焼き芋の時期は?焼き芋は1年中食べられる?焼き芋の季節と旬の美味しい時期は?

焼き芋の時期は?焼き芋は1年中食べられる?夏の焼き芋事情まで解説します

肌寒い時期に食べたくなる、ほっこりアツアツな焼き芋。石焼き芋の屋台は、春や夏にはなかなか見られませんよね。それでは、暖かい時期に焼き芋を食べるのは、不可能なのでしょうか?
この記事では、「焼き芋を食べる季節」に注目して、以下の疑問を解決します。

  • 焼き芋は1年中、いつでも食べられる?
  • 焼き芋はどの時期に食べるのが美味しい?
  • 暑い夏でも焼き芋は食べられている?

それぞれ、解説していきます。

焼き芋は通年販売で1年中食べられる!

今では、スーパーマーケットやディスカウントストアを訪れると、一年を通して焼き芋が手に入るようになりました。甘くてほっこりとした味わいの焼き芋は、ちょっとしたおやつとしてはもちろんのこと、食事の代わりやダイエット中のサポートフードとしても親しまれています。特に忙しい日や、「今日は加熱調理するのがちょっと面倒…」と感じるときにも、すぐに食べられる状態で焼き芋が売られているのは、とてもありがたいですよね。お店によっては、保温機で温かいまま提供されている焼き芋だけでなく、冷凍された状態の商品が並んでいることもあります。冷凍焼き芋は、好きなときに解凍するだけで手軽に食べられるので、ストックしておくと便利です。

手間なく美味しく、そして健康的に。そんな魅力を持つ焼き芋が、より身近な存在になってきています。

焼き芋がいつでも美味しい秘訣は「キュアリング貯蔵」

さつまいもの旬と言えば秋や冬の印象が強いですが、実は、春や夏でも焼き芋を美味しく食べられます。1年中、甘いさつまいもを味わえる秘訣が「キュアリング貯蔵」です。キュアリング貯蔵とは、おいもの持つ「傷口を治す力」を利用した処理・保管方法のこと。具体的な方法を説明しますね。

焼き芋がいつでも美味しい秘訣は「キュアリング貯蔵」

1.キュアリング貯蔵の方法

キュアリング貯蔵の手順は、以下の通りです。

  1. 収穫したさつまいもを、土がついたまま温度30~35℃、湿度85~90%の環境に1週間ほど置きます。
  2. 収穫時についた傷口を自然治癒(キュア)しようと、さつまいもの表皮下にコルク層ができます。キュアリング処理はこれで完了です。
  3. キュアリング処理が終わったら、温度を12~15℃くらいに下げた環境で、さつまいもを貯蔵します。

収穫したさつまいもをそのまま保管せず、キュアリング処理する理由は何でしょうか。次の項目で説明します。

2.キュアリング貯蔵が持つ2つの効果

収穫したさつまいもにキュアリング処理の手間を加えることで、2つの効果が得られます。1つ目の効果は、腐敗の予防です。コルク層が傷口を塞ぎ、さつまいもに病原菌が侵入するのを防ぎます。2つ目の効果は、美味しさの増強です。キュアリングによって、さつまいもに含まれるデンプンの一部が「デキストリン」と「ショ糖」に分解されます。これらの成分により、身の粘性と甘みが増すのです。焼き芋だけでなく、干し芋としても流通が多いさつまいも。季節を問わずいつでも美味しいおいもを食べられるのは、このひと手間のおかげと言えるでしょう。

焼き芋が特に美味しい時期は10~1月

焼き芋が特に美味しい時期は10~1月

一年中楽しめる焼き芋ですが、とりわけ「おいしいな」と感じるのは秋から冬にかけて、10月から1月頃ではないでしょうか。この時期の焼き芋が格別に感じられるのは、単に秋冬が旬というだけの理由ではありません。実は、さつまいもは収穫してすぐよりも、少し時間をかけて寝かせたほうが甘みが増すのです。収穫されたさつまいもは、2〜3か月ほど貯蔵されることで水分がほどよく抜け、デンプンが糖に変わっていきます。この熟成期間を経ることで、ホクホクとした食感と自然な甘さがぐんと引き立つのです。

さつまいもの収穫時期は品種によって若干の違いはあるものの、一般的には8月から11月にかけて。そこからじっくりと寝かせることで、ちょうど10月から1月にかけてが、甘みと風味のバランスが整った「食べごろ」となるわけです。寒い季節に、湯気が立ちのぼる焼き芋をほおばる。そのおいしさには、そんな背景があるのかもしれません。

夏も焼き芋!暑い時期のアレンジ4選

汗ばむ夏と焼き芋は相性が悪いように思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。さつまいもグルメを集めたイベント「さつまいも博」は、冬だけでなく真夏にも開催され、大盛況を収めています。暑い時期でも焼き芋が人々を魅了する理由、それはアレンジのしやすさにあります。次の項目から、4つの方法を順に紹介していきますね。

1.簡単アレンジ!冷やし焼き芋

簡単アレンジ!冷やし焼き芋

焼き芋といえば、寒い季節にほっこりと味わうイメージが強いかもしれませんが、実は暑い夏にも楽しめる食べ方があります。それが「冷やし焼き芋」。アツアツの焼き芋をゆっくり冷ますことで、ひんやりとしたデザートのようなおいしさが引き出されます。ただし、焼き上がったばかりの焼き芋をそのまま冷蔵庫に入れてしまうと、水分が抜けたり風味が落ちたりする原因に。まずは常温でじっくり粗熱をとり、十分に冷ましてから冷蔵庫へ入れるのがおすすめです。

冷やし焼き芋にぴったりなのは、しっとり甘い食感が魅力の紅はるかや安納芋、そしてなめらかで口あたりの良いシルクスイートなどの「ねっとり系・しっとり系」の品種です。これらは冷たくしても硬くならず、むしろ甘さが際立ち、スイーツ感覚で楽しめます。一方で、鳴門金時や紅あずまのようなホクホク系のさつまいもは、冷やすとややパサつきやすいため、あたたかいまま味わうのが向いています。

「今日は手軽に冷やし焼き芋を楽しみたい」というときは、コンビニエンスストアで販売されていることもあるので、気軽にチェックしてみてください。冷たい焼き芋が、夏のちょっとした癒しのおやつになってくれるかもしれませんよ。

2.定番アレンジ!焼き芋スイーツに

定番アレンジ!焼き芋スイーツに

焼き芋を使ったスイーツは、季節を問わず多くの人の心をつかんでいます。ほっこりとした甘さは、どんな時期でもホッとするおいしさですが、蒸し暑い夏の日には、ひんやり冷たいアレンジで楽しむのもおすすめです。たとえば、なめらかな口どけのプリンや、のどごしの良い焼き芋シェイクはいかがでしょうか。プリンは手作りにこだわらなくても、市販のものが豊富にそろっていて手軽に楽しめますし、焼き芋のペーストを加えるだけで、いつもとはちょっと違った風味に早変わりします。

シェイクなら、ミキサーさえあれば手順はとてもシンプル。焼き芋と牛乳、氷などの材料を一緒に混ぜるだけで、まるでスイートポテトのようなコクのあるドリンクが完成します。お好みでバニラアイスを加えると、よりスイーツ感が増して贅沢な味わいに。暑さに疲れた体を、やさしい甘さでそっと癒やしてくれる焼き芋スイーツ。夏だからこそ味わえる新しいおいしさを、ぜひ試してみてくださいね。

3.夏といえば!アイスクリームアレンジ

夏といえば!アイスクリームアレンジ

夏といえば、やっぱりアイスクリームが恋しくなる季節。そんな暑い日にぴったりなのが、焼き芋とアイスを組み合わせた、ちょっと贅沢なひんやりスイーツです。

焼きたてのアツアツな焼き芋に、冷たいバニラアイスをぽんっとのせるだけ。甘い香りが立ちのぼる焼き芋と、とろけるアイスが出会う瞬間は、まるでレストランのデザートのようなご褒美感があります。シンプルなのに特別感があって、おうちで手軽に楽しめるのがうれしいですね。また、お菓子作りが好きな方なら、焼き芋をつぶして卵や牛乳と合わせ、自家製のおいもアイスを作ってみるのも素敵です。なめらかでコクのある味わいが楽しめて、ちょっとした手土産やおもてなしにもぴったり。夏の暑さをやさしく包んでくれる、焼き芋とアイスの甘いひととき。ほっとするおいしさで、心まで満たされてみませんか?

4.食欲増加!スパイスでアレンジ

食欲増加!スパイスでアレンジ

夏はどうしても、暑さで食欲が落ちてしまいがちですよね。そんなときこそ、スパイスの香りを上手に取り入れて、食卓に元気をプラスしてみませんか?

実は、ほんのり甘いさつまいもはスパイシーなカレーとの相性が抜群。やさしい甘みとスパイスの辛みが重なり合うことで、思わず食欲をそそる「あまじょっぱい」味わいが生まれます。たとえば、カレーライスに焼き芋をトッピングしてみたり、逆に焼き芋の上にカレールウをかけていただくのもおすすめ。意外な組み合わせに感じるかもしれませんが、一度試してみるとそのおいしさに驚かされるはずです。さらに、辛い料理を食べるとじんわり汗が出てきますよね。これは、体の表面から熱を放出しようとする自然な反応で、結果的に体がスーッと涼しく感じられる効果もあるんです。夏のだるさを感じたときは、さつまいもとスパイスのチカラを借りて、楽しくおいしく乗り切っていきましょう。

まとめ:焼き芋の時期は?焼き芋は1年中食べられる?

焼き芋は決して寒い時期だけの食べ物ではありません。アレンジを加えることで、1年中いつでも食べられます。最後に、この記事の内容をまとめます。

  • スーパーマーケットやディスカウントストアでは、季節に関係なくいつでも焼き芋を購入できる
  • 焼き芋はどの時期に食べても美味しいが、特にうまみを感じられるのは10~1月
  • さつまいもを美味しくする秘訣は「キュアリング貯蔵」
  • 暑くて食欲が低下する真夏でも、「冷やし」や「スパイス」を取り入れることで、焼き芋を楽しめる

さつまいもは栄養満点!しかも、いつ食べても甘いので、秋や冬にだけ食べるのはもったいないですよ。1年を通して焼き芋ライフを楽しみましょう。