干し芋の表面についている白い粉?気にならない?これカビなの?食べても良いの?白い粉の正体とは?黒っぽい部分は何?カビとの見分け方(色、臭い、形)を調べてみた

ちょっとしたオヤツとしても人気の干し芋ですが、干し芋の表面についている白い粉が、気になっている方も多いのではないでしょうか?これはカビなの?食べてもいいの?と不安になっている方もいるかも知れません。結論から言うと、干し芋の表面についている白い粉は、ほとんどの場合糖分が結晶化したものです。ここでは、干し芋の表面についている白い粉の正体を解説するとともに、カビとの見分け方についてもご説明していきます。

干し芋の表面の白い粉の正体は?

干し芋の表面の白い粉の正体は、ほとんどの場合、麦芽糖(マルトース)が結晶となって表面化したものです。白粉(シロコ)とも呼ばれていて、もちろん食べても問題ありません。お芋の甘みの証拠とも言えるので、好んで食べる方もいるようですし、あえて白粉のついた干し芋を販売している店舗もあります。

麦芽糖って何?

麦芽糖とは、でんぷんを分解するときにできる糖のことです。麦芽をでんぷんに作用させて得られるため、麦芽糖と呼ばれているこの糖類ですが、サツマイモの場合、デンプンがβアミラーゼという酵素の働きによって、麦芽糖に変化し甘味が増します。今のように砂糖が普及する前は、芋や穀類のデンプンを酵素で分解して得た麦芽糖を、甘味料に使っていました。優しい甘みが特徴で、水あめの主成分としても使われています。最近注目されている甘酒にも使われることがあります。

なぜ白い粉がつくの?

干し芋についている白い粉は、麦芽糖だとお話しました。なぜ、麦芽糖が白い粉として表面に現れるのかというと、サツマイモを干すことによる乾燥が原因です。干し芋になる前のさつまいもの状態や加工時期、干し芋になってからの保管状況によって、白い粉が出るタイミングはさまざまです。出来たての干し芋には白い粉はつきませんが、できてから数週間~1か月ほどで白い粉が出始めます。白い粉の付き方はさまざまで、表面にぽつぽつとついている場合もあれば、全体的に白い粉をまとったような場合もあります。初めて白い粉のついた干し芋を見た方は、「もうカビが生えてしまったの?」と驚いてしまうかも知れませんね。

この白い粉が出てきた干し芋をトースターで少し炙って食べると、とても美味しいのですよ。

黒っぽい色の部分は何?

干し芋をしばらく置いておくと、黒っぽい色になる場合があります。これは、ポリフェノールの一種のクロロゲン酸という物質が作用して起こります。もちろん食べても問題はありません。ただし、黒っぽいポツポツしたものが干し芋の表面に斑点状に現れたときは、カビの可能性が高いので食べないようにしましょう。

干し芋の白い粉とカビとの見分け方

干し芋の白い粉とカビとを見分けるためには、色・臭い・形の3つに注目してみましょう。ここでご紹介するこの3つのポイントを抑えておけば、白い粉とカビとを見分けることができます。

色の違いと見分け方

干し芋の一部や、白い粉の周りなどが青や緑色っぽくなっている場合や、赤や茶色、ピンクなどの色に変わっている場合は、カビだと思ってまず間違いないでしょう。色の変化は目で見て分かりやすいです。購入してすぐの干し芋にもカビが生えていた、という事例もあるので、食べる前には、干し芋の表面をチェックしてから食べるようにすると安心です。

臭いの違いと見分け方

臭いの違いも判断しやすいポイントです。色で判断しにくい場合や、一見しただけでは麦芽糖の白い粉が付いているだけに見える干し芋でも、カビくさい臭いがしたら、どこかにカビが生えています。カビくさい臭いがしたら食べないようにするのが無難です。

形の違いと見分け方

色や臭いで判断しにくい場合は、形をチェックしてみましょう。白い粉がカビの場合、以下のような特徴があります。

  • ホコリのようにふわふわしている
  • 白い部分が盛り上がっている

干し芋についた白い物体に、上記のような特徴がないかを確かめてみましょう。

干し芋をカビから守るには冷凍保存がおすすめ

基本的に、干し芋を購入したら早めに食べてしまうのが原則です。ですが、自宅で大量に作ってしまった場合などは、食べきれないこともあるでしょう。干し芋の保存には、10度以下で、直射日光の当たらない環境が適しています。ただ、屋内でこの環境を作るには、冬場でも難しいのが実情です。そうなると、冷蔵庫で保存したくなるのですが、冷蔵庫だと乾燥が進んで干し芋が硬くなってしまいます。干し芋を保存する場合は、冷凍保存がおすすめです。冷凍保存する場合は一つずつラップか、アルミホイルに巻いて保存袋に入れましょう。個人的にはアルミホイルで巻いておいた方が、食べるときにそのままトースターなどで焼けるので便利ですよ。

まとめ

干し芋の表面についている白い粉の正体が、麦芽糖であると解説してきましたが、基本的に白い粉が付着し始めてもそれほど心配する必要はありません。ただ、カビの臭いがしたり色が変わっていたり、ふわふわした形状をしていたらカビの可能性が高いので、食べずに破棄した方が安心です。カビが生えないような保存を心がけ、美味しく干し芋をいただきましょう。