料理研究家が挑戦!ネットで話題の焼き芋の焼き方を自宅でやってみた!合計2時間かかるが…もう焼き芋をお店で購入することは無いかもという味に!一度、失敗した内容も公開!

焼き芋は言ってしまえばさつまいもを加熱しただけの食べ物ですが、この「だけ」に奥深い美味しさの秘訣があります。類似のものにふかし芋も挙げられますが、どちらが美味しいかと聞かれたら、焼き芋と答える人が殆どではないでしょうか。

自宅ではふかし芋の方が多いのでは?

ふかし芋だって十分に美味しいので、こんな書き方をするのは少々可哀相な気もしますが、焼き芋には圧倒的な美味しさが、あります。そう分かっていながらも、自宅でさつまいもを食べようか?となれば、焼き芋ではなくふかし芋にする方が殆どではないでしょうか。このギャップ、一体何故でしょう?答えは簡単です。焼き芋は自宅では作れないと思っているからです。

確かに昔から焼き芋屋さんの車から「石焼き芋〜おいも〜」と聞こえてくるのを耳にしていますし、絵本やイラストにある焼き芋は石や落ち葉を集めて火を起こし、その中に放り込んで焼くといった絵が殆どです。多くの人の焼き芋のイメージもこのようなものではいかと思います。かと言って、スーパーで見かける焼き芋機なんて、どう頑張っても置くスペースは無いし、家電量販店でも見かけることすらありません。焼き芋は買って食べる物という認識になるのも無理は無いでしょう。でも、本当に石や落ち葉が無いと焼き芋は作れないのでしょうか?

やってみました!ネットで話題の焼き方

結論から申し上げますと、そんなことはありません。確かに昔は焚き火をして、焼かなければならなかったかもしれませんが、オーブンという超優秀な家電が一般化した現代では自宅で、勿論火起こしなどしなくても、キッチンで焼き芋が作れるようになりました。色々な作り方がありますが、今回はとても簡単でアルミホイルなど他の備品もいらない、SNSでも話題の作り方に挑戦してみました。これぞ究極のさつまいもを加熱するだけの料理。早速レシピから失敗も含めた赤裸々制作レポートをお届けします。最後まで見てくださった方は自宅で美味しい焼き立てホクホク焼き芋を食べられること間違い無し!?

〈焼き芋の作り方〉

  1. 洗ったさつまいもをオーブントレイに濡れたまま隙間をあけて並べ、オーブンで余熱なし160度で60分焼く。焼き上がったら予熱が余熱が冷めるまで庫内で放置しておく。
  2. 一度取り出し、破裂防止にフォーク等で穴を開ける。
  3. 再びオーブンで予熱なし160度で60分焼く。
  4. さつまいもがクニャッと柔らかくなり、蜜がカラメルになっていれば焼き上がり。そのままオーブンの中に予熱が冷めるまで放置する。

さて、早速の試作スタート。まずはおいしくな~れと願いをこめて、さつまいもを洗います。濡れたたままで良いとのことで、いつも水気を除いてから調理することが基本になっているので、オーブンパンに水滴が落ち行く光景に若干抵抗を感じながらも、レシピの通りそのまま並べます。

そして、オーブンといえば予熱をすることが常識、予熱を入れ忘れて時間オーバーした苦い経験を持つ身としては、予熱無しという点も本当かと何回も確認してしまいます。小さなことですが、予熱なしで良いって本当に楽です!

これから合計2時間の長旅です。いってらっしゃーいと心の中でつぶやき、焼き芋予備軍たちのオーブンへの旅立ちを見送ります。時々、オーブンの窓を覗きますが、特に変化は見られず。本当に焼き芋になるのだろうか、若干の不安を抱えながら待つこと1時間。

1時間もオーブンに入っていたにも関わらず、特に変化のないままの姿で戻ってきました。しかし、肝心なのは中身です。期待と不安の半々で表面を表面を押して柔らかさを確認。少しは焼き芋に近い触感になっていることを予想していましたが、焼き芋どころか見た目と同様にほとんど変わらない硬さでした。これにはショック。やはり、焼き芋を自宅で焼くには無理があったのかという思いが頭を過りましたが、まだ後半があります。60分でここまで硬いと、先も期待が薄かったのですが、唯一の救いはフォークは抵抗なく刺さったので、次の60分間に期待することに。

再び余熱無し、160℃のオーブンへ戻るさつまいもたち。1回目より低いテンションでのお見送りとなりましたが、ここからが大逆転を見せることに。加熱開始後、約30分の頃、オーブンの窓を除くと1回目には見られなかった輝くものが見えます。焼き芋のシンボルともいえる密が溢れ出しているではありませんか!!

信じ続けて来て良かった!開始90分にしてやっと手ごたえを感じ、仕上がりを楽しみに残りの時間を待ちます。

もう焼き芋は買う事はないかも

やっと2回目の焼き時間が終わり、お待ちかねの実食です!1回目とは大違いで、レシピ通り…指で押すとぐにゃっとした柔らかい感触が得られました。密もしっかり出ていて、美味しさを証明しています。

そして、一番重要なお味はといえば、近所のスーパーに並んでいたさつまいもとは思えないほどの仕上がり。自画自賛になりますが、焼き芋店が開けるのではと思うほどでした。3本も焼いて多かったかなと思っていましたが、あっという間になくなってしまいました。

実は失敗もしてました

実は失敗も経験しており、その時はこんな焼き上がりに・・・。

1度目は試作と思って、お値打ち価格になっていたさつまいもを使ったのですが、鮮度が良くないと加熱しても柔らかくならないようです。さつまいもの鮮度には気を付けて下さいね。こんなに簡単に!というか、殆ど何もせずに、こんなに美味しい焼き芋が作れるとは衝撃です。もはや…ふかし芋より準備も片付けも楽でした。この焼き方を知ってしまうと、もう市販では買わなくなりそうです。焼き芋は自宅で焼くものが令和の常識になるのではないでしょうか。