焼き芋アレンジでシュークリームに!コンビニに負けない!焼き芋シュークリームレシピ

焼き芋の甘さとシュークリームの贅沢な味わいが合わさったら、どんな美味しさが生まれるのでしょうか?コンビニでも人気のもちもち食感のシュー生地に、焼き芋ペーストと生クリームの二層仕立てのクリームを詰めた、特別なシュークリームを自宅で作ってみませんか?タピオカ粉を加えたシュー生地は、外はサクッと、中はもっちり。低温でじっくり焼いた焼き芋をペーストにし、生クリームと合わせることで、自然な甘さと濃厚な口どけが楽しめるクリームに仕上げました。市販のシュークリームにはない、素材本来の美味しさを味わえるのが魅力です。最後まで読むと、焼き芋の風味を活かしたもちもちシュークリームの作り方がわかります。ぜひ、自宅で新しいスイーツの楽しみ方を見つけてみてください!

コンビニで人気のスイーツと言えば…

コンビニで人気のスイーツと言えば

少し前…いえ、もう10年以上前のことになりますが、その頃のコンビニスイーツには、「お!」と驚くようなものが少なかったように思います。コンビニで買えるスイーツといえば、手軽に食べられるものの、味やクオリティの面では街の洋菓子店には到底かなわず、あくまで“ついでに買うもの”という位置づけでした。しかし、ある時期を境に状況が大きく変わりました。各コンビニがスイーツ開発に力を入れるようになり、洋菓子店顔負けの本格的なスイーツが次々と登場し、気軽に買える「美味しいスイーツ」という新たな市場が生まれました。

コンビニスイーツが有名ブランドとコラボレーションしたり、驚くような新しい味や製法を取り入れたりすることは当たり前になりました

今では、コンビニスイーツが有名ブランドとコラボレーションしたり、驚くような新しい味や製法を取り入れたりすることは当たり前になりました。コンビニ発のスイーツが社会現象になることも珍しくなく、洋菓子店でしか味わえなかったような上質なスイーツが、コンビニのスイーツコーナーに並ぶ時代になりました。気軽に手に取ることができるようになったことで、スイーツの楽しみ方も大きく変わったのではないでしょうか。

スプーンで食べるロールケーキが登場したときは、その斬新さに驚いた方も多いかもしれません。それまでのロールケーキといえば、一本のロールケーキをカットし、お皿に盛りつけてフォークで食べるのが当たり前でした。しかし、コンビニではそれをPPケースに入れ、スプーンを添えて販売するという新しい発想が生まれました

そんなコンビニスイーツの中でも、定番として多くの人に親しまれているのが「ロールケーキ」「チーズケーキ」「シュークリーム」です。どれも「そうそう!」とうなずきたくなるような、誰もが一度は食べたことのあるスイーツではないでしょうか。特に、スプーンで食べるロールケーキが登場したときは、その斬新さに驚いた方も多いかもしれません。それまでのロールケーキといえば、一本のロールケーキをカットし、お皿に盛りつけてフォークで食べるのが当たり前でした。しかし、コンビニではそれをPPケースに入れ、スプーンを添えて販売するという新しい発想が生まれました。このスタイルが定着し、コンビニのスイーツとして広く認知されるようになりました。

コンビニ定番の2つのクリームを入れたシュークリーム

そして、コンビニスイーツの中でも特に人気が高く、進化を続けているのがシュークリームです。もはや定番中の定番でありながら、毎年のように新しいバリエーションが生まれ、何度食べても飽きない魅力があります。カスタードクリームをたっぷりと詰めたシュークリームは、説明不要の人気商品ですが、最近ではそのクリームの質にまでこだわるコンビニが増えてきました。専用の卵を使用し、より濃厚で風味豊かなカスタードに仕上げるなど、大手コンビニだからこそ実現できる工夫が随所に凝らされています。さらに、定番のカスタードにホイップクリームを加えた二層仕立てのシュークリームも、今ではおなじみのスタイルとなりました。このクリームの配合が絶妙で、一口食べるとカスタードの濃厚なコクとホイップの軽やかさが口の中で混ざり合い、クセになる味わいが楽しめます。また、シュー生地にもこだわりが見られるようになりました。香ばしさを引き立てるために焦がしバターを使用したり、クッキー生地を重ねた「クッキーシュー」に仕上げたりと、バリエーションが豊富になっています。クッキーシューはザクザクとした食感が特徴で、中からあふれ出すクリームのなめらかさとの対比が心地よく、ひとつ食べるだけで満足感があります。さらに、ここ数年で登場したもちもち食感のシュークリームも、従来のシュー生地とは異なる新しい試みとして人気を集めています。一般的なシュー生地はサクッとしたものが主流ですが、もちもちとした食感のシュークリームは、和菓子のような柔らかさと洋菓子らしいリッチな味わいを兼ね備えており、新感覚の美味しさが楽しめます。洋菓子店でもなかなか再現が難しいほどの独自性があり、コンビニならではのこだわりが感じられます。

このように、コンビニスイーツは驚くほどの進化を遂げてきました。中でもシュークリームは、さまざまなアイデアが詰め込まれながら、常に新しい驚きを提供してくれる存在です。今回は、コンビニスイーツの中でも定番と言われているシュークリームのお話になります。

モチモチしたシュークリーム

クッキーシュー

冒頭でも少し触れましたが、もちもちとした食感のシュー生地を使ったシュークリームを洋菓子店で見かけることはほとんどないのではないでしょうか。シュークリームといえば、一般的にはサクサクやザクザクとしたシュー生地が主流であり、クリームのなめらかさや濃厚さとのバランスが取れるように作られているものが多いです。シュー生地の基本となる材料は、牛乳や水、卵、小麦粉で、そこにバターやマーガリン(植物性油脂)が加えられることで、軽やかで香ばしい食感が生まれます。この伝統的な配合が広く浸透しているため、新たにもちもちとした生地を開発するとなると、これまでのシュークリームの概念を大きく変えることになります。

洋菓子店で販売されているシュークリーム

洋菓子店でこのタイプのシュークリームがあまり見られないのは、単に生地の食感が違うだけでなく、クリームとの組み合わせを一から考え直さなければならないからかもしれません。サクッとしたシュー生地には、カスタードクリームや生クリームのような軽さとコクのあるクリームがよく合いますが、もちもちとした生地と組み合わせるとなると、従来のクリームの配合では違和感が出てしまう可能性があります。クリームの口当たりや甘さ、密度を生地に合わせて調整する必要があり、そこまでの手間をかけるよりも、伝統的なシュークリームのスタイルを維持する方が洋菓子店としては合理的なのかもしれません。

洋菓子店の冷蔵ケース

また、シュークリームといえば、シュー生地の香ばしさと中に詰まったクリームの味わいをシンプルに楽しむスイーツという印象が強いため、大きく変化を加えることで「本来のシュークリームとは違うもの」と思われてしまう可能性もあります。もちもちとした生地は、それ自体が個性的な食感を持っているため、伝統的なシュークリームとはまた別のジャンルのスイーツとして考えた方が自然なのかもしれません。シュークリームは、シュー生地と中に詰まったクリームの二つの要素が絶妙に組み合わさることで生まれるスイーツです。生地の軽やかさとクリームのなめらかさのバランスが大切にされているからこそ、長年愛され続けているのかもしれません。

自宅でもちもち食感のシュークリームを作りたい

洋菓子店のシュークリームは、伝統的なサクサクとしたシュー生地を活かし、クリームの味わいや質にこだわったものが多い

コンビニで販売されているシュークリームと、洋菓子店で販売されているシュークリームの違いには、いくつか特徴的なポイントがあります。その中でも、もちもちとしたシュー生地のシュークリームや、カスタードクリームとホイップクリームの2層仕立てのシュークリームは、コンビニで特に人気の商品ではないでしょうか。洋菓子店のシュークリームは、伝統的なサクサクとしたシュー生地を活かし、クリームの味わいや質にこだわったものが多いのに対し、コンビニのシュークリームは手軽さと食感の楽しさを追求した商品が多く、特にもちもちしたシュー生地が特徴的です。この独特の食感は、シュークリームの常識を覆すものであり、発売されるたびに話題となることが多い印象があります。

そんなもちもちとしたシュー生地に包まれた2層クリームのシュークリームを、自宅で作ってみたいと思う方も多いのではないでしょうか。外はもちもち、中には濃厚なカスタードとふんわりとしたホイップクリームがたっぷり詰まっている、そんなシュークリームが自宅で作れたら、いつでも好きな時に味わえるという楽しみも増えますね。

ではでは、さっそく挑戦してみましょう!もちもちのシュー生地と2層クリームが生み出す新しい味わいを、自分の手で作り出す楽しさをぜひ味わってみてください。

合わせたのは…合うのは焼き芋。そして生クリーム

2層クリームに合うのは焼き芋

今回、2層のクリームにしたのは「焼き芋」と「生クリーム」です。生クリームは焼き芋の本来の甘さと味を引き立てる為に、乳脂肪低めの生クリームにし、甘さ(砂糖)は極々控えめにしました。さつまいもを焼き芋にすることででん粉が糖に変わり、さつまいもが持つ自然の甘さが引き出されます。今回もいつもと同じような焼き芋の焼き方の低温で時間をかけて焼いています。また、焼き芋は自然の甘さで際立ち美味しいだけではなく、栄養面でも優れています。食物繊維が豊富で腸内環境を整え、便秘解消に役立ち、腸の働きを活発にしてくれます。さつまいもに含まれるビタミンCは加熱しても壊れにくい性質を持っており、美肌効果や免疫力アップにも貢献します。ビタミンEやポリフェノールも含まれているため、抗酸化作用があります。今回は、焼き芋をペースト状にして冷やして使用することもあり、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)は冷やして食べる事により、腸内の善玉菌を増やしながらより腹持ちが良くなります。シュークリームの中に入れるクリームは低温でじっくり焼き上げた焼き芋をペースト状にしたクリームと乳脂肪低めの甘さ控えめの生クリームになります。

シルクスイートを使って焼き芋を作っていきます

まずは、シルクスイートを使って焼き芋を作っていきます。甘みが強く、しっとりとなめらかな食感が特徴のシルクスイートは、焼き芋にするとその魅力が最大限に引き出されます。いつものように焼き芋専用のアルミホイルに包み、じっくりと時間をかけて焼いていきます。遠赤外線効果のあるホイルを使うことで、さつまいも全体に均一に熱が入り、甘さとねっとり感が増した焼き芋に仕上がります。焼き方の詳細については、別記事を参考にしてみてください。

焼き芋がしっかりと焼き上がったら、次はペースト状にしていきます

焼き芋がしっかりと焼き上がったら、次はペースト状にしていきます。焼き芋は個体差が大きいため、中には筋が目立つものもあります。

スプーンやフォークで焼き芋を潰していく

その場合は、裏ごししてなめらかに仕上げると口当たりがよくなります。スプーンやフォークで潰してもいいですが、ハンドブレンダーやフードプロセッサーを使うと、より細かく均一なペーストになります。

裏ごししてなめらかに仕上げると口当たりがよくなります

この状態のままだと熱が残っているため、一旦冷蔵庫に入れて少し冷やします。冷やすことで生地やクリームと合わせる際に扱いやすくなり、仕上がりも整いやすくなります。

もちもちした食感をプラスするために、タピオカ粉を加えていきます

次に、シュークリームの生地作りに取り掛かります。今回のシュー生地は、もちもちとした食感を生かしたベース生地と、その上に乗せるクッキー生地の2層仕立てになります。通常のシュー生地は軽くて空気を含んだものが多いですが、今回はもちもちした食感をプラスするために、タピオカ粉を加えていきます。タピオカ粉は、キャッサバという熱帯地方で育つ植物の根茎から採れるでんぷん粉で、加熱すると強い粘りが出るのが特徴です。これによって、独特のもっちりとした食感が生まれます。

シュー生地の材料は、以下の通りになります。

  • 全卵135g
  • 牛乳100g
  • バター40g
  • 薄力粉40g
  • タピオカ粉20g
  • グラニュー糖2g

生地を作る際には、卵を一度に加えず、少しずつ加えながら混ぜていくのがポイント

生地を作る際には、卵を一度に加えず、少しずつ加えながら混ぜていくのがポイントです。最初からすべての卵を加えてしまうと、生地の状態が安定せず、均一に仕上がらなくなることがあります。

少量ずつ加え、その都度しっかりと混ぜながら様子を見ていくことで、なめらかで弾力のあるシュー生地に仕上がります

少量ずつ加え、その都度しっかりと混ぜながら様子を見ていくことで、なめらかで弾力のあるシュー生地に仕上がります。タピオカ粉を使用することで、通常のシュー生地とは違った、もちっとした弾力が生まれるため、しっかりと混ぜながら適度な粘りを引き出していくのが大切です。

ベース生地の上に乗せるクッキー生地

次に、ベース生地の上に乗せるクッキー生地を作っていきます。シュークリームの上部にクッキー生地を乗せることで、焼成の過程でクッキーがじんわりと広がり、焼き上がったときにきれいに割れるのが特徴です。この割れ目ができることで、見た目が美しく仕上がるだけでなく、シュー生地自体の食感もより良くなります。表面がほどよくサクッとし、中のもちもちとした食感とのコントラストが生まれるため、一口食べたときの満足感が増します。また、クッキー生地がシュー生地の膨らみにも影響を与えます。焼成が進むにつれてクッキー生地が徐々に広がり、それに引っ張られるような形でベースのシュー生地が均一に膨らんでいきます。これによって、シュー生地が安定した形に仕上がり、焼きムラが少なくなる効果も期待できます。シュー生地だけを焼く場合とは異なり、表面に薄いクッキー層ができることで、全体的な焼き上がりがさらに均一になります。

クッキー生地の配合は以下の通りです。

  • バター50g
  • 小麦粉25g
  • グラニュー糖25g

バターは常温に戻し、柔らかくしておくと扱いやすくなります。グラニュー糖と混ぜ合わせ、空気を含ませながらなめらかになるまで練っていくと、焼き上がりの食感がより軽やかになります。そこに小麦粉を加え、全体がまとまるまで混ぜていくことで、シュー生地に乗せるのに適した柔らかめのクッキー生地が出来上がります。

冷蔵庫でしっかりと冷やしていた焼き芋ペースト

冷蔵庫でしっかりと冷やしていた焼き芋ペーストを取り出し、いよいよクリーム作りに取り掛かります。今回のシュークリームは2層仕立てのクリームになっているため、焼き芋を使った焼き芋ペーストクリームと、先に説明した乳脂肪分が低めの生クリームの2種類を用意していきます。焼き芋クリームは、焼き芋本来の甘さや風味を活かしながら、なめらかで口どけの良い仕上がりにしていくのがポイントです。一方、生クリームはふんわりと軽やかに仕上げ、焼き芋クリームとのバランスを取ることで、口の中で調和のとれた美味しさが広がるように仕上げていきます。

焼き芋クリームの配合は以下の通りです。

  • 焼き芋ペースト180g
  • 生クリーム(乳脂肪低め35%)15g

焼き芋ペーストに生クリームを加えることで、よりしっとりとなめらかな口当たりになります。焼き芋自体がもともと繊維質を多く含んでいるため、そのままでは少し重たくなりがちですが、適量の生クリームを混ぜることでクリームとしてのまとまりがよくなり、仕上がりの一体感が増します。ヘラや泡立て器を使いながら、丁寧に混ぜてなめらかにしていくのが美味しく作るコツです。焼き芋特有の甘みを生かしつつ、クリームとしても食べやすい柔らかさになるように調整していきます。

生クリームはしっかりと冷やした状態で泡立てることで、ふんわりとした軽やかな口当たりになります

次に、生クリームの配合です。

  • 生クリーム(乳脂肪低め35%)300g
  • グラニュー糖30g

生クリームはしっかりと冷やした状態で泡立てることで、ふんわりとした軽やかな口当たりになります。砂糖の量を調整することで甘さのバランスをとり、焼き芋クリームの風味を引き立たせる仕上がりを目指します。泡立てすぎると分離してしまうため、しっかりとツノが立つ直前の、なめらかな状態をキープするのが理想的です。

こうしてシュー生地、クッキー生地、そして2層クリームの準備がすべて整いました。

絞る際には、生地の形が均一になるように力加減を意識しながら、丸くふっくらと仕上がるように丁寧に絞り出すのがポイント

ベース生地の準備が整ったら、いよいよ鉄板の上に絞り出していきます。今回は大きめのシュークリームを作るため、約7個分の量を絞り出していきます。絞る際には、生地の形が均一になるように力加減を意識しながら、丸くふっくらと仕上がるように丁寧に絞り出すのがポイントです。生地の厚みが偏ると焼き上がりの膨らみ方にも影響が出るため、一つひとつのサイズをできるだけそろえておくと、仕上がりが美しくなります。

ベース生地には少し大きめの口金を使うことで、安定した形に仕上がりやすくなります

次に、ベース生地の上にクッキー生地を絞っていきます。ベース生地には少し大きめの口金を使うことで、安定した形に仕上がりやすくなります。対してクッキー生地は小さめの口金を使うほうが、全体のバランスが良くなり、きれいに絞ることができます。

クッキー生地を乗せることで、焼き上がったときに表面がパリッと割れ、シュー生地がきれいに膨らみながら仕上がります

クッキー生地を乗せることで、焼き上がったときに表面がパリッと割れ、シュー生地がきれいに膨らみながら仕上がります。この工程を丁寧に行うことで、外はサクッと香ばしく、中はもちもちとした絶妙な食感のシュークリームになります。

シュー生地をしっかりと膨らませ、大きく持ち上げるための工程になります

鉄板に並べたら、いよいよオーブンへ入れて焼成していきます。上火と下火が調整できるオーブンがあれば、最初に下火を強めに入れ、180℃で15分焼いていきます。この最初の段階では、シュー生地をしっかりと膨らませ、大きく持ち上げるための工程になります。膨らむ前に表面が固まってしまうと、生地が十分に膨らまず、ふんわり感が損なわれてしまうため、下火で生地の中の水分を蒸発させながら膨張を促していきます。

しっかりと膨らんだのを確認したら、次は上火を入れ、180℃でさらに15分焼いて全体に焼き色をつけていきます

しっかりと膨らんだのを確認したら、次は上火を入れ、180℃でさらに15分焼いて全体に焼き色をつけていきます。この段階でクッキー生地にも香ばしい焼き色がつき、よりサクサクとした食感に仕上がります。温度を適切に保ちながらじっくり焼き上げることで、内側はもちもち、外側はパリッとした、食感の違いが楽しめるシュー生地が完成します。合計30分間しっかりとオーブンで焼き上げたシュー生地は、ふんわりと膨らみ、クッキー生地の割れ目が美しく広がった理想的な仕上がりになります。焼き上がったシュー生地が冷めたら、底面に穴を開け、いよいよクリームを詰めていきます。クリームを絞る順番は非常に重要です。まず、最初に生クリームを入れてから、その上に焼き芋ペーストクリームを詰めていきます。焼き芋ペーストクリームは生クリームよりも比重が重いため、逆に入れてしまうと、生クリームと混ざりやすくなり、きれいな2層にならないことがあります。そのため、生クリームを先に入れた後、ゆっくりと焼き芋クリームを重ねるように詰めていくことで、層がしっかりと分かれ、断面が美しく仕上がります。

すべてのクリームを詰め終えたら、あとは割って仕上がりを確認してみましょう。中を割ると、サクッとしたクッキー生地ともちもちのシュー生地が重なり、その間に2層のクリームがぎっしり詰まっているのがわかります。

実際に食べてみました

一口目に感じたのは、クッキー生地のサクサクとした心地よい食感

焼き上がったシュークリームをじっくりと冷やし、ついに実食です!まず、一口目に感じたのは、クッキー生地のサクサクとした心地よい食感です。焼成の過程でクッキー生地が均等に広がり、きれいに割れているため、最初に口に入れたときの印象がとても軽やかでした。クッキー生地の香ばしさが口の中で広がり、その後に続くのがベースのシュー生地の食感です。タピオカ粉を加えたことで、サクサクとした中にほんのりとしたモチモチ感が感じられ、この対比がとても面白い仕上がりになっています。焼き立ての状態では、シュー生地のもちもち感がそれほど強く感じられなかったのですが、冷蔵庫で冷やしてから食べてみると、モチモチとした食感がはっきりと感じられるようになりました。この変化はタピオカ粉の性質によるものなのかもしれません。シュー生地が一度冷やされることで、タピオカ粉の粘りがより引き立ち、もちもち感が増しているように思います。

「もっとモチモチとした食感を強くするには、タピオカ粉を増やせばいいのでは?」と考え、実際に試してみたところ、確かにモチモチ感は格段に強まりました。しかし、その反面、シュー生地の扱いが難しくなり、絞り袋から絞り出す際に思うように形が整わなくなりました。ちょうどお餅のような弾力のある生地になってしまい、絞り袋から出したあと、切り離すことが難しく、手を使ってカットしなければならないほどの粘りが出てしまいました。やはり、モチモチ感と成形のしやすさのバランスを考えることが重要であり、タピオカ粉の量は慎重に調整する必要がありそうです。

焼き芋の甘さと香りを引き立たせるため、焼き芋ペーストクリームには砂糖を加えず、乳脂肪分が低めの生クリームを少量加えることでなめらかさを出しました

次に、クリームの味わいについてですが、焼き芋の甘さと香りを引き立たせるため、焼き芋ペーストクリームには砂糖を加えず、乳脂肪分が低めの生クリームを少量加えることでなめらかさを出しました。その結果、焼き芋本来の優しい甘さが際立ち、後から生クリームのコクとミルキーな風味が追いかけてくるような味わいに仕上がりました。もう一つの生クリームは、乳脂肪分の低めのものを使用し、砂糖の量も最低限に抑えました。そのため、全体的に甘さが控えめでありながら、焼き芋の風味を損なうことなく、自然な甘みを楽しめる仕上がりになっています。

焼き芋の自然な甘さと生クリームのまろやかさが調和した、絶妙なバランスのシュークリーム

この2種類のクリームが合わさることで、それぞれの味が引き立ち、焼き芋の自然な甘さと生クリームのまろやかさが調和した、絶妙なバランスのシュークリームが完成しました。コンビニで販売されているもちもち&2層クリームのシュークリームと比較すると、焼き芋ペーストを手作りしている分、よりナチュラルで素材の良さが活かされた味になっているかもしれません。市販品と違い、焼き芋の品種やペーストの濃度を調整できるため、より自分好みの味に仕上げることができるのも、自家製ならではの魅力だと感じました。
一見、難しそうに思えましたが、実際に作ってみると、意外と手順はシンプルで、ポイントを押さえれば誰でも楽しみながら作ることができそうです。特に、もちもちとした食感のシュー生地と、焼き芋クリームの組み合わせは大好評でした。普段のシュークリームとは違った味わいを楽しめるので、新しいスイーツを作る感覚で挑戦してみるのも面白いかもしれません。ぜひ、このレシピを参考に、自宅で試してみてください!