さつまいもの好きな食べ方と言えば、あなたは何を思い浮かべますか?とある調査によれば、さつまいもの好きな食べ方は…、1位 焼き芋、2位 大学芋、3位 スイートポテト、4位 天ぷら といった結果が得られたそうです。この中で、今回注目するのは、「大学芋」です。このようなランキングでは、必ずと言って良いほど上位に入ることの多い大学芋ですが、お昼の人気テレビ番組「ヒルナンデス」で紹介された、”揚げない”大学芋を実際に作って、食べてみました!以前に紹介した、”干さない”干し芋に続いて、”揚げない”大学芋の気になる作り方やその味をご紹介します。ぜひ最後までご覧ください。
数日から1週間ほどを要する天日干しに比べて、2時間のオーブン調理で完成するこちらの干し芋は、インスタント干し芋と呼んでもよいのではないでしょうか。インスタントとしては、十分な美味しさです。
大学芋とは?
そもそも大学芋の「大学」とは、どういう意味なのでしょうか?その名前の由来は、大学生に人気だったから説、大学生が売っていたから説、大学ノートのように商品名に「大学」を付けるのが流行っていたから説、など諸説あるようです。
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しかし、大学芋とは何か?と調べれば、揚げたさつまいもに蜜を絡めたもの、揚げ菓子と、おそらくどこを見てもそのように紹介されているでしょう。つまり、今回作ろうとしている揚げない大学芋は、その定義に反していると言えます。干さない干し芋も、干し芋の定義に反しているでしょう。筆者は、これらのレシピを「矛盾レシピ」と勝手に呼んでいます。さて、矛盾レシピによって作り出される大学芋とは、一体どんなものなのでしょうか。(矛盾レシピについて、もしも他にきちんとした呼称がありましたら、ぜひ教えてください。)
一般的な大学芋の作り方との違い
まずは、一般的な大学芋の作り方を見てみましょう。大まかですが簡単にまとめると下記の流れです。
- 洗ったさつまいもを乱切りにして5分~10分ほど水にさらす
- 水気を切ったさつまいもを油で揚げる(二度揚げ)
- 鍋で調味料(タレ)を熱し、揚げたさつまいもと絡める
- 黒ゴマをふって完成
一方、揚げない大学芋の作り方をまとめると下記です。
- 洗ったさつまいもを乱切りにする
- ①に濡らしたキッチンペーパーをかけて電子レンジで加熱する(500Wで5分)
- フライパンに油をひいて、さつまいもに焼き色をつける
- 鍋で調味料(タレ)を煮詰め、余分な油を拭いたさつまいもと絡める
- 黒ゴマをふって完成
比較してみると、さつまいもを油で揚げるかわりに、レンジで加熱したさつまいもをフライパンで焼く、ということがわかりますね。さらに、焼いたサツマイモは、余分な油を拭きとってからタレに絡めることにより、一般的な大学芋よりもヘルシーな仕上がりになるようです。カロリーを気にする方にとっては嬉しいですね。それでは、いざ実践してみましょう。
揚げない大学芋を作ってみた
今回使用した材料はこちらです。ヒルナンデスでは、安納芋を使用していたようですが、近所で手に入らなかったため、紅はるかを使用しました。さつまいもは、お好みの品種を使用しても良いと思います。
- さつまいも(紅はるか)・・・2本(約500g)
- 油・・・適量
- 砂糖・・・大さじ2
- 醤油・・・大さじ1
- みりん・・・大さじ2
- 黒ゴマ・・・適量
まずは、さつまいもをよく洗って、一口大もしくは、二口大に切ります。均等に熱が通るように、なるべく大きさは揃えたほうが良いでしょう。
耐熱皿に、水で濡らしたクッキングシートを敷いて、その上にさつまいもを重ならないように並べましょう。さつまいもを並べたら、水で濡らしたクッキングシートを被せます。さらに、サランラップで覆ったら、レンジに入れて500Wで5分加熱します。
加熱によって、さつまいもの甘い香りが漂ってきました。レンジから取り出す際は、火傷に気を付けてください。一口大から二口大のサイズであれば、この段階で竹串がスッと通ると思います。万が一、硬さが残っている場合は、様子を見ながらレンジ加熱を追加してください。
熱したフライパンに油をひいたら、レンジで加熱したさつまいもを投入し、焼き色をつけましょう。この焼き色がたまりません。焼き色がついたら、余分な油をクッキングシートなどで拭き取りましょう。油を拭き取ることで、ベチャっとなるのを防ぎます。
油を拭き取ったら、調味料(砂糖・みりん・醤油)を投入し、煮詰めながらさつまいもに絡めます。ジュワーッと煮立つ音とともに香ばしい匂いが立ち昇ります。
仕上げに黒ゴマをふって、揚げない大学芋の完成です。
揚げない大学芋を食べてみた
見た目は従来の大学芋のように見えますが、果たして味はどうでしょうか?いよいよ実食です。
大学芋といえば、この「焦げ目」と「てり」がなんとも美味しそうで、食欲をそそりますよね。口に頬張ってみると…、美味しい。これは、まごうことなき大学芋の味です。油で揚げずとも、しっかり熱が通って柔らかい。みたらし団子のような甘じょっぱさと、黒ゴマの香ばしい風味が素晴らしい。そして、紅はるかのねっとり食感がたまらないのです。油で揚げていないため、重たく感じることはなく、かといってパンチが足りないかと言えばそうでもない。それは、紅はるか自体が風味の強いさつまいもだから、なのかもしれません。ヒルナンデスでも安納芋を使用していたのも、そのような理由かもしれません。
まとめ
干さない干し芋に続いて、揚げない大学芋という、矛盾レシピを実際に試してみました。揚げない大学芋は、油を使わないヘルシーさはもちろん、油で揚げるという労力と時間が省けて、しかも従来の大学芋に引けを取らない美味しさ、というメリットがあります。特に夏場は、揚げ物は暑くて大変ですよね。夏でも手軽に大学芋を味わうことができる、揚げない大学芋、とてもおすすめのレシピだと思います。個人的には、もう少し蜜の量を増やしても良いかなと思いました。ハチミツを使っても良いと思います。みなさんも、さつまいもの品種や、味付けなどを自分なりにアレンジして、揚げない大学芋を楽しみましょう。