秋の味覚の代表格、さつまいも。おやつやおつまみにぴったりのさつまいもスティックですが、ご家庭で作るとなると油の処理が大変だったり、べちゃっとしてお店のような食感にならなかったり、というお悩みも少なくないのではないでしょうか。この記事では、フライパンひとつ、少ない油で手軽に作れる基本のレシピを徹底解説します。さらに、食感を格上げするプロの裏ワザから、揚げずに作るヘルシーな調理法、便利な冷凍保存のコツまで網羅しました。この記事を最後まで読めば、誰でも失敗することなく、外はカリカリ、中はホクホクの絶品さつまいもスティックが、いつでもご家庭で楽しめるようになります。
フライパンひとつで完成!絶品さつまいもスティックの作り方
秋の味覚の代表格、さつまいも。その甘みを存分に活かしたおやつといえば、やはり「さつまいもスティック」ではないでしょうか。お店で買うようなカリカリ、ホクホクの食感を、ご家庭のフライパンひとつで、しかも少ない油で手軽に再現できるとしたら嬉しいですよね。ここでは、お子様のおやつにも、大人のおつまみにもぴったりな、基本のさつまいもスティックの作り方を丁寧にご紹介します。後片付けの手間も少なく、思い立ったらすぐに作れるこのレシピは、きっとあなたの定番になるはずです。
さつまいもスティック作りに必要な材料一覧
まずは基本となる材料を揃えましょう。今回はどのご家庭にもあるような、シンプルな材料で作るレシピです。さつまいもは、紅はるかやシルクスイートのようなねっとり甘い品種でも、鳴門金時のようなホクホクとした食感の品種でも、どちらでも美味しく仕上がります。お好みのものをご用意ください。
| 材料名 | 分量 |
|---|---|
| さつまいも | 1本(約300g) |
| 片栗粉 | 大さじ2 |
| サラダ油(または米油) | 大さじ3〜4 |
| バター(有塩) | 10g |
| 砂糖 | 大さじ1 |
| 塩 | 少々 |
味付けはお好みでアレンジ自在です。砂糖の代わりにハチミツやメープルシロップを使えばコクのある甘みに。また、醤油を少し垂らして甘じょっぱい「大学いも風」にしたり、黒ごまや青のりを振りかけたりするのもおすすめです。
調理手順をステップごとに紹介
ここからは、実際の調理手順を4つのステップに分けて詳しく解説していきます。難しい工程は一切ありませんので、料理が苦手な方でも安心して挑戦してみてください。ひとつひとつの作業を丁寧に行うことが、美味しさへの一番の近道です。
ステップ1 さつまいもを切って水にさらす

まず、さつまいもをよく洗い、土を落とします。皮はお好みで剥いても、そのままでも構いません。皮付きのほうが風味や栄養価が高く、彩りも良くなります。次に、長さ5〜7cm、太さ1cm角程度の棒状に切り揃えていきましょう。太さを均一にすることで、火の通りが均等になり、食感のムラがなくなります。

切り終えたさつまいもは、ボウルに入れてたっぷりの水に5〜10分ほどさらしてください。このひと手間で、さつまいものアクが抜けて変色を防げるだけでなく、表面の余分なでんぷんが洗い流され、カリッとした食感に仕上がりやすくなります。
ステップ2 水気を拭き取り粉をまぶす

水にさらしたさつまいもをザルにあげ、キッチンペーパーを使って表面の水分を丁寧に拭き取ります。ここで水分が残っていると、油がはねる原因になったり、衣がべちゃっとしてしまったりします。カリッとした食感を実現するための最も重要な工程ですので、水気はしっかりと拭き取ってください。

水気を拭き取ったら、ポリ袋にさつまいもと片栗粉を入れ、袋の口を閉じて空気を含ませるようにして、全体を優しく振ります。こうすることで、手を汚すことなく、さつまいも一本一本に薄く均一に粉をまぶすことができます。
ステップ3 フライパンで揚げ焼きにする

フライパンにサラダ油を入れ、中火にかけます。油の量は、さつまいもが半分浸るくらいが目安です。たっぷりの油で揚げる必要はなく、「揚げ焼き」にするのが手軽さのポイントです。油が温まったら、粉をまぶしたさつまいもを重ならないように並べ入れます。
ここでのコツは、すぐに触らず、片面にこんがりとした焼き色がつくまでじっくりと待つこと。頻繁に動かすと衣が剥がれやすくなってしまいます。片面に焼き色がついたら裏返し、全体がきつね色になるまで5〜6分ほど、時々転がしながら揚げ焼きにしてください。竹串などを刺してみて、スッと通れば火が通った合図です。
ステップ4 熱いうちに味を絡める

さつまいもに火が通ったら、一度火を止めるか、極弱火にします。フライパンに残った余分な油をキッチンペーパーで軽く拭き取ると、味が絡みやすくなります。そこにバターと砂糖、塩を加え、フライパンを優しく揺すりながら全体に手早く絡めていきましょう。
さつまいもが熱いうちに味付けをすることで、バターや砂糖がすっと溶けて味がよくなじみます。調味料が焦げ付きやすいので、必ず火を弱めるか止めてから作業するのが失敗しないコツです。全体に味が絡んだら、お皿に盛り付けて完成です。出来立てのカリッ、ホクッとした食感をぜひお楽しみください。
プロの技!さつまいもスティックの食感を格上げする裏ワザ
いつものさつまいもスティックを、まるでお店で出てくるような一品に変身させる、ちょっとした裏ワザをご紹介します。食感を自在に操るための加熱方法には、実は科学的な根拠があるのです。ほんの少し手間を加えるだけで、カリカリ感やホクホク感が格段に向上し、食べる手が止まらなくなること間違いありません。ご家庭で眠っているさつまいものポテンシャルを、最大限に引き出してあげましょう。
二度揚げでさらにカリカリ食感に

天ぷらやフライドポテトの世界では定番の「二度揚げ」。この技法は、さつまいもスティックの食感を劇的に向上させるための最も効果的な方法のひとつです。なぜ二度揚げするとカリカリになるのか、その秘密は水分にあります。一度目の揚げで内部の水分をじっくりと抜き、二度目の高温の揚げで表面に残った水分を一気に蒸発させることで、あの理想的なカリッとした衣が生まれるのです。
手順は少しだけ増えますが、その価値は十分にあります。ポイントは、一度目と二度目で油の温度を変えること。この一手間が、感動的な食感への近道です。
| 工程 | 油の温度 | 時間の目安 | 目的とポイント |
|---|---|---|---|
| 一度目の揚げ | 160℃(低温) | 5〜7分 | さつまいもの中心までじっくり火を通し、内部の水分を穏やかに抜く。竹串がスッと通るくらいが目安です。 |
| 休ませる | – | 3〜5分 | バットなどに取り出し、粗熱を取ります。この間に余熱で火が通り、表面に水分が浮き出てきます。 |
| 二度目の揚げ | 180℃(高温) | 1〜2分 | 表面の水分を一気に飛ばし、衣をカリッとさせます。きつね色になったら、すぐに引き上げましょう。 |
二度目の揚げは高温で短時間勝負。揚げすぎると焦げてしまうので、色づきをしっかりと見極めるのが美味しく仕上げるコツです。この方法で揚げたさつまいもスティックは、時間が経ってもカリカリ感が持続しやすくなります。
冷たい油からじっくり加熱でホクホクに

「カリカリもいいけれど、さつまいも本来のホクホクとした食感と甘さを楽しみたい」という方には、こちらの方法がおすすめです。通常、揚げ物は熱した油に食材を入れますが、あえてフライパンにさつまいもと冷たい油を一緒に入れてから火にかけるのです。
この「コールドスタート」と呼ばれる調理法には、大きなメリットがあります。それは、低温の状態からゆっくりと温度が上がる過程で、さつまいもに含まれる酵素(β-アミラーゼ)が活発に働き、デンプンを麦芽糖へと分解してくれること。つまり、さつまいもの甘みを最大限に引き出しながら、中心部まで均一に熱を通すことができるのです。結果として、外はカリッと、中は驚くほどホクホクで甘い、理想的なさつまいもスティックが完成します。
また、油が急に高温にならないため、油はねが少なく、揚げ物初心者の方でも安心して挑戦できるのも嬉しいポイント。少ない油で揚げ焼きにする際にも応用できる、まさにプロの裏ワザと言えるでしょう。黄金色に色づくまで、じっくりとさつまいもと向き合う時間もまた、おいしさのスパイスになります。
調理法別さつまいもスティックの作り方
フライパンで揚げ焼きにするのが王道ですが、さつまいもスティックの楽しみ方はそれだけではありません。使う調理器具を変えるだけで、食感や風味、そして手軽さが大きく変わってきます。ここでは、揚げ油を使わないヘルシーな「オーブントースター編」と、火を使わずに驚くほど手軽に作れる「電子レンジ編」の二つのレシピをご紹介します。それぞれの特徴を知って、その日の気分や目的に合わせて作り分けてみるのも楽しいものでしょう。
| 調理法 | 食感の特徴 | 手軽さ | おすすめのシーン |
|---|---|---|---|
| オーブントースター | 表面はカリッと香ばしく、中はホクホク | 油の処理が不要で簡単 | カロリーを抑えたい時や、ヘルシーなおやつに |
| 電子レンジ | しっとり、ホクホクとした優しい食感 | 火を使わず最も手軽で時短 | すぐに食べたい時や、小さなお子様向けの離乳食・幼児食に |
揚げないからヘルシー オーブントースター編

揚げ物は美味しいけれど、油の準備や後片付けが少し大変だと感じることもありますよね。そんな時にこそ、オーブントースターの出番です。少量の油を絡めて焼くだけで、揚げたようなカリッとした食感と、さつまいも本来の甘みが凝縮された、まるでスイーツのような一品が完成します。キッチンに立つのが少し億劫な日でも、これなら気軽に挑戦できるのではないでしょうか。
材料(2人分)
- さつまいも:1本(約250g)
- オリーブオイル(または米油、サラダ油):大さじ2
- 塩:少々
- お好みで砂糖、シナモンパウダー、黒ごまなど
作り方
- さつまいもをよく洗い、皮付きのまま7mm~1cm角のスティック状に切ります。切ったさつまいもは、ボウルに入れて5分ほど水にさらし、アクを抜きます。
- キッチンペーパーでさつまいもの水気を丁寧に拭き取ります。ポリ袋にさつまいもとオリーブオイル、塩を入れて口を閉じ、全体に油が均一に絡まるようによく振ります。
- オーブントースターの天板にクッキングシートを敷き、さつまいもが重ならないように広げて並べます。ここで隙間をあけて並べるのが、カリッと仕上げるための大切なポイントです。
- 1000Wのオーブントースターで15分~20分ほど、表面にこんがりと焼き色がつくまで加熱します。途中で一度扉を開け、全体を軽く混ぜると焼きムラがなくなります。竹串がすっと通るくらい柔らかくなれば完成です。熱いうちに、お好みで砂糖やシナモンパウダーをまぶしてお召し上がりください。
もっと手軽に 電子レンジ編

「とにかく時間がない」「火を使わずに作りたい」という方には、電子レンジを使った調理法が最適です。カリッとした食感にはなりませんが、さつまいものホクホク感を最大限に引き出した、素朴で優しい味わいのスティックが作れます。加熱時間も短く、耐熱皿ひとつで完結するので、洗い物が少ないのも嬉しいところ。小さなお子様向けの、柔らかいおやつとしてもぴったりです。
材料(2人分)
- さつまいも:1本(約250g)
- バター(有塩):10g
- 砂糖:大さじ1
- 醤油:少々(お好みで)
作り方
- さつまいもは皮付きのままよく洗い、スティック状にカットして5分ほど水にさらします。
- 水気を軽く切ったさつまいもを、重ならないように耐熱皿に並べます。
- ふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で4分~5分加熱します。加熱しすぎると水分が飛んで固くなってしまうので、様子を見ながら調整してください。
- 竹串を刺して、すっと通るくらい柔らかくなっているのを確認したら、熱いうちにバター、砂糖、お好みで醤油を加えて全体を優しく和えます。バターが溶けて全体に絡んだら出来上がりです。メープルシロップやはちみつでアレンジするのもおすすめです。
さつまいもスティックの冷凍保存テクニック
ついつい美味しくて、さつまいもを一本まるごとスティックにしてしまった、なんて経験はありませんか。たくさん作ったさつまいもスティックは、上手に冷凍保存することで、いつでも手軽に楽しむことができます。お弁当のすき間を埋める一品として、あるいは急な来客時のお茶請け、小腹が空いた時のおやつにと、冷凍庫にストックしておくと本当に重宝しますよ。
ここでは、美味しさを損なわないための冷凍前の下処理から、食べる時の解凍方法まで、その秘訣を丁寧にご紹介します。このひと手間が、後で味わう感動につながるんです。
冷凍する前の下処理
さつまいもスティックを冷凍するタイミングは、「揚げる前」と「揚げた後」の2通りあります。それぞれにメリットがあり、用途によって使い分けるのがおすすめです。どちらの方法でも共通する大切なポイントは、さつまいもの水分をしっかり管理し、急速冷凍で美味しさを閉じ込めることです。
まずは、それぞれの方法の違いを比べてみましょう。
| 冷凍方法 | メリット | こんな時におすすめ |
|---|---|---|
| 揚げる前に冷凍 | いつでも揚げたてのカリカリ食感を楽しめる。 | 時間がある時に下ごしらえだけ済ませておきたい時。 |
| 揚げた後に冷凍 | 電子レンジやトースターで温めるだけですぐに食べられる。 | お弁当のおかずや、すぐに食べたい時のおやつ用の作り置き。 |
次に、具体的な手順を見ていきましょう。
揚げる前に冷凍する場合
揚げたての味をいつでも再現したいなら、この方法が一番です。下準備の段階で冷凍します。
- さつまいもをスティック状に切り、水にさらしてアクを抜きます。
- キッチンペーパーで、表面の水分を徹底的に、丁寧に拭き取ります。ここに水分が残っていると、霜がついてしまい、揚げる時に油はねの原因になったり、食感が悪くなったりします。
- 金属製のバットなどに、スティック同士が重ならないように広げて並べます。金属製のバットを使うことで熱伝導が良くなり、素早く冷凍することができます。
- ラップをかけて冷凍庫で凍らせます。完全に凍ったら、ジップロックなどの冷凍用保存袋に移し、空気を抜いて口を閉じて保存します。保存期間の目安は、およそ1ヶ月です。
揚げた後に冷凍する場合
調理の手間を省き、すぐに食べられるようにしておきたい場合に最適な方法です。
- 揚げたさつまいもスティックを、キッチンペーパーなどを敷いたバットの上でしっかりと油を切ります。
- 湯気が出なくなるまで、完全に粗熱を取ります。熱いまま袋に入れてしまうと、蒸気で水滴がつき、べちゃっとした食感になってしまいます。うちわなどで扇いであげると、早く冷ますことができますよ。
- 揚げる前と同様に、金属製のバットに重ならないように並べ、急速冷凍します。
- 凍ったら冷凍用保存袋に移し、空気を抜いて保存します。こちらも保存期間の目安は1ヶ月ほどです。
美味しく食べるための解凍方法
冷凍したさつまいもスティックを、いかに美味しく食卓へ届けるか。ここが腕の見せ所です。冷凍状態に合わせた最適な解凍方法で、その美味しさを最大限に引き出してあげましょう。
「揚げる前」に冷凍したスティックの場合
こちらは非常にシンプルです。解凍はせず、凍ったままの状態で油に入れて揚げてください。凍ったまま揚げることで、水分が抜けてカリッとした食感に仕上がります。もし解凍してしまうと、さつまいもから水分が出てしまい、揚げてもべちゃっとした仕上がりになりがちです。油の温度が下がりすぎないように、一度にたくさん入れず、数回に分けて揚げるのがコツです。通常の時間よりも少し長めに、じっくりと火を通してください。
「揚げた後」に冷凍したスティックの場合
温め直すだけで食べられる手軽さが魅力ですが、その方法によって食感が変わってきます。目指したい食感に合わせて、道具を使い分けましょう。
| 再加熱方法 | 特徴 | ポイント |
|---|---|---|
| オーブントースター | カリカリ食感が復活し、揚げたてに近い味わいになります。一番おすすめの方法です。 | 凍ったままアルミホイルに並べ、様子を見ながら数分間加熱します。焦げ付きそうな場合は、上からアルミホイルをかぶせてください。 |
| 電子レンジ | 最も手軽でスピーディーですが、食感はホクホク、しっとりとした仕上がりになります。 | 耐熱皿に重ならないように並べ、ラップをせずに温めます。加熱しすぎると硬くなるので、短い時間から試すのが良いでしょう。 |
| フライパンで乾煎り | 油を使わずに、弱火でじっくりと温めることで、表面の水分が飛んでカリッとした食感が戻ります。 | テフロン加工のフライパンなどを使い、凍ったままのスティックを並べて、時々転がしながら全体が温まるまで加熱します。 |
さあ、これでいつでも美味しいさつまいもスティックが食卓に並びますね。作り置きの達人になった気分で、日々の食生活をさらに豊かにしてみてはいかがでしょうか。
まとめ

今回は、ご家庭のフライパンひとつで手軽に作れる、絶品さつまいもスティックの作り方をご紹介してまいりました。さつまいもの切り方から揚げ焼きのコツ、そして味付けまで、ほんの少しのポイントを押さえるだけで、驚くほど美味しい一品が完成します。
さらにカリカリとした食感を追求するなら「二度揚げ」、中のホクホク感を引き出すなら「冷たい油からの加熱」が、美味しさを格段に引き上げる秘訣なのです。また、オーブントースターや電子レンジを使えば、揚げずにヘルシーに仕上げることもできますので、ご自身のライフスタイルに合わせて調理法を選べるのも魅力ではないでしょうか。
作り置きに便利な冷凍保存の方法も活用すれば、小腹が空いた時にも重宝することでしょう。この記事を参考に、ぜひご家庭で、思わず手が伸びるさつまいもスティック作りを楽しんでみてください。








