五島列島(福江島)に農業ベンチャーを立ち上げた社長が読んでいる本とは?③オススメの本は「成長を生み出し続ける企業の10年変革シナリオ」という本です。会社の存続率ってご存じですか?

「成長を生み出し続ける企業の10年変革シナリオ」杉田浩章

会社の存続率は、設立して3年で65%、10年で6.3%、20年で0.39%、30年経つと0.025%と言われています。 つまり、創業からわずか10年の間に9割近くの会社が廃業するということです。10年ひと昔という言葉さえも10年前のことで、今は3年、ひと昔と言っても過言ではないスピード感で世界が変化、成長していると実感してます。本書籍は、リクルートやソニー、マイクロソフトなど大手を具体例に挙げて書かれているけど、私のような中小企業にもがっつり当てはまる内容です。なぜ、読もうと思ったかと言うと、農業法人であるアグリコーポレーションを設立して12年、農産物直売所 旬の駅は10年が経ちました。会社の「10年生存率6.3%」に入れてますが、20年生存率は0.39%。この10年で企業としての土台は、しっかり出来てきたので、これからの10~20年を大づかみしておかなければいけないと思ったからです。

ちなみに、企業としての土台とは何か。私の考えは…

  • 売上をあげて継続的に利益がでて納税する
  • 従業員への給与、休日、福利厚生など所謂ホワイト企業である

大きく言うとこの2点が企業としての土台であり、この土台を10年でつくることが難しいので生存率6.3%なんだろうと思ってます。初期10年と同じことを繰り返していると20年生存率0.39%に入れない。入るためにどうしたらよいか?が本書籍が参考になりました。

みなさん、パーパスってご存じですか?

この数年、耳にする機会が増えてきていますが、パーパスとは「企業の社会的存在意義」のことです。企業が利益をもとめてことは大事なことですが、他社を蹴落とす、資源を根こそぎとって自社ファーストだけというのが認められなくなってきている時代に入りました。

コロナ禍で急拡大したフードデリバリー企業の問題点のように、責任は個人事業主契約をしているドライバーに押し付け、多大な利益を会社が取るというのも認められなくなってきている時代です。

心に刻んだ言葉。それは「10年大づかみ」。

ユニ・チャームの高原氏(元社長)がある講演で「戦略プランを構築するのに、10年先の未来を『大づかみ』するのはそれほど難しくない。例えば晩婚化や少子化、高齢化などは人口動態のデータを見れば高い精度で予測できる。それによって、今後、世界のどの地域が市場として成長するかも読み取れる。」

農業にあてはめると、農林水産省が、みどり戦略で2050年までに有機農地を0.5%から25%にあげる国際公約をしてるので有機栽培は広がるだろうし、大手スーパーはプライベートブランド開発がトレンドになってるのでその原料需要は強くなり、世界の人口は60億人から2050年に100億人になる予測がされ・・・という10年大づかみをすると、それに沿った戦略をとらないといけないことがわかります。

栽培したいものを栽培して、目先経営で、今求められている野菜をつくることがいかに危険か。さつまいもブームだからといってさつまいもの栽培を検討している農家さん達よ、目を覚ましてくれ。暴落するかもしれないぞ。


70歳までは現役で経営したいとおもってますが、あと30年。生存率は何%なんだろうか。2023年4月29日(土)五島は大雨で、水田に植えているようにさつまいもが水に浸かってます。

心に刻んだキーワード

  • 10年大づかみ
  • 最低でも10年の時間軸を意識する
  • 次世代と現場を巻き込むミドルアップダウン型のリーダーシップチームの組成

五島列島(福江島)に農業ベンチャーを立ち上げた社長が読んでいる本とは?オススメの本は「流山がすごい」という本です。リーダーシップ論にも通じて現在の農業の問題点にも

五島列島(福江島)に農業ベンチャーを立ち上げた社長が読んでいる本とは?②オススメの本は「誰が農業を殺すのか」という本です。農業に身を置いている立場なので考えさせられました