さつまいものカロリーは1本あたり何kcal?調理法(焼き芋・ふかし芋)による違いも解説

秋風が心地よい季節になると、恋しくなるのが甘くてホクホクのさつまいも。その美味しさについ手が伸びてしまいますが、やはり気になるのはカロリーのことではないでしょうか。「ダイエット中は避けたほうがいいのかな」と感じる方も多いことでしょう。この記事では、さつまいも1本あたりのカロリーはもちろん、焼き芋やふかし芋といった調理法による違いを詳しく見ていきます。実は、さつまいもは食べ方次第でダイエットの強い味方にもなってくれるのです。ご飯やじゃがいもとの比較や、栄養を逃さずカロリーを抑える食べ方のコツまで、あなたの疑問にしっかりお答えしていきます。

さつまいものカロリーは100gあたり約126kcal

秋の味覚の代表格であるさつまいも。そのほっくりとした自然な甘さは、多くの人々を魅了してやみません。焼き芋や天ぷら、スイーツなど様々な料理で活躍してくれますが、甘みが強いだけに「カロリーはどのくらいあるのだろう?」と気になる方も多いのではないでしょうか。ダイエット中の方や健康を意識している方にとっては、特に知っておきたい情報かもしれません。

まずは基本として、生のさつまいものカロリーから見ていきましょう。文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)」によると、生のさつまいも(皮なし)のカロリーは100gあたり約126kcal、糖質量は29.7gです。この数値を基準にすると、普段私たちが手にするさつまいも1本あたりのカロリーが計算しやすくなります。

さつまいも1本あたりのカロリー目安

スーパーなどでさつまいもを選ぶとき、私たちは重さよりも「Sサイズ」や「Mサイズ」といった大きさで判断することが多いですよね。そこで、一般的なサイズごとの重さと、そこから計算したおおよつのカロリーの目安をご紹介します。ご家庭で調理する際の参考にしてみてください。

Sサイズ(約150g)のカロリー

さつまいも1本あたりSサイズ(約150g)のカロリー

比較的小ぶりで、おやつや一人分のおかずに使いやすいSサイズのさつまいも。重さの目安は約150gです。この場合のカロリーは、1本あたりおよそ189kcalとなります。小腹が空いたときの間食としても、ちょうど良いボリューム感ではないでしょうか。

Mサイズ(約250g)のカロリー

さつまいも1本あたりMサイズ(約250g)のカロリー

最もよく見かける標準的な大きさがMサイズのさつまいもで、重さは約250gが目安です。スーパーの店頭でも主役として並んでいることが多いサイズ感でしょう。こちらのカロリーは、1本あたりおよそ315kcalになります。主食のご飯(お茶碗1杯約150gで234kcal)と比べると少し高めですが、満足感は非常に高いです。

Lサイズ(約400g)のカロリー

さつまいも1本あたりLサイズ(約400g)のカロリー

ずっしりと重みのあるLサイズのさつまいもは、重さが約400gにもなります。家族みんなで食べる料理や、大学芋のようにたくさん作り置きしたい場合に重宝します。カロリーは1本あたりおよそ504kcalと、さすがに高めになります。一度にすべてを食べるというよりは、何回かに分けて楽しむのが良さそうです。

もちろん、これらの数値はあくまで目安です。さつまいもの品種や形、水分量によっても重さやカロリーは少しずつ変わってきますので、大まかな参考値として捉えていただければと思います。

【調理法別】さつまいものカロリー比較

さつまいもは、その素朴な甘みで私たちを魅了してくれますが、実は調理法ひとつでカロリーや糖質の量が大きく変わることをご存知でしょうか。ダイエット中の方や健康を意識している方にとっては、見過ごせないポイントですよね。ここでは、調理法ごとのさつまいものカロリーを詳しく比較し、その理由についても掘り下げていきます。

生のさつまいものカロリー

生のさつまいものカロリー

まず基本となる、生のさつまいものカロリーを見てみましょう。皮付きの生のさつまいも100gあたりのカロリーと糖質は以下の通りです。

  • カロリー:約126kcal
  • 糖質:約29.7g

これからご紹介する調理法で、この数値がどのように変化していくのかを比較する際の基準となります。

焼き芋のカロリー

焼き芋のカロリー

冬の風物詩でもある焼き芋。ねっとりとした甘さが特徴ですが、カロリーはどうでしょうか。

  • カロリー:約151kcal
  • 糖質:約35.5g

生のさつまいもと比較すると、100gあたりのカロリー・糖質ともに高くなっています。これは、加熱によって水分が蒸発し、その分さつまいもの成分が凝縮されるためです。また、じっくりと時間をかけて加熱することで、さつまいものでんぷんが糖に変わり、甘みが増すという特徴もあります。

ふかし芋(蒸し芋)のカロリー

ふかし芋(蒸し芋)のカロリー

焼き芋と並んで人気の調理法、ふかし芋(蒸し芋)のカロリーも確認してみましょう。

  • カロリー:約129kcal
  • 糖質:約29.2g

こちらは、生のさつまいもとほとんど変わらない数値ですね。蒸すという調理法は、水分を加えながら加熱するため、焼き芋のように水分が飛んで成分が凝縮されることが少ないのが理由です。ヘルシーにさつまいもを楽しみたい時には、おすすめの調理法と言えるでしょう。

天ぷらのカロリー

さつまいも天ぷらのカロリー

おかずやおつまみとして美味しいさつまいもの天ぷらは、注意が必要な調理法の一つです。

  • カロリー:約191kcal
  • 糖質:約32.2g

生のさつまいもと比べると、カロリーが大幅にアップしています。これは、衣に使われる小麦粉のカロリーが加わることに加え、調理の過程で揚げるための油をたっぷりと吸収するためです。美味しいからとついつい食べ過ぎてしまいがちですが、カロリーを気にしている時は量に気をつけたいところです。

大学芋のカロリー

大学芋のカロリー

甘い蜜が絡んだ大学芋は、おやつとして大人気ですが、そのカロリーは調理法の中でもトップクラスです。

  • カロリー:約281kcal
  • 糖質:約53.3g

さつまいもを油で揚げた上に、砂糖やみりん、水飴などで作った甘いタレを絡めるため、油と糖分の両方が加わり、カロリーも糖質量も非常に高くなります。特別な日に楽しむスイーツとして、少量いただくのが良さそうです。

干し芋のカロリー

干し芋のカロリー

自然な甘さが凝縮された干し芋は、栄養価も高いですが、カロリーも高めです。

  • カロリー:約277kcal
  • 糖質:約66.0g

干し芋は、さつまいもを蒸してから乾燥させて作られます。焼き芋以上に水分が抜けて栄養素がぎゅっと凝縮されるため、同じ100gで比較するとカロリー・糖質ともに非常に高くなるのです。食物繊維も豊富ですが、少量でも高カロリーであることを覚えておきましょう。

調理法でさつまいものカロリーや糖質量が変わる理由

ここまで見てきたように、さつまいもは調理法によってカロリーが大きく変動します。その理由を整理すると、主に3つのポイントが挙げられます。

  1. 水分の変化
    焼いたり干したりすると水分が蒸発し、同じ重量あたりの栄養成分が凝縮されるため、カロリーや糖質の数値が上がります。一方で、蒸したり茹でたりする方法では水分の大きな変化がないため、カロリーも生の状態とあまり変わりません。
  2. 加熱による糖化
    さつまいもには「β-アミラーゼ」という酵素が含まれており、60~70℃の温度でじっくり加熱されると、でんぷんを甘みの強い麦芽糖(マルトース)に分解します。これが、焼き芋が特に甘くなる理由です。この糖化によって、体内で吸収されやすい糖の量が増えることになります。
  3. 油や調味料の追加
    天ぷらや大学芋のように、調理の過程で油や砂糖、小麦粉などが加わると、その分のカロリーと糖質がそのまま上乗せされます。シンプルな調理法ほど、さつまいも本来のカロリーに近い状態で食べられるというわけです。

これらの理由を知っておくことで、ご自身の目的や体調に合わせて調理法を選べるようになりますね。参考として、調理法別のカロリーと糖質を一覧表にまとめました。

【100gあたり】さつまいもの調理法別カロリー・糖質比較
調理法 カロリー(kcal) 糖質(g)
約126kcal 約29.7g
ふかし芋 約129kcal 約29.2g
焼き芋 約151kcal 約35.5g
天ぷら 約191kcal 約32.2g
干し芋 約277kcal 約66.0g
大学芋 約281kcal 約53.3g

※数値は文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」を基にした目安です。レシピや品種によって変動します。

さつまいものカロリーを他の芋類や主食と比較

さつまいものカロリーがわかったところで、次に気になるのは他の食材と比べた場合の位置づけではないでしょうか。特に、同じ芋類の仲間であるじゃがいもや、私たちの食生活に欠かせない主食のご飯や食パンと比較することで、さつまいもを食事にどう取り入れるべきかのヒントが見えてきます。

ここでは、それぞれの食材のカロリーや糖質量を具体的に比較し、その特徴を掘り下げていきます。

さつまいもとじゃがいものカロリー・糖質比較

さつまいもとじゃがいも、里芋、長芋のカロリー・糖質比較

畑の恵みである芋類の中でも、さつまいもとじゃがいもは料理の主役にもなれる存在です。甘いさつまいもと、おかずの定番じゃがいも。この二つを比べてみると、意外な違いが見えてきます。

下の表は、さつまいも、じゃがいも、そして里芋長芋といった他の代表的な芋類について、生の状態で100gあたりのカロリーと糖質量を比較したものです。

食品名(100gあたり) カロリー(kcal) 糖質量(g) 食物繊維(g)
さつまいも(生) 126 29.7 2.2
じゃがいも(生) 59 8.4 1.7
里芋(生) 53 10.8 2.3
長芋(生) 64 12.9 1.0

※糖質量は炭水化物から食物繊維を引いた計算値

表を見てわかる通り、100gあたりで比較すると、さつまいもは他の芋類に比べてカロリー・糖質ともに高い数値を示しています。「さつまいもは太りやすい」というイメージは、この数値から来ているのかもしれません。特にじゃがいもと比較すると、カロリーは約2倍、糖質量は約3.5倍にもなります。

しかし、カロリーや糖質の数値だけで判断するのは少し早いかもしれません。後の章で詳しく解説しますが、さつまいもには血糖値の上昇を緩やかにする「低GI」という大きな特徴があります。単純な数値比較だけでは見えない、体にうれしい魅力が隠されているのです。

さつまいもとご飯・食パンのカロリー・糖質比較

ダイエット中の方などが、ご飯やパンの代わりにさつまいもを主食として選ぶことがあります。では、実際に主食となる食材と比べた場合、さつまいものカロリーや糖質はどのくらいなのでしょうか。

ここでは、主食として食べることが多い「ふかし芋」の状態と、ご飯(精白米)、食パンの100gあたりの数値を比較してみましょう。

食品名(100gあたり) カロリー(kcal) 糖質量(g) 食物繊維(g)
さつまいも(ふかし芋) 131 30.5 3.2
ご飯(精白米) 156 35.6 1.5
食パン 248 42.2 4.2

※糖質量は炭水化物から食物繊維を引いた計算値

この比較を見ると、ふかし芋はご飯よりもカロリー・糖質がやや低く、食パンと比較すると大幅に低いことがわかります。さらに注目したいのが食物繊維の量です。さつまいもはご飯の2倍以上の食物繊維を含んでおり、腹持ちの良さにもつながります。

これらの点から、さつまいもを主食と置き換えることには、カロリーや糖質を抑えつつ、満足感を得やすいという利点があるといえるでしょう。ただ数値を比べるだけでなく、食物繊維やGI値といった要素もあわせて考えることが、賢い食材選びのコツとなります。

さつまいもはダイエット向き?太るは誤解?

甘くてホクホクとしたさつまいもは、秋から冬にかけての楽しみの一つですね。ついつい手が伸びてしまいますが、その一方で「カロリーや糖質が高くて太りやすいのでは?」と心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、そのイメージは少し誤解かもしれません。実は、さつまいもはその特性を理解し、上手に食生活へ取り入れることで、ダイエットの心強い味方になってくれる食材なのです。ここでは、さつまいもがダイエットに向いている理由と、賢い食べ方について詳しく見ていきましょう。

さつまいもは低GI食品で血糖値が上がりにくい

ダイエットを考える上で、カロリーと同じくらい気にしたいのが「GI値」です。GI値(グリセミック・インデックス)とは、食品を食べた後の血糖値の上昇度合いを示す指標のこと。この値が高い食品ほど血糖値が急激に上がりやすく、インスリンというホルモンが多く分泌されます。インスリンには血中の糖を脂肪として体に蓄える働きがあるため、過剰な分泌は肥満につながりやすいのです。

その点、さつまいもはGI値が比較的低い「低GI食品」に分類されます。白米や食パンといった他の主食と比較しても、その差は明らかです。さつまいもは食後の血糖値の上昇が緩やかなため、インスリンの分泌が抑えられ、結果として脂肪を溜め込みにくいという、ダイエット中には非常に嬉しい特徴を持っています。甘みがあるのに太りにくい、というのはこのためです。

豊富な食物繊維が便秘解消や満腹感をサポート

さつまいもの豊富な食物繊維が便秘解消や満腹感をサポート

さつまいもの魅力は、GI値の低さだけではありません。私たちの体にとって大切な栄養素である「食物繊維」が非常に豊富なことも、見逃せないポイントです。食物繊維には、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」と、水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2種類があり、さつまいもにはこの両方がバランス良く含まれています。

水溶性食物繊維は、腸内で善玉菌のエサとなって腸内環境を整える働きがあります。一方、不溶性食物繊維は、便のカサを増やして腸を刺激し、スムーズなお通じを促してくれます。この2つの食物繊維の相乗効果によって、ダイエット中に起こりがちな便秘の悩みを解消し、すっきりとした毎日をサポートしてくれるのです。

さらに、食物繊維は胃の中で水分を吸って膨らむ性質があるため、腹持ちが良いのも特長です。少量でも満足感が得られやすく、間食や次の食事の量を自然に抑える助けとなり、食べ過ぎを防いでくれます

ダイエット中におすすめのさつまいもの食べ方

ダイエット中におすすめのさつまいもの食べ方はふかし芋

ダイエットの味方であるさつまいもですが、その効果を最大限に引き出すためには、食べ方に少し工夫が必要です。おすすめなのは、日々の食事に上手に組み込むことです。

例えば、いつものご飯やパンを、ふかしたさつまいもに置き換えてみてはいかがでしょうか。主食と置き換えることで、摂取カロリーや糖質量を抑えながらも、食物繊維のおかげでしっかりとした満腹感を得ることができます。また、甘いものが恋しくなった時のおやつとしても最適です。市販のスナック菓子やケーキの代わりに、シンプルな焼き芋やふかし芋を選べば、栄養を摂りながら心も満たされることでしょう。

食べるタイミングとしては、これから活動する朝食や昼食に取り入れるのがおすすめです。エネルギーとして消費されやすく、1日のパフォーマンス向上にもつながります。

さつまいもの食べ過ぎは注意 1日の目安量とは

ここまでさつまいものダイエット効果についてお話ししてきましたが、だからといって、いくら食べても良いというわけではありません。どんなに体に良い食材でも、食べ過ぎればカロリーオーバーとなり、かえって太る原因になってしまいます。大切なのは、適量を守ることです。

ダイエット中にさつまいもを取り入れる際の1日の摂取量目安を、目的別に下の表にまとめました。ご自身の食事内容や活動量に合わせて調整する際の参考にしてみてください。

目的 1日の摂取量目安 カロリーの目安
主食との置き換え 中くらい(Mサイズ)の1/2本〜1本
(約125g〜250g)
約158kcal〜315kcal
間食として 小さい(Sサイズ)の1/2本程度
(約75g)
約95kcal

この量を目安に、他の食事とのバランスを考えながら、美味しく健康的にさつまいもを食生活に取り入れていきましょう。

カロリーだけじゃない さつまいもに含まれる栄養素

さつまいもの魅力は、そのほくほくとした食感や甘さ、そして気になるカロリーだけではありません。実は私たちの体にとって、非常に嬉しい栄養素がたくさん詰まっている、まさに天然のサプリメントのような存在なのです。ダイエットや美容を意識する方には特に知っておいていただきたい、さつまいもが持つ素晴らしい栄養パワーについて、ここから詳しくご紹介していきます。

美肌効果が期待できるビタミンC

さつまいもで美肌効果が期待できるビタミンC

さつまいもには、美肌づくりに欠かせないビタミンCが豊富に含まれています。ビタミンCといえば、シミの原因となるメラニンの生成を抑えたり、肌のハリを保つコラーゲンの生成を助けたりする働きで知られています。一般的に、ビタミンCは熱に弱い性質を持っていますが、さつまいものビタミンCは、でんぷんによって保護されているため、焼き芋やふかし芋のように加熱調理をしても壊れにくいという、非常に優れた特長を持っています。温かいままでも効率よくビタミンCを摂取できるのは、嬉しいポイントです。

むくみ解消を助けるカリウム

夕方になると足がパンパンになる、顔がむくみやすいといったお悩みはありませんか。そんな方にとって、さつまいもは心強い味方になってくれるかもしれません。さつまいもには、ミネラルの一種であるカリウムが豊富に含まれています。カリウムには、体内の余分な塩分(ナトリウム)を水分と一緒に体の外へ排出する働きがあります。塩分の多い食事を摂りがちな現代人にとって、カリウムは体のバランスを整え、すっきりとした毎日をサポートしてくれる大切な栄養素なのです。

皮の近くに多いヤラピン

さつまいもの皮の近くに多いヤラピン

さつまいもを語る上で絶対に外せないのが、「ヤラピン」という成分です。あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、これはさつまいも特有の成分で、他の芋類には含まれていません。さつまいもを切ったときに出てくる白い液体がヤラピンで、特に皮のすぐ下に豊富に含まれています。このヤラピンには、腸のぜん動運動を促し、便を柔らかくする働きがあると言われています。食物繊維との相乗効果で、お腹の調子を整え、内側からのキレイを力強く後押ししてくれるのです。

カロリーオフを目指す さつまいもの食べ方のコツ

さつまいもはその甘さから、カロリーが気になるという方もいらっしゃるかもしれません。しかし、食べ方に少し工夫を凝らすだけで、余分なカロリーを抑えながら、さつまいもが持つ栄養の恩恵を最大限に受けることが可能になります。ここでは、ダイエット中の方や健康を意識している方にもぜひ試していただきたい、賢いさつまいもの食べ方のコツを3つご紹介します。

冷やし焼き芋でレジスタントスターチを増やす

冷やし焼き芋でレジスタントスターチを増やす

最近、注目を集めている食べ方が「冷やし焼き芋」です。温かい焼き芋ももちろん美味しいのですが、一度冷やすことによって、私たちの体にとって嬉しい変化が起こります。その鍵を握るのが「レジスタントスターチ」という成分です。

レジスタントスターチは、日本語では「難消化性でんぷん」と訳され、その名の通り、消化されにくいでんぷんのことを指します。食物繊維と似たような働きをし、小腸で消化・吸収されずに大腸まで届くのが特徴です。一度加熱したさつまいもを4℃程度の低温で冷やすことで、でんぷんの一部がこのレジスタントスターチに変化するのです。

消化されにくいということは、体内でエネルギーとして吸収されにくくなるため、実質的に摂取カロリーを抑えることにつながります。さらに、血糖値の急上昇を穏やかにしたり、大腸で善玉菌のエサとなって腸内環境を整えたりする効果も期待できるため、まさに一石二鳥の食べ方と言えるでしょう。作り方は簡単で、焼き芋やふかし芋を粗熱が取れた後に冷蔵庫で数時間冷やすだけ。ひんやりとした新しい食感と、凝縮された甘みを楽しんでみてください。

栄養豊富な皮ごと食べる

さつまいもは栄養豊富な皮ごと食べる

さつまいもを調理する際、皮をむいてしまっていませんか。実は、それはとてももったいないことかもしれません。さつまいもの皮やそのすぐ内側には、ヤラピンやポリフェノールといった貴重な栄養素がぎゅっと詰まっているのです。

特に注目したいのが、さつまいもを切ったときに出てくる白い液体状の成分「ヤラピン」です。これはさつまいも特有の成分で、胃の粘膜を保護したり、腸のぜん動運動を活発にしてお通じをスムーズにしたりする働きがあると言われています。このヤラピンは、皮の近くに豊富に含まれています。

また、皮にはポリフェノールの一種である「クロロゲン酸」も含まれており、強い抗酸化作用が期待できます。食物繊維も実の部分より皮に多く含まれているため、皮ごと食べることで、さつまいもの栄養を余すところなく摂取できるのです。食べる前には、表面についた土を流水でしっかりと洗い流すようにしましょう。

油を使わない調理法を選ぶ

さつまいも料理と聞いて、天ぷらや大学芋、さつまいもチップスなどを思い浮かべる方も多いでしょう。これらは確かにおいしいのですが、油で揚げたり、砂糖や蜜をたっぷりと絡めたりするため、どうしてもカロリーや脂質、糖質が高くなってしまいます。

カロリーを意識するのであれば、調理法を工夫することが最も効果的です。さつまいもをヘルシーに楽しむ基本は、油を使わないシンプルな調理法を選ぶことにあります。

おすすめの調理法は次の通りです。

  • ふかす(蒸す):蒸し器や電子レンジを使えば、油を一切使わずに加熱できます。水分を含んでしっとりとした食感になり、さつまいも本来の優しい甘さを味わえます。
  • 焼く:オーブントースターやグリルでじっくりと火を通す焼き芋も、油を使わない代表的な調理法です。加熱によって甘み成分が引き出され、満足感も高まります。
  • 茹でる:スープや味噌汁の具材として加えるのも良い方法です。水に溶け出す栄養素もスープごといただくことで、無駄なく摂取できます。

このように、揚げる・炒めるといった調理法を避け、蒸す・焼く・茹でるといったシンプルな方法を選ぶだけで、カロリーを大幅にカットすることができます。素材そのものの味を活かす食べ方をぜひ試してみてください。

まとめ

まとめ:さつまいものカロリーは1本あたり何kcal?焼き芋・ふかし芋など調理法によるカロリーの違い

さつまいものカロリーは、その調理法によって大きく姿を変えるものです。生のさつまいもは100gあたり約126kcalですが、油で揚げる天ぷらや砂糖をたっぷり使う大学芋になると、カロリーはぐっと上がります。しかし、さつまいもが太りやすいというのは、実は食べ方次第。血糖値の上昇が緩やかな低GI食品であり、豊富な食物繊維がお腹の調子を整えてくれるため、ダイエットの心強い味方にもなり得るのです。カロリーを抑えつつ栄養を摂るなら、ふかし芋や焼き芋を皮ごと、少し冷やしていただくのが賢い選択と言えるでしょう。その魅力を知り、日々の食生活に上手に取り入れていきたいものですね。