
令和の時代、焼き芋はもはや季節を問わず楽しめる定番スイーツになりました。スーパーやコンビニで手軽に買えるようになったことで、多くの人がその甘さや食感を味わっています。しかし、焼き芋の主役は果肉だけではありません。実は、香ばしく焼き上がった皮こそ、栄養価が高く、美容や腸活に最適な部分なのです。
とはいえ、「皮は固くて食べづらい」「雑味が気になる」と感じる方もいるでしょう。そんな悩みを解決するのが、焼き芋の皮を主役にしたレシピです。ひと手間加えるだけで、カリッとした食感と濃厚な甘みが楽しめる一品に仕上がります。皮には食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれており、腸の働きを助けるだけでなく、抗酸化作用によって体の内側から健康をサポートします。さらに、レジスタントスターチが腸内の善玉菌のエサとなり、腸内フローラのバランスを整えてくれるのです。この記事では、焼き芋の皮をより美味しく楽しめるレシピを紹介します。ただ焼き芋を皮と一緒に食べるだけではもったいない、ワンランク上の焼き芋の楽しみ方を教えます!
焼き芋の皮は香ばしい
令和の今は、1年を通して焼き芋が食べれるようになりましたね。スーパーの入口付近には専用の焼き芋ケースに入れられた焼き芋が、春だけではなく夏でも焼き芋が陳列しているので、いつでも手軽に焼き芋が食べれます。最近では、コンビニでも冷やし焼き芋という焼き芋を冷やして冷蔵販売している商品が、人気になっており、秋、冬の季節の味「焼き芋」が、定番の国民的スイーツになってきているのではないでしょうか?そんな焼き芋ですが、今回は、焼き芋の皮を美味しく食べるには?と題して色々と模索してみた結果、これは美味い!美味しかった!という簡単に自宅でも作れるレシピを紹介します。焼き芋の果肉は、ホクホク系やねっとり系で食感は大きく異なりますが、どちらも自然の甘さたっぷりでなんとも言えない心地よさなのは皆さんもよくご存じの通り。
焼き芋のもう一つの主役…いや、少々、言い過ぎかもしれませんが、私は、焼き芋の皮…そう!石焼き芋の皮がたまらなく好きなのです。あの少し焦げた香ばしい感じが、焼き芋の果肉の甘さを一層引き立て、焼き芋の果肉の香りに香ばしい風味と食感を加えてくれる焼き芋の皮は、美容や腸活等で最近、話題になっている通り、美容・腸活向きの栄養素がたっぷり含まれています。勿論、この美容や腸活を考えれば「焼き芋は皮ごと食べる」なのですが、焼き芋の果肉と皮の組み合わせた味の美味しさも捨てがたいのです。特に先程も触れましたが、石焼き芋で熱々になった石で焼かれ、少し焦げ目がついたハードロースト的な皮の香りは、私の中では冬の味となっていました。焼き芋の皮を美味しく食べるレシピの前に、焼き芋の皮について焼き芋・さつまいもの専門メディア「五島商店佐藤の芋屋」の中でも色々と紹介していますので、抜粋して紹介していきます。
焼き芋の皮に含まれる栄養素のひとつが、クロロゲン酸やアントシアニンのようなポリフェノールです。クロロゲン酸は抗酸化作用が強いことで知られています。とくに近年は、脂肪の蓄積を抑える効果が期待できると考えられており、ダイエット時のサポート食品の素材として利用されているそうです。アントシアニンは、紫芋やブルーベリー、なす、黒豆のような、色の濃い青紫・黒・赤色の食材に多く含まれています。アントシアニンの働きのひとつが、視覚機能を改善する効果です。またアントシアニンには、50歳台から発症しやすく、80歳台になると多くの人が発症する白内障を予防する、という研究結果があります。
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さつまいもの皮には、食物繊維が多く含まれていることでも知られています。皮無しで食べても食物繊維は摂れますが、皮付きのままで食べることによって、より多くの食物繊維を摂取することができるのです。食物繊維は便の材料となってくれるため、便秘解消にも役立ちます。また、腸の中で善玉菌のエサとなることによって、腸内環境改善にも一役買ってくれるでしょう。
さらに、糖や脂質の吸収を妨げる働きもあるため、焼き芋を皮ごと食べるのは、血糖値やコレステロール値が気になる方、ダイエット中の方にはとくにおすすめです。
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皮は果肉よりも食物繊維が多く含まれているため、その分消化されにくいです。そのため、小さなお子さんやお年を召した方々、そして胃が弱い方々はそのことを念頭に置いて判断してください。そして食べる際は、体内の水分を保つためにも飲み物をプラスしましょう。
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焼き芋の皮を美味しく食べる方法
焼き芋は皮ごと食べる!食べた方が得られる健康効果が絶大!というのはお分かりいただいたと思います。勿論、焼き芋を皮ごとでも十分に美味しく食べれますが、より美味しく食べるのはどうしたら良いか?因みに「クロロゲン酸やアントシアニンのようなポリフェノールは、80%ほどが皮の下の5mmまでにある」とのことなので、焼き芋の皮で得られる健康効果をたっぷりと含ませた状態で…まあ、これも焼き芋は皮ごと食べたほうが手っ取り早いのですが…「更に美味しく」ということを考えてみました。
焼き芋は黄金の果肉だけで楽しむ
焼き芋は皮ごと食べるのが良い!とされていますが、焼き芋の果肉と皮を一緒に食べると皮の雑味が苦手という方もいるようです(私は先程も書きましたが香ばしい風味が大好き)。その為、焼き芋の皮を剥いて、黄金色に輝く果肉だけで食べる…これは皮の雑味が無いので純粋にほくほくという食感の品種だろうがねっとり系の食感の品種だろうが、焼き芋が持つ自然の甘さをたっぷりと味わえること間違いない食べ方です。皮の雑味が無い分、いつも以上に美味しく感じられる食べ方であり、最も贅沢な食べ方なのかもしれません。これが出来るのは焼き芋の果肉と皮を別々に食べる…しかも焼き芋の皮だけを美味しく食べる方法を考えたからなのかもしれませんよ。ひとつの焼き芋で二つの美味しさを簡単に作れて食べれるのです。では、行ってみましょう!焼き芋の皮を美味しく食べれるレシピへ。
焼き芋の皮を美味しく食べれるレシピ
そんな大げさな話では無いのですが、色々と試した結果、この方法が皮の香ばしい風味も残り、焼き芋の皮の栄養価のクロロゲン酸やアントシアニンのようなポリフェノールもたっぷりと摂れるはずです。ポイントは、「焼き芋の皮は厚めにカットする」です。
まずはいつの方法で焼き芋を作っていきます。今回、焼き芋にしたのは安納芋です。ねっとり系の代名詞とも言われる焼き芋にすれば糖度40度を超えるものもある!と言われるくらい焼き芋にして食べるのが一番、美味しいと言われるさつまいも品種です。ねっとり系さつまいも品種で蜜をたっぷり出す焼き芋の焼き方はこちらを参考にして焼いてみてください。
焼き芋を焼いたら一旦、冷やしたほうが作業が行いやすいです。先程も書いた通り、焼き芋の皮は厚めにカットしていきます。
焼き芋の皮を厚めにカットするとこんな感じになります。この黄金色の焼き芋は、そのまま食べても良いですし、ペーストにしてスイーツや料理に使用することも可能ではないかと思います。今回は、申し訳ないのですが、焼き芋の皮が主役の為、果肉の話は省略します。
皮を厚めにカットし、鉄板の上に、果肉側を上にして置き、グラニュー糖(砂糖)を上からパラパラとお好みでかけていきます。
満遍なくグラニュー糖が焼き芋の皮の上にかかったら、今後は、バーナーを使用してグラニュー糖を焼いて行きます。スイーツの技法で言うところの「キャラメリゼにする」ということになります。キャラメリゼは、砂糖を加熱してカラメル化させる調理技法のことで、フランス語の「caramel(カラメル)」に由来し、食品の表面に香ばしい甘さと美しい飴色の層を作る作業になります。
キャラメリゼの注意点は、グラニュー糖(砂糖)は、バーナーを当てるとすぐに溶けて焦げてしまうので、バーナーと焼き芋の皮の距離に注意して様子を見ながら加熱していきます。バーナーを近づけ過ぎると一部分だけ焦げてしまうので、バーナーを少し離して全体をムラなく加熱していくとキレイにキャラメリゼが出来ます。
焼き芋の皮の端は、バーナーの火が強く当たることで、少し焦げ目が出来てしまいますが、これが香ばしくて石焼き芋の皮の焦げのような感じで、焼き芋の自然の甘さとグラニュー糖をキャラメリゼした濃厚な甘さと組み合わせた香ばしさがとても美味しいのです。
さつまいもや焼き芋のイベント等で販売している「焼き芋ブリュレ」のような感じの焼き芋の皮が主役の焼き芋ブリュレが簡単に作れますよ。
皮が主役の焼き芋ブリュレで腸活も
焼き芋の皮が腸活に良い理由は色々とありますが、一言で言えば、腸内環境を整えるのに役立つ栄養素がたっぷり含まれているからです。しかも、こんなに美味しくなった「焼き芋の皮が主役の焼き芋ブリュレ」なのですから…。
さつまいも(焼き芋)の皮には豊富な食物繊維が含まれています。焼き芋自体も食物繊維が多いのですが、特に皮の部分には不溶性食物繊維が多く、これが腸のぜん動運動を促してスムーズなお通じをサポートしてくれます。便秘気味の人には特におすすめですし、腸内にたまった老廃物をスムーズに排出することで腸内環境が整い、肌の調子にも良い影響を与えることが期待できますし、先程も書きましたが、皮にはポリフェノールも含まれていて、抗酸化作用があるため、腸内の炎症を抑える働きが期待できます。腸は免疫の要とも言われる臓器なので、炎症を抑えることで腸内フローラ(腸内の善玉菌・悪玉菌のバランス)が整いやすくなります。そして、焼き芋の皮にはレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)も含まれています。これは、一度冷やした焼き芋に特に多くなる成分ですが、皮と一緒に食べることで腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を良くするプレバイオティクスの役割を果たします。
焼き芋の皮を食べることで、腸をしっかり動かし、腸内細菌のバランスを整え、腸を健康な状態に保つことができるんです。ひとつの焼き芋でふたつの美味しさを楽しめる「焼き芋の皮が主役の焼き芋ブリュレ」で美味しい腸活も出来ちゃうのです。
まとめ
焼き芋は果肉だけでなく、皮にも魅力がたっぷり詰まっています。香ばしく焼き上がった皮には、食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれており、腸活や美容にもうれしい効果が期待できます。ただ食べるだけではなく、キャラメリゼなどのひと工夫を加えれば、さらに美味しく楽しめるのも魅力のひとつです。
皮の香ばしさと甘さを引き立てる調理法を取り入れれば、焼き芋の新しい楽しみ方が広がります。腸内環境を整えながら、スイーツ感覚で味わえるレシピは、焼き芋好きにはたまらないはずです。焼き芋は皮ごと楽しむのが理想的。これまで皮を避けていた方も、ぜひこの機会にその美味しさを見直してみてはいかがでしょうか?