アヤムラサキはどんな品種のさつまいも?紫芋あやむらさきの特徴、苗、栽培、産地、糖度、向いている、適した料理や食べ方まで徹底解説します!

紫色のさつま芋「アヤムラサキ」をご存じでしょうか?あまり聞いたことのない方も多いかと思われます。実際、アヤムラサキそのものをスーパーで見かけることもほぼありません。しかし、アヤムラサキはスイーツや芋焼酎などを鮮やかに色づける色素として、身近でも広く使われている品種です。さらに、そのまま調理して食べても、きれいな色合いやほんのりとした甘み、そして栄養価の高さなど、魅力にあふれた食材です。そこで、この記事では、アヤムラサキの特徴や栄養価、おすすめの調理方法について詳しく解説します。

アヤムラサキの特徴は?

はじめにアヤムラサキの特徴について紹介します。

鮮やかな紫色の外見

アヤムラサキは、その名の通り紫色の外見です。皮は暗い紫色で、中身は赤に近い鮮やかな紫色をしています。加熱すると色が変化して、より深い紫色となり、その料理やスイーツは食卓をカラフルに彩ります。

高い栄養価

アヤムラサキの紫色は、ポリフェノールの一種である「アントシアニン」によるものです。アントシアニンは、抗酸化物質が豊富であり、目や身体の老化防止に欠かせない栄養素とされています。また、カリウム、カルシウムなどのミネラルやビタミンも豊富で、高い栄養価を持っています。

控えめな甘み

アヤムラサキはさっぱりとした甘みと、ほくほくとした食感が特徴です。一般的なさつま芋に比べて糖質が少なくカロリーも低いので健康的と言えるでしょう。

苗や栽培について

アヤムラサキは、世界初の「色素用品種」として、農林水産省と民間企業が共同育成した品種です。「九州109号」と「サツマヒカリ」を掛け合わせて生まれ、平成7年に命名登録されました。
さつまいもの交配は、甘みを引き出すためにでんぷん質を増やすことを目的としたものが大多数ですが、このアヤムラサキは、より美しい色素を抽出する目的で作られました。他の紫芋よりも色素が多くなるように改良された品種であり、皮だけでなく、中身まで紫色をした見た目が特徴です。この色素は、加熱や加工をしても色栄えが非常に綺麗なため、食品や化粧品などに利用される天然色素として注目されています。色の濃さ、美しさを重視した品種のため、近年開発された他の品種と違い、甘みが強くなく、さっぱりした甘みを持っています。

アヤムラサキの主な産地と栽培の特徴

アヤムラサキは、鹿児島県などの南九州や沖縄県といった、温暖地域での栽培に適しています。アヤムラサキは、大きく育ちやすい品種ですが、両端と中心部で太さが不均一になりやすいほか、くびれや曲がりなども起きやすいので、形状が不揃いになりがちです。収穫時の取り扱いが難しいこと、無骨な形のものが多いことが、収穫や流通の問題点とされています。

適した料理について

アヤムラサキは、ジュースやおやつ、焼酎、漬物など、鮮やかな色を生かした加工食品として多く利用されていますが、ご自宅で調理してもおいしく食べられます。スーパーでは手に入りづらいですが、ネット販売を利用すれば入手可能です。アヤムラサキは焼いたり蒸したりなど、加熱すると甘みや色合いがより一層際立つため、その特徴を生かしたおすすめの調理方法を紹介します。

スイーツ

スイートポテトやモンブラン

さつまいもをペースト状にしてつくるおやつは、色の美しさを際立てるのでおすすめです。甘みが強すぎないので、お好みの甘さに仕上げられます。

さつまいもチップス

薄切りを素揚げしたり、オーブンで焼いたりすると美しい色合いがそのまま楽しめるのでおすすめです。

チーズケーキ

クリームチーズの中にアヤムラサキのペーストを混ぜ込むと、華やかな見た目と、ほんのり感じる甘みがよく合います。ベイクドチーズケーキにもレアチーズケーキにもおすすめです。

パンケーキやドーナツ

生地にペーストを練りこむようにすると、きれいな紫色に仕上がります。アヤムラサキの芋独特の風味を楽しめます。

おかず

ポテトサラダ

あざやかな紫色のサラダが作れます。いつものポテトサラダとは色合いや味わいが異なるため、目新しさがあるほか、他のグリーンの野菜と合わせると食卓に彩りが添えられます。

グラタン

ペースト状にしたものを、クリームソースと混ぜてからオーブンに入れるだけで、見た目にも楽しい紫のグラタンが完成します。

天ぷら

色味が美しく映える調理法です。さつまいも天の独特の甘みが苦手な方でもさっぱり食べられます。

まとめ

アヤムラサキの特徴や栄養価、おすすめの調理方法を紹介しました。アヤムラサキは、その美しい紫色と独特の甘み、そして豊富な栄養価によって加工食品としてだけでなく、そのまま食べるのにもおすすめの品種です。強い甘みが特徴であるねっとり系やしっとり系のさつまいもが苦手な方や、カロリーを気にされる方にとっても、さつまいもの印象をアップさせることができるでしょう。ぜひ、アヤムラサキを活用して、普段の食卓に彩りを加えてみてください!