安納芋が紅はるかより優れている点、おすすめな点を徹底解説!ねっとり系さつまいも、焼き芋の代表格「安納芋」「紅はるか」。安納芋が紅はるかより優れている4つの理由とは?

スーパーでさつまいもを購入するとき、「紅あずま」や「シルクスイート」などの品種が書かれているのを見かけたことはありませんか?さつまいもは品種によって「ねっとり系」や「ホクホク系」など特徴があり、好みや調理方法に合ったものを選ぶことで、より美味しく食べられます。その中でも、焼き芋ブームのきっかけになった、ねっとり系のさつまいもといえば、安納芋や紅はるかが有名です。今回は、さつまいもの代名詞ともいえる人気を誇る安納芋について、紅はるかよりおすすめできる点をご紹介します。

安納芋と紅はるかの違いとは?

安納芋と紅はるかは、同じねっとり系のさつまいもです。スーパーで2つが並んでいたら、どちらを購入するか迷うこともあるでしょう。しかし、それぞれのさつまいもには見た目をはじめとする個性があります。どのような違いがあるか、見てみましょう。

安納芋とは

安納芋は、さつまいもが伝来したといわれる鹿児島県の種子島を原産としています。もともとは皮が赤い「安納紅」と皮が白い「安納こがね」がルーツで、種子島でしか栽培されていませんでした。しかし、2013年以降は全国各地での栽培が解禁され、いたるところで生産されています。見た目は、丸みのあるかわいらしい形が特徴です。加熱すると糖度は40度近くになるといわれ、上品な甘さが楽しめるさつまいもです。

紅はるかとは

紅はるかは、テレビ番組で紹介されたことで話題になったさつまいもです。外観が良い「九州121号」と、味の良い「春こがね」の交配によって生まれました。見た目は、さつまいものイメージ通りともいえる紡錘形です。円柱で真ん中が太く、両端が細くなっています。加熱した際の糖度は50度にもなるといわれ、スイーツのような濃厚な甘さを味わえます。

安納芋が紅はるかより優れている4つの理由

甘さにおいては甲乙つけがたい安納芋と紅はるか。それでも安納芋の方が優れていると考えられる理由は、4つあります。味以外にも強みを持つ安納芋の魅力を、それぞれ見てみましょう。

安納芋は紅はるかより歴史がある

安納芋の品種登録は1998年であり、25年の歴史を持ちます。それに対して紅はるかが品種登録されたのは2010年で、その歴史は13年です(2023年時点)。人間でいえば社会人と中学生くらいの差があり、安納芋の方がより昔から人々に親しまれていたことが分かりますね。「さつまいもといえば?」と聞かれたときの知名度は、紅はるかより安納芋の方が高いのではないでしょうか。

安納芋は紅はるかより舌触りが良い

安納芋は、紅はるかよりしっとりした食感で、舌触りが良いです。水分が多いため、加熱してもパサパサにならず、なめらかでクリーミーな美味しさを楽しめます。紅はるかは糖度が高く、焼き芋にするとトロトロとした蜜に近いねっとり感に仕上がるのが特徴です。「やわらかすぎるのは苦手」という場合は、安納芋を選ぶとちょうどよい食感を楽しめるでしょう。

安納芋には紅はるかにない栄養が含まれている

安納芋には、他のさつまいもにはあまりない「βカロテン」が含まれています。βカロテンは、緑黄色野菜に含まれる栄養素です。体内でビタミンAに変換され、抗酸化作用があり生活習慣病の予防に役立つとされています。紅はるかには安納芋と同様、食物繊維やビタミンCが含まれており、栄養は豊富です。しかし、より健康を意識する方には安納芋の方がおすすめといえます。

安納芋は紅はるかより早く長く収穫できる

安納芋の収穫時期は9月から12月頃、紅はるかの場合は10月から11月頃です。安納芋の方が、早く収穫が始まり長期間にわたる収穫を見込めます。さつまいもは収穫後、消費者の手元に届くまでに1か月から2か月かけて保管されます。時間をおいて熟成させることで、甘くなるのです。さつまいもが美味しい時期は10月から1月頃で、安納芋なら10月頃から、紅はるかなら11月頃からスーパーで並んでいる姿が見られます。

まとめ

さつまいもに詳しくない方にとっては、同じねっとり系でも安納芋と紅はるか、どちらを買えば良いか判断が難しいのではないでしょうか。そこで、迷った際に安納芋をおすすめしたい理由をまとめます。

安納芋は歴史があり、知名度がある
オーソドックスな安納芋を食べてみてから、新しく登場した紅はるかと食べ比べるのがおすすめ
安納芋は舌触りがクリーミーでなめらか
紅はるかはトロトロ感が強いので、ねっとり系さつまいも初心者なら、まずはホクホク感もある安納芋から試してみるのがおすすめ
安納芋には他のさつまいもにあまりない「βカロテン」が含まれている
βカロテンには抗酸化作用があり、生活習慣病の予防が期待できるので、栄養を重視するなら安納芋を選ぶのがおすすめ
安納芋は収穫時期が早く、スーパーで購入できるチャンスが紅はるかより多いかもしれない

安納芋はコロンとした丸い形、紅はるかはさつまいもらしい細長い形をしており、見分け方は簡単です。甘さはどちらも申し分なく、あとは知名度や舌触り、栄養や購入のしやすさなどでお好きな方を選ぶと良いでしょう。機会があれば安納芋と紅はるか、どちらも試してご自身の好みを見つけてみてくださいね。