さつまいもの海外事情とは?英語、フランス語、イタリア語、韓国語等の外国語の呼び方は?海外のさつまいもの食べ方や料理方法!海外のさつまいもの品種は?果肉の色は?

さつまいもといえば、日本では、焼き芋や天ぷら、スイーツとして定番の食材ですが、海外ではどのように食べられているのでしょうか?実は、さつまいもはアジア、アフリカ、中南米などの温暖な地域を中心に世界中で栽培され、国や地域ごとに様々な食べ方で楽しまれています。例えば、アメリカではスイートポテトパイやフライドスイートポテトが定番で、韓国では「コグマ」と呼ばれ、焼き芋だけでなくラテやスナックとしても人気です。アフリカでは主食として茹でたり、マッシュして食べられることが多く、栄養価の高さから食糧問題の解決策のひとつとしても注目されています。ヨーロッパではジャガイモの方が一般的ですが、近年の健康志向の高まりとともに、さつまいもを使った料理やスイーツが増えてきています。この記事では、海外、各国のさつまいもの食べ方や品種の違いについて詳しく解説します。

世界のさつまいも

【さつまいも 海外】海外のさつまいも陳列棚

さつまいもは、世界中の温暖な気候の地域で広く栽培され、食べられています。特にアジア、アフリカ、中南米の国々では主食や副食、スイーツとして親しまれています。アジアでは、中国が最大の生産国であり、さつまいもは伝統的な料理やデザートに使われています。日本でも焼き芋や天ぷら、スイーツの材料として人気があり、特にねっとり系さつまいも品種では「紅はるか」や「安納芋」、ホクホク系さつまいも品種では「紅あずま」、「高系14号」などの品種が有名です。韓国でも焼き芋やさつまいもラテなどの形で楽しまれています。フィリピンやインドネシアでは、さつまいもを蒸したり、スープやスイーツに使ったりすることが一般的になっています。アフリカでは、ナイジェリアやウガンダ、タンザニアなどで広く栽培されており、主にふかし芋やマッシュして食べることが多いです。栄養価が高く、食糧問題の解決策のひとつとしても重要視されています。中南米では、さつまいもはペルーやブラジル、メキシコなどで栽培されており、インカ時代からの食文化の一部として残っています。特にペルーでは、伝統的な料理「カウサ」やスープの具材として利用されることが多いです。アメリカでは、特に南部の州で「スイートポテトパイ」や「キャセロール」として人気があります。ヨーロッパでは、スペインやポルトガルの一部地域で栽培されており、スイーツや料理に使われていますが、アジアやアフリカほどの消費量ではありません。それでも近年、健康志向の高まりとともに、さつまいもを使った料理やお菓子が注目を集めるようになっています。

ここまではさつまいも栽培、さつまいもを食べている国を紹介してきましたが、ここからはさつまいも栽培やさつまいもを食べてない国はどこなのか?を少しまとめてみました。

【さつまいも 海外】海外のスーパーマーケットのさつまいも

さつまいもは、一部の国ではほとんど栽培されておらず、食文化にも根付いていない地域があります。極寒の地域ではさつまいもの栽培が難しいため、ほとんど生産されていません。例えば、グリーンランドやアイスランド、シベリアの一部地域などは、寒冷な気候のため農作物の栽培自体が限られており、さつまいもを育てるのは困難です。また、北欧諸国であるノルウェーやフィンランド、スウェーデンでも、気候的にさつまいもの栽培は一般的ではなく、伝統的な食文化の中にも登場しません。しかし、近年では輸入されたものがスーパーマーケットに並ぶこともあるようです。また、中東の砂漠地帯の国々、例えばサウジアラビアやクウェート、カタールなども、気候的にさつまいもの栽培には適していません。その為、これらの国ではあまり食べられておらず、地元の伝統料理にもほとんど、さつまいもは、登場しません。ただし、輸入品としてスーパーで見かけることはありますし、国際的な料理を提供するレストランでは使用されることも多いようです。中央アジアのカザフスタンやモンゴルなどの国々も、主に小麦や肉類を主食とする文化の為、さつまいもは、ほとんど食べられていません。特にモンゴルのような遊牧民文化の国では、さつまいもは食材としての需要が無く、伝統的な料理の中にさつまいもが使用されているものはありません。但し、ここに上げた国々でも、グローバル化の影響で輸入されたさつまいもが一部の地域やレストランで使用されることはありますが、それでも日常的にさつまいもを食べられているわけではありません。

次の項からは、さつまいもを食べている国のさつまいもの食べ方を詳しく解説していきます。国により食べ方が大きく変わるのが面白いかもしれませんよ。

アメリカのさつまいも(英語でsweet potato)

【さつまいも 海外】アメリカのさつまいも(果肉がオレンジ)

英語でさつまいもは、 sweet potato(スイートポテト)と呼ばれていることはよく知られていますが、アメリカでは、切った時の中身がオレンジ色のさつまいもが主流です。さつまいもの代表的な生産国の一つでもあるアメリカにおいて、国内で栽培される95%が、こうしたオレンジ系のさつまいもだと言われています。そんなオレンジ系のサツマイモの中でも、特にBeauregard(ボールガード)という品種が大多数です。日本で一般的なさつまいもより、水分量が多く、熱を加えると、なめらかになるのが特徴。主な調理方法として、肉の付け合わせなどの用途でさつまいもをベイクドポテトにしたり、油で揚げてフライドスイートポテトにしたり、スイーツとしてベイクドスイートポテトにしたりします。スイーツとしてのアメリカのスイートポテトは、日本のように、蒸した後に、すり潰して裏ごしし、バターや生クリーム、砂糖を加えて焼くのではなく、さつまいもにバターを塗り、ブラウンシュガーやシナモンをトッピングした後、オーブンで蒸し焼きにする、といったごくシンプルな調理方法です。

また、米国の中でも、特に高いさつまいもの生産量を誇るノースカロライナ州では、さつまいもは家庭料理として地域に深く根付いています。

たとえば潰したさつまいもにバター、卵、砂糖、牛乳などを混ぜて、パイ生地に流し込み、オーブンで焼くという素朴な味わいのスイートポテトパイ。また茹でたさつまいもに、小麦粉と牛乳だけを加えて焼いた、スイートポテトビスケットも、各家庭に代々伝わるお袋の味として愛されています。

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フランスのさつまいも(フランス語でpatate douce パタット ドゥース)

【さつまいも 海外】フランスのさつまいも

さつまいもは、もともと温暖な地域での栽培に向いている作物です。コロンブスによって15世紀の終わりごろに、アメリカからヨーロッパに渡ったとされていますが、寒冷地の多いヨーロッパでは、結局さつまいもは栽培に適さなかったため、今でもさつまいもより、ジャガイモが食されることの方が圧倒的に多いです。そのためヨーロッパでは、日本で一般的な、焼いただけでも食べやすい食感で、甘味の強いさつまいもはほとんど見られません。

しかし、フランスでもさつまいも自体はスーパーで手に入れることができます。フランス語でさつまいもはpatate douce(パタット ドゥース)と呼ばれます。見た目や風味は日本のさつまいもと似ていますが、切るとオレンジ色で、水分量が多く、ほとんど甘さは感じられません。一部フランス国内で栽培されたものも出回っているようですが、多くはインドやアフリカなどからの輸入品であるようです。フランスでよく食されている、クスクス(元は中東や北アフリカ発祥の料理)の具材の一つとして、またブリニ(ロシア発祥の蕎麦粉入りパンケーキ)などにペースト状にして混ぜ込んで使われています。

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イタリアのさつまいも(イタリア語でpatata americana パタータ アメリカーナ)

イタリア語では、さつまいもはpatata americana(パタータ アメリカーナ)やpatata dolce (パタータドルチェ)と呼ばれます。スーパーで手に入る一般的なさつまいもは、フランス同様、見た目は日本のさつまいもと似ていますが、中身はオレンジ色で、甘さはなく、食感もホクホクというより、サクサクしています。

オーブン料理として、またスイーツの材料として、蒸して、裏ごしした後、バターやクリームを混ぜてオーブンで焼いて食べる、という使われ方が一般的です。イタリアではまた、一部国内産の白いさつまいもも出回っています。ジャガイモを縦長にしたような見た目で、皮も中身も白いですが、食感や甘味はこちらの方が日本のさつまいもに近いようです。

韓国のさつまいも(韓国語で고구마 コグマ)

【さつまいも 海外】韓国のさつまいも

韓国でさつまいもは、고구마(コグマ)と呼ばれています。日本同様、韓国でもさつまいもはとてもポピュラーな食材で、老若男女に人気です。とくにダイエットや健康食品としての位置付けがなされており、韓国アイドル発のコグマ(さつまいも)ダイエットは、日本でもトレンドとなっています。

韓国ではさつまいも自体を味わうほか、葉の一部である葉柄と呼ばれる部分(葉身と茎を接続している小さな柄状の部分)を、キムチやナムルとして食べるのも特徴です。ナムルの作り方としては、ゴマ油やサラダ油で炒めた牛肉やネギを、醤油、胡椒で味付けし、一度茹でてから冷ましたさつまいもの葉や茎を入れ、最後に一緒に炒めればできあがりです。葉柄を味わうのは、さつまいも料理の中でも特にヘルシーなので、ダイエットにはもってこいですね。またキムチといえば、焼いたさつまいもの上にキムチをのせて食べる、焼き芋キムチも有名です。キムチの辛さと、焼き芋の甘さが絶妙にマッチして癖になる味わいです。

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世界のさつまいものまとめ

【さつまいも 海外】アメリカのさつまいも売り場

さつまいもは世界中で栽培され、アジア、アフリカ、中南米を中心に主食やスイーツとして広く食べられています。特に中国や日本、韓国、フィリピン、インドネシアなどのアジア地域では、焼き芋や天ぷら、スイーツとして親しまれています。アメリカではスイートポテトパイやキャセロール、フライドスイートポテトが定番で、ペルーでは伝統料理「カウサ」やスープの具材としても活用されています。一方、極寒の地域や砂漠地帯では栽培が難しく、グリーンランドやアイスランド、北欧諸国、中東の一部では、食文化としての定着はほとんど見られません。ただし、近年は健康志向の高まりにより、ヨーロッパなどでもさつまいもを使った料理が注目を集めています。

【さつまいも 海外】海外のさつまいもの果肉はオレンジ

世界各国でさまざまな調理法があり、食文化によって異なる楽しみ方があるのがさつまいもの魅力です。今後、海外の方と知り合ったり、友達になったりしたら、ぜひ!その国のさつまいもの話を聞いてみてください。さつまいもの話を通して、思いがけない文化や、調理方法を知ることができるかもしれませんよ。