寒さが深まる季節、焼き芋は心も体も温めてくれる冬の国民的スイーツです。その中でも群を抜く甘さとねっとりとした食感を誇るのが安納芋ではないでしょうか?。生芋の状態でも糖度16度前後と高い甘みを持つ安納芋は、焼くことで糖度40度を超えることもあり、口の中でとろけるような「蜜芋」の美味しさを楽しめます。そんなねっとり系さつまいも品種の安納芋を使って焼き芋を作った時に「甘みが足りなかった」「ねっとり感が出せなかった」といった経験はありませんか?安納芋の焼き芋は、適切な温度と焼き方で驚くほど甘く仕上がり、専門店にも負けない味わいを再現できます。この記事では、安納芋の焼き芋を何十回と焼いてきた筆者が安納芋を最大限甘くし、蜜が溢れる焼き方のポイントをわかりやすく解説します。過去の安納芋の焼き芋記事を参考にしながら理想の焼き芋を焼く秘訣を教えます。蜜が溢れる焼き芋の焼き方を知ることで、冬のひとときがもっと特別な時間になるはずです。この焼き芋の焼き方で絶品焼き芋で贅沢でリッチな甘さを堪能してみませんか?
安納芋とは?
安納芋は、鹿児島県種子島の安納地区を中心に栽培されている糖度の高いさつまいもで、強い甘みと濃厚でねっとりとした食感が特徴です。第二次世界大戦後にスマトラ島から伝わり、種子島で品種改良が行われ、1998年に「安納紅」と「安納こがね」が正式に品種登録されました。糖度は生の状態で16度前後と非常に高く、加熱するとさらに甘みが増し、焼き芋にした際には糖度が40度近くに達するため、「蜜芋」の代名詞ともされているさつまいもです。安納芋の果肉は鮮やかなオレンジ色で、βカロテンやビタミンC、食物繊維が豊富に含まれ、栄養価の面でも注目されています。旬の時期は、産地によっても異なりますが10月~2月くらいです。安納芋は、焼き芋として甘さやねっとりとした食感を楽しむのが一番美味しい食べ方かもしれませんが、スイートポテトやタルト、和菓子、さらには料理の素材としても活用されるなど、多彩な用途でも人気のあるさつまいもです。安納芋魅力で国内外で人気が高まり、地域ブランドとしても種子島を代表する特産品になっています。
安納芋の産地としての五島列島
五島列島は、鹿児島県種子島を発祥とする安納芋の新たな生産地として知られており、特に長崎県五島市(福江島)がその中心地です。五島市(福江島)では有機栽培が積極的に行われており、化学肥料や農薬を使用せず、環境に配慮した農法で安納芋を生産しています。この地域特有の赤土を含む粘土質の土壌はミネラルが豊富で、安納芋の栽培に非常に適していることが特徴です。
さらに、海に囲まれた五島列島ならではの昼夜の寒暖差が大きい気候が、さつまいもの糖度を高め、濃厚な甘さを生み出しています。自然豊かな環境と丁寧な栽培方法が、五島列島産安納芋の高品質を支えています。
安納芋の焼き芋の時期
安納芋の焼き芋は、何十回も焼いてきました。その中で「お!これは良いかも」や「美味しかった」というものだけを記事として「五島商店佐藤の芋屋」に投稿してきています。と言うのも「五島商店佐藤の芋屋」は、株式会社アグリ・コーポレーションが運営しており、その株式会社アグリ・コーポレーションは、有機栽培(有機JAS認定)で安納芋やふくむらさきを栽培から加工まで一気通貫で同一会社で行っています。そのような…分かりやすく書くと安納芋のプロが運営しているメディアで中途半端な安納芋の焼き芋の話は書けないということでした。と言っても安納芋にも旬の時期があります。今では、焼き芋、冷やし焼き芋は1年中、買うことが可能で、近所のコンビニでも簡単に手に入れることが出来ます。その安納芋の時期は、8月のお盆明けに「試し掘り」ということを行い、まだ肌寒い時期の4月上旬に定植した安納芋がどうなっているかな~?ということで行う作業なのですが、これは別で記事にしていますので気になる方は覗いてみてください。その「試し掘り」が終わり、安納芋の状態により多少前後するようなのですが9月中旬から収穫が始まります。安納芋は収穫後、すぐに出荷するのではなく、ある程度の期間、貯蔵してから出荷が始まり、10月下旬くらいからそれはそれは物凄い量の安納芋やふくむらさきが五島列島(福江島)から関東、関西、九州方面へ向けて出荷していきます。冒頭にも触れました安納芋の旬の時期は10月~1月後半くらいまでになってきます。この間で何回、安納芋の焼き芋が作れるのか?試せるのか?が勝負(なんの勝負か分かりませんが)になりますので、実は結構、期間が短いのです。その中で過去、「これは!」と言う完成度が高かった安納芋の焼き芋の焼き方を簡単に紹介しておきます。
安納芋をいよいよオーブンで焼く工程に入ります。オーブンの温度は、約140~150℃に設定しました。時折オーブンを開けて外気を入れ、温度を調整しながらじっくりと焼き上がるのを待ちます。今回使用した安納芋は小さめサイズなので、約60分で焼き上がるはずです。低温でじっくりと加熱することで、安納芋の甘さがさらに引き出され、しっとりとした食感が楽しめる仕上がりになりそうですね。低温で加熱するということで最初60℃とか80℃とかで加熱しようとしましたが…これ…方法が違うのかもしれませんが、全く焼き芋になりませんでした。
焼き上げた安納芋の余熱をしっかりと取った後、今度はアルミホイルで1本1本、丁寧に包んでいきます。こうすることで、芋の水分が逃げず、しっとりとした状態を保つことができます。アルミホイルに包まれた焼き芋が並んだ様子は、こんな感じになります。手間をかけて仕上げた安納芋が、この後どのように仕上がるのか、楽しみですね。
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今まではこの「アク抜き(2時間)」→「塩を入れて浸す(2時間)」→「140℃で直接オーブンに入れて60分焼く」→「アルミホイルで包んで冷凍庫で48時間冷凍」→「アルミホイルで包んだまま冷凍状態で160℃で60分焼く」この方法が1番かと思っておりました。一つだけ問題点をあげるとすると「時間がかかりすぎる」ではないかと思います。そんな時間がかかるを解消したのがこの焼き方でした。
確かに専門の機械や時間をかけて焼いた焼き芋には敵わないかもしれませんが、電子レンジにありがちな「パサパサで美味しくなかった」「硬くなってしまった」といった失敗も少なく、手軽に美味しく仕上げる裏技です。
用意する物は
- キッチンペーパー
- ラップ
- 竹串
のみです!
1.安納芋は皮付きのままよく洗い、竹串で全体を刺す。
2.キッチンペーパーを濡らして絞り、安納芋を包む。
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電子レンジを使用した安納芋の焼き芋は料理研究家にお願いして考えてもらった方法です。電子レンジで安納芋に限らず焼き芋を焼くとパサパサになりやすいことで時短で済むけどあまり美味しいのが出来ないと相談しましたら「安納芋は皮付きのまま竹串で全体を刺す」→「キッチンペーパーをたっぷり濡らして安納芋を包む」→「ひたひたのキッチンペーパーのまま耐熱皿に置いてラップをかける」→電子レンジで500Wで4分で出来上がり。こんな早く焼き芋が作れます。電子レンジでパサパサにならないように焼き芋を作るコツはキッチンペーパーの水分を搾り過ぎない…これだそうです。安納芋とは?でも説明していますが安納芋というさつまいもの品種は、水分が多く含んでいる品種です。その水分があるからオーブンで焼き上げた時に「ねっとり」、「しっとり」とした食感の甘い焼き芋になるのです。ということでここからが本題になります。
殿堂入り間違い無しの焼き芋レシピ
過去、これが1番と思っていたものが今回の安納芋の焼き芋レシピを知ると…。実際に、出来た安納芋の焼き芋を食べた感想も「今回の1番!ねっとり仕上がるレシピ」でした。
1.土付きの安納芋は以前、違う記事でスーパーマーケットや通販で買うときは「土付き」と書いていた通り、今回も土付きの安納芋です。
2.安納芋をまずは土を落とす為に丁寧に洗います。安納芋は皮が薄いので雑に洗うと所々、皮が剥けてしまうので要注意です。
3.洗い終わったら安納芋の両端を少し大きめにカットします。これはアク抜きの時間を短縮する為です。
4.安納芋の両端をカットしましたら水に浸します。ここで少量の塩を入れると安納芋の個体差が無くなります。このまま、30分程度、水に浸してアクを抜きます。塩を入れると焼き芋が美味しくなるという記事はこちら
5.ここまでは然程変わらないのですが、ここから大きく変わります。安納芋をアルミホイルで包みます。ポイントは、ぐるぐるに巻くのではなくアルミホイルは安納芋を一回りするくらいにしてください。安納芋を並べた鉄板の下にもう一枚鉄板を入れます。ご家庭だと耐熱皿の下に大きめの耐熱皿を敷くという感じになります。この下の皿には、水を入れます。量は皿から水が溢れない程度にしてください。この状態で160℃のオーブンへ。90分入れます。ご自宅のオーブンがスチームコンベクションオーブンの場合は、スチームを入れて160℃で90分、オーブンへ入れます。
6.160℃で90分、オーブンで焼き終わりましたら一旦、オーブンの電源を落とします(電源を切ります)。オーブンの予熱が残った状態の中、焼き芋は取り出さずにこのまま30分放置します。オーブンの温度はどんどん下がり最後には100℃を切り90℃や80℃くらいになるはずです。
7.オーブンの予熱で30分放置した焼き芋を取り出すと今まで見たことがない光景が鉄板や皿の上で展開されているはずです。画像のようにアルミホイルから蜜がたっぷり滲み出てきているはずです。
焼き芋をひっくり返すとこんな感じに全ての安納芋の焼き芋から蜜が溢れていると思います。
では火傷に注意しながら安納芋を包んでいるアルミホイルをゆっくり外していきます。アルミホイルを外してみると中にも蜜がびっしり溢れているのが分かると思います。
出来上がりはこんな感じになります。熱々でピントが合ってないのもありますが、食べてみると「ねっとり」&「しっとり」そして「甘~い」。まさに安納芋の代名詞の蜜芋という感じに仕上がっています。今回は時間も比較的短く、蜜が溢れる安納芋らしい焼き芋を作ることが出来ました。
この蜜が溢れる安納芋の焼き芋レシピ。是非、ご自宅でチャレンジしてみてください。たぶん、ねっとり系さつまいもの焼き芋なら全てこの焼き方で蜜が溢れる焼き芋になるはずです。一応、次回は、他のねっとり系さつまいもを使ってチャレンジしてみたいと思います。
まとめ
安納芋は、その甘さとねっとりした食感で多くの人を魅了するさつまいもです。生の状態でも糖度16度以上を誇り、焼き上げることでさらに甘みが引き出され、糖度40度近くにもなることから「蜜芋」とも称されています。その濃厚でとろけるような美味しさは、まさに冬の贅沢といえます。しかし、家庭で焼き芋を作る際に「甘みが足りない」「しっとり感が出ない」という方の為にこの記事では、安納芋を何度も焼いてきた経験から編み出した、甘みを最大限引き出し、蜜たっぷりの焼き芋に仕上げるレシピを詳しく解説してきました。是非、この焼き芋の焼き方(焼き芋レシピ)を参考に焼いてみてください。このレシピより凄いのが出来たというレシピがあれば教えてくださいね。それを元に更に焼き芋の焼き方を研究したいと思っています。