干しいもは、さつまいもを乾燥させた日本の伝統的な食品です。「昔はよく食べたなぁ」と、懐かしく感じる方もいるのではないでしょうか。この干しいもが、カーリング女子がもぐもぐタイムに食べていたことから注目されています。本記事では、スポーツの栄養補給に干しいもが適している理由や、干しいも効果的な食べ方について紹介します。
カーリング女子のもぐもぐタイム
2018年に開催された平昌冬季オリンピックで銅メダル、2022年の北京オリンピックで銀メダルを獲得して、日本中の注目を浴びたカーリング女子日本代表チームの「ロコ・ソラーレ」。カーリングでは第5エンド終了後に、栄養補給と作戦タイムの為に使う、7分間の休憩時間(デッドタイム)が設けられています。このデッドタイムに選手達が、北海道弁で打ち合わせしながら、おやつを食べて栄養補給する様子が、SNSで「もぐもぐタイム」と呼ばれ、話題となりました。この「もぐもぐタイム」に登場したのが「干しいも」です。
カーリング女子日本代表チームが食べていた干しいもは、全農のブランド「ニッポンエール」の商品「国産 紅はるかの干し芋」です。
「ニッポンエール」は、全国の都道府県から届けられる日本産の食べ物、そして日本にエールを送ろう、というコンセプトのブランドです。青森県産のリンゴや、和歌山県産の温州みかん、宮城県産の日向夏など、国産の食材を使ったドライフルーツを販売しています。全農はカーリングのオフィシャルスポンサーで、もぐもぐタイムには「国産 紅はるかの干し芋」の他に、「和歌山県産はっさくドライフルーツ」が登場しています。
スポーツの栄養補給に干しいもがおすすめの理由
カーリングは第10エンドまで行い、試合時間は約2時間30分です。競技時間が長いため、途中でエネルギーが不足して、パフォーマンスが低下することがあります。そのため、第5エンド終了後のもぐもぐタイムに、ガス欠にならないようにエネルギーを補給しています。このエネルギー補給におすすめなのが、干しいもです。
脂質が少ない
「国産 紅はるかの干し芋」の栄養成分を見ると、内容量50gに対して脂質は0.3gとかなり低くなっています。カラダを動かすエネルギー源は糖質と脂質、たんぱく質ですが、素早くエネルギーとなるのは糖質です。しかし、運動前や運動中の脂質の摂取は、胃に負担をかけます。また、脂質を過剰に摂取すると体脂肪として蓄積されるため、摂り過ぎには注意が必要です。糖質が豊富で脂質の少ない干しいもは、脂質を摂り過ぎることなくエネルギーを補給できるので、アスリートにおすすめの食品です。
低GI値食品
GI値は、食品に含まれている糖質の吸収度合いを示す数値で、摂取してから2時間までの、血中の糖濃度を計測したものです。GIが70以上の食品は「高GI食品」、56〜69の間の食品を「中GI食品」、55以下の食品が「低GI食品」です。干しいもはGI値55で、玄米やそば、五穀米と同程度で低GI値食品に分類され、急激な血糖値の上昇を抑える特徴があります。2003年に世界保健機関(WHO)が、「低GI食品は過体重、肥満、2型糖尿病の発症リスクを低減させる可能性がある」というレポートを出すなど、低GI値食品が注文されています。
ビタミンCやビタミンB6が豊富
さつまいもには、抗酸化作用があるビタミンCや、エネルギーの代謝に必要なビタミンB6が豊富に含まれています。ビタミンCは運動によって使われるので、アスリートは積極的に摂取したい栄養素の一つです。ビタミンCには、運動によってできる活性酸素を取り除く効果や、スポーツに大切な、コラーゲンの生成を助けます。ビタミンB6は、たんぱく質からエネルギーを産出したり、筋肉や血液がつくられる時に働いたりする栄養素です。
干しいもを食べる際の注意点
最後に、より効果のある干しいもを食べるタイミングや、食べる際の注意点を紹介します。
干しいもを食べるタイミング
スポーツの前に干しいもを食べるなら、エネルギー源として利用できるように30分から1時間前に食べるのがおすすめです。また、激しいスポーツを行う方は、筋肉の成長のためにトレーニングの直後に食べても良いでしょう。また、カーリング女子がもぐもぐタイムに食べていたように、小分けにパックされている干しいもなら、スポーツの合間のエネルギー補給に最適です。登山やトレッキングの行動食や、普段の間食にも向いています。
まとめ
本記事では、カーリング女子日本代表が試合中のもぐもぐタイムに食べていた、干しいもに注目してみました。干しいもは、血糖値が急激に上昇しない低GI値食品で、スポーツに必要なビタミンCや、ビタミンB6を豊富に含んでいるため、アスリートにおすすめの食品です。小分けパックされた商品なら、手軽に食べることができるので、運動やスポーツの際に利用してみましょう。