高級スーパーで買える!干し芋を食べ比べてみた

干し芋と聞くと昔ながらの素朴なおやつをイメージする方も多いかもしれませんが、最近ではその価値が再評価され、特に高級スーパーで販売される干し芋は一味違います。高品質で手間暇をかけた「謹製」の干し芋や、厳選された茨城県産紅はるかを使用した贅沢な逸品が並びます。甘さと食感の絶妙なバランス、表面の白い粉の甘美な秘密…本記事では、成城石井で出会えるプレミアムな干し芋や冷やし焼き芋を食べ比べしています。高級スーパーではどんな干し芋が買えるのか?という素朴な疑問から今回の食べ比べに至ったわけですが、ただの食べ比べではなく干し芋の甘さを決めるポイントの白い粉(麦芽糖)。白い粉はこうすれば更に美味しく食べれるということも見つけましたので是非!最後までご覧ください!

高級スーパーとは?

高級スーパーと言われているスーパーがありますが、最初、どんな店?どんな品揃え?普通のスーパーと何が違う?とピンとくるものが全くありませんでした。まあ、地方から東京へ出て来て、スーパーに高級があるんだぁ~ということが分かったくらいだったかもしれません。そんな私が高級スーパーを調べてみますと、高級スーパーと言われているような日本で言えば成城石井、紀ノ国屋ではないでしょうか?一般的なスーパーと言われるスーパーよりも高品質なアイテム、サービスを提供しているスーパーとのことです。

成城石井イメージ

行ってみれば一目瞭然ですが、食品や飲料、日用品の品揃えが一般的なスーパーとは全く異なります。輸入品や〇〇産(国産)の有機野菜を中心とした青果物、ジュースはストレートジュース(まあお高いけど美味しいのですけど)ブランドスイーツや希少価値の高い食材も普通に陳列してあったりと一般的なスーパーとは商品の陳列の仕方も大きくことなるわけです。商品の価格も通常より高めな商品が多いです。そんな高級スーパーと言われる成城石井ではどんなさつまいもスイーツ(干し芋等)が置いてあるのか?気になりません?他の記事でスーパーで買える干し芋の食べ比べをしてあるので高級スーパーと置いてある干し芋(さつまいもスイーツ)はどこが違う?というのを実際に行って買って食べてみました!

高級スーパー「成城石井」で買える干し芋

成城石井の干し芋の棚

高級スーパー成城石井で買える干し芋を探しに成城石井へ行ってみました。店内を色々と探してみるとさつまいもスイーツと言われる干し芋やん?冷やし焼き芋?も。最近、冷やし焼き芋はコンビニでも手軽に買えることで人気になっている新しい焼き芋の食べ方のひとつの商品です。熱々の焼き芋ではなく冷やすことで糖度が上がり、健康効果も多々…ダイエット効果も多々…そんな食べ方の焼き芋です。これは別の記事(コンビニの冷やし焼き芋を食べ比べてみた)で紹介していますので気になる方はチェックしてみてください。

成城石井で買える干し芋

さて、話が脱線してしまいましたが、この陳列方法を一般的なスーパーとはちょっと異なりますよね。ということで成城石井で買える干し芋と折角なの冷やし焼き芋を買ってみました。

照沼 [熟成]甘藷蒸切干 謹製 平干し芋(紅はるか)698円

照沼 [熟成]甘藷蒸切干 謹製 平干し芋(紅はるか)

ん~商品名からして高そうな干し芋。パッケージを見て行くと使用されているのは有機JAS認証の茨城県産紅はるかを使用しているとのこと。どうやら第3回さつまいも博グランプリを受賞した紅はるかのようです。商品パッケージによると収穫した薩摩芋を蒸して干す昔から変わらない製法で芋本来の自然の味を引き出すため、農薬・化学肥料に頼らない栽培にこだわったサツマイモを使用しており、謹製と銘打った商品はその中でも厳選された商品とのことです。因みに謹製とは?ですが、特に丁寧に誠意を込めて作ったもの作られたものを示す言葉で、一般的に製品や商品に対して使用され、職人や商品の製作者が真心を込めて作ったものということを強調している言葉とのことです。特に食品や伝統工芸品等でこの「謹製」という言葉を使用している商品を見かけることが多いそうです。そんな謹製の干し芋、気になる味は?

照沼 [熟成]甘藷蒸切干 謹製 平干し芋(紅はるか)中身

謹製…そのまま袋から取り出して食べてみると食感はやや硬め。以下で説明をする「雪の華」と「金の干し芋」の中間くらいの柔らかいがしっかりと食感もあるという感じです。

照沼 [熟成]甘藷蒸切干 謹製 平干し芋(紅はるか)アップ

甘さも同じように「雪の華」と「金の干し芋」の中間のような感じで程よい甘さです。でもこれくらいの程よい甘さであれば油断をすると一袋をペロッと食べてしまう恐ろしさもあるので注意が必要なのかもしれません。丁度良いという言葉がぴったりの甘さ、食感の干し芋であることは間違いありません。

栄養成分表示(100g当たり)
エネルギー:303kcal
たんぱく質:3.1g
脂質:0.6g
炭水化物:71.9g
糖質:66.0g
食物繊維:5.9g
食塩相当量:0.05g

照沼 雪の華 茨城県産干し芋(紅はるか)498円

照沼 雪の華 茨城県産干し芋(紅はるか)

他の干し芋と大きく違うのは一目瞭然です。商品名が雪の華というだけあって干し芋の表面にはでん粉が糖化された白い粉がびっしりとついています。この白い粉は干し芋の甘さ、美味しさを目で確認ができるものの一つです。

なぜ白い粉がつくの?

干し芋についている白い粉は、麦芽糖だとお話しました。なぜ、麦芽糖が白い粉として表面に現れるのかというと、サツマイモを干すことによる乾燥が原因です。干し芋になる前のさつまいもの状態や加工時期、干し芋になってからの保管状況によって、白い粉が出るタイミングはさまざまです。出来たての干し芋には白い粉はつきませんが、できてから数週間~1か月ほどで白い粉が出始めます。白い粉の付き方はさまざまで、表面にぽつぽつとついている場合もあれば、全体的に白い粉をまとったような場合もあります。初めて白い粉のついた干し芋を見た方は、「もうカビが生えてしまったの?」と驚いてしまうかも知れませんね。この白い粉が出てきた干し芋をトースターで少し炙って食べると、とても美味しいのですよ。

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照沼 雪の華 茨城県産干し芋(紅はるか)中身

この記事の通り、さつまいものでん粉が糖化して表面に白い粉が出てきます。この状態の干し芋は、甘く美味しい干し芋なのです。表面に白い粉が雪の結晶のように見えることから「雪の華」という商品名にしているとのことです。

照沼 雪の華 茨城県産干し芋(紅はるか)の表面の白い粉

表面に浮き出ている白い粉を舐めてみました。麦芽糖ですので自然な甘さが心地よい感じでした。袋から取り出してそのまま食べてみました。干し芋の甘さは3種類の干し芋の中で断トツでした。しかし、少し固めかもしれません。紅はるかのねっとりしっとりした手で持つと曲ってしまうくらいの柔らかい干し芋を食べてきているので少し固めと思ってしまったのかもしれません。

オーブンで炙った味は?

照沼 雪の華 茨城県産干し芋(紅はるか)焼いてみた

最近の干し芋は、柔らかいので袋をあけてそのまま食べてしまうことが多いのですが、昔の干し芋は、バターを乗せてレンジアップをして食べることが普通だと思っていました。雪の華は麦芽糖が多めについており、若干固めということでオーブンで少しだけ炙ってみました。干し芋を入れて表面がブツブツと蜜が出て来るくらい(2分程度)です。

照沼 雪の華 茨城県産干し芋(紅はるか)焼いた方が美味

炙った干し芋は、麦芽糖の部分が少しパリパリになり、中は半熟のような食感でかなり美味。麦芽糖が多い干し芋は炙ると味や食感が大きく変わる!ということ分かりました。これからは麦芽糖(白い粉)が表面に多めについている干し芋は少しだけ炙って食べるようにしたいと思います。本当に驚くくらい味も食感も変わりますよ。

栄養成分表示(100g当たり)
エネルギー:303kcal
たんぱく質:3.1g
脂質:0.6g
炭水化物:71.9g
糖質:66.0g
食物繊維:5.9g
食塩相当量:0.05g

金の干し芋(紅はるか)458円

金の干し芋(紅はるか)

この干し芋は色々なところで見たことがあるくらい有名な干し芋です。黄金色をした紅はるかの干し芋と言えばこの商品という感じではないでしょうか?商品パッケージにも「蜜芋」と呼ばれる茨城県産紅はるかを使い、特殊製法で製造したとあるように蜜芋を使用しているようです。因みに蜜芋の定義とは?こんな感じのさつまいもを指します。

蜜芋の定義とは?

焼いたときに、皮からたっぷりの蜜が出てくる蜜芋。そもそも、蜜芋はなぜ甘くなるのでしょうか。蜜ができる仕組みとしては、さつまいもに含まれるデンプン質が関係しています。このデンプン質が、ベータアミラーゼという酵素によって、麦芽糖と呼ばれる、糖に変換されることで蜜ができます。麦芽糖というのは水あめの主成分でもあるので、甘いのは納得ですね。しかし、これは、すべてのさつまいも起こるわけではありません。一部の、「蜜芋」と呼ばれる品種のさつまいもに含まれる、酵素の力と、その酵素がパワーを発揮できる温度で焼くこと、また生のさつまいもの段階で、しっかり熟成させておくことによって蜜芋となります。

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商品パッケージの上から触っても干し芋の柔らかさが分かり、画像を撮影してみるとこんなに柔らかい状態の干し芋になります。特殊製法は天候の変動にあわせて乾燥温度、湿度を調整し、しっとり柔らかく、素材の旨みを凝縮しているとのことで、行っていることはもはや職人のやっていることを機械がやっているという感じかもしれません。特に和菓子の職人に多いのですが、雨が降っていれば餡の作業工程を少し変えたり、晴天が続いている時も作業工程を変える。このような感じかのかもしれません。それが天候の変動の乾燥状態、湿度ということだと思われます。黄金色の干し芋だから「金の干し芋」という商品名なのかも。

金の干し芋(紅はるか)中身

袋から取り出してみると…金の干し芋と商品名の通り、黄金色の干し芋です。もはやさつまいも?というくらいな柔らかさで手で持つとぐにゃりと曲ってしまうくらい柔らかい干し芋です。

金の干し芋(紅はるか)柔らかい

甘さも紅はるか独特の濃厚な甘さと食感は水分が多い為、しっとりねっとりと少し噛むと歯に付く感じのねっとり食感です。今の干し芋は紅はるかが主役と言っても過言ではないくらい紅はるかを使用している干し芋が多いのですが、その中でも群を抜く美味しさと甘さの干し芋でした。

同じように少し炙るとどうなる?

金の干し芋(紅はるか)焼いたが生のほうが美味

金の干し芋も同じように少しだけ炙ってみました。結論から書くと…金の干し芋は、袋から取り出してそのまま食べたほうが甘く柔らかい食感が楽しめるのでそのまま食べたほうが私は美味しかったです。炙ることにより、普通の干し芋になってしまうかな?と思います。あの柔らかさ、甘さを知っているからかもしれませんが…。

栄養成分表示(100g当たり)
エネルギー:309kcal
たんぱく質:3.8g
脂質:0.5g
炭水化物:72.4g
糖質:-
食物繊維:-
食塩相当量:0.03g

干し芋も主役が変わってきています

現在の干し芋市場では、紅はるかを使ったものが主流となり、多くの人々に親しまれています。一方で、昔ながらの玉豊を使用した干し芋は、見かける機会が少なくなりました。玉豊は長年干し芋に使われてきた品種で、その味わいや食感はどこか懐かしさを感じさせるものがあります。しっかりとした甘みと独特の食感を持つ玉豊の干し芋は、かつての主役であったことを感じさせる一品であり、今なお根強いファンが存在しています。玉豊の干し芋はこんな感じになります。

玉豊の干し芋は?

昔ながらの干し芋の多くは、表面が白い粉でおおわれた見た目をしていますが、この白い粉はさつまいもから出てきた「麦芽糖」です。十分に乾燥させる工程の中で、さつまいもに含まれるでんぷんが糖化して、麦芽糖となり表面に付着します。噛みしめるとしっかりとした歯ごたえがあり、乾燥過程で旨味と甘みが凝縮されているため、素朴な甘さが楽しめます。主に使用されているのは「玉豊」という品種で、出来上がった干し芋は、やや黒っぽい色をしています。

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濃密やきいも

濃密やきいも

干し芋とは異なりますがこちらも高級スーパー成城石井で販売していた冷やし焼き芋。パッケージを見てみるとこの冷やし焼き芋は貯蔵したさつまいもを使用して焼き芋にしたものとのことです。さつまいもは収穫をしたばかりだと糖度が上がっていない為、一般的なスーパーに陳列しているさつまいもも数週間、貯蔵したものになりますが、一定の温度、湿度で貯蔵を3カ月くらいするとねっとり系と言われる品種で且つ蜜芋と言われる品種だと手がベトベトになるくらい蜜が果皮からも出て来ることがあります。

濃密やきいも中身

そんな感じに貯蔵をしたさつまいもを焼き芋にしたものかと思われます。商品パッケージにはさつまいもの品種名は無かったのですが….。

濃密やきいも皮を剥く

まずは冷やし焼き芋の状態で食べてみました。見た目にもコンビニ等で買える冷やし焼き芋のように皮が少しふかふかとしており、皮を剥ぐと果肉は見た目にもしっとりねっとりとしているように見えます。食べてみると濃厚な焼き芋の甘さとしっとりねっとりとした食感で少し繊維質を感じるくらいの歯ごたえです。大きさも大、中、小とあったで中の大きさのものはあっという間に完食してしまうくらい美味しいです。

濃密やきいも-冷やし焼き芋の状態のまま食べる

やはり焼き芋は冷やすことにより感じる甘さ(糖度)は熱々の焼き芋より甘く感じるかもしれません。そこで…少し温めて食べてみると

濃密やきいもを焼いてみた

冷やし焼き芋状態の焼き芋を少しだけ温めて食べてみました。熱が入るのでよく食べている焼き芋になります。最初に冷やし焼き芋の冷やすことで甘く感じる焼き芋を食べてしまったので普通の焼き芋にしか感じられなかったのは少々残念でした。濃密やきいもを含め、冷やし焼き芋は、やはりそのまま冷やして…冷えている状態で食べるのが美味しいかもしれません。

栄養成分表示(100g当たり)
エネルギー:246kcal
たんぱく質:1.5g
脂質:0.5g
炭水化物:61.2g
糖質:56.5g
食物繊維:4.7g
食塩相当量:0.14g

まとめ

高級スーパーで買える干し芋のまとめ

高級スーパーで扱われる干し芋や冷やし焼き芋は、素材の品質と加工技術の高さで他とは一線を画します。成城石井で出会える干し芋は、茨城県産紅はるかを使った「謹製」のものから、表面に糖化した麦芽糖の白い粉がついた「雪の華」、柔らかく蜜の甘みを凝縮した「金の干し芋」など、どれも特別感がありました。干し芋表面の白い粉や、しっとりした食感に隠された秘密も興味深く、食べ方や炙り方によって変わる味わいも魅力のひとつでした。普段から食べ慣れている干し芋とは異なる、まるで高級和菓子のような逸品を楽しみつつ、贅沢な味わいを堪能ができ、白い粉(麦芽糖)は甘い干し芋のポイントだけではなく白い粉(麦芽糖)を活かした食べ方も偶然、発見できたのは筆者も驚きでした。少しオーバーですが、それくらい美味しかったです。干し芋の奥深い世界は食べ方次第で変わる!ということに触れたい方には、ぜひこの方法も試して欲しいです。