干し芋の平干しと丸干しの違いとは?平干しと丸干しの特徴や作り方、食感、選び方を解説します

干し芋の「平干し」と「丸干し」は何が違うの?

砂糖や添加物を使わず、さつまいもの自然な甘さをそのまま楽しめるおやつとして人気の干し芋。お菓子コーナーでよく見かけるスティックタイプに加え、平干しタイプや丸干しタイプがあるのをご存じでしょうか?一口に干し芋と言っても、形や作り方によって風味や食感が異なるのが魅力の一つです。

干し芋の平干しと丸干しの違い-平干しイメージ

平干しタイプは、さつまいもを薄くスライスして干したもので、柔らかくしっとりとした食感が特徴です。薄さがある分、食べやすく、軽い甘さが口に広がるため、お茶請けや小腹が空いたときのおやつにぴったりです。噛むほどにさつまいもの風味がじんわり広がり、程よい満足感が得られます。また、その柔らかさから子どもからお年寄りまで幅広く楽しむことができ、人気のあるタイプと言えるでしょう。

干し芋の平干しと丸干しの違い-丸干しイメージ

一方、丸干しタイプは、さつまいもをそのままの形で干し上げたものです。平干しに比べて厚みがあり、濃厚な甘さとモチモチとした食感が楽しめます。噛むたびにじわっと広がる甘みは、さつまいも本来の旨みが凝縮されている証。噛み応えがあるため、少量でも満足感が高く、しっかりとした味わいを求める方におすすめです。また、丸干しタイプはスライスされていない分、保存中に乾燥しにくく、長く美味しさを楽しめるのも嬉しいポイントです。これらの違いを知ることで、売り場で干し芋を選ぶ際に自分好みのタイプを見つけやすくなります。軽いおやつとして楽しみたい場合は平干しタイプ、噛み応えや濃厚な甘さを求める場合は丸干しタイプが最適です。その日の気分やシーンに合わせて選ぶ楽しみが広がり、干し芋の奥深さを実感できるはずです。

【見た目の違い】平干しと丸干し

平干し芋と丸干し芋は、同じ干し芋ですが製造方法の違いにより、見た目が異なります。よく見ると、丸干し芋の方が高価格で売られており、不思議に思う人もいるでしょう。それぞれの干し芋の特徴を、下記に簡単にまとめます。

平干しの特徴

平干しの特徴

平干しタイプの干し芋は、薄くスライスされた楕円形の形状が特徴です。この形は非常に一般的で、干し芋といえばまずこの平干しタイプを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。全体が平たく仕上がっており、断面はなめらかで均一。スライスされた形状がそのまま乾燥されているため、見た目にもきれいで食べやすさが魅力です。

手に取りやすいサイズ感も、平干しタイプが広く親しまれている理由の一つです。一枚一枚が薄いため、軽いおやつとして気軽に楽しむことができ、食べやすさに加えてその手軽さが、多くの人に支持される要因となっています。また、干し芋初心者でも試しやすい形状であることから、スーパーやコンビニなどのお菓子コーナーでも定番商品としてよく並べられています。

丸干しの特徴

丸干しの特徴

丸干しタイプの干し芋は、さつまいもの形がそのまま残った特徴的な一品です。小さめのさつまいもを一本丸ごと使用しており、さつまいもの自然なフォルムを活かした作り方が、平干しタイプとは異なる趣を感じさせます。見た目にもユニークで、手に取った瞬間に特別感が伝わってきます。

このタイプは、製造工程が手間がかかる点が特徴です。さつまいもをそのまま干すため、内部まで均一に乾燥させるのが難しく、高い技術を要します。そのため、丸干しタイプは生産量が少なく、市場に出回る機会が限られているため、価格がやや高めに設定されています。しかし、その分、希少性と特別な味わいが楽しめるのが丸干しタイプの魅力です。

【作り方の違い】平干しと丸干し

平干し、丸干しの作り方の違い

平干し芋と丸干し芋は、適当に干すだけでは作れません。形が異なることで、さつまいもを干す期間や、裏返すタイミングも変わるからです。それぞれどのように作られているのか、製造方法を解説します。

平干しの作り方

平干し芋は、蒸したさつまいもを薄くスライスして作られる、干し芋の中でも最も親しまれている形状です。このスライスには専用のスライサーが使われ、均一な厚みで切り分けられるため、乾燥中にムラなく仕上がります。こうしてスライスされたさつまいもは、太陽の下でじっくりと天日干しされることで、干し芋独特の甘みと食感が生まれます。

干している間には、2~3日おきに裏返す工程が欠かせません。この作業を丁寧に行うことで、全体に均一に風が通り、さつまいもの中に残っている水分がムラなく抜けていきます。この工程を繰り返しながら、約1週間ほどかけてじっくりと乾燥させます。自然の力を借りて時間をかけて干し上げることで、さつまいもの旨みが凝縮され、甘さがより引き立つのが平干し芋の特徴です。干し芋が完成する頃には、スライスした当初の厚さの半分ほどにまで薄くなり、その過程でさつまいもの風味がしっかりと閉じ込められています。天日干しの間にゆっくりと進む乾燥が、さつまいものデンプンを糖分に変え、噛むたびに甘みがじわっと広がる独特の味わいを作り出します。

丸干しの作り方

丸干し芋は、さつまいもを丸ごと使って作られる、特別感のある干し芋です。蒸したさつまいもをスライスすることなく、そのままの形で天日干しにするため、丸干し芋ならではの濃厚な甘みとモチモチとした食感が楽しめます。この製法は手間がかかるうえ、厚みがあるため乾燥に時間がかかり、平干し芋と比べて倍近い時間を要します。

天日干しの過程では、厚みのあるさつまいもがじっくりと太陽にあたることで、さつまいもの水分がゆっくり抜けていきます。しかし、その分乾きにくく、形が崩れやすいのが丸干し芋の難しいところです。裏返すタイミングも慎重に見極める必要があり、平干し芋のように頻繁には行わず、乾燥具合を確認しながら遅めのタイミングで作業を進めます。このように丁寧に手間をかけて作られる丸干し芋は、完成する頃にはサイズが半分以下になり、ぎゅっと凝縮された甘みとしっとり感が生まれます。一口噛むと、さつまいもの自然な風味が濃縮された深い味わいが広がり、甘さと食感のバランスが絶妙です。その濃厚な仕上がりは、平干し芋とはまた違った魅力があり、特別なおやつとして愛されています。

【食感の違い】平干しと丸干し

切り方によって野菜の舌触りが変わるように、干し芋も食感に違いがあります。人によって歯ごたえがある方が好きだったり、柔らかくて噛み切りやすい方が好きだったり、好みは様々です。そこで、自分にとって、よりおいしく食べられる干し芋を見つけられるよう、食べたときの食感の違いを紹介します。

平干しの食感

平干しの食感

平干しタイプの干し芋は、程よい弾力が特徴で、噛むごとにさつまいもの自然な甘みがじんわりと広がる一品です。薄くカットされているため、適度な歯ごたえがありながらも食べやすく、つい手が伸びて何枚でもぺろりと食べてしまう魅力があります。その軽い食感と素朴な味わいは、日常のおやつとしてぴったりです。

噛むたびに楽しめる心地よい弾力は、ガムやグミのように噛む時間が楽しいおやつが好きな人に特におすすめです。口の中で少しずつ甘さが広がっていく感覚は、飽きることなく、自然と次の一枚を手に取りたくなります。そのため、小腹が空いたときのおやつや、お茶請けに最適な存在といえるでしょう。

丸干しの食感

丸干しの食感

丸干しタイプの干し芋は、しっとりと柔らかな食感が特徴です。さつまいもを丸ごと使用しているため、カットされた平干しタイプとは一線を画す存在感があります。その柔らかさは、一口かじるとやんわりとした優しい口当たりが広がり、噛むほどに濃厚な甘みがじっくりと楽しめます。

丸ごと干しているためボリュームがあり、1本でも十分に小腹を満たしてくれるのが魅力です。その満足感は、大福やお饅頭のような和菓子を食べたときの心地よい充足感に似ています。噛むたびに感じるしっとりとした食感と、甘さが口の中に広がる瞬間は、まさに丸干しタイプならではの楽しみと言えるでしょう。

【どちらを買えばいいの?】平干しと丸干し

平干し芋と丸干し芋、違いは分かっても結局どちらを買えばいいか、迷ってしまう人もいるのではないでしょうか。これまでの内容を踏まえ、それぞれの干し芋がどのような人に向いているか、考えました。

平干しが向いている人

平干しが向いている人は?

平干し芋の特徴を踏まえると、丸干し芋よりも平干し芋を選ぶことで満足感を得られる人にはいくつかの条件が考えられます。まず、1回に食べる量を調整したい人にとって平干し芋は最適です。薄くスライスされているため、1枚ごとに取り出して食べる量を自由にコントロールしやすくなっています。「今日は1枚だけで十分」と思ったら残りを保存し、物足りなければ追加で食べることができるため、無駄なくちょうど良い量で楽しむことができます。

さらに、噛みごたえがある食べ物が好きな人にも平干し芋はおすすめです。スライスされた形状が適度な歯ごたえを生み出し、噛むごとにじわじわと甘みが広がります。この噛む楽しさは、グミやガムのように咀嚼を楽しむおやつが好きな人には特に魅力的でしょう。また、しっかりと噛むことで咀嚼回数が自然と増え、少ない量でも満腹感が得られる点も注目すべきポイントです。価格面でも、平干し芋は丸干し芋に比べて安価で手に入る場合が多く、コストを抑えたい人にとって嬉しい選択肢です。干し芋は栄養価が高く、自然な甘さを楽しめるおやつですが、丸干し芋は製造工程に手間がかかる分価格が高くなりがちです。その点、平干し芋は手軽な価格で購入できるため、節約を心がけている人でも気軽に楽しむことができます。

平干し芋は、少量ずつ食べたい人や噛む楽しさを重視する人、そして経済的な負担を抑えながら干し芋を楽しみたい人にとってぴったりの選択肢です。

丸干しが向いている人

丸干しが向いている人は?

丸干し芋の特徴を踏まえると、平干し芋よりも丸干し芋を選ぶことで満足感を得られる人にはいくつかの条件が考えられます。まず、干し芋を使って小腹をしっかり満たしたい人には、丸干し芋がぴったりです。1本そのままのボリュームがあるため、噛むたびにしっとりとした甘みが口に広がり、たった1本でも十分な満足感が得られます。平干し芋のように薄くスライスされたものは気軽に手を伸ばしやすい反面、つい食べすぎてしまうこともありますが、丸干し芋は「あと1本」と気軽に追加できないため、自然と食べすぎを防げる点が魅力です。

また、よりスイーツ感覚で干し芋を楽しみたい人にも丸干し芋はおすすめです。その柔らかな食感と濃厚な甘みは、大福やお饅頭のように、まるで和菓子を食べているかのような満足感を味わわせてくれます。噛むたびにじわじわと甘さが広がり、干し芋というよりも特別なデザートを食べているような感覚になるでしょう。この贅沢な甘さは、他の干し芋では味わえない丸干し芋ならではの楽しみです。

丸干しが向いている人は?イメージ

さらに、少し高価であっても、自分では作るのが難しい特別感のあるものを選びたい人にも最適です。丸干し芋は、さつまいもをそのまま丸ごと蒸して干し上げるため、製造には手間と技術が必要で、家庭で再現するのは非常に難しい一品です。そのため、手に取るだけで特別感があり、少し高価でもその価値を感じられる商品です。

お金を出してでも味わう価値があるので、自分へのご褒美として買っても良いですよね。

【番外編】スティックタイプの特徴と食感

スティックタイプの干し芋

スティックタイプの干し芋は、平干し芋と丸干し芋の両方の良いところを兼ね備えた、バランスの取れた形状です。平干し芋のようにカットされているため、一口サイズで手軽に食べやすく、小腹が空いたときやおやつタイムにぴったり。スティック状の形状が持ちやすく、食べるたびにさつまいもの素朴な甘さを楽しむことができます。

さらに、スティックタイプは丸干し芋のような厚みを持たせているため、柔らかめの食感が特徴です。一口噛むとしっとりとした甘さが広がり、モチモチとした弾力が感じられます。この絶妙な厚みが、平干し芋では味わえない満足感を与えつつ、丸干し芋よりも手軽に食べやすい点が魅力です。食べやすさとしっかりした食感のバランスが取れているため、どちらの良さも楽しみたいという欲張りなニーズに応えてくれる一品です。

スティックタイプは、個包装されているものも多く、外出時や職場での小休憩にも便利です。手を汚さずにそのままつまめるので、忙しい日常の中でも気軽に干し芋の美味しさを楽しめます。また、平干し芋や丸干し芋を買うか迷ったときには、このスティックタイプをチョイスしてみてはいかがでしょうか?

まとめ

干し芋の平干しと丸干しの違い-まとめ

干し芋には平干し・丸干し・スティックタイプと、作り方によって違いがあることが分かりました。

最後に、記事の内容をまとめます。

  • 平干し芋はカットされた薄い干し芋
  • 丸干し芋は小さめのさつまいもを丸ごと使った干し芋
  • 丸干し芋は乾燥に時間がかかり、製造が難しいため高価
  • 歯ごたえ重視と食べる量の調整なら「平干し芋」
  • 柔らかさ重視と食べ過ぎ予防なら「丸干し芋」
  • スティックタイプの特徴は、平干し芋と丸干し芋の中間

いろいろな干し芋があるので、ぜひ食べ比べて、イチオシの一品を見つけてみてくださいね。