黄金千貫(コガネセンガン)はどんな品種?特徴や食べ方は?黄金千貫の苗や栽培方法、産地、糖度や味の魅力を徹底解説します!他のさつまいもとの見た目の違いや味の違いまで!

さつまいもの外観は、だいたいが赤色や赤紫色をしている、という印象はありませんか。黄金千貫(コガネセンガン)という品種のおいもは、見た目はじゃがいものようにデコボコ、皮も中身も白っぽい黄色をしていますが、れっきとしたさつまいもなのです。この記事では、そんな黄金千貫の特徴や産地、他のさつまいもとの味の違いや料理方法について詳しくご紹介していきます。読み終えたころには黄金千貫を食べてみたい!と思うかもしれません。ぜひ最後までご覧ください。

黄金千貫の特徴

黄金千貫は、赤色や赤紫色の外観をした一般的なさつまいもとは違い、その見た目から外皮が白っぽい黄色で中身は白く、蒸すと栗のような甘い香りが特徴です。また、繊維がきめ細やかなので、食べるとホクホクとした食感も楽しめます。この黄金千貫、今では最も作付け量が多いさつまいもであるのにも関わらず、紅アズマや安納芋などから比べると意外と知名度は低いようです。しかし、黄金千貫は芋焼酎の世界ではかなりの活躍をしているのです。黄金千貫は、九州農業試験場(現在の九州沖縄農業研究センター)にて、日本とアメリカのさつまいもを何年もかけて品種改良した結果、昭和41年(1966年)に品種登録されました。従来の品種から比べると、デンプンの含有量が3~4%、収穫量で30%も高い画期的な品種の誕生に、外皮が黄金色だったことから「黄金色のイモがザクザクとれる」にちなんで黄金千貫と命名されたと言われています。

黄金千貫はデンプンが多かったために、主に芋焼酎の原料に使われている品種ですが、蒸すと甘い香りでありながら甘さ控えめなので、芋の加工食品にも使われるようになりました。そしてこの甘い香りは、フルーティーな味わいの芋焼酎になっているのです。

黄金千貫の苗や栽培方法と産地

黄金千貫は旧九州農業試験場にて誕生したことから、鹿児島をはじめ、主に九州地方にて栽培されています。しかしながら、その苗は九州地方に限らず、インターネット通販や種苗店などで入手することができるでしょう。栽培は比較的やさしく、初心者の方でも作りやすいと言われています。

植え付けは早ければ4〜5月に始まり、収穫も早いところでは8月ごろから始まり11月くらいまでには終わるので育つスピードが早い品種と言われています。黄金千貫の主な産地は九州ですが、その中でも芋焼酎が多く作られている鹿児島県と宮崎県に二分されています。農林水産省の2018年のデータによれば、栽培面積は鹿児島県がダントツで全体の70%近くを占めており、次いで宮崎県が30%、長崎県は0.5%という生産数になっています。

黄金千貫の糖度と味の魅力

黄金千貫の糖度は、安納芋などと比べると控えめな甘さが特徴となっています。さつまいもの糖度は高いとよく言われていますが、代表的な紅はるかは生の状態でも糖度が40度前後とも言われ、安納芋や紅アズマやクイックスイートなどは生の状態での糖度は16度前後です。

糖度が高いと言われるさつまいもにおいて、黄金千貫は生の状態での糖度は10度に届かないと言われています。それほど糖度が高くないため、品の良い控えめな甘さが香りの良さに繋がっているのかもしれません。また、でんぷん質の多さと繊維のきめ細かさがホクホクとした食感を生み出しているのも、最大の魅力と言えます。

黄金千貫の向いている食べ方

黄金千貫はでんぷん質の多さから、蒸したり天ぷらなどでもおいしく頂けるのでいくつかおいしい食べ方を紹介しましょう。

黄金千貫のポテトサラダ

意外かもしれませんが、ポテトサラダにするとほんのりとした栗のような甘さが感じられ、ジャガイモのポテトサラダとはまた違ったおいしさに出会えます。用意するのは、黄金千貫とゆで卵とマヨネーズ(たっぷり)、塩コショウだけ。

芋ケンピ

芋ケンピにした黄金千貫もおいしく頂けます!細切りにして油で揚げたら、すこしお砂糖をまぶすだけ、簡単おやつの出来上がり!

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黄金千貫の甘煮

水と砂糖だけで甘露煮のように作ると、結構おいしいです!輪切りにしてアクを取ったら、お鍋に入れ、水をヒタヒタになるまで入れて、砂糖とほんのひとつまみの塩を入れて煮るだけ!
簡単だけど、ホクホクしていてとっても美味しい一品の出来上がり。

黄金千貫のカリカリバターシュガー

用意するのは、黄金千貫、砂糖、バターとひとつまみの塩だけ!黄金千貫をレンジ加熱したあと、輪切りにしてさらに4等分くらいの大きさがおすすめ。フライパンにバターを入れて溶かし、カットした黄金千貫を表面がカリカリになるまで炒めて、砂糖を投入して絡まったら出来上がり!さいごに塩をひとつまみ振りかけてから食べると、もう止まらないおやつの完成です。バター風味の大学芋のような食感と甘じょっぱさが後を引きますよ。黄金千貫のほんのりとした甘さが、スイーツにもおかずにも向いている食材だという事が分かりますね。

まとめ

今回は黄金千貫というさつまいもについて紹介しました。スイーツの素材として人気のさつまいもは、安納芋や紅はるかのように、ねっとり系で甘さがはっきりしている品種が多いのですが、黄金千貫はホクホク系で、甘さ控えめのさつまいもなのです。

そのため、黄金千貫はスイーツだけでなく、料理にも使えて、芋焼酎にすれば芋本来のふくよかな香りとほんのりとした甘さを感じ、すっきりとした味わいを楽しめるお酒になるのですね。最後に、この記事の内容をまとめます。

  • 黄金千貫の特徴
  • 苗の栽培方法や産地など
  • 黄金千貫の美味しい食べ方

スイーツや料理として、黄金千貫を使った芋焼酎も、ぜひ味わってみて下さい。