干し芋は糖質制限にオススメ?腹持ちがよく、満足感を得やすい干し芋の気になる糖質やカロリー。糖質制限中に摂りたい栄養素がたっぷりの干し芋を調べてみた

糖質制限中のおやつとして、何を食べようかと迷われる方も多いのではないでしょうか。今回は、その一つの選択肢として「干し芋」を紹介します。

干し芋の糖質やカロリーは?

糖質制限としてオススメである以上、低カロリーで低糖質なイメージを干し芋に持たれた方もいらっしゃるかもしれません。しかし干し芋の糖質やカロリーは、他のおやつと比較しても決して低いとは言えないのです。蒸したさつまいもを干した「蒸し切干」には、100g中66.5gの糖質が含まれており、カロリーは277kcalです。干す前の「蒸し」のさつまいもと比較すると、100gあたりの糖質は31g、カロリーは129kcalです。

随分とカロリーが増えているように感じられますが、これは、干すことにより水分が失われているため、すなわちさつまいもが「濃縮」されているためです。水分量は、干すことで64gから22gほどに減少し、食物繊維は3.8gから5.9gに増えます。

糖質やカロリーの数字だけ見ると、「多すぎる」、「糖質制限向きではない」と感じるかもしれませんね。けれども実際に食べてみると、糖質制限と相性の良い面がいくつか見えてきます。以下ではそのメリットについて紹介します。

腹持ちがよく、満足感を得やすい

干し芋100gのカロリーは蒸し芋の倍以上ですが、蒸し芋100gを食べる感覚で、干し芋100gを食べることは非常に難しいでしょう。おやつとして、150g程度の蒸したさつまいもをぺろりと食べてしまう方もいるかもしれませんが、干し芋はおよそ60g程度で同じくらいの満足感を得られます。他のおやつと比較しても、食べてから次にお腹がすくまでの時間の長さを感じることができるでしょう。

満足感の秘密は、食物繊維と硬さにあります。さつまいもは、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく含んでおり、特に満足感の維持には水溶性食物繊維が関係しています。水溶性食物繊維は腸内で水に溶けて、内容物の移動をゆっくりにしてくれます。そのため栄養素の吸収が緩やかになり、エネルギーが枯渇するタイミングが、他の食品よりも比較的遅く訪れます。

また、硬い干し芋を食べるために、よく噛んで食べることも重要です。噛むという行為により満腹中枢が刺激されるため、やわらかいものを食べたときよりも強い満足感を得ることができるのです。

低GI食品を選ぶ理由

食品の中に含まれる糖質が、どれくらい勢いよく血糖値を上げるのか。この「血糖値の上がりやすさ」を示した値を「GI値」と呼びます。さつまいもは、豊富な食物繊維のおかげで腸内をゆっくりと移動するため、血糖値の上がりも緩やかです。そのため、ジャガイモやサトイモなど、他のイモ類と比較してもGI値が低く、血糖値の推移が緩やかになるという特徴があります。

血糖値が急激に上がると、血糖値を下げるためのホルモンである、インスリンが大量に分泌されます。インスリンの働きにより、血中に余ったグルコースがグリコーゲンや中性脂肪に変換され、肝臓や筋肉、脂肪組織などに蓄えられることになります。

インスリンが分泌されればされるほど、脂肪組織への脂肪蓄積も進みます。そのため、ダイエットのためにはインスリンの分泌を抑える必要があり、低GI食品を選ぶことで、脂肪合成を防ぐ効果が期待できます。食物繊維が豊富なさつまいもは、まさにこの低GI食品であり、ダイエット中でも食べやすい食材であると言えるでしょう。

糖質制限中に摂りたい栄養素がたっぷり!

さつまいもは、ビタミンやミネラルなどを豊富に含んでいるため、糖質制限中で栄養が偏りがちな時期に摂取することで、体調を整える効果が期待できます。

カリウム

カリウムはむくみ予防に効果的です。体内の余分な水分を、塩分と一緒に体外へ排出する働きがあるため、体に溜め込んだ水分の管理に役立ちます。また、摂りすぎた塩分の調節もフォローしてくれるため、塩分の摂取量が多くなりがちな日本人の食生活には、特に欠かせない栄養素です。

マグネシウム

代謝に関わる重要なミネラルです。ヒトの体内における酵素が活性化するためには、マグネシウムの働きが欠かせません。代謝を滞らせないためにも積極的に摂取したい栄養素です。

ビタミンB2

糖質や脂質の代謝に関わるミネラルです。脂肪燃焼のためには、エネルギー代謝を潤滑にする必要があるため、このビタミンB2を十分に摂取することでダイエットのサポート効果が期待できるでしょう。

ヤラピン

ヤラピンは、さつまいもの皮付近に含まれる白い液体です。包丁で切ることで滲み出てくるのを、見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。このヤラピンには整腸作用があるため、糖質制限中の便秘対策に役立ちます。

オススメの食べ方

干し芋の食べ方ですが、糖質制限中の貴重な糖質供給源として、1日1食分程度、ご飯やパンなどの主食と置き換える方法をオススメします。ご飯やパンよりもGI値が低く、血糖値の上昇を抑える効果を発揮できるほか、食物繊維を効率よく摂取できるため、便秘の改善にも役立ちます。

丸飲みするような形で干し芋を食べてしまうと、あまり満足感を得られず、また消化管に大きな負担が掛かるため、平日の朝など慌ただしい時間帯に食べるのは避けましょう。よく噛んで食べることで、より大きな満足感を得られるため、干し芋は食事の時間をしっかりと確保できるタイミングで食べるのがオススメです。

まとめ

このように糖質を多く含む干し芋ですが、食べる量とその食べ方によって、大きなダイエット効果が見込めます。また干し芋自体の栄養素も、ダイエットを続ける上で是非摂取したい優秀なものばかりです。干し芋を日々の食事やおやつへと効果的に取り入れて、糖質制限やダイエットをより充実したものにしていきましょう。