ほしこがね、あかねみのりという新品種は干し芋に向いている品種?「ほしこがね」と「「あかねみのり」を使って自宅で干し芋を作ってみた。美味しくなったのはどっち?

さつまいもの品種は60品種とも言われていますが、昨今のさつまいも・焼き芋ブームで年々新しい品種が誕生し、品種登録をされています。今回は、そのさつまいもの新品種「ほしこがね」と「あかねみのり」を説明します。

さつまいもの新品種「ほしこがね」とは?

クイックスイートを父、関東120号を母として組み合わせて作られたのが「ほしこがね」。果肉は、黄色味のさつまいもらしい色でさつまいも好きにはたまならく美味しそうな色に見える色です。干し芋の別の品種で起きている品質に関する障害「シロタ」がほとんど発生しない品種とのことで、干し芋向きの品種なのかもしれません。焼き芋にして食べてみましたが、甘さ控えめで飽きの来ない感じで何個でも食べ続けれる感じの味でした。色々と調べてみるとまだまだ新品種ということで「希少価値が高い」等の文言が多く見かけられました。

さつまいもの新品種「あかねみのり」とは?

作系22を父、紅はるかを母として組み合わせたのが「あかねみのり」。画像でもお分かりの通り、果肉はオレンジ色でさつまいもチップスや干し芋用として作られた品種です。見た目は、カロテンを多く含んでいるのでなんとなく人参のようなオレンジ色にも見えます。焼き芋にして味、食感を確認してみましたが、正直…焼き芋にはあまり向かない品種かもしれません。個体差かもしれませんが、甘さが焼き芋ではあまり引き出せていなく、甘い、ねっとり系の紅はるか、安納芋が主流となっている焼き芋とは異なり、甘さは薄く感じ、ねっとりとはいかないまでもしっとりと水分が多いような感じの焼き芋でした。私の焼き方が悪かったのかもしれませんが、「あかねみのり」の品種特性のように「チップス」や「干し芋」で美味しさを発揮するのかもしれません。

「ほしこがね」「あかねみのり」は干し芋向き?

さつまいもを美味しく食べる方法のひとつとして「干し芋」があります。蒸かしたさつまいもを薄くカットして天日で干すことにより、程よく水分が抜け、さつまいもの糖度がそのまま残り、自然な甘さが人気のナチュラルスイーツです。最近では有名芸能人やインフルエンサーが「おやつ」として持ち歩いたり、ダイエット中でも食べれるスイーツということで食べ始めたりしたことで過去、最大の干し芋ブームにもなっており、国産干し芋を中心に品薄状態が続いているようです。そんな干し芋を編集部でも過去、何回も自宅で美味しく作るには?をテーマに製造してきました。そんな過去の経験を活かして、今回も新品種「ほしこがね」「あかねみのり」を干し芋にしてみました。どちらかというと「干し芋」向きのさつまいもの品種ということで、今までで一番、美味しく作れるのでないか?と期待も膨らむわけです。

「ほしこがね」「あかねみのり」で干し芋を作ってみた

まずは前回のおさらい

前回は、ねっとり系さつまいもの代表格「安納芋」で干し芋を作ってみましたが、今回は「安納芋」のように糖度が高く、焼き芋に向いている品種ではなく、どちらかというと「干し芋」専門品種ということ。因みに前回の「安納芋」で干し芋を作ってみた記事はこちらです。

今回も同じように「ほしこがね」「あかねみのり」の両端をカットして、アク抜きを念入りにしてから蒸かし芋にしてみました。この工程は前回の「安納芋」で干し芋と作った時と同じなので省略します。

前回、使用したスライスの神器具。丁度良くカットできるのは良いのですが、真冬という感じではない今の気候、気温では、不向きかな?&前回、厚めにカットした事でカビが生える(曇天もあり)ということを踏まえて、包丁で薄くひとつひとつカットしていきました。前回と今回の違いは、干し芋の厚さということになります。

熱々の状態の方が、さつまいもの皮をむきやすいということもあり、あっち…あちち…と言いながら、さつまいもの皮をむいていきました。剥いた皮はこちら。さつまいもの皮には栄養が沢山あるのですが、今回は使用しません。

カットした「ほしこがね」「あかねみのり」はこんな感じ。

黄色味の果肉は「ほしこがね」。

オレンジ色の果肉は「あかねみのり」です。今回は、干し芋を作る専用?の網を使いベランダで干してみました。

専用網使用し、ベランダで干してみた

前回、一番の失敗は、「曇天」の日にスタートし、「晴天」に恵まれなかったこと。そして、厚めに安納芋をカットしたこと。この2点でした。今回の干し芋に向ている品種「ほしこがね」「あかねみのり」で同じような失敗があってはいかん!としてこの2点は学び、実行することが出来ました。

晴天の日から天日干しスタート!

1日目

晴天の中、数時間干した状態の1日目はこんな感じ。まださつまいもに水分がたっぷりと浸透している感じ。これが今後、どのように変わるのか?期待と不安で初日を終える感じ。

2日目

今日も快晴。どんどん冬の空気になってきており、朝晩はかなり冷え込む感じ。「夜は部屋の中に入れたほうが良いのでは?」という事も言われましたが、天日干しの観点から雨以外は、ずーーと外気の中に置くということにしました。2日目は、表面の水分が抜けてうっすらと膜?が張っているような感じ。太陽の力は相変わらず凄いということを思いました。

3日目

薄くカットしたこともあり、今回は想像以上に早い仕上がりでしょうか?表面だけではなく、中まで乾燥してきたこともあり、所々が少し曲がったり、湾曲してきているのが画像でもお分かりの通り。3日間、冬の空気に包まれ、そろそろ加湿器を用意しないと思うくらい空気も乾燥してきている中、ずーーーと晴れ。晴天に恵まれたこともあり、本日、最終日。さて、干し芋用の品種とも言える「ほしこがね」「あかねみのり」で作った干し芋の味はいかに?「ほしこがね」「あかねみのり」干し芋を試食してみた。

出来上がった干し芋を試食してみた

前回は、1回で成功せず、2回目で漸く干し芋になったので今回は、ここまでスムーズに来ているのが嬉しいのです。干し芋作りは実は奥が深いというのも実感し、単純にさつまいもを蒸かしてカットして天日に干すというだけでは到底、プロが作る干し芋の足元にも及ばず…蒸かすときの工夫やコツ、天気の状態、気温、乾燥の状態で色々な干し芋が作れてしまうということが分かりました。しかも自宅で行うのであれば、一発勝負!的な部分もありますが、下準備を入念にすればするほど美味しい干し芋になります。このあたりは準備が仕事の七割という職人の仕事に通じるかもしれません。と長い前置きをしましたが、今回、干し芋にした「ほしこがね」「あかねみのり」を食べてみました。まずは「ほしこがね」から試食です。

「ほしこがね」の干し芋の味は?

同じ時間を天日に干したのですが、「あかねみのり」に比べると少しだけ水分が残っている感じです。勿論、干し芋の厚さに由来する部分もありますが、同じような厚さの干し芋を食べても「少し水分がある」感じでした。

さつまいものさつまいもらしい甘さと香りが口の中に広がり、これもさすが干し芋向きに作られた品種ですね。プロがしっかりと作り込むと半熟とか半生という感じが出来るはずなので、そういう感じの食感のほうが向いている干し芋かもしれません。でも自分で作ったから書くのではありませんが、美味しい干し芋に仕上がってました。

「あかねみのり」の干し芋の味は?

十分に水分が抜け、程よい感じの食感。水分が抜けて「あかねみのり」の本来持っている柔らかな甘さが丁度良い感じになっています。口の中の水分で、より甘くなるというのが分かりやすい感じかもしれません。

香りもしっかり残っていて、さつまいもの干し芋らしい感じの香りが口の中いっぱいに広がって行く感じです。焼き芋や蒸かし芋で食べるより断然、干し芋で食べたほうが美味しい。なんもと言えないバランスの「丁度良さ」でした。

余ったさつまいもで干し芋作りも

さつまいもの品種により大きく食感も味、香りも変わる干し芋。それに天日干しする時間や空気の乾燥状態によっても変わって来るはずです。簡単に作っているように見えますが、それは今回が2回(1回の失敗を入れると3回目)だからかもしれません。自宅でも出来る干し芋作りは、癖になるかもしれませんよ。焼き芋用にさつまいもを購入して、焼き芋食べ飽きちゃったなぁ~という時や料理用でさつまいもを購入した場合とか?余りそうなさつまいもを使って自宅で干し芋作り。これ実は楽しいです。それと5kg3,000円で販売されているさつまいもが150g1,000円の干し芋で販売されているのを見ると高いなぁ~と思っていましたが、価格は相応ということも分かるようになりました。手間暇、たっぷりかけるからあの美味しさになると思うのです。今年の冬にあと何回か?干し芋作りにチャレンジしてみたくなりました。次回は紫芋や人気の紅はるか等の品種だとどのように変わるのか?も試してみたいです。干し芋用の品種とも言われている「ほしこがね」「あかねみのり」。干し芋に向いている品種ということもあり、美味しく作ることが出来ました。まずは、ミッション達成で良かったです。