青木昆陽を祀る「昆陽神社」へ!享保の大飢饉を救った芋神様と奇跡のさつまいも試作地

多くの命を救った「芋神様」青木昆陽とは?

梅雨の時期になると、長引く雨や日照不足、突然の雷雨など、天候の変化に悩まされることが多いですよね。現代でも異常気象には驚かされますが、東京がまだ「江戸」と呼ばれていた時代にも、気候変動による恐ろしい大災害がありました。

それが、1732年(享保17年)に起きた「享保の大飢饉」です。 長期間にわたる悪天候、低温による冷夏、そして害虫の大量発生により農作物が大凶作となり、250万人以上が飢え、1万2千人もの命が失われたと言われる江戸四大飢饉の一つです。

この絶望的な危機を受けて立ち上がったのが、江戸時代中期の蘭学者であり儒学者でもあった青木昆陽(あおきこんよう)です。 昆陽は飢えに苦しむ人々を救うため、悪天候や荒れ地でも育ちやすい「さつまいも(甘藷)」の栽培を推進。1735年(享保20年)には、その栽培方法をまとめた『蕃藷考(ばんしょこう)』を著しました。

彼が行った栽培実験の成功を機に、さつまいもは日本全国へと広がり、その後の「天明の飢饉」などでも多くの命を救うことになります。現在、私たちが美味しいさつまいもを当たり前のように食べられるのは、青木昆陽の情熱と功績のおかげと言っても過言ではありません。

そんな彼を「芋神」として崇め、祀っているのが千葉県千葉市幕張町にある「昆陽神社」です。今回は、さつまいもの歴史の起点とも言えるこの神社と、奇跡の試作地を訪れたレポートをお届けします!

東京からのアクセス抜群!「京成幕張駅」の目の前

京成幕張駅

「千葉県の幕張」と聞くと、東京からは少し遠いイメージがあるかもしれません。しかし、実際に行ってみると意外なほどアクセスが良好でした。

京成幕張駅ロータリー

  • アクセスルートの例: 日暮里駅から京成電鉄(快速・乗り換えあり)で約40分。
  • 最寄り駅: 京成電鉄「京成幕張駅」

スカイライナーなどの登場で成田方面へのアクセスが向上していることもあり、車窓を眺めているとあっという間に到着します。

そして、京成幕張駅の改札を抜けると、小さなロータリーを挟んだ向かい側に、お目当ての「秋葉神社・昆陽神社」の敷地がすでに見えています。アクセスの良さは抜群です。

奇跡のパワースポット「千葉県指定史跡 青木昆陽甘藷試作地」

青木昆陽甘藷試作地

駅を背にしてロータリーの左側へ歩いていくと、すぐに目に入ってくるのが「千葉県指定史跡 青木昆陽甘藷試作地」です。
実はここ、ただの記念碑がある場所ではありません。案内板をよく読んでみると、驚くべき事実が記されています。

「甘藷は小石川養生園(現植物園)、下総馬加村(現在地)、上総豊海(九十九里町)で試作されましたが、現在地のみが成功しました。」

引用:千葉県指定史跡 青木昆陽甘藷試作地より

青木昆陽甘藷試作地の説明看板

そう、青木昆陽がいくつか設けた試作地の中で、唯一さつまいもの栽培に成功したのが、当時「馬加村(まくわりむら)」と呼ばれていたこの幕張の地なのです!

青木昆陽甘藷試作地にある青木昆陽顕彰碑

敷地の奥には「青木昆陽先生 顕彰碑」が建っており、この土地が持つ歴史的な重みを感じさせます。現代では周りを住宅街に囲まれていますが、当時はさつまいも栽培の成功をひと目見ようと、多くの役人や研究者がこの地を訪れたことでしょう。

幾度もの失敗を乗り越え、唯一命を育むことに成功したこの土地。全国へさつまいもが広がり、何万人もの命を救う起点となった場所だと思うと、強烈なエネルギーを秘めたパワースポットとして心が震えるような感動を覚えました。

青木昆陽甘藷試作地
千葉県千葉市花見川区幕張町4-598-1

いざ、芋神様が眠る「昆陽神社」の境内へ

試作地の目の前に、いよいよ「昆陽神社」の鳥居が見えてきます。

幕張の景色

少しユニークなのがその立地です。振り返れば幕張の近代的なビル群が見え、神社のすぐ下(地下道)を車がビュンビュンと通り過ぎていきます。

幕張昆陽地下道

青木昆陽先生も、まさか自分の畑がこんなに都会的で賑やかな場所になるとは想像していなかったかもしれませんね。

秋葉神社の鳥居

境内は、二つの神社が並んで鎮座する形になっています。

  • 秋葉神社(向かって左): 祭神は火之迦具土大神(人間の生活に欠かせない火の神様)。秋葉神社の鳥居前には駐車場があり、車での訪問も非常に便利です。
  • 昆陽神社(向かって右): 祭神は青木昆陽。秋葉神社の中に、芋神様として後から祀られたのが始まりです。

アットパーキング秋葉神社前の看板

この「秋葉神社」の鳥居前には、駐車場があり、車で来る方には「秋葉神社・昆陽神社」の目の前まで車で来れる。(雨の日なんて物凄く便利ではないだろうか)

秋葉神社の鳥居はこんな感じ

秋葉神社鳥居正面

参道を進むと、少し愛嬌のある可愛らしい表情をした阿吽の狛犬が迎えてくれます。昆陽神社の右奥には、数々の石碑や供養塔が静かに並んでいました。

秋葉神社・昆陽神社の説明

幕張のビル群を背景にしながらも、境内にはどーんと開けたような不思議な空間が広がっています。

狛犬吽

狛犬阿

秋葉神社と昆陽神社並び

「秋葉神社」「昆陽神社」、そして供養塔の順番でしっかりとお賽銭を入れ、これからのさつまいも業界の発展と感謝を込めて願い事をしてきました。

石碑、供養塔

そして、昆陽神社の右側(右奥)には数々の石碑や供養塔が並ぶ。

秋葉神社鳥居から見る幕張のビル群

秋葉神社前から鳥居方面はこんな感じで目の前にはビル群が見える場所なのだ。

昆陽神社の賽銭箱

秋葉神社
千葉県千葉市花見川区幕張町4-803

まとめ:さつまいもに関わるなら一度は訪れたい聖地

秋葉神社

昆陽神社

実際に昆陽神社青木昆陽甘藷試作地を訪れてみて感じたポイントをまとめます。

  • 好アクセス: 東京から1時間以内で到着し、京成幕張駅のほぼ目の前という抜群の立地。
  • 都市と歴史の融合: 幕張のビル群が見える都会的な景色の中に、ポツンと開けた歴史的空間がある面白さ。
  • 圧倒的なパワースポット感: 唯一さつまいもの栽培に成功し、日本の飢饉を救う起点となった奇跡の畑のエネルギー。

単なる歴史巡りにとどまらず、さつまいもに関わるお仕事をされている方や、さつまいもが大好きな方には、ぜひ一度訪れていただきたい「聖地」です。神社への参拝はもちろんですが、目の前にある「試作地」の土を見るだけでも、行く価値は十分にあります。

今度は、青木昆陽先生のお墓がある東京の「目黒不動尊」にも足を運んでみたいと思います!

青木昆陽「甘藷先生」墓地へお墓参りに行ってきた!さつまいもで商売をする人は訪れたい!国指定史跡なのだ。目指すのは目黒不動尊(瀧泉寺)。目黒駅からの行き方も紹介!

昆陽神社
千葉県千葉市花見川区幕張町4-803