絶品!焼き芋!安納芋を徹底解剖!甘いって言われる安納芋の糖度はどれくらいあるの?他の人気さつまいも5種類と糖度を比較してみた!他はどのさつまいもが甘い?

ねっとりと蜜のような甘さを持つさつまいもと言えば、安納芋。さつまいもの中でも、安納芋の糖度は高いのです。また、安納芋を上回る、高い糖度のさつまいももあります。せっかくなら糖度の高いさつまいもの違いを比べてみたいですよね。この記事では、安納芋と5種類のさつまいもの糖度を比較してまとめました。食感や甘さはさつまいもによってさまざま。読み終わる頃には、お好みのさつまいもが見つかります。

安納芋は加熱すると糖度が40度以上になる

安納芋の糖度は生の状態で16度と、さつまいもの中でも比較的高いのです。加熱すると糖度は40度まで上がり、蜜がしたたり落ちるほど、ねっとりとしたクリームのような食感を味わえます。収穫時期は9〜12月頃で、収穫してからしばらく置いておくと、さらに糖度が増します。スイーツのような甘さを味わうなら、10〜1月が食べごろです。

安納芋はなぜ糖度が高いの?

安納芋は、ほかのさつまいもよりショ糖が多く含まれています。ショ糖とは、ブドウ糖と果糖からできている糖類です。ショ糖から作られているものには、料理のときによく使う砂糖があります。ショ糖を含んでいる量がさつまいもの中でも多いことから、安納芋は甘いのです。また、安納芋は収穫後すぐに出荷せず、熟成させます。熟成させることで安納芋に含まれる酵素が活性化して、デンプンが糖へ変わり、甘さが増えるのです。そのため、見た目からもわかるほど蜜がたっぷり詰まった、ねっとり感と極上の甘さを堪能できます。

安納こがねはさらに甘い

安納芋の品種には、安納紅と安納こがねがあります。一般的に安納芋と呼ばれているものが、安納紅です。安納こがねは、表面が白っぽく、オレンジに近い黄色の断面をしています。赤紫色をした安納紅と見た目が異なるため、区別しやすいです。安納紅を上回る甘みと水分を持っているのが特徴。より甘くねっとりした安納芋が食べたいなら、安納こがねがおすすめです。

5種類のさつまいもと糖度を比較

安納芋は糖度が高いと言われていますが、ほかのさつまいもの糖度はどのくらいか気になりますよね。そこで、5種類のさつまいもと糖度を比較してみました。なお、表に記載しているのは生の状態の糖度となります。

安納芋 16度
紅はるか 40度
シルクスイート 8度
鳴門金時 13度
紅あずま 14度
クイックスイート 16度

比べてみると、安納芋は糖度の高いさつまいもだとわかります。さらに驚くのは、生の状態で40度の糖度を持つさつまいもがあることです。糖度が高いといっても、さつまいもによって味や食感はさまざま。それぞれの特徴を解説していきましょう。

さつまいもトップの糖度を誇る紅はるか

紅はるかは、生の状態で糖度が40度のさつまいもです。加熱すると糖度は50〜60度になり、さつまいもトップの糖度を誇ります。ほかの芋より、はるかにおいしいという意味で名づけられたのが紅はるかです。加熱するとねっとりなめらかな甘さがあり、焼き芋にしたら絶品!さつまいも好きをうならせるような甘さを味わえます。10月頃が収穫時期なので、熟成させた11月〜1月が食べごろです。

絹のようななめらかさを持つシルクスイート

シルクスイートの糖度は8度と、一般的なさつまいもとあまり変わりませんが、繊維質がほかのさつまいもより少ないのが特徴。水分が多く、絹のようななめらかな味わいが魅力です。そのなめらかさは、思わずスプーンですくって食べてしまいたくなるほど!収穫後はホクホクとした食感。さらに、追熟するとなめらかな甘さを感じるようになります。つまり、シルクスイートは食べるタイミングによって異なる食感を楽しめるのです。9〜10月がシルクスイートの収穫時期なので、食べごろは11〜2月となります。

昔ながらのさつまいもといえば鳴門金時

鳴門金時の糖度は、13度です。昔ながらのホクホクしたさつまいもの食感を楽しみたいなら、鳴門金時がおすすめ。さつまいも特有のほんのりとした甘さが特徴です。生の状態はクリーム色の断面をしており、加熱すると食欲が増す黄金色へ変化します。7月上旬~9月下旬が鳴門金時の収穫時期です。鳴門金時は寝かせるとさらに熟成し、さつまいも本来の甘みを堪能できます。そのため、11月が食べごろです。

ホクホクとねっとりの中間を食べるなら紅あずま

紅あずまの糖度は14度前後で、加熱すると30度になります。繊維が少なく、ホクホクとねっとり、両方の食感を兼ねそろえているのが特徴です。しっとりした上品な甘さがありつつ、昔ながらのさつまいもを食べたい欲張りタイプは、紅あずまがおすすめ。9〜11月が収穫時期のため、12〜2月が食べごろです。

冷めても甘さが落ちにくいクイックスイート

クイックスイートの糖度は16度です。加熱後は38度と、安納芋に近い糖度ですね。紅あずまと九州30号をかけ合わせてできたものが、クイックスイートです。見た目は紅あずまと変わりませんが、よりクリーミーな食感を味わいたいなら、クイックスイートがおすすめ。電子レンジの加熱でも甘さを引き出せるのが特徴。一般的なさつまいもは、65〜75度あたりから酵素が活性化します。クイックスイートは、通常より20度ほど低い50度前後で酵素が活性化するため、電子レンジ加熱でも甘くなりやすいのです。さらに、冷めても甘さが落ちにくく、時間が経ってもおいしく食べられます。

さつまいもの糖度をさらに上げる方法は「追熟」と「加熱温度」

さつまいもの糖度は、以下2つの方法で上げられます。

  • 追熟
  • 加熱温度

それぞれ解説していきましょう。

追熟する

追熟すると糖度を上げられます。追熟とは、収穫してから一定期間置いて完熟させることです。さつまいもは、収穫直後から酵素が働きはじめます。さつまいものでんぷんは、酵素が活性化することで分解され、麦芽糖と呼ばれる糖ができるのです。麦芽糖は、糖類の中で最もおいしい甘さと言われています。そのため、収穫後すぐに食べるのではなく、しばらく置いておくと甘みが増すわけです。追熟させるためには、さつまいもを良い環境で保存するのが重要。13〜15度がさつまいもに適した温度のため、常温で保存するのが良いでしょう。乾燥しないよう、土がついた状態で新聞紙に包んで保存してください。10度以下になると、低温障害を起こし傷みやすくなるため、注意が必要です。さつまいもの甘さを存分に楽しみたいなら、適した環境の中で追熟させましょう。

加熱温度に注意する

調理する際は65~75度でじっくり加熱すると、糖度を上げられます。一般的なさつまいもは、65〜75度あたりから酵素が活性化するからです。ただし、80度を超えると酵素が壊れてしまい、活動をやめてしまいます。さつまいもの糖度を最大限引き出すなら、加熱温度にも気をつけてくださいね。

安納芋のようなあま~いさつまいもを食べよう

安納芋は糖度14度と、一般的なさつまいもに比べると高いです。さらに加熱すると40度になり、蜜がこぼれ落ちるスイーツのような甘さを堪能できます。安納芋を超える糖度を持つのが紅はるかです。生の状態で糖度は40度、加熱すると50〜60度になります。さつまいもの甘さを最大限引き出すなら、追熟させるのがおすすめ。また、調理温度によっても、さつまいもの糖度は上がります。さつまいもによって甘さや食感はさまざま。お好みのさつまいもを見つけて、おいしさを堪能しましょう。