肌寒い時期に食べたくなる、ほっこりアツアツな焼き芋。石焼き芋の屋台は、春や夏にはなかなか見られませんよね。それでは、暖かい時期に焼き芋を食べるのは、不可能なのでしょうか?
この記事では、「焼き芋を食べる季節」に注目して、以下の疑問を解決します。
- 焼き芋は1年中、いつでも食べられる?
- 焼き芋はどの時期に食べるのが美味しい?
- 暑い夏でも焼き芋は食べられている?
それぞれ、解説していきます。
焼き芋は通年販売で1年中食べられる!
スーパーマーケットやディスカウントストアでは、1年を通して焼き芋を購入できます。おやつとしてだけでなく、ダイエットのお供としても食されるさつまいも。加熱調理が面倒に感じるときでも、すぐに食べられる状態で焼き芋が手に入るのは嬉しいですよね。お店では機械で保温されている焼き芋だけでなく、冷凍の焼き芋も販売している場合があります。
焼き芋がいつでも美味しい秘訣は「キュアリング貯蔵」
さつまいもの旬と言えば秋や冬の印象が強いですが、実は、春や夏でも焼き芋を美味しく食べられます。1年中、甘いさつまいもを味わえる秘訣が「キュアリング貯蔵」です。キュアリング貯蔵とは、おいもの持つ「傷口を治す力」を利用した処理・保管方法のこと。具体的な方法を説明しますね。
1.キュアリング貯蔵の方法
キュアリング貯蔵の手順は、以下の通りです。
- 収穫したさつまいもを、土がついたまま温度30~35℃、湿度85~90%の環境に1週間ほど置きます。
- 収穫時についた傷口を自然治癒(キュア)しようと、さつまいもの表皮下にコルク層ができます。キュアリング処理はこれで完了です。
- キュアリング処理が終わったら、温度を12~15℃くらいに下げた環境で、さつまいもを貯蔵します。
収穫したさつまいもをそのまま保管せず、キュアリング処理する理由は何でしょうか。次の項目で説明します。
2.キュアリング貯蔵が持つ2つの効果
収穫したさつまいもにキュアリング処理の手間を加えることで、2つの効果が得られます。1つ目の効果は、腐敗の予防です。コルク層が傷口を塞ぎ、さつまいもに病原菌が侵入するのを防ぎます。2つ目の効果は、美味しさの増強です。キュアリングによって、さつまいもに含まれるデンプンの一部が「デキストリン」と「ショ糖」に分解されます。これらの成分により、身の粘性と甘みが増すのです。焼き芋だけでなく、干し芋としても流通が多いさつまいも。季節を問わずいつでも美味しいおいもを食べられるのは、このひと手間のおかげと言えるでしょう。
焼き芋が特に美味しい時期は10~1月
オールシーズン食べられる焼き芋ですが、特に美味しく感じるのは、10~1月です。その理由は、単に旬だからというだけではありません。さつまいもは、収穫してから2~3か月間ほど貯蔵することで、水分が抜けて熟成されます。品種によって異なるものの、さつまいもの収穫時期はおよそ8~11月です。したがって、収穫から貯蔵期間を経た10~1月がちょうどよい食べ頃になります。
夏も焼き芋!暑い時期のアレンジ4選
汗ばむ夏と焼き芋は相性が悪いように思うかもしれませんが、決してそんなことはありません。さつまいもグルメを集めたイベント「さつまいも博」は、冬だけでなく真夏にも開催され、大盛況を収めています。暑い時期でも焼き芋が人々を魅了する理由、それはアレンジのしやすさにあります。次の項目から、4つの方法を順に紹介していきますね。
1.簡単アレンジ!冷やし焼き芋
アツアツの焼き芋を冷やすことで、暑い夏にも食べやすくなります。焼き芋は熱いまま冷蔵庫に入れるのではなく、ゆっくり時間をかけて粗熱を取り、冷ましましょう。また、冷やし焼き芋にする場合は、ねっとり系の紅はるかや安納芋、しっとり系のシルクスイートを使うのがおすすめです。ホクホク系の鳴門金時や紅あずまは、冷たくなると食感がパサついてしまいがちです。
時間がなく、すぐに冷やし焼き芋を食べたい場合は、コンビニエンスストアで購入できる場合がありますよ。
2.定番アレンジ!焼き芋スイーツに
焼き芋スイーツは、季節に関係なく多くの人々から愛されています。蒸し暑い夏には、つるんとしたプリンや、のどごしの良いシェイクはいかがでしょうか。プリンなら、作るのが苦手でも市販品が手に入りやすいです。シェイクはミキサーがあれば、材料を混ぜるだけで簡単に作れます。涼しさを感じられるスイーツで、夏の焼き芋を楽しみましょう。
3.夏といえば!アイスクリームアレンジ
夏はひんやりしたアイスクリームが美味しい季節です。焼き芋はアツアツのまま、冷たいアイスクリームを乗せるだけで、ドルチェのような贅沢感が味わえます。お菓子作りが得意な方は、焼き芋をつぶして卵や牛乳と混ぜて、おいもアイスクリームに加工してみるのも良いですね。
4.食欲増加!スパイスでアレンジ
食欲が低下しがちな夏は、スパイスの力を借りてみましょう。甘いさつまいもは意外にもカレーとの相性が良く、あまじょっぱさが食欲をそそります。カレーライスに焼き芋をトッピングするもよし、逆に、おいもの上にカレールウを乗せてみるもよし。辛いものを食べてじんわりと汗をかくことで、体の表面の熱が奪われ、暑さが和らぎます。
まとめ
焼き芋は決して寒い時期だけの食べ物ではありません。アレンジを加えることで、1年中いつでも食べられます。最後に、この記事の内容をまとめます。
- スーパーマーケットやディスカウントストアでは、季節に関係なくいつでも焼き芋を購入できる
- 焼き芋はどの時期に食べても美味しいが、特にうまみを感じられるのは10~1月
- さつまいもを美味しくする秘訣は「キュアリング貯蔵」
- 暑くて食欲が低下する真夏でも、「冷やし」や「スパイス」を取り入れることで、焼き芋を楽しめる
さつまいもは栄養満点!しかも、いつ食べても甘いので、秋や冬にだけ食べるのはもったいないですよ。1年を通して焼き芋ライフを楽しみましょう。