さつまいもの世界事情!世界で食べられているさつまいも。英語、フランス語、イタリア語、韓国語の呼び方は?日本と違うさつまいもの食べ方や料理方法!海外のさつまいもの品種は?

栄養価が高く、甘くておいしい上、ホクホクやねっとりなどの食感も楽しめる日本のさつまいも。我が国の食卓には欠かすことのできない食材の一つですよね。日本のさつまいもには焼くだけでなく、蒸す、煮る、炒める、潰して加工するなど、さまざまな調理法がありますが、それでは海外のさつまいも事情はどのようなものなのでしょうか?今回は、世界で食べられているさつまいもについて、国によってどのような特徴や違いがあるのか、また、その国ならではの調理方法などについてご紹介します。

アメリカのさつまいも

英語でさつまいもは、 sweet potato(スイートポテト)と呼ばれていることはよく知られていますが、アメリカでは、切った時の中身がオレンジ色のさつまいもが主流です。さつまいもの代表的な生産国の一つでもあるアメリカにおいて、国内で栽培される95%が、こうしたオレンジ系のさつまいもだと言われています。そんなオレンジ系のサツマイモの中でも、特にBeauregard(ボールガード)という品種が大多数です。日本で一般的なさつまいもより、水分量が多く、熱を加えると、なめらかになるのが特徴。主な調理方法として、肉の付け合わせなどの用途でさつまいもをベイクドポテトにしたり、油で揚げてフライドスイートポテトにしたり、スイーツとしてベイクドスイートポテトにしたりします。スイーツとしてのアメリカのスイートポテトは、日本のように、蒸した後に、すり潰して裏ごしし、バターや生クリーム、砂糖を加えて焼くのではなく、さつまいもにバターを塗り、ブラウンシュガーやシナモンをトッピングした後、オーブンで蒸し焼きにする、といったごくシンプルな調理方法です。

また、米国の中でも、特に高いさつまいもの生産量を誇るノースカロライナ州では、さつまいもは家庭料理として地域に深く根付いています。

たとえば潰したさつまいもにバター、卵、砂糖、牛乳などを混ぜて、パイ生地に流し込み、オーブンで焼くという素朴な味わいのスイートポテトパイ。また茹でたさつまいもに、小麦粉と牛乳だけを加えて焼いた、スイートポテトビスケットも、各家庭に代々伝わるお袋の味として愛されています。

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フランスのさつまいも

さつまいもは、もともと温暖な地域での栽培に向いている作物です。コロンブスによって15世紀の終わりごろに、アメリカからヨーロッパに渡ったとされていますが、寒冷地の多いヨーロッパでは、結局さつまいもは栽培に適さなかったため、今でもさつまいもより、ジャガイモが食されることの方が圧倒的に多いです。そのためヨーロッパでは、日本で一般的な、焼いただけでも食べやすい食感で、甘味の強いさつまいもはほとんど見られません。

しかし、フランスでもさつまいも自体はスーパーで手に入れることができます。フランス語でさつまいもはpatate douce(パタット ドゥース)と呼ばれます。見た目や風味は日本のさつまいもと似ていますが、切るとオレンジ色で、水分量が多く、ほとんど甘さは感じられません。一部フランス国内で栽培されたものも出回っているようですが、多くはインドやアフリカなどからの輸入品であるようです。フランスでよく食されている、クスクス(元は中東や北アフリカ発祥の料理)の具材の一つとして、またブリニ(ロシア発祥の蕎麦粉入りパンケーキ)などにペースト状にして混ぜ込んで使われています。

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イタリアのさつまいも

イタリア語では、さつまいもはpatata americana(パタータ アメリカーナ)やpatata dolce (パタータドルチェ)と呼ばれます。スーパーで手に入る一般的なさつまいもは、フランス同様、見た目は日本のさつまいもと似ていますが、中身はオレンジ色で、甘さはなく、食感もホクホクというより、サクサクしています。

オーブン料理として、またスイーツの材料として、蒸して、裏ごしした後、バターやクリームを混ぜてオーブンで焼いて食べる、という使われ方が一般的です。イタリアではまた、一部国内産の白いさつまいもも出回っています。ジャガイモを縦長にしたような見た目で、皮も中身も白いですが、食感や甘味はこちらの方が日本のさつまいもに近いようです。

韓国のさつまいも

韓国でさつまいもは、고구마(コグマ)と呼ばれています。日本同様、韓国でもさつまいもはとてもポピュラーな食材で、老若男女に人気です。とくにダイエットや健康食品としての位置付けがなされており、韓国アイドル発のコグマ(さつまいも)ダイエットは、日本でもトレンドとなっています。

韓国ではさつまいも自体を味わうほか、葉の一部である葉柄と呼ばれる部分(葉身と茎を接続している小さな柄状の部分)を、キムチやナムルとして食べるのも特徴です。ナムルの作り方としては、ゴマ油やサラダ油で炒めた牛肉やネギを、醤油、胡椒で味付けし、一度茹でてから冷ましたさつまいもの葉や茎を入れ、最後に一緒に炒めればできあがりです。葉柄を味わうのは、さつまいも料理の中でも特にヘルシーなので、ダイエットにはもってこいですね。またキムチといえば、焼いたさつまいもの上にキムチをのせて食べる、焼き芋キムチも有名です。キムチの辛さと、焼き芋の甘さが絶妙にマッチして癖になる味わいです。

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世界のさつまいもまとめ

日本以外の4か国のさつまいも事情についてご紹介してきました。一言でさつまいもといっても、国により全く異なる品種や調理方法で食されているのはとても興味深いですよね。世界で流通しているさつまいもを知ると、日本のさつまいもの良さにも、改めて気づくことができるでしょう。今後、海外の方と知り合ったり、友達になったりしたら、ぜひその国のさつまいもの話を聞いてみてください。さつまいもの話を通して、思いがけない文化や、調理方法を知ることができるかもしれません。