ふくむらさきと種子島紫の特徴と違いとは?希少品種種子島紫と新品種ふくむらさきの味、糖度、栄養価、旬の時期の違いを徹底解説

さつまいもの美味しい季節の到来です。皆様も良くご存じのさつまいもは、特に秋冬に食べたくなりますよね。さつまいもを使った料理と言えば、スイートポテト、レンジ甘露煮、大学芋、塩バター炒め、紫芋モンブランなど、様々な料理が思い浮かぶと思います。料理の内容によっては、使用するさつまいもの品種と料理との相性の良し悪しがあるでしょう。ホクホク系のさつまいもと相性の良い料理や、その鮮やかな色味を活かして紫芋を使うこともあるでしょう。今回は、そんな数あるさつまいもの中でも、紫芋を取り上げたいと思います。さらに、紫芋の中でも注目度の高い「種子島紫」と「ふくむらさき」について、それぞれの特徴や違い、おすすめの食べ方についてご紹介したいと思います。

ふくむらさきはどんな紫芋?

ふくむらさきのルーツ

ふくむらさきのルーツ

「ふくむらさき」は、農研機構・九州沖縄農業研究センターによって開発されました。糖度が高く食味に優れた黄色系のさつまいも「九系255」と、紫芋の代表格ともいえる「パープルスイートロード」を交配して作られた紫芋で、2021年に登録されたばかりの新しい品種です。一般への苗の供給は、2019年から民間の種苗会社などを通して始まっています。さつまいもの産地として有名な茨城県を中心とした関東地方をはじめ、九州地方などの様々な地域で生産されているようです。名前の「ふく」は、「福」の意味を持ち、その美味しさから食べた人を幸福にしてくれるでしょう。

ふくむらさきの見た目の特徴

ふくむらさきの見た目の特徴

ふくむらさきは、一般的なさつまいもと似た形をしています。でこぼこの少ない、きれいな紡錘形です。皮の色も、さつまいもらしい紫色をしています。中はもちろん紫色なのですが、その色は、親であるパープルスイートロードよりも濃い紫色をしています。他の紫芋と同じく、この紫色の正体は、やはりアントシアニンによるものです。

ふくむらさきの味の特徴と旬の時期

ふくむらさきの味と特徴

ふくむらさきの特徴といえば、なんといってもその糖度です。甘いさつまいもとして有名な紅はるか並み、と評される糖度に驚かれる方も多いのではないでしょうか。さらに、食感もしっとりしていて、焼き芋にしても美味しい紫芋として注目を集めています。優れた食味をお菓子作りに活かしても良いですが、まずは、ふくむらさきの焼き芋を楽しんでいただきたいですね。
十分な大きさに成長させるため、早掘りを避け、10月下旬から1月にかけてが収穫の時期と言われています。追熟期間を考えると、旬の時期としては11月中旬から1月下旬、2月頃までになると思われます。

種子島紫はどんな紫芋?

種子島紫のルーツ

種子島紫のルーツ

「種子島紫」は、その名の通り、種子島で古くから栽培されてきた在来種です。以前は、防疫上の理由により、青果として種子島の外へ持ち出すことができませんでした。しかし、2000年に解禁されたことにより広く注目を集め、種子島以外でも生産されるようになりました。とは言え、なかなかスーパーなどではお目にかかる機会は少ないと思います。入手するには、ネット通販でお取り寄せをした方が良さそうです。種子島紫の選抜育成品種は「種子島ゴールド」として品種登録されており、また、「島むらさき」という商標にて販売されているようです。これらの名前も見逃さないようにしてくださいね。

種子島紫の見た目の特徴

種子島紫の見た目の特徴

ずんぐりとした短紡錘形をした種子島紫。皮が白っぽく、一見すると、さつまいもや紫芋とは思えないかもしれませんが、中はきちんと薄紫色をしています。加熱すると、その紫色はより鮮やかになります。この紫色は、ポリフェノールの一種であるアントシアニンによるものです。アントシアニンには抗酸化作用があり、目や体の老化防止などの効果が期待できます。一般的なさつまいもがもつ、ビタミンや食物繊維などに加えてアントシアニンも含んでいる、嬉しい食べ物と言えるでしょう。

種子島紫の味の特徴と旬の時期

種子島紫の味と旬の時期

紫芋の中でも、種子島紫は、その強い甘味が特徴と言われています。そのため、加工品として用いられることの多い紫芋において、種子島紫は焼き芋として楽しむことができます。もちろん、スイートポテトやお菓子の材料として使われることもあるようです。収穫時期は、概ね10月上旬から11月下旬ごろです。しかし、収穫後2〜3週間追熟することによって美味しくなるため、食べ頃になるのは10月下旬から1月ごろと言えるでしょう。

ふくむらきと種子島紫の違いまとめ

ねっとり糖度の高い新品種ふくむらさき

「ふくむらさき」と「種子島紫」は、どちらも個性豊かな紫芋ですが、その特徴や歴史には大きな違いがあります。 まず、ふくむらさきは2021年に新しい品種登録された品種で、九州沖縄農業研究センターによって開発されました。糖度が非常に高く、紅はるかに匹敵する甘さとしっとりした食感が特徴です。外皮はさつまいもらしい紫色で、果肉の紫色は親品種のパープルスイートロードよりも濃く、焼き芋にするとそのねっとりとした甘さが際立ちます。旬は11月から2月頃で、焼き芋やお菓子作りに最適です。

見た目はさつまいもに見えない種子島紫

一方、種子島紫は古いから種子島で栽培され続けてきた来種で、その歴史は長く、2000年に疫病規制が解除されるまで種子島の外では流通しませんでした。一見すると、さつまいもや紫芋とは思えないかもしれませんが、中はきちんと薄紫色をしています。加熱すると、その紫色はより鮮やかになります。種子島紫もポリフェノールの一種であるアントシアニンを多く含むため、健康効果も期待できます。 強い甘味を持ち、焼き芋としても楽しめるほか、加工品やスイーツにも向いています。旬は10月下旬から1月頃で、特に追熟後の味わいが引き立ちます。

紅はるか並みの糖度とねっとり食感のふくむらさき

ふくむらさきは新しい品種で糖度の高さと濃厚な味が特徴、種子島紫は伝統的な在来種で甘味と独特な見た目が魅力です。どちらもスーパー等では簡単には見つからない品種ですが、見つけた時は、即買いをおすすめします。是非!二つの紫芋の味、香りの違いを味わってください。購入する場所としてはネット通販がオススメです。