さつまいもは、主要品種だけでも約60種類もあります。その中でも、茨城県や千葉県など関東を中心に東日本で多く作付されているのが「紅あずま」で、西の高系14号に対して東の紅あずまと呼ばれています。
「べにはるか」や「安納芋」、「シルクスイート」など、新しい品種が次々と登場し、作付面積は平成12年(2000年)のピークから年々減少していますが、ホクホクした食感と、上品な甘さで今も人気のさつまいもです。本記事では「紅あずま」の特徴と、高系14号との違いについて解説します。
紅あずまとは
「紅あずま(ベニアズマ)」は、茨城県の農林水産省農業研究センターで、皮の色がきれいで形が揃いやすい「関東85号」と、肉質が良く肥大しやすい「コガネセンガン」を交配して選抜育成した品種で、昭和60年(1985年)に品種登録されました。品種登録番号は「892」、農林番号は「農林36号」、地方番号は「関東91号」です。なお、育成者権は平成12年(2000年)に消滅しています。
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食用のさつまいもとして人気の品種で、西の「高系14号」に対して、東の「紅あずま」と言われるように、関東を中心に主に東日本で栽培されています。令和3年(2021年)では千葉県、富山県、福井県の3県で奨励品種です。
紅あずまの作付け状況
令和3年(2021年)における全国での「紅あずま」の作付け面積は、3,153.6ヘクタールです。これは焼酎の原料として使われる「コガネセンガン」の6,759.1ヘクタール、「べにはるか」の6,698.8ヘクタールに次いで、品種別では3番目に多い作付けです。
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都道府県別で作付け面積が多いのは、茨城県の1,379.4ヘクタール、次いで千葉県の1,160.5ヘクタールですが、他にも宮城県や山形県、栃木県、群馬県、長野県、愛知県、奈良県、愛媛県など、全国に広く普及しています。
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「紅あずま」の作付け面積を年度別で見ると、平成12年(2000年)に13,887ヘクタールでの作付けシェア32.0%をピークに、「べにはるか」や「安納芋」「シルクスイート」などの新しい品種が次々と登場するなかで、令和3年(2021年)には作付け面積は3,153.6ヘクタール、作付けシェア9.9と年々減少しています。
紅あずまと高系14号の違い
「高系14号」は、東の「紅あずま」に対して、西の「高系14号」と言われるように、主に西日本で栽培されている品種です。「高系14号」が登場したのは古く、昭和20年(1945年)に高知県の農事試験場において、「ナンシーホール」と「シャム」という品種を交配して開発されました。
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デビューからもうすぐ80年を迎えますが、現在も全国の作付け面積は2,869.9ヘクタールで作付けシェアは9.3%です。都道府県別で作付け面積が多いのは、徳島県の950.0ヘクタール、鹿児島県の756.0ヘクタール、宮崎県の483.3ヘクタールの順です。
最盛期には、およそ25,000ヘクタールもの作付け面積がありましたが、「紅あずま」同様に作付け面積は年々減少しています。それでも、令和3年(2021年)においても、千葉県、福井県、香川県、長崎県で奨励品種に指定されています。
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「紅あずま」は、ホクホクとした食感と、上品でしっかりとした甘さが特徴です。加熱すると甘みが増しますが、「安納芋」や「べにはるか」「シルクスイート」といった品種と比べると糖度が低いので、甘すぎるのが苦手な方には「紅あずま」がおすすめです。
「紅あずま」と比べると、「高系14号」の食感は、ホクホク感にしっとり感が加わっています。甘さは「高系14号」の方があっさりめです。どちらの品種も焼き芋で食べるのがおすすめですが、天ぷらやサラダ、スイーツの材料にしてもよく合います。
まとめ
「べにはるか」や「安納芋」「シルクスイート」などの新しい品種が登場して、年々作付面積が減少している「紅あずま」ですが、ホクホクの食感と、上品でしっかりとした甘さで、今も高い人気を誇っています。
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食用のさつまいもの品種では、「べにはるか」に次いで2番目に多く作付けされているので、スーパーや八百屋さんの店頭で見かける機会が多いのではないでしょうか。最近は「安納芋」のように、しっとりとして濃厚な甘みのさつまいもが人気ですが、ホクホク感を味わいたい方は「紅あずま」がおすすめです。