安納紅はどんな安納芋の品種?安納紅の特徴や苗、栽培方法、産地、安納紅はどんな食べ方が向いている?安納紅の糖度、味を徹底解説します!安納紅の1番美味しい食べ方とは?

ねっとりとした食感と、オレンジ色の果肉が特徴的な安納芋。実は、安納芋には種類があり、そのうちのひとつが「安納紅」です。以前は種子島のみでしか栽培できなかったという安納紅とは、どのようなさつまいもなのでしょうか。こちらの記事では、安納紅の特徴や栄養、おいしい食べ方などを解説します。大人気の安納紅をより深く知っていただけると思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

安納紅とは?特徴や産地を解説

安納紅は、種子島を中心に栽培されているさつまいもの品種です。以下では、安納紅の特徴や産地、収穫時期、栄養について解説します。

安納紅の特徴

安納紅は「あんのうべに」と読み、産地である種子島の安納地区が名前の由来となっています。安納芋というと、皮が紫色をしている「安納紅」を指す場合が多いですが、ジャガイモのような白っぽい皮を持つ「安納こがね」という芋も、安納芋の一種です。一般的に、さつまいもは細長い形をしたものが多いですが、安納紅は丸みのある形が特徴。また、茎の先端につく葉はアントシアニンを含むため、紫がかった色をしています。糖度は加熱前でも16度ほどと、フルーツのような甘さを持ち、低温でじっくりと火を通すことで40度近くになることも。果肉の色は、生の状態では淡い黄色で、加熱後には鮮やかなオレンジ色に変化します。加熱後の安納紅は、ほかの品種のさつまいもに比べて果糖やブドウ糖の量が多く、反対にでん粉の量が少ないことから、独特のねっとりとした食感を持ちます。

産地

安納紅は、鹿児島県種子島の安納地区を中心に栽培されています。種子島は日本ではじめてさつまいもの栽培が定着した土地で、その歴史は元禄11年(1698年)までさかのぼります。当時の島主が、琉球(現在の沖縄県)から持ち帰ったさつまいもの栽培をはじめたことから、やがて島中でさつまいもの栽培が行われるようになりました。その後、第二次世界大戦の際に、スマトラ島のセルダンという地域から持ち帰った芋が、安納紅のルーツになっていると言われています。

平成10年に安納芋と安納こがねは品種登録され、苗や種、販売などを独占できる「育成者権」の期限が切れるまでは種子島の島内のみで生産されてきました。現在は種子島以外の地域でも安納紅が生産されるようになったものの、ほかの地域では土壌などの環境が異なることから、同じようには栽培できず、流通量は限られています。

収穫時期

安納紅は2月頃から苗の育成を行い、苗を畑に植え付けるのは4月下旬から7月上旬まで、収穫は9月下旬から12月上旬頃が目安です。まず種芋から苗を育て、30センチほどの長さになったらカットして3日前後寝かせ、畑に植え付けます。植え付けから収穫まではおよそ120〜140日かかります。育成期間が長くなるほど実は大きくなりますが、形や味が悪くなることがあるため、適当な時期に収穫することが重要です。収穫後は1カ月ほど寝かせ、甘さを引き出してから出荷するため、旬は11月から1月頃までとなっています。

栄養

安納紅はほかのさつまいもに比べて、βカロテンの含有量が豊富です。加熱すると特徴的なオレンジ色になるのは、βカロテンが多く含まれることが関係しています。また、ショ糖が多く、保水性が高いためねっとりとした食感が生まれるのです。果糖の量も、さつまいもの代表的な品種である「高系14号」に比べて豊富なため、加熱後に冷やしたときにより強い甘みを感じます。安納紅特有のねっとりとした食感を引き出すには、低温からゆっくりと時間をかけて加熱することが必要です。電子レンジやフライパンを使用して高温短時間で調理すると、安納芋らしい食感を引き出すことが難しくなってしまいます。

安納紅のおいしい食べ方

安納紅はねっとりとした食感と甘さが魅力のさつまいも。以下ではそのおいしさを楽しむための食べ方を3つ紹介します。

アイス風冷凍焼き芋

安納紅の焼き芋は、糖度が高いことから凍らせても硬くなりづらく、アイスのように食べることができます。焼き芋は輪切り、または縦半分に切って凍らせます。冷凍庫から出して5分ほど置いておくと、スプーンですくって食べやすいですよ。果糖を多く含む安納紅は、冷やすことで甘さを感じやすくなります。

ダイエット中で脂質を控えているときなど、アイスクリームの代わりにこちらの冷凍焼き芋を楽しんでみてはいかがでしょうか。

さつまいもチップス

糖度の高い安納紅は、さつまいもチップスにして食べるのもおすすめ。薄切りにして少量の油を和えてからオーブンで焼けば、油分を控えることができます。砂糖はお好みで焼く前に少量まぶしても良いですが、何も加えずに作ってもほんのりと優しい甘さがあるため、おいしく食べられますよ。

さつまいもドーナツ

水分と糖分を多く持つ安納紅は、薄力粉や卵をまぜて、コロコロと丸めて揚げれば簡単にドーナツが作れます。中に小さく切ったチーズを入れると、乳製品のコクがプラスされてより味わい深いおいしさに。また、タンパク質、ビタミン、カルシウムなど栄養のバランスも整うので、小さなお子さんのおやつにおすすめです。

まとめ

安納紅は種子島の豊かな土壌に育まれたさつまいも。独特のねっとりした食感と甘さが魅力です。生産量が限られているため、スーパーで見かけることが少ないかもしれませんが、オンラインなら手軽に入手できます。ぜひ一度そのおいしさを味わってみてください。