紅芋と紫芋の違いとは?さつまいもと紅芋の違いとは?紫芋の特徴や産地、紅芋の特徴や産地、紅芋が流通しない理由、アントシアンはどっちが多く含んでいる?甘さは?を徹底比較

皆さんはさつまいもはどのくらい好きですか?焼き芋にしたり、煮込んだり、揚げたりと、さまざまなレシピがあるのがポイントですが、さつまいもには中身が紫色をした紫芋もあります。さらに、紫芋の他に紅芋というものがあるのをご存知でしょうか?「紫芋も紅芋も同じ紫色の芋なんだから、大した違いはないんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、実は同じ紫色でも品種は全く違うのです。それでは、紫芋と紅芋の違いについてご説明しましょう。

さつまいもの紫芋とは?

さつまいもの一種である紫芋とは、ナス目ヒルガオ科サツマイモ属に分類されるもので、スーパーや八百屋などで見かけることがあると思います。さつまいもの中身には黄色やオレンジ色、白色など複数の色味がありますが、紫色のさつまいもを紫芋と呼んでいます。

紫芋の特徴

紫芋の主な産地は鹿児島県、沖縄県、茨城県、千葉県、宮崎県と多くの産地で栽培されています。基本的に9月頃の秋から11月頃にかけて収穫しますが、貯蔵することで甘味が増すのが特徴です。また、紫芋には抗酸化物質をはじめとする栄養素が豊富に含まれています。たんぱく質や炭水化物、食物繊維、脂肪、マンガン、銅、鉄分、カリウム、ビタミンB6、ビタミンCなど数多くの栄養素が豊富に含まれているのがポイントです。抗酸化物質のポリフェノールが多く含まれているので、コレステロール値の健康を維持し、視力と目の健康の改善、心臓病や糖尿病のリスクの低減など、さまざまなメリットをもたらすことが期待されています。

紅芋とは?

一方の紅芋は、ヤマノイモ目ヤマノイモ科ヤマノイモ属に分類される芋で、ヤムイモの一種です。さつまいもに見えるかもしれませんが、実際はダイショと呼ばれる芋で、さつまいもと勘違いされることが多いかもしれません。しかし、この紅芋を見かけたことがないという人は多いのではないでしょうか。

紅芋の特徴

紅芋には、以下のような特徴があります。

  • ビタミンCや食物繊維が豊富に含まれている
  • カルシウムやカリウムも多く含まれている

ビタミンCは肌の老化を防ぎ、食物繊維によって腸内環境を綺麗にするので綺麗な肌を保つ効果が期待できます。また、紅芋100gあたり牛乳の3分の1のカルシウムを含んでいるため、皮ごと食べることで効率良くカルシウムが補給できます。身体になくてはならないミネラルの一種であるカリウムも含んでいるので、むくみや高血圧の改善が期待できるのもポイントです。

なぜ紅芋は流通していないの?

スーパーや八百屋などを訪れても、紅芋を見たことがないという人も多いのではないでしょうか。紅芋が流通されないのは、病害虫の蔓延を防ぐため、沖縄県産の紅芋を生のまま県外に持ち出すことが法律で禁止されているからです。紅芋に寄生するアリモドキゾウムシや、イモゾウムシなどの病害虫は、沖縄を中心に奄美大島や小笠原諸島などで発生します。これらの病害虫は芋の内部に侵入して卵を産み付ける上に、見た目で発見するのが非常に困難です。沖縄の病害虫は県外で生息していないため、すぐに対策するのが難しいです。もしも県外で繁殖されるようなことがあれば、イモ類に深刻な被害を及ぼすでしょう。そのようなことにならないために、法律で生のまま県外に持ち出すことが禁止されているのです。もちろん生のままでなければ問題ないので、加工したり、加熱調理したりした紅芋であれば、持ち出しても問題ありません。

それでは、紫芋と比較した紅芋の特徴や違いについてご説明しましょう。

紅芋より紫芋の方がアントシアニンが多い

実は紅芋よりも紫芋の方がアントシアニンが多いのをご存知でしょうか?アントシアニンとはポリフェノールの一種で、視力や視覚機能、眼精疲労の予防改善、メタボリックシンドロームや花粉症を予防する効果が期待できます。紫芋も紅芋もカロリーはほぼ同じですが、100gあたりのアントシアニンの含有量については紅芋が76.8mg、紫芋はなんと258mgも含まれているのです。つまり、紅芋より紫芋の方がアントシアニンの効果が期待できるということになります。アントシアニンによる効果を期待したいなら、紅芋より紫芋を食べると良さそうですね。

紫芋よりも紅芋の方が甘い

アントシアニンは紫芋の方が多く含まれていますが、甘さが気になる人も多いのではないでしょうか。さつまいもは貯蔵することで甘味が増しますが、どのくらい甘いのでしょうか。結論から言えば、紫芋よりも紅芋の方が甘い品種が多いです。紫芋は加熱してもあまり甘くならないので、ハチミツなどの甘味を加える必要性があります。紅芋は紫芋と比べると甘味が強いため、紫芋と紅芋を比べる際に、甘味を楽しみたいなら紅芋がおすすめです。

まとめ

さつまいもの紫芋とヤムイモの一種である紅芋は似て非なるもので、紅芋は加工や加熱調理が行われない限り、紅芋を生のまま沖縄県外に持ち出すことはできません。紫芋は広く流通しているので食べやすいですが、実は紅芋ほど甘味はありません。ただ、紅芋よりも紫芋の方がアントシアニンが多く含まれているので、甘味を感じたいなら紅芋、アントシアニンの含有量や手に入りやすさを重視するなら紫芋の方が良さそうです。