芋焼酎。この記事を読んでいる皆さんも一度は飲んだことがあるお酒ではないでしょうか?ビールは太るからとか健康や体調の理由でウイスキーから芋焼酎に変えた人。勿論、焼酎なら芋の匂いが好き!という理由で飲んでいる人。色々ではないかと思います。芋焼酎の原材料はさつまいも。さつまいもは薩摩芋と書かれることも多く、この薩摩と深い関係がある芋焼酎について書いていきたいと思います。この記事を読むと芋焼酎が好きな人はより好きに…と言いますか?今までと違った観点から芋焼酎を飲みたくなるはずです。今まで芋焼酎を遠慮していた人も芋焼酎を飲むきっかけになれば良いなぁ~と思っています。まずは簡単に「芋焼酎」について皆さんも知っているところから始めたいと思います。
芋焼酎とは?
芋焼酎は、さつまいもを主な原料とした日本の蒸留酒で、鹿児島県で特に広く生産されています。蒸留酒のためアルコール度数が高く、その独特な風味がさつまいものの特性を最大限に生かしています。さつまいもが鹿児島に伝わったことで、その土地の風土と歴史に深く根付き、今では地域文化の一部となっていると言われています。焼酎はこの芋焼酎以外に麦を原料とした麦焼酎、蕎麦を原料とした蕎麦焼酎が有名ではありますが、冒頭に少し触れた「芋の匂い」「臭さ」がたまらないという方が芋焼酎好きには多いように思えます。
芋焼酎の美味しさ
芋焼酎の美味しさは、先程も触れた臭いだけではなく、さつまいも独特の甘みや香ばしい香りにあります。原材料や製法の違いから生まれる多様な風味が魅力であり、芋焼酎でも銘柄が違うと芋焼酎を変える度に新しい発見があると言われています。特に芋焼酎は、以下のポイントが芋焼酎全体の魅力を高めるのです。芋焼酎は、原料や製造工程の違いにより、さつまいもの風味が変化し、さつまいもの品種ごとに甘み、香り、苦み、渋み等の味覚が大きく変わってきます。また、芋焼酎は、飲み方によって芋焼酎の香りが引き立ち、さつまいもを使用したから奏でる独特のアロマが豊かに広がります。
芋焼酎の有名な飲み方と言えば「ストレート」や「ロック」、「お湯割り」、最近は「炭酸割り」など、多彩な飲み方で異なる芋焼酎の味わいを楽しめます。この芋焼酎の飲み方は、後ほど詳しく書いていきます。是非、同じ芋焼酎でも飲み方が変われば、ここまで変わる?というのを実感していただけると思います。
芋焼酎のふるさと・鹿児島県
芋焼酎が盛んに作られていることでよく知られている鹿児島県は、桜島からの火山灰の影響で、お米を作るのには向かない土地でした。そこで、琉球から伝わってきたさつまいもを育てるようになり、造るお酒の原料もさつまいもを使うようになったことから、自然と芋焼酎が造られて、鹿児島の地に根付いていきました。今でも芋焼酎は、鹿児島県の重要な特産品のひとつとして、全国にその名を知られています。
鹿児島県の人たちは、芋焼酎をどんな飲み方で楽しんでいるの?
さて、鹿児島県を中心に造られる芋焼酎ですが、ご当地ではどのように楽しまれているのでしょうか。飲み方自体は全国どこでもそれほど変わりはありませんが、ちょっとしたコツを覚えるだけで、地元の人達のようにおいしく芋焼酎を楽しむことが出来ます。ここではその飲み方をご紹介します。
芋焼酎の飲み方①ストレート
芋焼酎が持つさつまいも由来の香りや味わい、瓶詰めして出荷されるまでに経てくる、芋焼酎造りのさまざまな条件が生み出す風味など、その芋焼酎本来の香りと味わいをしっかりと楽しめる飲み方です。芋焼酎はアルコール分が高いお酒なので、チェイサーとしてお水を別に用意することも忘れないようにしましょう。薩摩切子などのショットグラスで飲むと雰囲気も高まっていいかも知れませんね。
芋焼酎の飲み方②ロック
東京などの都市部では、比較的ポピュラーな焼酎の飲み方として知られているのがロックかもしれません。氷を入れて飲むだけのシンプルな飲み方ですが、芋焼酎に氷が溶けていくにつれて、さつまいも由来の香りや甘みが感じられ、味わいも変化していくのが楽しい飲み方です。焼酎用に作られたロックグラスなども販売されているので、グラス選びも楽しいと言えるでしょう。
芋焼酎の飲み方③水割り
ウイスキーなどで馴染みのある飲み方ですが、鹿児島では芋焼酎も水割りで味わう人も少なくないといいます。水割りの良いところは、何より自分の好みの濃さで芋焼酎を楽しめることでしょう。氷水を使って芋焼酎を割ることで口当たりがやわらかくなり、さつまいもの持つ甘みや香りを強く感じることが出来ます。よく冷やしたグラスでいただくと一層おいしく感じますよ。
芋焼酎の飲み方④お湯割り
おそらく、芋焼酎の楽しみ方で一番ポピュラーで、鹿児島県の人が最も好む飲み方がお湯割りではないでしょうか。お湯から出る湯気とともに、さつまいもの香ばしい匂いや、やわらかな香りが楽しめるだけでなく、さつまいも由来の甘みや風味が特に引き立つ飲み方だと言えるからです。割り方にもご当地ルールがきちんとあり、それに倣って飲むのがおすすめです。まず、お湯割り用のグラスや陶器のカップなどにお湯を入れ、芋焼酎を注ぐのはあとから。こうすることで香りが引き立ち、風味が増します。お湯と芋焼酎の割合は6対4か7対3が良いとされ、少し濃い目でいただくのがおいしい飲み方です。薩摩焼のそば猪口などを用意して、お湯割りにして楽しむのもいいかも知れませんね。
芋焼酎の飲み方⑤前割り
前割りは、もともとは黒ぢょかを使って芋焼酎を燗酒にして楽しむときに、用いられる飲み方でした。それが現在では、水割りの1種のような感覚で芋焼酎を味わう方法の1つとなっています。前もって芋焼酎と水を割ったものを瓶に入れ、冷蔵庫で寝かせてからグラスにそのまま注いで飲みますが、黒ぢょかや徳利に入れて燗酒にしてもおいしく楽しむことが出来ます。前割りの魅力は、アルコール分を抑えられることもありますが、水を加えることで口当たりがまろやかになり、さつまいものやさしい甘みや穏やかな香りを感じることが出来ることでしょう。前割りにするときの割合は、芋焼酎と水を5対5で瓶などに入れます。できれば3日以上冷蔵庫で寝かせたほうがよく、5日以上経つと口当たりはさらに丸く、バランスも整った味わいを体感できます。毎日少しずつ飲んで、日々の変化を確認するのも面白いですよ。
芋焼酎の飲み方⑥炭酸割り
麦焼酎などではおなじみの飲み方である炭酸割りですが、芋焼酎を炭酸水で割って飲むようになったのは、意外かもしれませんが比較的最近のことです。夏の暑い季節に、これも最近流行りの華やかでフルーティなタイプの、新しいさつまいも品種を使った芋焼酎を炭酸割りにすると、さわやかな味わいに気分もリフレッシュします。割り方はとてもシンプル。グラスに氷と芋焼酎を入れ、炭酸水を加えてマドラーで軽く混ぜるだけです。水割りと同様に自分で好みの濃さにして味わうことが出来るので、あまり量を飲めない人にはうってつけかもしれませんね。
好みの芋焼酎を好みの飲み方で!
さまざまな品種のさつまいもを使って造られる、バラエティ豊かな芋焼酎。どんなふうに飲むかはその人の好みによるところが大きいかも知れませんが、この芋焼酎にはこの飲み方が合う!といったことを探っていくと、思いもかけない組み合わせに出会うこともあるかも知れません。ぜひ好みの飲み方を見つけて、さつまいもの風味がつまった芋焼酎をもっと日常に取り入れてみてくださいね。