黒千代香を使った焼酎の楽しみ方!鹿児島の伝統的な焼酎の飲み方とは?

ストレートやロック、水割りなど、さまざまな飲み方で楽しむことの出来る芋焼酎。熱燗にしておいしく飲めるのは、数ある焼酎の中でも芋焼酎がダントツだと言えるでしょう。温めることでさつまいもの香りが強く立ちのぼり、その豊かな風味を存分に感じることが出来る飲み方でもあります。芋焼酎のお膝元である鹿児島県では、芋焼酎を熱燗にするときに「黒千代香(くろぢょか)」という道具を使います。ここでは黒ぢょかについて、また黒千代香(くろぢょか)を使った熱燗の飲み方についてご紹介します。

黒千代香(くろぢょか)は、どんな道具?

黒千代香を使った焼酎の楽しみ方-道具の説明

黒千代香(くろぢょか)は元々「千代香」という漢字表記で、芋焼酎のふるさとである鹿児島県の土瓶のことを言います。土瓶だけでなく、急須や鉄瓶など、お茶を淹れるときに使う道具を表す鹿児島県の方言でもあり、茶道具であることから「茶家」と表記することもあります。

黒千代香を使った焼酎の楽しみ方-薩摩焼

鹿児島県で作られる陶磁器というと薩摩焼が有名です。その中でも庶民が使うために焼かれる黒いものを「黒薩摩」と呼びます。日常食器として使われている黒薩摩のちょかのことを、鹿児島の人々は次第に親しみを込めて「黒千代香(くろぢょか)」と呼ぶようになりました。黒千代香(くろぢょか)は厚手で耐熱性が高く、直にお酒を燗付けするのに使いやすいことから、芋焼酎を熱燗にするのに使われるようになりました。薄く平べったい形をしているのが特徴で、蓋と土瓶のつるがついています。もちろん、黒薩摩の酒器は黒千代香(くろぢょか)以外にも、ぐい呑みやお猪口なども作られているため、最近はセットになったものが売られていたりします。雰囲気を楽しむ酒器としても持っているといいかも知れませんね。


黒千代香(くろぢょか)を使った熱燗の作り方

黒千代香を使った焼酎の楽しみ方-熱燗(前割り)

芋焼酎を熱燗にするというと、アルコール度数が高いまま黒千代香(くろぢょか)に入れて火にかけるのかと思う方もいるかも知れません。芋焼酎はアルコール度数が低くても20~25度程度あるので、そのまま熱燗にするのではなく、前もって水を加える「前割り」にしたものを熱燗にするのが一般的な飲み方です。

お湯割りと前割りの熱燗の違いは?

黒千代香を使った焼酎の楽しみ方-お湯割り

焼酎をあたたかい状態で飲むというと、お湯割りを真っ先に思い出す方が多いのではないでしょうか。お湯割りであれば、わざわざ火にかけて熱燗にする手間も省け、簡単に楽しむことが出来ます。しかし、お湯割りにするにしても、お湯を先、芋焼酎をあとの順番でグラスやカップに入れたほうが香りが強く感じられるなど、芋焼酎の場合、ちょっとした手間がそのおいしさを左右します。

黒千代香を使った焼酎の楽しみ方-前割りの作り方

芋焼酎の前割りは3日前~前日には作っておき、それを熱燗にするため、少し手間がかかりますが、前割りをすることでまろやかさを増した芋焼酎を、熱燗にして飲むことで、芋焼酎から香り立つさつまいものやさしい香りや、甘みのある味わいがさらに引き立ち、さつまいも由来の特徴や個性を存分に味わうことが出来ます。前割りにする割合も、熱燗にしたときに好みの濃さになるように、いろいろ試して自分流の割合を見つけるのも楽しいのが、芋焼酎の熱燗の良さです。ちょっといい芋焼酎が手に入ったときなど、ぜひ試して欲しい飲み方の1つでもあります。

黒千代香(くろぢょか)を使うと更に芋焼酎が美味しくなる

黒千代香を使った焼酎の楽しみ方-黒千代香は直火

酎の前割りを温めるとき、黒千代香(くろぢょか)を直火にかけますが、強火だと芋焼酎のアルコール分が飛んでしまい、さらには黒千代香(くろぢょか)が割れてしまう可能性があるため、必ず弱火でじわじわと温めます。桜島がもたらす火山灰の影響を受けた粘土を使って作られる黒千代香(くろぢょか)は、遠赤外線効果があるため、芋焼酎の前割りを入れておくだけでも口当たりがまろやかになります。ゆっくりとあたためることでアルコールの角や刺激的な匂いが取れ、さつまいも由来の味わいが引き出されます。囲炉裏の灰の中で昔はあたためていたそうで、それを冷ました「燗冷まし」を飲むのが昔は一般的だったと言われています。燗冷ましの芋焼酎はさつまいもの甘みやうまみが豊かで、水割りなどで飲むよりおいしかったからだそうです。卓上で使える小型の七輪や火鉢などを使って、黒千代香(くろぢょか)に入った芋焼酎をあたためれば、昔ながらの飲み方を楽しむこともできそうです。

黒千代香(くろぢょか)の扱い方

黒千代香を使った焼酎の楽しみ方-黒千代香の扱い方

さて、芋焼酎をおいしく飲むのに、揃えておくとちょっと贅沢な気分になれそうな黒千代香(くろぢょか)ですが、扱い方にもちょっとした決まりがあります。先にも書いたように、急激な温度変化に弱いため、中に芋焼酎を入れてあたためるときは弱火であたためることと、洗うときは洗剤を使わずに洗うことです。薩摩焼の黒千代香(くろぢょか)は、表面に無数の細かな気孔があるため、使うほどに芋焼酎が黒千代香(くろぢょか)に染み込み、香りやうまみが移るのです。少しずつさまざまな芋焼酎のもつ、さつまいも由来の香りやうまみが染み込んだ、黒千代香(くろぢょか)で作る熱燗は、他の酒器で飲むよりもおいしさが際立つといいます。その分洗ったあとにきれいな布巾で拭き上げないと、カビなどのもとになるので、しっかりと水分を取るようにしましょう。

黒千代香(くろぢょか)が引き出す芋焼酎のおいしさを楽しもう!

黒千代香を使った焼酎の楽しみ方-芋焼酎は更に美味しく

芋焼酎のふるさと、鹿児島県ならではの黒千代香(くろぢょか)を使った熱燗は、さつまいもの風味がギュッと詰まった芋焼酎のおいしさを引き出す、お膝元ならではの知恵が詰まった飲み方です。ぜひ黒千代香(くろぢょか)を手に入れて楽しんでみてくださいね。