さつまいもは種や種芋から栽培する作物と違い、苗から栽培します。さつまいもの苗は市販での購入が可能ですが、家庭菜園では種芋から芽出しをして苗を育てることがポイントです。家庭菜園で美味しいさつまいもを育てる楽しみは、収穫の喜びだけでなく、成長過程を見守る充実感もあります。しかし、特にさつまいもの種芋の芽出しにおいて、多くの家庭菜園初心者(私を含む)が「芽が出ない」「成長が遅い」といった問題に直面することが少なくありません。そんな悩みを解決するため適切な芽出し方法があります。さつまいもの種芋の芽出しを成功させるためには、適切な環境と準備が欠かせません。例えば、さつまいもの種芋を適度な温度と湿度の場所で保存し、日光に当てることが重要です。家庭菜園で作るさつまいもの収穫量や品質を向上させて、より充実した家庭菜園を楽しみましょう!この記事では、さつまいもの苗作り・さつまいもの芽出しの方法を紹介します。最後まで読み進めることで、あなたが家庭菜園で作る!さつまいもの大収穫を目指しましょう!まずは苗の話から
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さつまいもの苗(なえ)の準備
苗=苗づるは、ホームセンターや種苗店、通販サイトなどで、4月下旬頃に売り出されるので購入可能です。根がついていない「挿し穂」が苗として流通しており、20cmほどの長さで10本〜30本ほど束ねた状態で販売しています。
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さつまいもの苗の選び方
理想的な苗の基準は、以下の通りです。
- 茎が太くしなやか
- 葉数が5〜6枚
- 葉色が濃く厚みがある
- 長さが20〜25cmほど
- 節間が間延びしていない
茎が太くてしなやかで葉色が濃くて厚みがあり、葉が5〜6枚ついている新鮮な苗を選びます。節間が短くがっしり締まって、間延びしていない苗も理想に近いです。植付けまで苗の保存は、浅く水を張ったバケツに浸けて日陰に置いておくと、1週間くらいはもちます。苗の葉がしおれている場合は、植え付け前に水に戻しておきましょう。苗作りは3月〜4月の間に行い、5月中旬〜下旬頃に苗を植え付けて、10月頃の収穫です。
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さつまいもの芽出し
種芋から、その年植えるための苗を育てることを「芽出し」といい、さつまいもの苗はこの伸びたツル(苗づる)をカットしたものです。前年収穫したさつまいもや、スーパーなどで購入したさつまいもを種芋にして、芽出しすることができます。1つの種芋から10本以上の苗を取ることも可能です。芽出しの方法は、「水栽培」「水耕栽培」「温床栽培」があります。水栽培は、植物の茎や根の一部分を水に浸し、発芽や発根させる栽培方法のひとつとですが、インテリアアイテムとして楽しむ人も増えています。水に必要な肥料を溶かした水溶液で苗を育てる方法が水耕栽培です。水栽培や水耕栽培、温床栽培は、さつまいもの苗作りの方法で、実はなりません。
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さつまいもの芽出しをする時期は?
さつまいもの芽出しを行う時期は、発芽に最適な環境を整えるために重要です。さつまいもは温暖な気候を好むため、芽出しを始める時期としては春先が理想的です。具体的には、3月~4月にかけてが最適です。この時期は気温が安定して上昇し始めるため、発芽に必要な温度条件が整いやすくなります。さつまいもは25℃ほどの温度が発芽に適しているため、春先の暖かくなり始めるタイミングが芽出しには最も適しています。温度が低すぎると発芽が遅れるだけでなく、種芋が腐敗しやすくなるため、暖かい環境を整えることが重要です。特に水耕栽培や温床栽培を利用する場合、適切な温度管理を行うことで発芽率が向上します。さつまいもの種芋は48℃のお湯に40分ほど浸けてから、栽培溶液に浸すことで発芽を促します。この工程は3月から4月に行うのが最適です。また、日当たりの良い場所に種芋を置き、毎日水を交換して清潔な状態を保つことで、健康な苗が育ちやすくなります。
さつまいもの芽出しが必要な理由
芽出しを行うことで、さつまいもの苗が育ちやすくなり、健康な苗が育つことによって、収穫量も増えます。さらに、家庭菜園でさつまいも栽培をより楽しむための基礎を築くことができます。芽出しに成功することで、その後のさつまいもの育成がスムーズに進み、美味しいさつまいもを収穫することが出来ます。次の項から水耕栽培で苗の作り方、水耕栽培で芽出しする方法、温床栽培で苗の作り方、温床栽培で芽出しする方法を紹介します。
苗の作り方:水耕栽培
水耕栽培は、水と液体肥料(家庭菜園 水耕栽培液体肥料 ハイポニカ)を混ぜた栽培溶液で、さつまいもの苗を育てます。水耕栽培に使う容器は器の中で種芋が水に沈まず、半分ほど浸るものであれば大丈夫です。専用容器でなくても、お皿やペットボトルなどを工夫して使用しましょう。(必要なキットがセットになって通信販売などで買えます)種芋には200〜300gほどの大きさで、陥没(芽)の多いものを選びましょう。水耕・温床栽培ともに苗が取れるまでに約1ヶ月半の時間がかかります。
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水耕栽培で芽出しする方法
- 48℃ほどのお湯に種芋全体が浸るようにして40分ほど置き、種芋を取り出す。
- 器に横にした状態で種芋の下1/4程度が浸るくらいの栽培溶液を入れる。
- 水を毎日交換し、清潔な状態を保ち発芽を促す。
- 発芽には25℃ほどの気温が必要なので、日当たりの良い暖かい場所で育てる。
種芋は芽出しの前には病気予防のための殺菌を行います。(芽が出るまでの日数も早くなります。)48℃の温度が下がらないように、お湯を適宜継ぎ足して保温します。さつまいもの一部を切って苗作りを行う場合は、種芋全体が水に浸ってしまうと呼吸できずに腐ってしまいます。水の外に頭が少し出る水の量にして、日当たりの良い場所に置いて発芽させましょう。芽出ししてから1ヶ月ぐらい経つと葉が大きくなり、つるの長さが15センチ以上になるので、十分苗として使えるサイズになります。芽出しに成功したら、苗を土に植える作業にかかってください。
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苗の作り方:温床栽培
温床栽培とは、培養土が発酵する際の「発酵熱」を利用する温床で、菌や細菌が有機物を分解する時に出る熱を活用して育苗を行う方法です。培養土は米糠や、落ち葉、腐葉土、鶏糞などを土に混ぜ込んで作ります。
容器はプランターや、図のような保温効果が高い発泡スチロールなどでつくり、箱の底と側面には排水と通気のための穴を開けておきます。(容器や培養土などは通信販売などで買えます)
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温床栽培で芽出しする方法
- 容器に、藁(わら)を敷き、培養土を30cm以上入れる。
- 温床全体にたっぷりと水をかける。
- 日当たりの良い場所で5日前後安置して発酵させる。一番下に藁を敷き詰め、その上に培養土を被せ、少なくとも30cm以上の厚さの温床にすると発酵が持続する十分な量になります。たっぷりとかけた水が容器の下から滲み出るくらいが目安です。3日〜1週間程度で発酵が始まり、温床が発酵熱によって30℃くらいに温まったら、伏せ込みの段階に進みます。芽出しの種芋を植えつけることを「伏せ込み」といいます。種いもは、お店で買ったものでも可能。「べにはるか」「鳴門金時」など様々な品種があるので、好みで選んでください。
- 48℃のお湯に約40分間、種芋全体が浸るようにして殺菌処理する。
- 温床に(4)の種芋の頭が少し出るくらいの深さに入れる。
- 容器にビニールをかぶせて保温する。
- 芽が出るまでは水はやらない。複数の種芋を伏せ込みするときは、10cm程度の間隔を開けて横向きに並べます。種芋から芽が出る温度は25℃〜30℃と言われており、穴を数カ所あけて、空気の入れ替えができるビニールで容器を覆うなどして保温しましょう。伏せ込んでから芽が出るまでは水やりの必要はほとんどありませんが、芽が出た後は適度な水やりを行います。
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伸びた苗づるを切り取る方法
種芋は伏せ込んでから1ヶ月半くらいで、苗として十分な長さ15〜20cmまで育ちます。種芋1つから1回に切れる苗の数はおよそ5〜6本です。1回切ってから1週間程度で次の苗が切れるようになり、1シーズンで1つの種芋からおよそ20本の苗を取ることができます。種芋から伸びた15〜20cmの苗づるを切り取り、1時間ほど放置します。さつまいもの苗は、少ししなびたぐらいが一番、苗が生き残る可能性が高いです。コップや花瓶に茎が浸かるくらいの水を入れ、乾いた茎の先端を斜めに切り揃えてから水につけます。3~4日置いておくと、白く細い根・不定根(ふていこん)が数本生えてきます。さつまいもは植えた後の作業があまり無いので、この芽出しでしっかりした苗を作ることが重要です。
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まとめ
温床栽培・水耕栽培ともに芽出しに成功したら、畑やポット、プランターに植え付けを行いましょう。ぜひ自分で芽出しをした苗で育てて、美味しいさつまいもを味わってください。
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