蒸かし芋ダイエットは太る?痩せる?成功の秘訣は冷やして食べるだけ!

甘くて美味しい蒸かし芋。「ダイエットに良いと聞くけど、糖質が高いから太るのでは?」と不安に思っていませんか?この記事を読めば、蒸かし芋がダイエットに効果的な理由から太ると言われる原因、正しいやり方まで全てが分かります。成功の秘訣は、ずばり「冷やして食べる」こと。痩せ成分「レジスタントスターチ」を増やし、効果的にダイエットを進める方法やおすすめの品種を詳しく解説します。

蒸かし芋ダイエットは痩せる?太る?どっち?

「甘くて美味しい蒸かし芋でダイエットなんて本当にできるの?」「炭水化物だから逆に太りそう…」そんな疑問をお持ちではありませんか?テレビやSNSで話題になる一方で、不安を感じる方も多いでしょう。

結論から申し上げますと、蒸かし芋ダイエットは「正しい方法」で行えば痩せる効果が期待でき、やり方を間違えると太る原因にもなります。つまり、成功するか失敗するかは、あなたの食べ方次第なのです。

さつまいもには、食物繊維やカリウム、ビタミンCなど、ダイエットや美容に嬉しい栄養素が豊富に含まれています。さらに、食後の血糖値の上昇が緩やかな「低GI食品」であるため、脂肪を溜め込みにくいという大きなメリットがあります。

しかし、一方で糖質やカロリーも決して低くはありません。そのため、食べる量やタイミング、調理法を間違えると、せっかくのダイエット効果が得られないばかりか、体重増加につながる可能性もあるのです。

まずは、蒸かし芋ダイエットで「痩せるケース」と「太るケース」の違いを、下の表で比べてみましょう。

ポイント ダイエットに成功する食べ方(痩せる◎) ダイエットに失敗する食べ方(太る×)
食べるタイミング 活動量の多い日中の「主食」と置き換える おやつやデザートとして、食事にプラスして食べる
1日の摂取量 1食あたり中サイズ1本(約150g)程度を目安にする 美味しいからと好きなだけ何本も食べる
食べ方 一度冷やして「レジスタントスターチ」を増やして食べる 熱々の出来立てばかりを食べる
栄養の摂り方 栄養豊富な「皮ごと」食べる 皮を厚くむいてしまい、栄養を捨ててしまう
トッピング 基本的に何もつけないか、塩を少しだけ バター、はちみつ、砂糖、アイスクリームなどをたっぷりかける

このように、同じ蒸かし芋でも、食べ方次第で結果が大きく変わることがお分かりいただけたかと思います。この記事では、なぜ蒸かし芋がダイエットに効果的なのかという理由から、太る原因、そして成功の最大の鍵となる「冷やして食べる」方法、具体的な実践方法まで、あなたが蒸かし芋ダイエットを成功させるために必要な情報を網羅的に解説していきます。ぜひ最後までお読みいただき、美味しく健康的なダイエットをスタートさせましょう。

蒸かし芋がダイエットに効果的な4つの理由

甘くて美味しい蒸かし芋が、なぜダイエットの強い味方になるのでしょうか?その秘密は、さつまいもが持つ栄養素のバランスの良さにあります。ただカロリーが低いだけでなく、ダイエット中に起こりがちな悩みを解決してくれる成分が豊富に含まれているのです。ここでは、蒸かし芋がダイエットに効果的とされる4つの大きな理由を、一つひとつ詳しく解説していきます。

豊富な食物繊維で便秘解消と満腹感アップ

豊富な食物繊維で便秘解消と満腹感アップ

ダイエットを始めると食事量が減り、便秘に悩まされる方は少なくありません。蒸かし芋には、この問題を解決してくれる「食物繊維」が豊富に含まれています。特に注目したいのは、さつまいもには「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2種類がバランス良く含まれている点です。

不溶性食物繊維は、水分を吸収して便のカサを増やし、腸を刺激することでスムーズな排便を促します。一方、水溶性食物繊維は、善玉菌のエサとなって腸内環境を整える働きがあります。さらに、胃の中で水分を吸ってゲル状に膨らむため、少量でも満腹感を得やすく、腹持ちが良いのが特長です。この2つの食物繊維の相乗効果により、便秘を解消しながら食べ過ぎを防ぎ、ダイエットを強力にサポートしてくれるのです。

他の主食と比較しても、さつまいもの食物繊維の豊富さは一目瞭然です。

食品(100gあたり) 食物繊維総量
さつまいも(蒸し) 3.5g
白米(ごはん) 1.5g
食パン 2.3g
じゃがいも(蒸し) 2.5g

このように、蒸かし芋は腸の調子を整え、満足感を与えてくれるダイエットに最適な食材と言えるでしょう。

低GI食品だから血糖値の上昇が緩やか

低GI食品だから血糖値の上昇が緩やか

「甘いものは太る」というイメージがありますが、さつまいもの甘さはダイエットの敵ではありません。その鍵を握るのが「GI値(グリセミック・インデックス)」です。GI値とは、食後の血糖値の上昇度合いを示す指標のことで、この値が低い食品ほど血糖値の上昇が緩やかになります。

血糖値が急上昇すると、それを下げるために「インスリン」というホルモンが大量に分泌されます。インスリンには、血中の糖を脂肪として体に溜め込む働きがあるため、過剰な分泌は肥満の原因となります。蒸かし芋はGI値が低い「低GI食品」に分類されるため、食後の血糖値の急上昇を抑え、脂肪の蓄積を防ぐ効果が期待できます。

白米やパンなどの高GI食品と比べて、蒸かし芋がいかに太りにくいかが分かります。

食品 GI値の目安 分類
さつまいも(蒸し) 約55 低GI食品
白米 88 高GI食品
食パン 95 高GI食品
うどん 85 高GI食品

甘いものを我慢せずにダイエットを続けたい方にとって、血糖値をコントロールしやすい蒸かし芋は理想的な選択肢です。

カリウムが豊富でむくみ解消をサポート

カリウムが豊富でむくみ解消をサポート

ダイエットを頑張っているのに、なぜか体がスッキリしない…その原因は「むくみ」かもしれません。むくみは、体内に余分な水分や塩分(ナトリウム)が溜まることで起こります。特に外食や加工食品が多い現代の食生活では、塩分を摂りすぎてしまう傾向にあります。

さつまいもには、このむくみの原因となる余分なナトリウムを体外へ排出してくれる「カリウム」が豊富に含まれています。カリウムを十分に摂取することで、体内の水分バランスが整い、フェイスラインや脚のむくみが解消されやすくなります。体重は変わらなくても、見た目がスッキリするだけでダイエットのモチベーションは大きく向上します。蒸かし芋を食べることで、塩分を排出し、むくみ知らずの軽やかな体を目指しましょう。

美容に嬉しいビタミンCもたっぷり

美容に嬉しいビタミンCもたっぷり

ダイエット中は食事制限によって栄養が偏り、肌がカサカサになったり、ハリが失われたりといった肌トラブルが起こりがちです。しかし、蒸かし芋ダイエットなら、そんな心配は無用です。さつまいもには、美肌作りに欠かせない「ビタミンC」が豊富に含まれています。

ビタミンCは、肌のハリや弾力を保つコラーゲンの生成を助けたり、シミの原因となるメラニンの生成を抑えたりする働きを持つ、まさに「美のビタミン」です。通常、ビタミンCは熱に弱いという弱点がありますが、さつまいものビタミンCはデンプンによって保護されているため、加熱しても壊れにくいという大きなメリットがあります。そのため、蒸かし芋にしても効率よくビタミンCを摂取できるのです。その含有量は、なんとリンゴの約7倍、みかんにも匹敵するほどです。ダイエットをしながら美肌も手に入れられるのは、蒸かし芋ならではの嬉しいポイントです。

注意点も解説 蒸かし芋で太ると言われる原因とは

蒸かし芋は栄養豊富でダイエットの強い味方ですが、食べ方や量を間違えると「太る」原因にもなり得ます。「ヘルシーだから」という思い込みで無計画に食べてしまうと、逆効果になることも。ここでは、蒸かし芋ダイエットで失敗しがちな3つの原因を詳しく解説します。正しい知識を身につけて、ダイエットを成功に導きましょう。

さつまいもは比較的、糖質が高い

さつまいもは比較的、糖質が高い

さつまいもは野菜の一種ですが、その成分の多くは炭水化物であり、特に糖質を豊富に含んでいます。これは、私たちが主食として食べるご飯やパンと同じエネルギー源です。低GI食品であるというメリットに目が行きがちですが、糖質の総量自体は決して低くないという事実を忘れてはいけません。

下の表で、他の主食や芋類と100gあたりのカロリー・糖質量を比較してみましょう。

食品名 カロリー(100gあたり) 糖質量(100gあたり)
さつまいも(蒸し) 131 kcal 29.2 g
ごはん(精白米) 156 kcal 35.6 g
食パン(6枚切り) 248 kcal 42.2 g
じゃがいも(蒸し) 73 kcal 13.0 g

このように、さつまいもはじゃがいもに比べてカロリー・糖質ともに高く、ごはんにも迫る数値です。ダイエット中にご飯を控えているのに、代わりにさつまいもを好きなだけ食べてしまっては、糖質の過剰摂取につながり、体脂肪として蓄積されやすくなってしまいます。

食べ過ぎはカロリーオーバーのもと

食べ過ぎはカロリーオーバーのもと

栄養価が高いさつまいもですが、どんなに体に良い食品でも食べ過ぎればカロリーオーバーになります。これはダイエットの基本原則です。特に蒸かし芋は、自然な甘みとしっとりとした食感で、ついつい「もう1本」と手が伸びてしまいがちです。

例えば、中くらい(約200g)の蒸かし芋を1本食べると、そのカロリーは約262kcal。これは、お茶碗に軽く一杯(約160g)のご飯とほぼ同じカロリーです。これを食事にプラスして間食として食べてしまったり、夜食に何本も食べてしまったりすると、1日の総摂取カロリーは簡単に目標値を超えてしまいます。

「食物繊維が豊富でヘルシーだから、いくら食べても太らない」という考えは大きな間違いです。1日の摂取カロリーを管理し、その範囲内でさつまいもを取り入れることが、ダイエット成功の重要なポイントとなります。

バターや砂糖のトッピングは避ける

バターや砂糖のトッピングは避ける

蒸かし芋の美味しさを引き立てるバターやはちみつ、メープルシロップ。これらを追加すると、せっかくのヘルシーな蒸かし芋が、一気に高カロリー・高脂質・高糖質な食べ物に変わってしまいます。

特にダイエット中は、こうしたトッピングは原則として避けましょう。

トッピング(一例) 追加されるカロリーの目安 注意点
バター(10g) 約70 kcal 脂質が多く、カロリーを大幅に引き上げる。
はちみつ(大さじ1) 約65 kcal 糖質の塊。血糖値を急上昇させる原因になる。
バニラアイス(50g) 約90 kcal 糖質と脂質の両方が高く、ダイエットには不向き。

バターを乗せれば脂質が、はちみつや砂糖をかければ糖質が追加され、さつまいもが持つ「低GI」というメリットさえも薄れてしまいます。ダイエット中はトッピングに頼らず、さつまいも本来の優しい甘さを味わうことを心がけましょう。もし味に変化が欲しい場合は、カロリーがほとんどないシナモンパウダーを軽く振りかける程度に留めるのが賢明です。

蒸かし芋ダイエット成功の鍵は「冷やして食べる」こと

蒸かし芋ダイエット成功の鍵は「冷やして食べる」こと

蒸かし芋ダイエットの効果を最大限に引き出すための最大の秘訣、それは「一度加熱したさつまいもを、冷やして食べる」ことです。温かいまま食べるのと冷やして食べるのとでは、ダイエット効果に大きな差が生まれます。なぜなら、さつまいもに含まれる「でんぷん」が、冷える過程でダイエットの強い味方となる特別な成分に変化するからです。この章では、その驚くべき成分の正体と、美味しい冷やし蒸かし芋の作り方を詳しく解説します。

痩せる成分「レジスタントスターチ」とは?

痩せる成分「レジスタントスターチ」とは?

蒸かし芋を冷やすことで増える魔法のような成分、それが「レジスタントスターチ」です。レジスタントスターチは、日本語で「難消化性でんぷん」と訳されます。その名の通り、消化されにくい(レジスタント)でんぷん(スターチ)で、体内で食物繊維と非常によく似た働きをします。

通常、さつまいもに含まれるでんぷんは、加熱されると消化・吸収されやすい形に変化します。しかし、加熱後に冷やす(4℃前後が最適)ことで、その一部が再結晶化し、消化酵素で分解されにくいレジスタントスターチに変化するのです。この性質が、ダイエットにおいて数々の嬉しい効果をもたらしてくれます。

レジスタントスターチの嬉しいダイエット効果

レジスタントスターチは、小腸で消化・吸収されずに大腸まで届くため、ダイエットに役立つ様々な効果が期待できます。主な効果を下の表にまとめました。

効果 具体的な働き
血糖値の上昇を抑制 糖として吸収されにくいため、食後の血糖値の急上昇を穏やかにします。これにより、脂肪の蓄積を促すインスリンの過剰な分泌を抑えることができます。
満腹感の持続 胃や腸でゆっくりと移動するため、腹持ちが良くなります。満足感が長く続くことで、間食や食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。
カロリー吸収を抑制 消化されずに大腸まで届くため、でんぷん本来のカロリー(1gあたり4kcal)よりも低いエネルギー(1gあたり約2kcal)しか吸収されません。同じ量を食べても、実質的な摂取カロリーを抑えられます。

腸内環境を整える働き

腸内環境を整える働き

レジスタントスターチのもう一つの重要な役割は、腸内環境を劇的に改善する力です。大腸に届いたレジスタントスターチは、ビフィズス菌や酪酸菌といった「善玉菌」のエサとなります。これを「プレバイオティクス効果」と呼びます。

善玉菌はレジスタントスターチを分解する過程で、「短鎖脂肪酸」という有益な物質を産生します。この短鎖脂肪酸には、以下のような働きがあります。

  • 腸のぜん動運動を活発にし、便通をスムーズにする
  • 脂肪細胞へのエネルギーの取り込みを抑え、脂肪の蓄積を防ぐ
  • 腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑制する
  • 全身の炎症を抑え、代謝をサポートする

つまり、冷やし蒸かし芋を食べることは、腸内から痩せやすい体質作りをサポートすることに繋がるのです。

美味しい冷やし蒸かし芋の作り方

美味しい冷やし蒸かし芋の作り方

レジスタントスターチを増やすための、簡単で美味しい冷やし蒸かし芋の作り方をご紹介します。特別な調理器具は必要ありません。ポイントは「しっかり蒸して、しっかり冷やす」ことです。

  1. さつまいもをよく洗う
    皮には食物繊維やヤラピンなどの栄養が豊富に含まれているため、たわしなどで土をきれいに洗い流し、皮ごと調理するのがおすすめです。
  2. さつまいもを加熱する
    中までしっかり火を通します。ご家庭にある調理器具に合わせて、以下のいずれかの方法で加熱してください。

    • 蒸し器の場合:沸騰した蒸し器にさつまいもを入れ、竹串がスッと通るまで30分~50分ほど蒸します。最も甘みが引き出せる方法です。
    • 電子レンジの場合:濡らしたキッチンペーパーでさつまいもを包み、さらにラップでふんわりと包みます。600Wで2分加熱し、裏返してさらに2分、と様子を見ながら加熱します。時短で手軽ですが、少しパサつきやすい場合があります。
    • 炊飯器の場合:炊飯釜にさつまいもと、芋が1/3浸る程度の水(100~200ml)を入れ、通常の炊飯モードで炊きます。ほったらかしでしっとり甘く仕上がります。
  3. 粗熱を取ってから冷蔵庫へ
    加熱が終わったら、まずは常温で粗熱を取ります。熱いまま冷蔵庫に入れると、庫内の温度が上がってしまうためです。
  4. 冷蔵庫で一晩冷やす
    粗熱が取れたら、乾燥しないように1本ずつラップに包み、冷蔵庫で最低でも4時間、できれば一晩じっくりと冷やします。この冷却時間こそが、レジスタントスターチを最大限に増やすための最も重要な工程です。

完成した冷やし蒸かし芋は、そのまま食べるのがダイエットには最適です。一度冷やして増えたレジスタントスターチは、再び温めると減少してしまうため、冷たいまま美味しくいただきましょう。

今日から実践 正しい蒸かし芋ダイエットのやり方

蒸かし芋のダイエット効果を最大限に引き出すためには、ただ食べるだけでは不十分です。食べるタイミングや量、食事への取り入れ方など、いくつかのポイントを押さえることが成功への近道となります。ここでは、今日からすぐに実践できる正しい蒸かし芋ダイエットの具体的な方法を詳しく解説します。

食べるタイミングはいつがベスト?

蒸かし芋を食べるタイミングは、ダイエットの成果を大きく左右する重要な要素です。最も効果的なのは、日中の活動エネルギーとして消費されやすい「朝食」または「昼食」です。朝や昼に食べることで、さつまいもの糖質が効率良くエネルギーに変換され、脂肪として蓄積されにくくなります。

また、小腹が空いたときの「間食」として取り入れるのも良い選択です。食物繊維が豊富で腹持ちが良いため、夕食の食べ過ぎを防ぐ効果が期待できます。ポテトチップスやチョコレートなどのお菓子を食べる代わりに、蒸かし芋を選べば、満足感を得ながらカロリーや脂質を大幅にカットできます。

一方で、最も避けるべきなのは「夕食」や「寝る前」に食べることです。夜は活動量が減るため、消費しきれなかったエネルギーが体脂肪として蓄積されやすくなります。特に、夕食にご飯と一緒におかずとして食べたり、食後のデザートとして食べたりするのはカロリー・糖質オーバーの元なので注意しましょう。

1日の摂取量の目安はどのくらい?

1日の摂取量の目安はどのくらい?

さつまいもは栄養豊富ですが、食べ過ぎは太る原因になります。ダイエット中に食べる場合は、摂取量をしっかり守ることが大切です。ご自身の活動量や他の食事とのバランスを考えながら調整することが基本ですが、一般的な目安は以下の通りです。

1日の摂取目安量は、中くらいサイズのさつまいも1/2本〜1本程度(約100g〜200g)と覚えておきましょう。これはカロリーに換算すると約127kcal〜254kcalに相当します。他の食事で摂取する糖質量も考慮しながら、この範囲内で調整してください。

例えば、デスクワークが中心で活動量が少ない方は100g程度に、立ち仕事や運動習慣がある方でも200gまでを目安にすると良いでしょう。一度に食べ過ぎず、適切な量を守ることがダイエット成功の鍵です。

主食と置き換えるのがおすすめ

主食と置き換えるのがおすすめ

蒸かし芋ダイエットで最も効果的な方法は、毎日の食事の「主食」と置き換えることです。ご飯やパン、麺類などの代わりに蒸かし芋を食べることで、摂取カロリーと糖質を抑えながら、不足しがちな食物繊維やビタミン、ミネラルを補うことができます。

以下の表で、白米のご飯と蒸かし芋の栄養価を比較してみましょう。

食品(150gあたり) カロリー 糖質 食物繊維
白米ごはん 約234kcal 約53.4g 約2.3g
蒸かし芋(皮付き) 約191kcal 約44.6g 約3.5g

※数値は「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を基にした目安です。

このように、同じ重量で比較すると、蒸かし芋はご飯よりも低カロリーで食物繊維が豊富であることがわかります。さらに、さつまいもは低GI食品であるため、食後の血糖値の上昇が緩やかで、脂肪の蓄積を促すインスリンの分泌を抑える効果も期待できます。

注意点として、蒸かし芋を「おかず」として食事にプラスするのではなく、あくまで「主食」として置き換えることを徹底してください。主食を置き換えた上で、肉や魚、大豆製品などのタンパク質、そして野菜やきのこ類もしっかりと摂取し、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。

ダイエット向きのさつまいもの選び方と品種

蒸かし芋ダイエットを成功させるには、実はさつまいもの「品種選び」と「見分け方」も大切なポイントです。さつまいもと一言で言っても、品種によって甘さや食感、含まれる水分の量などが大きく異なります。ダイエット中は、より効果を高めてくれる品種を選び、美味しく続けられる新鮮なさつまいもを見分ける知識を身につけましょう。

おすすめのさつまいもの品種

おすすめのさつまいもの品種

さつまいもには様々な品種がありますが、ダイエット目的で選ぶなら、甘さが強すぎるものよりは、食物繊維が豊富で程よい甘さのものがおすすめです。ここでは、ダイエット向きの代表的な品種とその特徴を比較してみましょう。

品種名 食感タイプ 甘さの目安 ダイエット向きのポイント
紅あずま ホクホク系 ★★★☆☆ 昔ながらの品種で、繊維質が多く、しっかりとした食べ応えがあります。上品な甘さで、蒸かし芋の定番。満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぎやすいのが魅力です。
鳴門金時 ホクホク系 ★★★★☆ 栗のようなホクホク感と、品のある甘さが特徴。食物繊維が豊富で、比較的低カロリーな傾向にあります。冷めても美味しく、冷やし蒸かし芋にもぴったりです。
シルクスイート しっとり・なめらか系 ★★★★☆ 絹のようになめらかな食感が人気の品種。水分が多く、しっとりとしています。後味がすっきりしているので、ねっとり系の中では比較的ダイエット向きと言えるでしょう。
紅はるか・安納芋 ねっとり系 ★★★★★ 非常に糖度が高く、スイーツのような濃厚な甘さが特徴です。美味しさのあまり食べ過ぎてしまう可能性があり、糖質の摂り過ぎに繋がるため注意が必要です。ご褒美として少量食べるのにとどめましょう。

結論として、蒸かし芋ダイエットに最もおすすめなのは「紅あずま」や「鳴門金時」といったホクホク系の品種です。しっかりとした食感で満腹感を得やすく、甘さも程よいため、毎日の食事に取り入れやすいでしょう。

美味しいさつまいもの見分け方

美味しいさつまいもの見分け方

せっかくなら、新鮮で美味しいさつまいもを選びたいですよね。ダイエットのモチベーションを維持するためにも、以下のポイントを参考に選んでみてください。

  • ふっくらと丸みのある紡錘(ぼうすい)形を選ぶ
    全体的に丸みを帯びていて、中央部分が太いものがおすすめです。細長すぎるものや、表面がゴツゴツと凹んでいるものは、繊維が多くて筋っぽい食感の可能性があります。
  • 皮の色が均一でハリとツヤがある
    皮の色が鮮やかで、シワがなくハリのあるものを選びましょう。黒い斑点や傷が少ないものが新鮮な証拠です。ただし、切り口や皮の一部から黒い蜜(ヤラピンという成分)が染み出しているものは、糖度が高い証拠なので「当たり」です。
  • ひげ根が少なく、硬くない
    表面のひげ根は、なるべく少ないものを選びましょう。ひげ根が多い、または太くて硬いものは、内部に筋が多い傾向があります。
  • ずっしりと重みがある
    手に持った時に、見た目の大きさ以上にずっしりと重みを感じるものは、水分が豊富に含まれていて美味しい証拠です。軽いものは水分が抜けてパサパサしていることがあります。

これらのポイントを押さえてさつまいもを選べば、より美味しく、そして効果的に蒸かし芋ダイエットを続けることができるはずです。

蒸かし芋ダイエットを成功させるための注意点

蒸かし芋ダイエットは、正しい方法で行えば非常に効果的ですが、成功を確実にするためにはいくつかの重要なポイントがあります。これまでに解説したやり方に加えて、これからお伝えする3つの注意点を意識することで、ダイエット効果を最大限に引き出し、健康的に美しく痩せることが可能になります。挫折せずに目標を達成するために、ぜひ最後までご覧ください。

皮ごと食べて栄養を逃さない

皮ごと食べて栄養を逃さない

さつまいもを食べる際、皮を剥いてしまっていませんか?実は、さつまいもの栄養は皮と実の間に最も多く含まれています。ダイエット効果や美容効果を最大限に享受するためにも、ぜひ皮ごと食べる習慣をつけましょう。

さつまいもの皮には、以下のような豊富な栄養素が含まれています。

  • 食物繊維:特に不溶性食物繊維が豊富で、腸の動きを活発にし、便通を促進する効果が期待できます。実の部分の水溶性食物繊維と合わせて摂ることで、腸内環境改善効果がさらに高まります。
  • ヤラピン:さつまいもを切ったときに出る白い液体で、皮の近くに多く含まれる成分です。腸のぜん動運動を促し、便を柔らかくする働きがあると言われています。
  • ポリフェノール:強力な抗酸化作用を持つクロロゲン酸や、紫芋に含まれるアントシアニンなどが豊富です。これらの成分は、体のサビつきを防ぎ、アンチエイジング効果が期待できます。
  • ビタミン・ミネラル:カルシウムなどのミネラルも皮に多く含まれています。

食べる前には、表面についた土や汚れをタワシなどを使って流水で丁寧に洗い流してください。皮の食感が気になる場合は、細かく刻んでスープに入れたり、マッシュポテトのように潰したりすると食べやすくなります。

栄養バランスの取れた食事を心がける

蒸かし芋ダイエットは、1食をさつまいもに「置き換える」のが基本ですが、他の食事をおろそかにしてはいけません。さつまいもは栄養価が高い食品ですが、それだけでは体に必要な全ての栄養素を補うことはできません。特に、筋肉の材料となる「タンパク質」や、体の調子を整える「良質な脂質」が不足しがちです。

タンパク質が不足すると、体はエネルギーを補うために筋肉を分解し始めます。その結果、筋肉量が減って基礎代謝が落ち、かえって痩せにくくリバウンドしやすい体になってしまう危険性があります。置き換え以外の食事では、以下の食品を意識して取り入れ、栄養バランスを整えましょう。

不足しがちな栄養素とそれを補う食品例
不足しがちな栄養素 積極的に摂りたい食品 主な働き
タンパク質 鶏むね肉、ささみ、魚(アジ、サバなど)、卵、豆腐、納豆 筋肉、髪、肌の材料となり、基礎代謝を維持する
良質な脂質 青魚(サバ、イワシ)、アボカド、ナッツ類、アマニ油、えごま油 ホルモンバランスの調整、細胞膜の構成、肌の潤いを保つ
ビタミン・ミネラル 緑黄色野菜(ほうれん草、ブロッコリー)、海藻類(わかめ、ひじき)、きのこ類 体の調子を整え、代謝をサポートする

ダイエットの基本は置き換えですが、それ以外の食事で栄養バランスを整えることが成功の絶対条件です。例えば、昼食を蒸かし芋にするなら、朝食では卵や納豆、夕食では魚と野菜たっぷりの味噌汁を摂るなど、1日トータルでバランスを考えることが大切です。

まとめ

蒸かし芋ダイエットは、正しいやり方を守れば健康的に痩せることが期待できます

蒸かし芋ダイエットは、正しいやり方を守れば健康的に痩せることが期待できます。成功の鍵は、蒸かしたさつまいもを「冷やして食べる」こと。これにより、痩せ成分であるレジスタントスターチが増え、腸内環境の改善や血糖値の急上昇を抑える効果が高まります。食物繊維が豊富で満腹感を得やすい一方、糖質も含むため食べ過ぎは禁物です。1日の摂取量を守り、主食と置き換えるのがおすすめ。皮ごと食べて栄養を丸ごと摂り入れ、バランスの良い食事を意識しながら、美味しくダイエットを成功させましょう。