干し芋は炊飯器の玄米モードで簡単!炊飯器で作る干し芋レシピ、水の量も

自然な甘みがふんわりと広がり、しっとりとした口あたりに心までほぐれていくような干し芋は、ゆっくり味わうほどに気持ちがやさしく整っていくような魅力があります。とくに、体内の余分な塩分や水分を手放す働きを持つカリウムがたっぷり含まれているため、ダイエット中でも罪悪感なくつまめるおやつとして人気が高まっています。

お店で買うもの、という印象が強いかもしれませんが、じつは家にある道具で手軽に作れるのも嬉しいところ。シンプルな工程をひとつひとつ進めていくだけで、素材そのものの甘さがぎゅっと濃縮された優しい味わいに仕上がっていきます。晴れが続くタイミングを見つけて外に干せば、太陽のぬくもりも重なり、より深みのある味わいに育っていくのも楽しみのひとつです。

この記事では、初めての方でも迷わず作れるように、手作り干し芋のレシピを丁寧にまとめています。天気予報をチェックしながら、のんびり過ごすお家時間の楽しみとして、ぜひ干し芋づくりに挑戦してみてください。手間をかけたぶんだけ、ひと口食べたときの「できた!」という嬉しさもじんわり広がりますよ。

干し芋は体に優しいおやつ!健康と美容を保つ栄養が豊富

ケーキやチョコレートのような華やかさはないものの、噛むほどにやさしい甘みが広がる干し芋には、見た目以上の力強い魅力があります。素朴だからこそ体に寄り添ってくれるような安心感があり、カリウムだけでなく、日々の調子を整えるうえでうれしい成分がたっぷりと詰まっていますのでまとめてみました。

食物繊維で便秘解消の効果が期待できる

干し芋には、皮を剥いて蒸したさつまいもよりもたっぷりと食物繊維が詰まっており、その量はおよそ2倍ほどになります。この豊かさが、日々のリズムをすこしずつ整えてくれる心強い味方になってくれるのです。食物繊維は腸の動きをやわらかく後押ししてくれるため、悩ましい便秘を抱えている方にとって、日常に取り入れやすい助けとなってくれます。

腸が気持ちよく働きはじめると、体の内側で巡りが整い、自然と調子が上向いていくような変化も感じやすくなります。腸内環境がすこやかになることで、外からの影響を受けにくくなり、季節の変わり目や体調を崩しがちな時期にも、守られているような安心感が生まれてきます。

ビタミンが豊富で美容効果が期待できる

干し芋には、見た目の素朴さからは想像できないほど、うれしいビタミンがしっかりと詰まっています。これらの成分は、日々を健やかに過ごしたい人にとって心強い味方になってくれる存在です。

まず、すこやかな視界やみずみずしい肌を守る働きを持つビタミンAが含まれています。さらに、肌や髪、爪が生まれ変わる流れをゆっくりと後押ししてくれるビタミンB2も備わっており、毎日のコンディションをふんわり整えてくれます。そして、年齢とともに気になりやすい細胞の衰えに寄り添い、若々しさを保つ方向へ導いてくれるビタミンEも加わります。

鉄分が豊富で貧血予防が期待できる

不足しやすいと言われる鉄分も、干し芋に多く含まれる栄養です。鉄分が不足すると、体内で酸素の供給がうまくいかず、貧血を起こしてしまうことがあります。貧血による頭痛やめまいは、日常生活に支障をきたしてしまうことも。鉄分の摂取により、健康の維持が期待できます。

お家でできる、おいしい干し芋のレシピ

干し芋に向いているさつまいもの選び方

干し芋に向いているさつまいもの選び方

さつまいもには、それぞれ個性があり、仕上がりの食感や甘さが品種によって大きく変わります。どんな料理に使うかを思い浮かべながら選ぶと、ぐっと美味しく仕上がります。たとえば、ほっくりとした口あたりを楽しみたいときは「鳴門金時」や「紅あずま」が向いており、噛むたびにやさしい甘みが広がるしっとり系を求めるなら「紅はるか」や「安納芋」がぴったりです。

干し芋づくりでは、乾燥の段階で水分が抜けていく分、はじめからしっとりと柔らかいタイプを選んでおくと、心地よい食感に仕上がりやすくなります。まるで蜜がじんわりしみ込んでいるような自然な甘さが際立ち、ひと口かじるだけでほっとする干し芋に育っていくのもこのタイプならでは。

今回は、ねっとりとした甘みが魅力の「紅はるか」を使って作っていきます。素材そのもののおいしさがしっかり生きるので、初めて挑戦する方にも扱いやすい品種です。おうちで手づくりする楽しさを味わいながら、じんわり深まる甘さをぜひ感じてみてくださいね。

【STEP1】炊飯器で簡単!さつまいもを蒸す

【STEP1】炊飯器で簡単!さつまいもを蒸す

炊飯器を利用して、さつまいもを蒸します。水洗いして、汚れを落としたさつまいもと、カップ2杯の水を投入。さつまいもの量を増やすときは、水の量も調整しましょう。さつまいもが、半分くらい水に浸る状態に整えます。

しっとり仕上げるなら「玄米モード」がおすすめ

しっとり仕上げるなら「玄米モード」がおすすめ

炊飯器を「玄米モード」にします。玄米モードにすることで、ゆっくり時間をかけて、さつまいもを蒸すことができ、よりしっとりとした仕上がりに。炊飯器によって調理時間は異なりますが、1時間~2時間ほどで完了します。玄米モードがない場合は、通常の炊飯モードで問題ありません。

竹串で火の通り具合を確認する

竹串で火の通り具合を確認する

さつまいもが蒸しあがったら、竹串で中まで火が通っているか確認します。問題なければ取り出し、まな板やバットの上に並べてください。

【STEP2】竹串でさつまいもの皮を剥く

【STEP2】竹串でさつまいもの皮を剥く

さつまいもが熱いうちに、皮を剥きます。竹串を使って、なぞるように上から下へ動かすと、綺麗に皮がめくれていきますよ。このとき、皮は少し厚めにとるのがポイント。茶色い甘皮まで剝くことで、綺麗な仕上がりになります。

【STEP3】さつまいもを繊維に沿ってカットする(ポイント)

【STEP3】さつまいもを繊維に沿ってカットする(ポイント)

皮が剥けたら、さつまいもを20分ほど置いて粗熱を取ります。熱があるうちは、包丁を入れても形が崩れてしまうので、十分に冷ましましょう。冷ましたあとは、繊維に沿って1cm程度の厚さに切ります。

【STEP4】さつまいもをベランダで天日干しにする

【STEP4】さつまいもをベランダで天日干しにする

切ったさつまいもを、ザルや乾燥ネットに並べます。今回はザルを利用しました。さつまいもは、柔らかく崩れやすいので、丁寧に並べましょう。並べ終わったらベランダに出し、天日干しします。ザルを利用する場合は、虫や鳥が寄り付かないよう、フードカバーを被せるのがおすすめです。1日1回は裏返し、夜は露が付かないよう、室内に取り込みましょう。乾燥させる日数により、食感が変わるため、お好みの硬さで召し上がってください。3日ほどで半生のしっとり食感、5日ほどでカラッと水分が抜け、噛み応えを楽しめる硬さに仕上がります。

手作り干し芋の保存期間と保存方法

自家製の干し芋は、市販のものより水分がやや残りやすいため、日持ちはおおよそ3日〜1週間ほどを目安に考えておくと安心です。とくに、天日干しの日数が短く水分量が多い場合は、やさしい甘さがしっとり保たれる一方で傷みやすくなるため、早めに食べきることを心がけたいところです。

保存するときは、ひとつずつ丁寧にラップで包み、さらに密閉できる袋に入れて空気をしっかり抜いておくと、風味が長く保たれます。空気に触れにくい状態をつくることで乾燥や劣化を防ぎ、冷蔵庫の温度変化からも守られ、穏やかな状態のまま保存できます。こうしたちょっとした工夫が、手づくりならではの甘さと柔らかさを長く楽しむコツです。

冷蔵庫から取り出して食べるときは、電子レンジでほんの少し温めるか、オーブントースターで軽く加熱すると、しっとりとしたやさしい食感がふわりとよみがえります。太陽の光を浴びて凝縮された甘さが、また新たなおいしさとして広がっていきますよ。

まとめ

家にあるもので、意外と簡単に作れる干し芋。おいしくて栄養豊富なので、体が喜ぶおやつですよ。最後に記事のポイントをまとめます。

  • 干したさつまいもにカビが生えないよう、晴れた日が続くタイミングで作り始める
  • 干し芋を作るならしっとり系の「紅はるか」や「安納芋」を選ぶ
  • 炊飯器でさつまいもを蒸すときは、「玄米モード」がおすすめ
  • さつまいもの皮を剥くときは、甘皮まで剥くことで綺麗な仕上がりに
  • さつまいもは、粗熱が取れてからカットすることで、形が崩れない
  • 天日干し中のケアで、さつまいもの裏表をしっかり乾燥させる
  • しっとり仕上がりなら天日干し3日、噛み応え重視なら天日干し5日

天気の良い日にぜひ作ってみてくださいね。