって冬に晴天が続きやすい気候です。この気候条件があることで、天日干しによる自然な乾燥工程が安定して行えるため、干し芋の産地としての発展を後押ししました。近年は乾燥機を使う生産者も増えていますが、天日干しならではの風味を大切にする産地も多く残っています。

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加工に適した品種「玉豊」の存在

茨城県における干し芋の主力品種は「玉豊」です。1960年に品種登録された玉豊は、収穫量が多く加工特性に優れ、黒斑病やネグサレセンチュウなどの病気にも強い特徴があります。市場に出回る干し芋の多くが玉豊で作られており、干し芋の代名詞的な品種となっています。近年では、紅はるかやいずみ、みつき、玉乙女といった品種を使った干し芋も増えており、蜜のような甘さやしっとりした食感を楽しめる商品として人気を集めています。産地の中でも生産者によって使用する品種が異なるため、食べ比べてみるのもおすすめです。

静岡県産と茨城県産の干し芋を食べ比べると、味や食感の違いも楽しめます。静岡県産は昔ながらの「白干し芋」が多く、あっさりとした甘さと硬めの食感が特徴です。一方、茨城県産は品種改良が進んだ紅系品種が多く使われ、しっとりとした食感と濃厚な甘みを持つ商品が増えています。産地による製法や品種の違いが、味わいの差につながっているのです。

干し芋の産地の歴史 静岡から茨城へ

現在は茨城県が干し芋の一大産地ですが、発祥は静岡県です。ここでは、産地が静岡県から茨城県へ移り変わった歴史を紹介します。

発祥は静岡県 1824年の「煮切り干し」

干し芋作りの誕生は江戸時代、1824年のことです。静岡県御前崎地方に住んでいた栗林庄蔵が、釜で茹でたさつまいもを薄く切って干す「煮切り干し」製法を考案したのが、干し芋のルーツといわれています。その後1892年頃には、現在のように蒸したさつまいもを厚めに切って乾燥させる製法が誕生しました。生産量は急激に伸び、大正時代には静岡県全体で干し芋作りが行われるほどの産地に成長しました。

茨城県への伝来 明治後期

茨城県に干し芋が広まったのは明治後期です。1895年、照沼勘太郎が静岡県沖で遭難した際に目にした干し芋を、茨城県で真似たのがきっかけといわれています。その後、現在のひたちなか市地域でせんべい屋を営んでいた湯浅藤七や、同市に住む小池吉兵衛が製造を開始し、干し芋は瞬く間に普及しました。1933年頃には約3,000万トンを超える量を製造していたともいわれていますが、戦争が激化するとさつまいもが統制され、戦争末期には干し芋の製造が一時的に禁じられました。

戦後の生産量逆転 茨城県が産地No.1へ

国の統制が解除され、干し芋の生産が再開したのは1950年です。茨城県は積極的に生産を拡大し、1952年に約4,500トン、1956年には約1万トンと生産量を伸ばしていきました。一方の静岡県は、1950年から数年は7,000トンを超える生産量がありましたが、1953年をピークに減少していきます。これは、静岡県が温室メロンやいちご、花などの栽培へシフトしたことが要因です。この結果、茨城県と静岡県の生産量に大きな差が生じ、現在では茨城県が全国生産量の約9割を占める産地となりました。

干し芋の産地・茨城県で干し芋を楽しむ方法

茨城県を訪れる際は、産地ならではの新鮮な干し芋をぜひ味わってみてください。ひたちなか市や東海村には干し芋専門店が多く、生産者ごとに異なる品種や製法の違いを食べ比べられます。常磐自動車道のサービスエリアや県内のスーパーでも幅広い種類の干し芋が購入できるため、旅行のお土産としても人気です。また、通販で購入する場合は、産地直送の商品を選ぶと、より新鮮な干し芋を楽しめます。

よくある質問

Q. 干し芋の産地はどこですか?
A. 茨城県が全国生産量の約9割を占める、日本最大の産地です。ひたちなか市・東海村・那珂市が中心産地として知られています。

Q. 干し芋の発祥地はどこですか?
A. 静岡県です。1824年に御前崎地方で考案された「煮切り干し」が干し芋のルーツといわれています。

Q. 茨城県の干し芋に使われる品種は?
A. 主力品種は「玉豊」です。近年は紅はるかやいずみ、玉乙女といった品種も使われています。

Q. 干し芋はどこで購入できますか?
A. 茨城県内のサービスエリアや専門店、スーパーのほか、ふるさと納税の返礼品や産地直送の通販でも購入できます。

まとめ 干し芋の産地は茨城県、土壌と気候が生んだ日本一

干し芋の産地は茨城県が全国生産量の約9割を占め、日本一です。発祥は静岡県でしたが、明治後期に茨城県へ伝わり、豊かな土壌と冬の晴天という気候条件、加工に適した品種「玉豊」の存在によって、茨城県は干し芋王国として発展しました。産地ごとの品種や製法の違いを食べ比べながら、干し芋の魅力を味わってみてください。