「紅あずまの焼き芋って、本当に甘いの?」と疑問に思う方も多いでしょう。近年、ねっとり系さつまいもの品種が人気を集める中、ホクホク系の紅あずまはその存在感を失っていません。実は、低温でじっくり焼くことで、紅あずまも驚くほど甘くなるのです。この記事では、甘さを最大限に引き出すための焼き方を紹介します。この方法を使えば、紅あずまが持つ自然な甘さとほくほくした食感を存分に楽しむことができ、ねっとり系に負けない美味しさを発見できるはず!長年親しまれてきた紅あずまの魅力を再確認し、寒い季節にぴったりな極上の焼き芋作りを試してみてください。
ホクホク系さつまいもの品種
石焼き芋の香ばしい香りと、ほくほくとした食感は、昭和の時代から多くの人々に愛されてきました。特に寒い季節にほおばる焼き芋は、どこか懐かしい思い出を呼び起こす存在です。しかし、平成以降、現在の焼き芋ブームを支えているのは、どちらかというと「安納芋」や「紅はるか」など、ねっとりとした食感が特徴の品種が主流です。さつまいも博などのイベントでも、これらの品種が使われた焼き芋が目立ち、多くの人がその甘さとしっとり感を楽しんでいます。
そんな中、ホクホク系のさつまいもの代表格として忘れてはならないのが「紅あずま」です。この品種は、昔ながらの焼き芋を思い出させる、あっさりとした甘さと軽やかな食感が特徴です。昭和の時代から親しまれてきたその存在感は、現代のねっとり系の芋たちとは一線を画し、今でも根強い人気を誇っています。紅あずまは、秋から冬にかけて多くの市場に出回り、焼き芋として食べると、そのホクホク感が一層引き立ち、焼きたての香りとともに最高の美味しさを味わえます。因みに紅あずまはこんな品種です。
紅あずま
紅あずま(べにあずま)は、日本国内で広く栽培されているさつまいもの代表的な品種のひとつで、特に関東地方を中心にその栽培が盛んです。茨城県や千葉県、栃木県が主な産地で、関東の豊かな土壌と気候が紅あずまの成長に適しているため、高品質なさつまいもが収穫されています。紅あずまは、その甘みの強さと、加熱後にほくほくとした食感になるのが特徴で、昔ながらのさつまいもの良さを感じさせる品種として多くの人々に支持されています。
その皮は美しい赤紫色をしており、この色合いが「紅あずま」という名前の由来となっていると言われています。加熱すると特有のホクホクした食感が際立ち、特に焼き芋にすると甘さが一層引き立つため、焼き芋として食べるには最適なさつまいもと言えるでしょう。また、紅あずまはその食感と甘さから、煮物や天ぷら、スイートポテトなど幅広い料理にも利用されています。家庭料理からお菓子作りまで、さまざまな場面で活躍しており、季節の味覚を楽しむ際に欠かせない存在です。
日本の秋の風物詩とも言えるさつまいも。さつまいもと言えば、多くの人がまず「紅あずま」を思い浮かべるほど、その知名度と親しみやすさは圧倒的です。スーパーやコンビニエンスストアなどでも手軽に手に入るため、家庭で気軽に楽しむことができる定番のさつまいもとして、多くの人々の食卓に並んでいます。紅あずまは、昔から日本の家庭で愛され続けてきた存在であり、その豊かな味わいは、時代を超えても変わらぬ人気を誇っています。
紅あずまの焼き芋
先程も少し触れましたが、紅あずまの焼き芋は、秋の訪れを感じさせるホクホクとした食感が特徴的です。多くの人が「焼き芋」と聞いて思い浮かべるのは、この紅あずまのようなさつまいもで、焼き上がると甘く香ばしいさつまいもの香りが漂い、その香りだけでも食欲を掻き立てられます。特にホクホク系の焼き芋は、ねっとり系とは異なる独特の食感が魅力で、程よい歯ごたえを感じながらも、口の中でほろほろと崩れるような柔らかさを併せ持っています。
焼くことで、紅あずまに含まれるでん粉が糖に変わり、低温でじっくり加熱することでその甘さが一層引き出され、程よい甘さとホクホク感が絶妙にマッチした焼き芋が完成します。特に寒い季節には、この紅あずまの焼き芋がまさに最高のスイーツとして楽しめます。手軽でありながら、しっかりとした甘さがあるため、街角で偶然見かけた石焼き芋を手にしたり、家庭で焼き芋にしたりするだけでも、冬の寒さが心地よく感じられるひとときに変わるはず。
今回は、このホクホク系の代表格である紅あずまを徹底的に美味しく焼き上げることを目指して、じっくり時間をかけてチャレンジしました。このメディアでも過去、色々な記事で紹介している通り、焼き芋の仕上がりは、焼く温度や時間に大きく左右されるため、低温でじっくりと焼くのがポイントになります。じっくりと時間をかけて焼き上げた紅あずまの焼き芋の作り方をぜひ楽しんでみてください。詳しく説明します!
凄く甘くなる紅あずまの焼き芋レシピ
ホクホク系で凄く甘くなる?という疑問あるかと思いますが、この方法で焼き芋を作れば「凄く甘く」なります。検証済みの焼き方です。凄く甘くなる…これはねっとり系やしっとり系の焼き芋だけじゃなかったのです。さつまいもすべてに当てはまるのかもしれませんので他のさつまいもの品種でも是非、やってみたいと思っています。
購入した時に、お店の人に、洗っているさつまいもだから早めに召し上がってくださいね。それと保管をするなら冷蔵庫ではなく、涼しく風遠しの良いところ、出来れば暗い、冷暗所みたいなところで保管してくださいね、保管するなら1本1本、新聞紙に包んでくださいねと言われました。なんて…さつまいもに詳しい人なんだ!と思うくらい適切なアドバイス。このメディアでもさつまいもを長く楽しむなら「泥付き(土付き)に限る」と説明している記事もあるとおりのアドバイス。しかも洗ってあるさつまいも(保管には向かない)のアドバイスまで…。ということで、新聞紙で1本1本包んで、購入してから今回の撮影まで3日間ありましたので、風通しの良いところ、薄暗い場所に保管をしておきました。
安納芋の焼き芋の時もそうですが、さつまいもを選んだ時点でほぼほぼ甘さと美味しさが決まると書いてきた通り、今回も購入時に選ぶ際は、切り口や表面に黒い液だれのようなものがついているものを徹底的に選び抜きました。この黒い液だれのようなものは、切り口や表面から出る白い液体の「ヤラピン」で、この「ヤラピン」が切り口から出るようなさつまいもは甘い、美味しいのです。
このヤラピン(黒い液だれ)がついた切り口をカットして、水に浸してアク抜きをします。アク抜きをすることにより、さつまいもの中にある雑味がとれます。
約30分程度でもアク抜きをしたさつまいもとアク抜きをしなかったさつまいもを焼き芋にした場合、大きく味、特に甘さに違いが出てきますので時間があれば必ずアク抜きをすることを推奨したいと思います。
紅あずまのアク抜きをした後は、1本、1本、アルミホイルで包みます。アルミホイルで包むことによりオーブンの火(熱)が紅あずまに均等に伝わるようにする為です。
今回の紅あずまの焼き芋は、超低温と低温の二つの温度で焼いていきます。まずは、超低温…一般のオーブンは250~300℃程度の温度が最高温度になります。オーブンの機種によっては高温度設定の300℃以上も出来ます。今回の超低温は、オーブン使う必要あまりないのでは?と言われるくらいの温度にしています。超低温は80~90℃。この温度で60分、焼いていきます。
まず、超低温ででん粉を糖化させることに専念します。60分を経過してオーブンを開けて焼き芋を取り出してみても「固い」これが正直な感想かもしれません。私も…これ焼けてるの?大丈夫なの?と思うくらいの状態でした。ほぼ生のままじゃない?という感じですが、表面と言いますか?焼き芋はそれなりに熱を持っている状態です。うっすらと蜜のようなものがついている程度です。
疑心暗鬼になりながら次の工程の超低温から低温(120℃)で追加で60分、オーブンで焼いてみました。超低温(80℃)で焼いている最中は、焼き芋の香りは全くしてこなかったのですが、低温(120℃)で焼いていると後半、40分を過ぎたころから焼き芋の香りがしてきます。この香りで少し安心しましたよ。これで焼けなかったらどうしようか?と思うレベルでしたから…超低温で焼いている時は…。
低温(120℃)で60分焼いてオーブンから焼き芋を出して、アルミホイルを開けてみると、少し割れ目が入っており、裏返し(焼き芋をひっくり返す)してみると蜜らしきものがべっとりと出ていました。
超低温(80℃)で60分、低温(120℃)で60分、合計120分でオーブンで焼いた焼き芋は、
こんな感じのホクホクした感じとホクホクしている部分の周りは少ししっとりとした感じの2層になっているのが画像でもお分かりになると思います。薄い皮をとってみると黄金色のしっとりした部分が出てきます。
少し、割ってみるとしっとりとした部分に包まれ、ほくほくとした部分がより際立っている感じです。これは、美味しいこと間違い無しの焼き芋になっています。実際に食べてみると甘さが強く…いや、甘さが濃いと言いますか?紅あずまってこんなに甘かった!?と思えるくらいの甘さになっています。
そしてアク抜きと超低温が良かったのか?しっとりとした部分は、なんとも言えない食感と甘さ…冒頭に書いた「凄く甘くなる」は間違い無し。2本の紅あずまですが、本当に10分、かからないくらいで完食してしまいました。これが超低温ででん粉を糖化させる方法の勝利なのかもしれません。合計で120分。
確かに焼き芋を焼く時間としては長いかもしれません。でも読書のシーズンとも言われる秋。待ち時間は読書をしながら焼き芋を焼けば120分はあっ!と言う間かもしれません。時間をかけただけありまして…紅あずまの焼き芋は、今まで食べたどの紅あずま、ほくほく系の焼き芋の中で1番の出来であり、1番の美味しさでした。是非!時間のある方は、自宅でお試しください!この「凄く甘い」を体験してみてはいかがでしょうか?
まとめ
紅あずまの焼き芋は、ホクホクとした食感と程よい甘さが魅力のさつまいもです。近年はねっとり系が主流になりがちですが、紅あずまも低温でじっくり焼くことで驚くほど甘くなります。今回の記事では、その甘さを引き出すための焼き方を詳しく紹介しました。
まず、超低温ででん粉を糖化させ、その後低温でじっくり焼き上げることで、ホクホク感と甘さが絶妙にマッチした焼き芋が完成します。時間をかけて焼いた紅あずまは、冬の寒さにぴったりな極上のスイーツと言えるでしょう。ぜひ、自宅で試して、その甘さと食感を楽しんでみてください。
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