秋が深まると恋しくなる、さつまいもの優しい甘み。その魅力をぎゅっと閉じ込めたパウンドケーキは、おやつの時間の主役です。しかし、いざ自分で焼いてみると、お店のようなしっとり感が出ずにパサパサになってしまったり、なんだか味がぼやけてしまったり。そんな経験はないでしょうか。実は、プロが作るあの絶品の味わいと食感の秘訣は、さつまいもの丁寧な下ごしらえと、焼き上がりのほんのひと手間に隠されているのです。この記事では、失敗しない基本の作り方はもちろん、パサつきを防ぐプロの裏技、ホットケーキミックスや米粉を使ったアレンジレシピまで、誰でも必ず美味しく作れるコツを余すことなくご紹介します。
プロの殿堂入りレシピ さつまいもパウンドケーキの材料
秋の味覚の代表格、さつまいも。その自然で優しい甘さを存分に活かした、絶品のパウンドケーキのレシピをご紹介します。私たちがたどり着いたこの配合は、お店で売っているような本格的な味わいでありながら、ご家庭でも再現しやすいように工夫を重ねたものです。ポイントは、さつまいもの風味を最大限に引き出す材料のバランスにあります。まずは、この感動的なおいしさを作り出すための材料たちを揃えるところから始めましょう。
(パウンド型 18cm×8cm×高さ6cm 1台分)
| 材料名 | 分量 | 備考 |
|---|---|---|
| さつまいも | 正味250g | 皮をむいた後の重さです。紅はるか・シルクスイートなどの甘みが強い品種がおすすめ。 |
| 無塩バター | 100g | 必ず室温に戻しておきます。 |
| グラニュー糖 | 80g | 上白糖やきび砂糖でも代用可能です。 |
| 卵(Mサイズ) | 1個 | バターと同様に室温に戻すと分離しにくくなります。 |
| 薄力粉 | 80g | ふるっておくと仕上がりがふんわりします。 |
| アーモンドプードル | 20g | なければ薄力粉100gでもOK。加えるとコクとしっとり感がアップします。 |
| ベーキングパウダー | 小さじ1 | 薄力粉・アーモンドプードルと一緒にふるっておきます。 |
| 牛乳 | 大さじ2 | 生クリームに代えるとよりリッチな味わいに。 |
| ラム酒 | 大さじ1 | お好みで。ブランデーやバニラエッセンス数滴でも風味が増します。 |
| 黒いりごま | 適量 | トッピング用。香ばしさと彩りをプラス。 |
| はちみつ(またはメープルシロップ) | 大さじ1 | さつまいもの甘露煮用。ツヤと甘みが増します。 |
材料を準備する上での大切なポイント
最高のさつまいもパウンドケーキを作るためには、材料をただ計量するだけでなく、それぞれの状態を整えておくことが成功への近道です。ここでは、お菓子作りが初めての方でも失敗しないための、いくつかの重要な下準備についてお話しします。
バターと卵は必ず常温に戻す
パウンドケーキ作りの工程で最も起こりやすい失敗が、生地の「分離」です。これを防ぐために、バターと卵は必ず調理を始める1時間ほど前から冷蔵庫から出し、常温に戻しておいてください。バターは指で押すとスッとへこむくらいの柔らかさが理想です。バターと卵の温度が違いすぎると、油分と水分がうまく混ざり合わず、焼き上がりがパサついたり、油っぽくなったりする原因となってしまいます。
粉類はふるっておくひと手間を
薄力粉、アーモンドプードル、ベーキングパウダーは、混ぜ合わせる前に必ずふるいにかけておきましょう。このひと手間が、粉のダマを防ぎ、空気を含ませることで、きめ細やかでふっくらとした生地に仕上げるための秘訣です。特にアーモンドプードルは油分が多く固まりやすいので、丁寧にふるうことで生地全体に均一に混ざり、豊かな風味としっとり感をもたらしてくれます。
失敗しないさつまいもパウンドケーキの作り方
パウンドケーキ作りは一見すると単純な工程の繰り返しですが、実は一つひとつの作業に美味しさを引き出すための大切な意味が込められています。ここでは、お菓子作りが初めての方でもお店のような本格的な味を再現できるよう、基本の作り方を順を追って丁寧に解説していきます。これからご紹介するいくつかのポイントを心に留めておくだけで、いつものパウンドケーキが格段に美味しく仕上がりますよ。
さつまいもの下ごしらえ 角切りとマッシュ

物語の主役であるさつまいもの魅力を最大限に引き出すには、丁寧な下ごしらえが欠かせません。このひと手間が、ケーキ全体の風味と食感を大きく左右するのです。今回は、生地に練り込む「マッシュ」と、食感のアクセントになる「角切り」の2種類を用意していきましょう。

まず、さつまいもは皮をむき、1.5cm程度の角切りにします。切ったさつまいもはすぐに水に5分から10分ほどさらし、アクを抜いてください。この作業で、さつまいもの変色を防ぎ、えぐみのない澄んだ甘さを引き出すことができます。アク抜きが終わったら、耐熱皿に並べてふんわりとラップをかけ、電子レンジ(600W)で竹串がすっと通るくらい柔らかくなるまで5分ほど加熱します。もちろん、蒸し器でじっくり蒸すと、より一層しっとりと仕上がりますので、時間があればぜひ試してみてください。

加熱したさつまいものうち、生地に練り込む分は熱いうちにフォークの背などで丁寧につぶしてマッシュ状にします。より滑らかな食感をお求めなら、裏ごし器にかけるのがおすすめです。角切りの方は、飾り用と生地に混ぜ込む用に取り分けておきましょう。
バターと卵の混ぜ方 分離させないコツ
パウンドケーキ作りの工程で、多くの方がつまずきやすいのがバターと卵を混ぜ合わせる「乳化」の作業です。ここで生地が分離してしまうと、焼き上がりが油っぽくなったり、きめが粗くなったりする原因になります。しかし、原因と対策さえ知っていれば、決して難しい工程ではありません。

最大のコツは、バターと卵の温度を同じ「常温」に整えておくことです。バターは冷蔵庫から出し、指が抵抗なくすっと入るくらいの柔らかさになるまで室温に置いておきましょう。卵も同様に、使う30分〜1時間前には冷蔵庫から出しておきます。冷たい卵を一度に加えると、バターの油脂分が急激に冷えて固まり、水分と分離してしまうのです。
ボウルに柔らかくしたバターを入れ、ハンドミキサーでクリーム状になるまで混ぜたら、砂糖を2〜3回に分けて加え、その都度よくすり混ぜます。白っぽく、ふんわりと空気を抱き込んだマヨネーズのような状態になったら、溶きほぐした常温の卵を少しずつ、5回以上に分けて加えていきます。一回加えるごとに、ハンドミキサーで生地がなめらかにつながるまでしっかりと混ぜ合わせるのが分離させないための重要なポイントです。この丁寧な乳化作業が、きめ細かくしっとりとしたパウンドケーキの土台を築き上げます。
粉類を混ぜ合わせる

バターと卵が美しく混ざり合ったら、いよいよ粉類を加えていきます。ここでの目的は、焼き上がりが重たく硬くならないよう、グルテンの発生を最小限に抑えることです。ふんわり、ほろりとした理想の食感に仕上げるための、最後の繊細な作業と心得ましょう。
薄力粉とベーキングパウダーは、必ず合わせてふるいながら加えます。このひと手間で粉のダマがなくなり、空気を含んで軽くなるため、生地と均一に混ざりやすくなります。道具はハンドミキサーからゴムベラに持ち替えてください。

混ぜ方の極意は、ボウルの底から生地をすくい上げて返すように、さっくりと切るように混ぜることです。ぐるぐると練るように混ぜてしまうと、小麦粉のグルテンが過剰に発生し、粘りが出て硬い食感のケーキになってしまいます。粉気が少し残っているくらいの段階で混ぜるのをやめ、マッシュしたさつまいもと角切りさつまいもを加えて全体をさっと混ぜ合わせれば、生地の完成です。混ぜすぎは禁物、と覚えておいてください。
オーブンでの焼き時間と温度設定
丁寧に作り上げた生地を、いよいよオーブンで焼き上げていきます。最後の仕上げであるこの工程で失敗しないために、温度と時間の管理、そして焼き上がりの見極め方をしっかりと押さえておきましょう。オーブンは必ず、指定された温度まであらかじめ温めておく「予熱」を忘れないようにしてください。

生地を型に流し入れたら、表面をゴムベラで平らにならし、中央を少しへこませておくと、焼き上がりが均一に膨らみやすくなります。焼き時間の目安は以下の通りですが、お使いのオーブンの機種によって火力に差がありますので、あくまで参考として調整してください。
| 設定 | 目安 |
|---|---|
| オーブンの予熱温度 | 180℃ |
| 焼成温度と時間 | 170℃で40分〜50分 |

焼き始めて15分ほど経ち、表面に焼き色がついてきたら、一度取り出してナイフで中央にすっと一本切り込みを入れると、お店のパウンドケーキのように綺麗な「クープ(割れ目)」ができます。また、表面が焦げ付きそうな場合は、アルミホイルをふんわりとかぶせて焼き時間を調整してください。

焼き上がりを見極める最も確実な方法は、ケーキの中央に竹串を刺してみることです。抜いた竹串に、どろっとした生の生地がついてこなければ、中までしっかりと火が通っている証拠です。焼き上がったら型ごと少し高い位置からトンと落として蒸気を抜き、すぐに型から外して網の上で粗熱を取りましょう。
パサパサはもう卒業!しっとり食感にするプロの裏技
お店で買うような、あの口どけの良いしっとりとしたパウンドケーキ。ご家庭で作ると、どうしてもパサついてしまったり、固くなってしまったりと、悩んだ経験はありませんか。実は、ほんの少しのコツを知っているだけで、いつものパウンドケーキが驚くほど生まれ変わるのです。ここでは、パサつきとは無縁の、時間が経っても美味しい絶品しっとり食感に仕上げるためのプロの裏技を、材料選びから焼き上がりのひと手間まで、余すところなくお伝えします。
材料選びのポイント
しっとりとした食感の探求は、生地を混ぜ合わせるずっと前から始まっています。どのさつまいもを選ぶか、どんな粉や油脂を使うか。素材の一つひとつが、最終的な口当たりに大きく影響を与えるのです。まずは、理想の食感に近づくための材料選びの勘所を押さえましょう。
さつまいもの種類
主役であるさつまいもには、様々な品種があります。食感が「ホクホク系」のものと、「ねっとり系」のものに大別され、パウンドケーキにしっとり感を求めるなら、断然「ねっとり系」がおすすめです。水分量が多く、糖度も高い品種を選ぶことで、生地全体が自然な甘みと潤いをまといます。
| 品種名 | 食感タイプ | 甘さ | パウンドケーキへの適性 |
|---|---|---|---|
| 紅はるか | ねっとり系 | 非常に強い | ◎:加熱すると蜜があふれ、生地をしっとりさせてくれます。 |
| 安納芋 | ねっとり系 | 非常に強い | ◎:クリーミーな食感と濃厚な甘みが特徴です。 |
| シルクスイート | しっとり系 | 強い | ○:絹のような滑らかな舌触りが楽しめます。 |
| 鳴門金時 | ホクホク系 | 上品な甘さ | △:そのまま使うとパサつきやすいので、牛乳や生クリームを加えて調整するのがおすすめです。 |
| 紅あずま | ホクホク系 | やや強い | △:昔ながらのホクホク感。マッシュにする際に水分を加える工夫が必要です。 |
もしホクホク系のさつまいもを使う場合は、マッシュする際に牛乳や生クリーム、溶かしバターなどを少し加えて水分と油分を補ってあげると、しっとりとした生地に馴染みやすくなります。
粉類や油脂の選び方
脇役と思われがちな粉類や油脂も、食感を左右する重要な要素です。薄力粉の一部を別の粉に置き換えたり、油脂の種類を変えたりするだけで、仕上がりに大きな違いが生まれます。
例えば、薄力粉の10%~20%をアーモンドプードル(アーモンドパウダー)に置き換えると、アーモンドの持つ油脂分が生地にコクとしっとり感を与えてくれます。また、砂糖の一部をはちみつや水あめに変えるのも効果的です。これらの糖類は保湿性が非常に高いため、生地の水分をしっかりと抱え込み、パサつきを防いでくれるのです。
油脂については、バターの風味は格別ですが、冷えると固まる性質があります。しっとり感をより持続させたい場合は、バターの一部を太白ごま油や米油といった植物性のオイルに置き換えるのも一つの手です。オイルを使うと、冷めても柔らかく、きめ細やかな食感を保ちやすくなります。
生地作りのワンポイントアドバイス
材料が揃ったら、いよいよ生地作りです。ここでは、すべての材料が一体となり、最高の食感を生み出すための大切な工程です。特にバターと卵を混ぜ合わせる「乳化」は、しっとりパウンドケーキの心臓部とも言えるでしょう。ここで油分と水分がきちんと混ざり合っていないと、焼いている間に分離してしまい、パサつきや油っぽさの原因となります。卵は必ず常温に戻し、数回に分けて少しずつ加え、その都度ハンドミキサーで丁寧にかくはんすることが、成功への近道です。
また、粉類を加えてからの混ぜ方にも注意が必要です。粉を加えたら、決して練るように混ぜてはいけません。グルテンという粘りの成分が出すぎてしまい、ふんわり感のない、重たく固いケーキになってしまいます。ゴムベラを使い、底から生地をすくい上げて返すように、「の」の字を書くイメージでさっくりと混ぜ合わせ、粉気が見えなくなったらすぐに混ぜるのをやめましょう。
焼き上がりのひと手間で変わる保湿方法
無事にケーキが焼き上がっても、まだ気は抜けません。実は、オーブンから出した後の「保湿」こそが、プロの味に近づける最後の裏技なのです。このひと手間が、翌日、翌々日の美味しさを大きく左右します。
まず、オーブンから出したての熱々のうちに、刷毛を使ってシロップを打ちます。水と砂糖を同量で煮溶かしたシンプルなシロップでも良いですし、お好みでラム酒やブランデーを少し加えると、風味が一気に本格的になります。この作業は、焼き上がりの表面からの水分蒸発を防ぎ、内側に潤いを閉じ込めるための、非常に重要な工程です。
そして、ケーキクーラーの上で粗熱が取れ、まだほんのりと温かさが残っているうちに、ラップで隙間なくぴったりと包み込みます。こうすることで、ケーキ自身の蒸気が内部にこもり、全体がしっとりと落ち着きます。そのまま常温で一晩寝かせてみてください。生地の味が馴染み、驚くほどしっとりとした、一体感のある味わいに変化しているはずです。焦ってすぐに切り分けず、じっくりと待つ時間も、美味しさを育む大切なスパイスなのです。
材料別さつまいもパウンドケーキのレシピバリエーション
基本のレシピをマスターしたら、次は少しだけ冒険してみたくなりますよね。戸棚にあるあの粉を使ってみたらどうだろう、バターを切らしているけれど作れないだろうか。そんなあなたの探求心にお応えする、材料を少し変えるだけで全く違う表情を見せてくれる、さつまいもパウンドケーキのバリエーションレシピをご紹介します。手軽さを重視したい日、からだを想ってヘルシーに仕上げたい気分、そして大切な誰かのためのアレルギー対応まで。それぞれのシーンに寄り添うレシピが、きっと見つかるはずです。
ホットケーキミックスで手軽に作る方法

「お菓子作りはしたいけれど、材料を揃えたり、粉をふるったりするのは少し面倒…」そんな風に思うことはありませんか。その気持ち、とてもよく分かります。そんな時、私たちの強い味方になってくれるのがホットケーキミックスです。ベーキングパウダーや砂糖が絶妙なバランスで配合されているため、難しい計量は最小限に、粉をふるう手間も省けて、誰でも失敗知らずでふっくらとしたパウンドケーキを焼き上げることができます。
ホットケーキミックスには甘みがついている製品が多いため、基本のレシピから砂糖の量を少し減らすのが美味しく作るコツ。製品によって甘さも様々ですから、まずは半分ほどの量から試してみて、ご家庭のお好みの味を見つけていくのも楽しい作業です。材料を順番に混ぜていくだけで、驚くほど簡単にお店のようなさつまいもパウンドケーキが完成しますよ。
バター不使用でもコク旨 ヘルシーオイルレシピ

パウンドケーキの豊かな風味の主役ともいえるバターですが、使わずに作ることで、また違った魅力が生まれます。バターの代わりに植物油を使うことで、口当たりが軽やかになり、冷めてもしっとり感が長持ちするという嬉しい効果があるのです。バターを買い忘れてしまった時だけでなく、カロリーが気になる方や、少しヘルシーなおやつを楽しみたい時にもぴったりの選択肢です。
使うオイルの種類によって、風味や仕上がりが変わるのも面白いところ。それぞれの特徴を知って、あなたの理想のパウンドケーキを追求してみてください。
| オイルの種類 | 風味の特徴 | 仕上がりの食感 |
|---|---|---|
| 太白ごま油 | ごま特有の色や香りがなく無味無臭に近いため、さつまいもの繊細な甘みや風味を一切邪魔しません。 | しっとりとした仕上がりで、豊かなコクを与えてくれます。和の素材であるさつまいもとの相性は抜群です。 |
| 米油 | クセがなく、軽い風味が特徴です。酸化しにくいため、焼き菓子に使っても油っぽさを感じさせません。 | ふんわりと軽い食感に仕上がります。素材の味をストレートに楽しみたい時におすすめです。 |
| なたね油(キャノーラ油) | スーパーなどで手に入りやすく、風味も穏やか。日常使いしやすいオイルです。 | あっさりと軽やかな口当たりになります。毎日のおやつにも飽きのこない味わいです。 |
バターが持つ乳製品特有の深いコクとはまた違った、植物由来の軽やかな美味しさ。ぜひ一度、このヘルシーなレシピを試してみてはいかがでしょうか。
米粉で作るグルテンフリーさつまいもパウンドケーキ
近年、食の選択肢は多様化し、グルテンフリーを心掛けている方も増えてきました。小麦アレルギーをお持ちの方や、健康上の理由で小麦粉を控えている方にも、手作りの焼き菓子を心から楽しんでほしい。そんな想いから生まれたのが、米粉を使ったさつまいもパウンドケーキです。
米粉を使うことで生まれるのは、小麦粉のケーキとはひと味違う、お米ならではの優しい甘みともっちり、しっとりとした独特の食感です。米粉は粒子が細かいためダマになりにくく、粉をふるう手間を省けることが多いのも嬉しいポイント。さつまいものほっくりとした食感と、米粉のもちもち感が相まって、どこか懐かしく、心和む味わいのパウンドケーキが焼き上がります。
使用する際は、パン用や料理用ではなく、必ず「製菓用」と記載された米粉を選んでくださいね。お米の国、日本だからこそ生まれたこの美味しさを、ぜひあなたの手で作り出してみてください。
炊飯器や型なしで作るさつまいもパウンドケーキ
「パウンドケーキを焼きたいけれど、オーブンがない」「専用のパウンド型を持っていない」そんなふうに諦めてしまうのは、まだ早いかもしれません。実は、ご家庭にある炊飯器や身近なアイテムを使っても、お店のような本格的なさつまいもパウンドケーキを焼き上げることができるのです。ここでは、特別な道具がなくても挑戦できる、とっておきの方法をご紹介します。
炊飯器で簡単調理

オーブンの代わりに炊飯器を使えば、材料を混ぜてスイッチを入れるだけで、驚くほどしっとりとしたケーキが完成します。火加減の調整が不要で、焦がしてしまう心配が少ないのも嬉しいポイント。炊飯器ならではのじっくりとした加熱が、さつまいもの甘みを最大限に引き出し、きめ細やかで moist な食感を生み出します。
基本的な生地作りは通常のレシピと同様です。生地が完成したら、内釜にバターや油(分量外)を薄く塗り、生地を流し入れます。その後、数回トントンと釜を落として空気を抜き、表面をならしてから炊飯器にセット。「ケーキモード」や「調理モード」があればそちらを選択し、なければ通常の炊飯モードで加熱をスタートしてください。
炊き上がったら、竹串などを中央に刺してみて、生の生地がついてこなければ完成の合図です。もし生焼けの場合は、再度炊飯スイッチを押して様子を見ながら加熱を追加しましょう。機種によっては調理機能の使用が推奨されていない場合もありますので、ご使用の前に必ずお使いの炊飯器の取扱説明書をご確認ください。
パウンド型がない時の代用アイデア

パウンドケーキ専用の型がなくても、アイデア次第で様々なものが型の代わりになります。特に牛乳パックは手軽で扱いやすく、初心者の方にもおすすめです。ここでは、代表的な代用アイデアとそのポイントをまとめました。
| 代用品 | 特徴と作り方のポイント |
|---|---|
| 牛乳パック | 最も手軽で人気の代用方法です。1リットルサイズの牛乳パックをよく洗い、乾かしてから側面を一面だけ切り開きます。注ぎ口の部分を内側に折り込み、ホチキスで数カ所留めて長方形の箱型に整えれば完成。内側はコーティングされていますが、クッキングシートを敷くとさらに生地が取り出しやすくなります。 |
| 厚紙とアルミホイル | お好みのサイズの型を自作できます。お菓子の空き箱などの厚紙を使い、パウンドケーキの型と同じように組み立て、ホチキスで固定します。内側全体をアルミホイルやクッキングシートで覆うことで、生地が直接紙に触れるのを防ぎます。強度に少し不安が残るため、生地は型の8分目程度までにとどめておくと安心です。 |
| 耐熱容器 | グラタン皿やホーローバット、耐熱ガラス容器なども立派な焼き型になります。パウンドケーキ特有の長方形にはなりませんが、味わいは変わりません。容器の材質や大きさによって火の通り方が変わるため、レシピの焼き時間よりも少し短めに設定し、様子を見ながら調整するのが成功のコツです。 |
これらの代用アイデアを活用すれば、専用の道具がなくても、いつでも気軽にさつまいもパウンドケーキ作りをお楽しみいただけます。ご家庭にあるものを上手に使って、手作りおやつの時間を満喫してみてはいかがでしょうか。
まとめ

秋の恵み、さつまいもの甘みを存分に活かした、しっとり食感のパウンドケーキ。今回は、誰でも失敗なくプロの味を再現できる、殿堂入りのレシピをご紹介しました。基本の作り方から、材料や道具に合わせたアレンジ方法まで、この一本に美味しさの秘訣を詰め込んでいます。
パウンドケーキがパサついてしまう原因は、生地作りの工程と焼き上がりの処理にありました。バターと卵を分離させないこと、そして焼き上がりにひと手間かけて保湿すること。これが、お店のような口溶けの良さを生み出すための、何より大切な結論です。温かいうちにラップで包むことで、驚くほど生地がしっとりと落ち着きます。
オーブンから立ちのぼる甘い香りは、手作りならではの幸せな時間。このレシピが、あなたの食卓に温かい彩りを添えるきっかけとなれば幸いです。ぜひ、旬のさつまいもを使って、格別な味わいのパウンドケーキ作りに挑戦してみてください。








