「さつまいも」というと、定番の紅はるかやシルクスイートを思い浮かべる方も多いでしょう。しかし、その豊かな品種の世界には、まだまだ知られていない驚きが詰まっています。特に、最近注目を集めつつある「珍しい品種」のさつまいもは、一味違った風味と食感を楽しめる絶好のチャンス。スーパーやデパートで見かけることが少ないため、その特異な味わいを知る人は限られていますが、実際に試してみると、ホクホク感や上品な甘さが特徴の「すずほっくり」や、栗のような風味を持つ「しろほろり」など、個性的な品種が揃っています。この記事を読み進めることで、そんな「珍しい品種」に出会う楽しさと、その魅力を存分に味わえる方法をご紹介します。これを機に、さつまいもの新しい楽しみ方や普段、見かけない珍しいさつまいもを探して食べたくなるはずです!
さつまいも定番品種と珍しい品種の食べ比べ
2024年。秋に収穫されたさつまいもは、どんどん市場へ流れてきております。新物と言われる少し貯蔵期間や熟成期間が短いさつまいもも焼き芋として出て来ています。新物は、熟成期間が短いから美味しくない、甘くないと言われていますが、さつまいもらしい味やこの新物でしか味わえないような「ねっとり」感と「ほくほく」感が混ざったような不思議な食感を味わえるのも魅力なのです。そんな2024年の1月。昨年同様にさつまいもの食べ比べをやってみました!今回も、前回同様、スーパーやデパートへ足を運んで色々と調べて…なのですが、今回、行ったスーパーやデパートは、時期のせいなのか?同じような品種ばかり…それと過去に行った食べ比べで食べたことがあるような品種ばかり…。「知ってるよ」と言われる味、甘さ、香りばかりだと、折角の食べ比べする意味が少し薄らいでしまいますよね?という思いから、今回は、ネット上で色々と探して、市場流通ではあまり見かけない珍しい品種と今のさつまいもの王道、定番と言われているような品種を一緒に食べ比べてみました。
そして、今回は、焼き芋ではなく、さつまいもの味が鮮明に出やすい「ふかし芋」でどの品種も「串が通るくらい」まで蒸かして食べ比べを行いました。今回、食べ比べをしたさつまいもの品種はこちらです。
シルクスイート
しっとりとした食感のシルクスイート。比較的新しい品種。名前の由来のとおり「シルク=絹」のようなしっとりとしたなめらかな食感のさつまいもと言われています。
甘さは、さつまいもらしい甘さが丁度良い感じで、シルクスイートの特徴でもある「水分」が多く、舌触りものど越しも優れています。
新物だと多少、ほくほく感があったりするのですが、今回の試食用は、シルクスイートという品種の美味しさを全面に出てきたような「水分が多く、ねっとり、しっとりとした食感で甘さも十分にのっている感じ」のさつまいもです。
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しろほろり
白いさつまいもという異名を持つさつまいも。果皮も果肉も白色という珍しい品種で最初、見た時は…「ん?じゃがいも?」と思ってしまうような感じの色です。
食べてみると栗のようなホクホクとした食感にじゃがいものホクホクとした食感を足したような「ねっとり」や「しっとり」という食感のさつまいもが好きな方には、ちょっと違うと言われてしまう食感でした。
甘さもほんのりと甘いという感じで、さつまいもが持つどちらかというと強い甘さとは異なり、栗のような甘さに近いかもしれません。こういうのは表現が難しいのですが…べっとりとしない上品な甘さというのが正しいのかもしれません。
なんとなくバターが合いそうな感じのするさつまいもかな?と思いました。
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すずほっくり
こちらのさつまいもの品種も初めてみました。大きさもそれほど大きくなく、見た目もさつまいもらしい感じ。割ってみると黄金色が濃く、なんとなく紅あずまを細くスリムにした感じかもしれません。
食感は、「すずほっくり」の名前の通り、ホクホクとした感じでこちらもさつまいもらしい感じ。ホクホク系のさつまいもは、「すずほっくり」に限ったことではありませんが、一緒に飲み物があったほうが良いかもしれません。
そのほうが、この喉に詰まる感じのホクホクとした食感が十分に楽しめます。甘さは、程よい甘さというのが正しいのか?上品な甘さというのが正しいのか?「ねっとり」系にあるような強い甘さはなく、飽きの来ない感じです。
残念なのは、まだ、それほど生産している農家さんが少ない事で、市場へ大きく流通するには時間がかかるという点かもしれません。紅あずまや高系が好きな方は間違いなくはまる美味しさです。
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紅はるか(新物)
言わずと知れた今の焼き芋ブームを安納芋と一緒に牽引したと言われる今のさつまいもの象徴の品種「紅はるか」。
今回の紅はるかは、もしかして新物?と言う感じで、いつものあの「ねっとり」として、絡みつくような強い甘さは感じられず(ふかし芋にしたこともありますが…)どちらかというとベストバランスな甘さ。食感も「ねっとり」ではなく、3つの食感がプラスされた感じでした。
それは「ねっとり」+「しっとり」+「若干ほくほく」。こんな感じ。貯蔵期間がまだ短い新物は、こういう感じになるというのには少々驚きでしたが、「ねっとり」はちょっと苦手という方に是非!食べて欲しいと思えるくらいです。
「紅はるかの新物」、これはこれでいつもの紅はるかの甘さ、食感とは大きく変わるので、この食感、甘さを話せると「さつまいも通」となるのではないか?と思える不思議な紅はるかでした。
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今回は、食感で言えば「ねっとり」「しっとり」系の「シルクスイート」と「紅はるか」。そして「ほくほく」系の「しろほろり」と「すずほっくり」。さつまいもの品種は60種類とも言われている中で、まだまだ知らない、食べた事がないさつまいももあるはず。例えば「ふくむらさき」という紫芋の品種なのに今までの紫芋の食感や甘さを大きく変える品種が登場したりしてきているので「ねっとり」、「ほくほく」に紐づくような「ねっとり=強い甘さ」、「ほくほく=上品な甘さ」もどんどん新しいものが出て来るのではないでしょうか?いや、そうなって欲しいと思います。
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例えば「ホクホク食感なのに強い甘さ」というようなさつまいも。「ねっとり食感なのに上品な甘さ」というさつまいも。前者の「ホクホク食感で強い甘さ」のさつまいもは、焼き芋や蒸かし芋にすると最強のように思えますし、後者の「ねっとり食感で上品な甘さ」のさつまいもは、料理やスイーツにすると色々と幅が出て来るようにも思えます。ということからさつまいもの新しい品種を含めた食べ比べ、今後も色々と行っていきたいと思っています。こんなにさつまいもを食べると…色々と心配になることもありますけど…。次回もお楽しみに
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