安納芋、紅はるか、紅あずまのプロが教える美味しいさつまいもの見分け方

折角、購入するのだから出来れば「当り!」を買いたいのは私だけではないはず。さつまいもはどれも同じように見えるけど…当り!ハズレ?ってあるの?事実。さつまいもを真剣に店頭で手に取り、時間をかけて見てもなかなか難しい…どれを選んで良いのか??迷っていませんか?さつまいもにもしっかりとした見分けるポイントがあります。それは、さつまいもの皮の状態、さつまいもの重量感、形状というか?大きさのバランス。実はこれかなり重要です。このポイントをおさえておけば簡単に見つけられます。そう!当りと言われるさつまいもを。

店頭でさつまいも選び

例えば、皮に傷がなく鮮やかなさつまいもカラーの色、ずっしりとした重量感、鈴なりとも言われる形が均一なものを選ぶと、焼き芋やスイーツ、料理に、さつまいもの味、香り、食感を思っていた以上に楽しめるはずです。今回は、さつまいも人気品種と言われる「安納芋」、「紅はるか」、「紅あずま」に絞って美味しいさつまいもを見分けるポイントを紹介します。この記事を読むことで、店頭で悩んでいたさつまいもの見分ける時間が無くなり、次回の買い物では迷わず、お!これだ!と思える最適なさつまいも(安納芋、紅はるか、紅あずま)を見分けられるコツを知る事ができるようになるはず。最後まで読んで、当り!と言われる安納芋、紅はるか、紅あずまを選び、焼き芋の美味しさ、料理の美味しさをプラスしちゃいましょう。

さつまいも人気品種

さつまいもの人気品種

さつまいもの中でも人気品種には、「安納芋」、「紅はるか」、「紅あずま」が挙げられます。それぞれが独自の風味や食感を持ち、焼き芋や蒸かし芋、そして、料理やスイーツに適していることから、さつまいもの中でも幅広い人気を得ている品種です。この3種類の品種は、それそれが全く異なった食味、味、香りを持っています。安納芋は、糖度が高くなり、ねっとりとした食感というのは良く知られており、焼き芋やスイーツ、特にスイートポテトのような焼成する洋菓子では安納芋が持つ甘味が抜群に際立ちます。紅はるかは、安納芋と並ぶ「蜜芋」と言われるくらい糖度が高く、こちらもねっとりとした食感から焼き芋にすると抜群の美味しさを誇ります。一方、紅あずまは、安納芋や紅はるかとは異なり、ほくほくとした食感と優しい甘さが特徴で昔ながらの美味しい品種になります。焼き芋は勿論、煮物や天ぷら等の惣菜にも型崩れがしにくく適しているさつまいもの品種です。現在のさつまいもの品種は、毎年、新しい品種が登録されてくるくらいの状況で、多種多様で、今回、あげた安納芋、紅はるか、紅あずまも大きく異なる特徴を持っており、独自の風味とねっとり、ほくほくといった食感から沢山の消費者から支持されている人気品種です。ここからは安納芋、紅はるか、紅あずまを更に詳しく品種の特徴を見て行きたいと思います。

安納芋、紅はるか、紅あずま、さつまいも品種の特徴

安納芋

安納芋断面

鹿児島県種子島をおもな産地とする安納芋(あんのういも)。太平洋戦争の後、インドネシア・スマトラ島から帰還した兵士が持ち帰った芋苗を、安納地区で栽培したことが始まりだとか。
コロンと丸い形をしているのが特徴で、味は糖度が高くねっとりとしていて、甘くとろけるような舌触りです。糖度は生の状態だと16度前後、ゆっくりと時間をかけて加熱することで40度前後まで上がります。収穫時期は9月〜12月頃ですが、3〜4週間ほど時間をかけてゆっくりと追熟されることにより甘みが増すので、旬の時期は10〜12月頃となります。

紅はるか

紅はるか断面

ねっとり系さつまいも好きの間では、安納芋と人気を二分すると言われている紅はるか。他のさつまいもよりも、食味や外観が「はるかに優れている」から紅はるかという名前になったんだとか。紅はるかは、形のよい「九州121号」と、皮の色や食感の良さが魅力の「春こがね」を交配させ育成したものです。その生まれの由来の通り、形は「The さつまいも」といった細長い紡錘形で、皮は鮮やかな紫色。味も、スイーツをそのまま食べているかのようなクリーミーさと、濃厚な甘みが魅力です。糖度は生の状態でも約35度、加熱後は50〜60度にまでアップします。主に九州地方や関東地方で生産され、旬の時期は11〜1月頃となります。

紅あずま

紅あずま断面

ほくほく系さつまいも代表の紅あずま。関東地方での生産が盛んな品種です。皮の色は濃い赤紫色で、表面はゴツゴツとしていることが多いですが、全体的な色や形は揃っていることが多いのが特徴です。果肉は黄色く、繊維質が少ないので、断面を見られる場合は中身でも判別が可能です。味は、上品な甘さと粘質な舌触りが印象的で、水分が少なめなのでほくほくとした食感です。糖度は生の状態で約14度、加熱すると32度ほどまで上がるのだとか。収穫は早くて9月上旬からはじまり、11月中旬まで続くのですが、追熟期間が2か月ほどと長く、旬の時期は12〜2月頃まで。そして貯蔵性が高くない品種のため、旬を過ぎるとあまり出回らなくなるのも特徴です。

さつまいも選びのコツ

さつまいも選びのコツ

さつまいもの選び方にはコツというか?外せないポイントがあります。それは、しっかりとした皮の状態、重量感、形とバランスです。この部分を見極めて選ぶと焼き芋や料理、スイーツにぴったりのさつまいもを手に入れることができます。少しだけ説明をすると皮の状態は、ピーンと張った、しっかりとした状態で、シワや傷が少ないものは、鮮度が良い証拠になります。また、色もさつまいもカラーと言いますか?赤紫の色が鮮やかで色むらが無いものが良いです。さつまいもは、この見た目よりどちらかというと重さが重要です。手で持った時にずっしりとくるような重量感があるものは、さつまいもの中身がしっかりと詰まっているので最高のさつまいもの可能性が高いです。そして、さつまいもの形状も細すぎず、太すぎず、丸すぎず全体のバランスがとれている形が均等に熱や火が通りやすく、焼き芋や調理が行いやすくなります。ここまでは一般的なさつまいものを店頭で選ぶときのコツでしたが、ここからはさつまいもの人気品種「安納芋」、「紅はるか」、「紅あずま」の選び方のポイント、コツを詳しく品種ごとに紹介していきます。

人気品種3種類の選び方のポイント

安納芋、紅はるか、紅あずまを具体的に見分けられるように、外見的な特徴をさらに詳しく紹介します。

安納芋

安納芋外観

コロンと丸い形をしていて、小ぶり。形もサイズ感もレモンに近いものが多い。品種によっては皮が淡い黄色っぽいものもある。断面の色も品種により様々。

紅はるか

紅はるか外観

皮は明るい紫色。全体的に凹凸も少なく、のっぺりと細長いものが多い。切った断面は白っぽい黄色。白い乳白色の液体(ヤラピン)が多く出てくるのも特徴。

紅あずま

紅あずま外観

皮は濃い赤紫で、表面はゴツゴツしている。太さも形もしっかりしており、ラグビーボールを連想させるようなフォルム。断面の果肉の色は黄色。

美味しいさつまいもはズバリこれ!

3種類のさつまいも品種

美味しいさつまいもの特徴は

  • ふっくらとした紡錘形をしている
  • 皮の色が鮮やかで、表面がなめらか
  • 切り口や表面に黒い液だれのようなもの(ヤラピンが変色したもの)がついている

の3点です。詳しく解説していきましょう。

①ふっくらとした紡錘形をしている

紡錘形のさつまいも

土の中でたっぷりと栄養を蓄えることができると、ふっくらとしたさつまいもらしい形になります。基本的にはレモンのような紡錘形ですが、さつまいもの栄養は下の方に溜まるので、綺麗な紡錘形というよりは、下の方がよりふっくらとしており、重心がやや低そうな形をしているのも良いさつまいもの特徴。適度な太さがあり、持ったときにずっしりとした重みがあれば完璧です。

②皮の色が色鮮やかで、表面がなめらか

皮の色が色鮮やかで、表面がなめらかのさつまいも

皮の色が濃く、色鮮やかで艶のあるものは健康的に育ったさつまいもです。そして表面のくぼみが浅く、なめらかな状態のものが良しとされます。なるべく傷のないもの選ぶのもポイント。皮は薄いので、多少剝けていてもOK。

③切り口や表面に黒い液だれのようなもの(ヤラピンが変色したもの)がついている

切り口のヤラピン画像

蜜のようにも見える、黒い液だれのようなものの正体は、「ヤラピン」という白い液体が酸化して変色したもので、汚れではありません。ヤラピンは新鮮で元気なさつまいもによく出るものなので、要チェックです。

安納芋、紅はるか、紅あずま3種類と、美味しいさつまいもの見分け方を紹介させていただきました。今回、紹介した見分け方を活かして、これからのさつまいもシーズンを美味しく楽しく過ごして頂ければ幸いです。