ダイソーの干し網で干し芋を作ってみた!ダイソーの干し網でねっとりさつまいもの干し芋は簡単に!安く!作れるのだ!丸干し、平干しも!ダイソーの多目的ネット、連結できる多用途ネットが便利!

冬になり、干し芋専門店だけでなく、コンビニやスーパーなどでも、様々な干し芋が店頭に並び、干し芋好きにとっては楽しく、うれしい季節の到来だ。手軽に、どこでも干し芋が手に入る、そんな幸せな数か月を過ごすことができる。しかしながら、近所で手に入る干し芋を一通り試してしまうと、その楽しみは、若干薄れてしまうことがあるかもしれない。いつか行った干し芋専門店まで足を伸ばしたいけれど、残念ながら、なかなかそうもいかない場合もあるのが現実。さて、どうしようかと悩んでいた時に、ふと閃いた…。「鳴かぬなら、鳴かせてみせよう、ホトトギス」ではなく、「無いのなら、作ってしまおう、干し芋を」ということで、干し芋を自作することに決めたのだ。

干し芋の作り方とは

干し芋を作る工程は、

  1. さつまいもを蒸す
  2. 皮をむく
  3. 切る
  4. 干す

この4つである。非常にシンプルだ。だが、そのシンプルな工程の中にも、美味しく作るポイントがあるのだろう。せっかくならば、美味しい干し芋を作りたい。インターネットに数多ある情報から、理想の干し芋を作るための情報を取捨選択する必要がある。

必要な道具は何か…。①②③は、家にあるものでできるだろう。だが、④においては、さつまいもを干すための、何か道具が必要だ。昔、祖母が家で梅干しを作るときに使っていた、ザルがあるかもしれないと思いついたが、ただのザルでは、スズメやカラスなどの襲撃には対応できないだろう。何か良いものがないものかと情報収集をしていた時、目に飛び込んできたのが、ダイソーの干し網だった。ということで、早速ダイソーに行ってみた。

ダイソーで干し網を買ってみた

ダイソーと言えば、言わずと知れた100円均一の商品を主に販売しているお店で、2022年には、なんと50周年を迎えたそうだ。国内4,000以上、海外にも2,200以上もの店舗を構えている、業界ナンバーワンの巨大企業と言えるだろう。なんでも、東京ガールズコレクションとのコラボ商品を販売したり、銀座に出店したり、一昔前の100円均一ショップのイメージを、どんどん塗り替えるような快進撃だ。ダイソー的に言えば、”ダイソーれた”ことに挑戦し続けているのだ。

※画像はお店の方の了承を得て撮影しています。

さて、お目当ての干し網はどこだろう。店内をうろうろしながら、「店員さんに訊いてしまおうか」と思い始めたころ、お目当ての干し網を見つけた。何のコーナーと言えばよいのだろうか、割りばしやレジャーシートなどがならぶ一角に、こんなに沢山並んでいた。1個200円税別である。100円ではないのでご注意を。

無事にダイソーの干し網を入手した。これで「干す」ことに関しては盤石だ。

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忘れてはいけないさつまいも選び

先ほど挙げた4つの工程の前に、大事なことがある。それは、さつまいも選び、である。作る前に、自分がどんなさつまいもが好みなのか、どんな干し芋を食べたいのか、を考えなくてはいけないだろう。糖度の高いものか、甘さ控えめであっさりしたものか、食感はやわらかいものか、硬めのものか…。人それぞれ、好みがあるに違いない。

できる、できないはさておいて、今回、私は自分の好みである、甘くてねっとりやわらか食感の干し芋を目指すことにした。

そこで、選んださつまいもは、”紅はるか”。加熱した際の糖度は60度を超えると言われている紅はるか。食感はねっとり系で、30以上あるさつまいもの品種の中でも、人気はトップクラスと言えるだろう。紅はるかの登場が、従来の干し芋がもつイメージを変えたと言っても過言ではないかもしれない。しかも、今回は、スーパーで「紅天使」を入手できたので、それを使ってみることにした。紅天使とは、茨城県にあるさつまいも専門の卸問屋「株式会社ポテトかいつか」が持つ、紅はるかのブランド商標である。茨城県内のカスミや、イオンなどのスーパーでは、この紅天使の焼き芋をよく目にするのだ。

さつまいもは、収穫直後よりも、寝かせる(上手に貯蔵する)ことで、その甘みが増す。紅天使は、株式会社ポテトかいつかが独自のノウハウで、紅はるかを寝かせて、甘みを引き出したものなのである。つまり、さつまいもを購入後に寝かせる必要がない、これはとてもありがたいことだ。これまで、紅天使の焼き芋は良く食べていたが、生の状態で購入するのは初めてだ。これは期待せずにはいられない。

いざ、干し芋作り

~工程①蒸す~

ダイソーで干し網を買った。身の回りで入手できる範囲内では、最高のさつまいもを入手した。いよいよ、ここからが本番だ。2月某日、大安。干し芋作りを始めるには最高の日だ。向こう1週間ほどは、雨の降る予報は今のところない。

第一の工程は、さつまいもを蒸すことだ。蒸し器がなくても、レンジやフライパン、炊飯器などで代用できる。私の求める、甘くてねっとりやわらか食感の干し芋を作るための、ここでのポイントは、じっくり熱を加えること、そして、水分を飛ばさないこと、である。じっくり熱を加えることで、さつまいものでんぷんが糖に変わり、甘みが強くなるのだ。

レンジ、フライパン、炊飯器、これらを使用して蒸す場合、最も手軽で時短調理が可能なのは、レンジである。しかしながら、急速に熱を加えるレンジでは、十分に甘みを引き出せない恐れがある。また、水分が飛んでパサつく可能性がある。ということで、今回はレンジを使用しないこととする。

次にフライパンだが、フライパンに1cm~2cmほど水をはったところに、さつまいもを並べて、フタをして火にかける方法だ。レンジに比べると水分を失うリスクは減ると思うが、時折、さつまいもをひっくり返したり、水を足したりする必要がある。さつまいもの大きさにもよるが、調理時間も小一時間は要するだろう。時間を要する上に、手間も必要だ。

最後に、炊飯器について。調理時間はフライパンと同じぐらいだが、玄米モードを使用することによって、さつまいもにじっくりと熱を加えることができる。そして、水分を逃さずに調理ができるのだ。デメリットとしては、炊飯器の大きさ(さつまいもの大きさ)によっては、釜にさつまいもを並べづらいことがある、ということだ。調理時間を要するが、調理中は炊飯器にお任せ、あとは出来上がりを待つだけだ。私は、あらかじめ、炊飯器で調理を使用と決めていたので、さつまいもを切らずに炊飯器に並べやすい、比較的小さめのさつまいもを購入しようとしていた。その結果、見事に画像のような収まり具合となった。ねっとりした仕上がりにしたい場合は、さつまいもの半分ぐらいまで水を入れると良いようだ。玄米モードで、調理開始のスイッチをオン。

炊飯器に入りきらなかったさつまいもは、もったいないのでトースターで焼き芋にしてみる。

~工程②皮をむく~やけどに注意!

炊飯器の玄米モードでの調理が終了したら、熱いうちに皮をむくのだ。熱いうちに行うことで、つるんとキレイに皮がむけるのである。蒸しあがったばかりのさつまいもを、素手で持っても大丈夫という人はおそらくいないだろう。

有名な干し芋製造メーカーでも、皮むきは手で行っているそうだ。やはり、美味しい干し芋を作るためには、手作業が欠かせないのかもしれない。軍手を着用した手で、熱々のさつまいもを持ち、割りばしの側面やバターナイフで、皮をむいていく。なるほど、確かにつるんと剥ける。熱い思いをしても、このタイミングで行うべき工程であることを、身をもって実感した。また、この時点で、蒸し上がりの状態に個体差があることがわかった。瑞々しさが一つ一つ異なるのだ。おそらく、仕上がりにも差が生まれるのだろう。

炊飯器に入りきらず、トースターで焼き芋にした分も、剥いてしまおう。

~工程③切る~なかなか難しい

熱さと格闘しながら皮を剥いたさつまいもを、少し冷ましてから切る。熱い状態だと、崩れやすいためである。どのように切るか、は好みによるだろう。スタンダードな縦切りも良いし、輪切り、という手もある。だが今回は、あまり大きいさつまいもではないので、縦切りにする。厚さ1cmほどがバランスが良いようだ。が、均一に切るのはなかなか難しい。蒸したさつまいもの柔らかさも相まって、正直なところ、厚さは不揃いになってしまった。この不揃いな厚さ・大きさも、干し芋の仕上がりに影響するに違いない。が、どれも私が自分の手で調理・加工した子たちなのだ。どんな仕上がりになっても、その結果をポジティブに受け入れよう。

なお、トースターで作った焼き芋は、家族が食べたがっていたのだが、その要望を却下し、切ってしまった。そう、焼き芋も干し芋にするのだ。

~工程④干す~ダイソーの干し網使用

さて、満を持して、ダイソーの干し網の登場である。側面にジッパーが付いており、ここから材料を入れ、並べていく仕様だ。不揃いにカットされたさつまいもを並べていく。実は、カットをせずに、丸干し用の分も確保していたのだ。これも干し網に並べていく。

今回、干し網を2つ購入していたので、上段は蒸したもさつまいも、下段は焼き芋、に分けて干すことにした。干し網は、金具で連結させることができるので、とても便利だ。いつか、10個ほどの干し網を繋げて、その中にぎっしりさつまいもを並べて干し芋を作ったら、さぞ壮観だろうなと想像してみた。そんな日はやって来るのだろうか。冬場が干し芋作りにおすすめな点は、気温と湿度にある。気温が18度以上になったり、湿度が高かったりすると、カビが生える恐れがあるからだ。さらに言えば、干し初めは水分が多いため、晴天が2~3日続く日が望ましい。幸い、今回は、乾燥注意報が出るぐらいのカラッカラの晴天が続きそうだ。天日干しで、太陽の恵みを受けた干し芋が期待できる。あとは様子を見ながら、自然の流れに干し芋をを委ねようではないか。夜は室内に取り込むのを忘れずに。

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干す(一日目)

日中は風がなく、穏やかな晴れ。干し芋達は、日光を浴びることができた。夕方から雨が降ったため、急いで取り込んだ。切り方(大きさ、厚さ)にかなりバラつきがあるため、表面が乾燥してきたものと、瑞々しいものとの差が顕著だ。バナナのように黒ずんだ部分が出てきたが、これはさつまいもに含まれるポリフェノールの一種、クロロゲン酸由来の成分が、酸化して黒く変色したものだ。食べても大丈夫である。

干す(二日目)

晴れているが、昨日よりも風が強い分、空気が乾燥している。今日も天日干しだ。空気が乾燥していたおかげで、干し芋具合がかなり進行した。黒い部分も濃くなっている。小さめのものは、これ以上干すとカチカチになりそうなので、今日をもって干し網から卒業にしよう。

干す(三日目)

風はなく、穏やかな晴れの日。冬場の乾燥した空気が功を奏したのか、予想よりも早く仕上がったように思える。平干しより時間がかかると思われた丸干しも、折っても割れない状態だ。表面がまだベタベタしているものもあるが、乾ききっていない、半熟のような状態を食べてみたいので、もうこの辺りで干すのを止めても良さそうだ。

自作の干し芋を食べてみた

天日干しによって、太陽の恵みを浴びて作られた、我が干し芋たち。見てくれは悪いが、どれも愛おしい。味はどうだろう。見た目から、最も期待できそうな干し芋を食べてみる…。
う、うまい!私が目指した、甘くてねっとりやわらか食感の干し芋になっている!半熟っぽさがたまらない。感動すら覚えるほどの仕上がりだ。おそらくは、選んださつまいも自体の良さが大きく関係していると思われるが、この美味しさは、売っている干し芋にも負けていない、と思う。

丸干しも素晴らしい。外側は程よく乾燥し、内側はしっとり、ねっとりとしている。あっという間に1本食べてしまった。焼き芋を干し芋にしたものは、蒸したものよりも水分が抜けているためか、旨みがより凝縮されているようだ。なお、硬めに仕上がった干し芋は、トースターで軽く炙り、柔らかくして食べた。柔らかいが、サクッとした歯切れの良さがあり、食感の妙を楽しむことができた。初めての自作干し芋としては、大満足の結果と言えよう。

まとめ

初めて干し芋を自作してみて、仕上がりに個体差が顕著に出るものだと感じた。特に、切った際のサイズ感の違いが、大事なように思える。切り方にバラつきがあるときは、干しながら、それぞれの干し加減を、より注意深く観察する必要があるだろう。さつまいもの選び方はもちろんのこと、蒸す、皮を剥く、切る、干す、というシンプルな4つの工程においても、どういった方法を採用するかによって、また出来上がりは変わってくるだろう。シンプルなようで奥が深い、干し芋の作り方。最善の道のりは一つではないかもしれない。ぜひ皆さんも、自分好みの干し芋を目指して、自作してみてほしい。干し芋作りを経験することによって、干し芋愛が深まることだろう。