五島列島(福江島)に農業ベンチャーを立ち上げた社長が読んでいる本とは?②オススメの本は「誰が農業を殺すのか」という本です。農業に身を置いている立場なので考えさせられました

「誰が農業を殺すのか」窪田新之助、山口亮子

このようなタイトルなので農業がいかに傾斜産業か伝わると思います。農業に身を置いてる立場なので、考えさせられる内容が多かったですが、何点か当社にとって大事な点だなーと思ったことを書きます。

一点目は、2030年が農産物直売所の分水嶺!

アグリ・コーポレーションは有機安納芋を栽培して、自社工場でペーストやパウダーの一次加工、またベビーフードなど商品開発をしている農業法人です。私はこの会社以外に農産物直売所「旬の駅」を6店舗経営しています。その農産物直売所「旬の駅」に直結する大事なことで、2030年ぐらいまでに対策をしておかないといけないと感じたことが一点目です。

それは、1割の農家だけで全体の8割を稼ぐということ。販売額1,000万円以上の農家は全体の1割強で、その農家だけで農産物全般の販売額の8割を生み出している。よく2,8の原則と言われるけど、それに当てはまってますね。これが「旬の駅」にどのうような影響があるかというと、一般的に農産物直売所に出荷する農家は、零細農家が多いのです。代々続いている農家もいれば、定年後に農業を始めた方、新規就農、兼業農家など8割ぐらいは小さい農家が農産物を出荷してくれます。年寄りが多いわけですね。つまり、出荷してくれる農家が減っていき、農産物が店に集まりにくくなるわけです。これは死活問題なわけです。

アグリ・コーポレーションもそうですが、スケールを大きくしていく農業法人の出荷先は、大手スーパー、量販店や、カット野菜工場、生協、市場などある程度契約数量を決めていることが多いので、小さい取引で、且つ袋詰めしたり、自身で値段を決める、残ったら引き取りに行く農産物直売所には出来る限り出荷をしたくないわけです。栄枯盛衰なので、時代の変化に合わせて経営をしないとダメなので、今後、どのように農業法人と付き合っていくかなど、仕込みをしておかないといけないわけですね。ある程度の対策は見えているけど、何にせよ今と同じことを10年も続けて行くと取り返しがつかない状況になるだろうな~と思ってます。アグリ・コーポレーションという農業法人を経営しているからこそ見えることなので、栽培と小売業と両方やっている価値はあるなと思っております。

二点目は、有機農業について

農林水産省が2050年までに有機農業を0.5%から25%のするぞーって頑張ってくれているので、今以上には伸びるのは間違いない。大事なのは、増えていく過程、頭打ちになった時、増え切った時にアグリ・コーポレーションが、どの立ち位置にいるかということ。有象無象の1社ではダメなのよね。5年前から有機農業に完全に振り切って、他社より助走出来ている分、圧倒的な差をつけないといけないなと感じています。例えば、じゃがいもは北海道、みかんは和歌山、愛媛、広島、さつまいもは鹿児島、フグなら下関という感じで連想できるように、五島列島に有機安納芋があるよ、産地ですよね?って言われるぐらいの収穫量や取引量、取引先を作っておけるか?どうかが重要ではないかと思っています。その旗振り役でありトップランナーとして経営することが大事なだといつも思っています。

傾斜産業である農業ではあるけれど、スケールを大きくしようと思えばガンガンでき、有機農業を広げるには最高のチャンスがあるので、アグリ・コーポレーションにとって最高のステージが広がってるなーと実感してる今日この頃です。よく言われる「チャンスは平等にあるけど、そのチャンスを手に取れるかは実力次第」という事かもしれません。地道に農地を広げ、有機農業に進み、農産物直売所をやっていたことが今のところ当たっているかもな~と思っています。これからも栄枯盛衰を頭の中心に置いて基盤事業の整備と、将来へ向けた仕込みをやっていきたいと思っています。

まとめ

心に刻んだキーワード

・目標面積1,000ha

→国内で4桁という経営面積に達している会社はない。

2050年のアグリコーポレーションの目標経営面積を1,000haにしました。

知識として得たこと

・碧バラ

→遺伝子組み換え作物ついて、日本で商業的に栽培されているものは一つしか存在しない。それは、サントリー株式会社が世界で初めて遺伝子組み換え技術を用いて育成した「碧バラ」。青いバラの花ことばは「不可能」。

五島列島(福江島)に農業ベンチャーを立ち上げた社長が読んでいる本とは?オススメの本は「流山がすごい」という本です。リーダーシップ論にも通じて現在の農業の問題点にも