五島(福江島)のお盆と帰省事情とは?五島市は離島であることから旅費が思っている以上にかかります。お盆に帰ってきて行く場所は、地元の人間しか知らない!海水浴ポイントなのです!

五島への里帰り

熊本に嫁いだ娘には、2人の子供がおります。この孫と五島のつながりを書いてみたいと思います。一人目の孫が生まれた次の年から、五島への里帰りが始まりました。主にお盆の墓参りを兼ねての事ですが、もう20数年続いておりました。3泊4日の日程には、びっしり、分刻みのようなスケジュールが組まれており、孫の顔をゆっくり見ないうちに、その計画の中に組み込まれていきます。

地元の人だけが行く海

夏の五島といえば海。海と言えばもちろん海水浴です。バスタオル、浜で遊ぶおもちゃ、それに浮輪に、水中メガネ、車いっぱい積んで海へ出かけます。観光で五島に訪れる方々は、有名な「高浜海水浴場」や「香珠子海水浴場」へ行かれることと思いますが、我が家は違います。漁津ヶ崎公園の近くの「浜田海水浴場」と決まっています。小さな湾になっていて、穏やかな波と白い砂浜で、子どもたちを遊ばせるには安全で最適な場所です。地元の人たちは利用しますが、混むことはほとんどありません。

また、泳ぐ場所でいえば「ドンドン渕」。五島では、川で泳ぐ子も多いです。海よりも水が冷たく魚をとって遊べることが良いのかもしれません。

2時間も海で遊べば満足し、その後の昼ご飯も、三井楽で食べます。道の駅「遣唐使ふるさと館」でバイキングです。

五島うどんや、お寿司、揚げ物や煮物、老若男女にうける料理がずらりと並び、とても混むので、予約をおススメします。大人たちは生ビールでの喉を潤し、孫たちは好きなドリンクを決めてドリンクバーへ。食事を済ませたらドライブがてら荒川温泉、富江の「たっしゃかランド」に寄り、温泉で汗を流します。こんな感じが五島の日常の観光風景かもしれません。

五島のお盆は?

そして、夜は墓参りが待っています。五島のお盆は13日~15日までお墓で提灯を明かします。提灯に入れた長さ10センチほどのロウソクが消えるまでの間、花火をあげるのです。初盆を迎えた家では、地元の若者たちが「ちゃんここ」という念仏踊りを踊って供養します。独特と言えば独特ですが、これが五島のお盆です。

さて、五島での2日目、午前中の海遊びは変わりませんが、この日の昼食は、手作りのお弁当を私が早起きして作ります。定番の卵焼き、唐揚げ、ウィンナー、ちょっとした煮物など、おにぎりはのり巻き、ごちそうを作るわけではありませんが、孫たちにとっては、五島での食事のベストテンに入るとか(笑)。

この日は小さな灯台の下の広場。大瀬崎灯台まで足をのばし、海原を眺めながら、海からの風に吹かれて食べるお弁当の味は格別なのです。必ずスケジュールに組み込まれます。普通、中高生になると部活や受験勉強が忙しくなったりするので次第にのんびり休みを楽しんでいる暇は無くなるようですが、この二人の孫は違いました。ひと夏も欠かさず帰ってきます。

「五島の何がそんなに良かっか?」

と聞いてみるのですが、言葉に表せないくらい、なんて答えが返ってきます。そんな孫たちも社会人になり、それぞれに仕事を持つと、それまでのようなわけにはいかなくなりました。それと同時に「コロナ禍」です。20数年続いた五島での時間、もう3年ほど途絶えております。夏が近づくとそわそわと五島への思いが、湧いてくるようです。今年こそはと期待しては、諦めることの繰り返し、コロナ禍が終わって再会できること、五島で過ごした確かなものを大事にして、やがてそれぞれの家庭を持った時、話してきかせてほしいと願っています。

五島の帰省事情とは?

長崎県五島市は離島である為、旅費がかなりかかります。そんな環境なので多くて年に2回ほどしか帰省できないようです。九州地方内から帰ってくる人は車をフェリーに乗せて帰ってくる人が多いです。フェリーに車を乗せるには必ず予約が必要で、お盆と正月は物凄く混むようでチケットの争奪戦が1ヵ月前から始まります。同様に高速船も満席、飛行機も満席になります。最近ではコロナ禍のため、親が迎えに行かず、レンタカーを借り、実家ではなくホテルに宿泊し、外で会うことも多くなってきたようです。そのためレンタカーやホテルも早めに予約をしないと予約が取れません。帰省に同行する妻や夫は義理の両親の家に世話になるよりはそちらが都合が良いのかもしれませんね。今年の夏は、新型コロナウィルス感染症も落ち着いてきていたので、たくさんの帰省客でお店もお墓も賑やかでした。久しぶりに五島に人が溢れている感じでお盆の日常が少し戻ったような感じでした。また、NHK朝の連続テレビ小説「舞い上がれ!」効果もあり、「舞い上がれ!」でも登場した夏の風物詩、ちゃんここを久しぶりに見て、五島に帰ってきた!という実感が湧く人もいるようです。実家にはたくさんの親戚が集まり、スーパーマーケットや専門店では刺身やオードブルが飛ぶように売れたようです。五島の人にとって、特に、盆正月は離れて暮らす子どもや孫を迎えるとても楽しみな日なのかもしれません。